アニメーションでもAIを使ってみた話
ふたさこのサクフウです。
前回の記事からの続きになります。
読んでない人はまずはそちらから見ることを絶対におすすめします。なんせアニメーションがあります。
というわけで前回アニメーションを投稿しましたがその制作は今までと少し違うものになりました。
お絵描きAIの導入です。
今回はそのへんの所感に触れていきたいと思います。
まずは発見したことです。
発見
先に結論を言えば下書きの最終調整にAIは役に立つかもしれないということです。
そもそも今回のアニメーションはAIで遊んだときの前から制作を進めており、AIを使うつもりは全然ありませんでした。
きっかけは本当にたまたまで、制作の途中「この段階でAIに放り込んだらどうなるんだろう?」と思ったのが始まりです。
そしてこれがこの段階です。
これは今回のアニメーションの下書きになります。
絵としてはほぼ完成に近くあとは線を整え服を被せればアニメーションで使える段階になります。
まぁおっぱいの形が悪いですが大まかに形がとれてたらそれで良いです。
おっぱいは最重要部分なので次の段階である"線を整える作業"でどうとでもします。
そしてこれらがこの絵をもとに生成された画像の一部になります。
どうにもやはり顔が難しいらしく元絵でここまではっきり描いているにも関わらず崩れることが多い印象でした。
なんならメガネっぽいのをかけてる個体までいます。全くその発想はありませんでした。メガネをかけたマイザ、良いと思います。
今思いついたのでもうやりませんがメガネをかけた差分も作るべきでした。
と、思いましたがやっぱり作りました。既にメガネ差分も追加したアニメーションビュワーに全て差し替えてあります。
よかったらこちらの記事でダウンロードしてみてください。
それはともかく、こんな感じの画像を生成して遊んでいたのですがそれらを眺めてみるとあることに気が付きました。
恐らく描いてる本人だから気になる細かいことなのですが、元絵より生成された画像のほうが肩まわりがいい感じに思えました。
AIにとって認識しやすいのでしょうか?どうも肩まわりに自信を感じますし、実際生成した画像のように描いたほうが見栄えがいいなと感じます。
本来はもうこの段階はやりきっていたので次の段階に進める予定でしたがAIが生成した画像を参考に肩周りを修正し、線を整えました。こんな感じです。
改めて下書きと見比べてみてください。
この下書きからは上のような肩周りにはなり得ません。
といってもちょっと細かすぎるかもしれません。
しかしながらAIがこういう細かい正解を導き出すのが得意だとしたらそれは私にとって大きな利用価値です。
顔やおっぱい、全体のバランスに比べたら肩まわりは力をかけたくない部分です。
なぜなら多くの人はそんなに見ないからです。
単純なリソースマネジメントとして肩まわりに手間をかけるなら少しでも顔を良く見せたほうが絶対いいです。
しかしそういう細かいところをうまく描ければ全体の印象に安定感が増します。でも手間は増えます。
そんなジレンマをAIが最小限の手間で解決してくれるとしたらこんなに良いことはありません。
そして今回AIは解決してくれたと私は感じています。
このように多くの人に手軽な恩恵をもたらすものではありませんが今回私にとって大きな発見となりました。
なお、一番わかりやすいので肩まわりを例にしていますが首のラインや足首周りも参考にして今回のアニメーションが作られています。
今のところ私がAIに感じているのはある程度完成した絵に細かい見栄えをAIで補充する使い方が自分の個性とAIの利点を両立させる良いやり方なのではないかなと思っています。
同様の視点で光の当たり方やその色選びもAIから見栄えの良さを取り入れています。
もとからシンプルな塗りを予定していたので微々たる差ですが少しでも見栄えが良いに越したことはありません。
例えば肌が元の想定していた色よりさらに美肌に表現できています。
AIが生成する女の子はどれも美肌っぷりが凄いので取り入れてみました。
具体的にはより美しくみえるように光の当たり方を一段強くしています。またハイライトもAIを参考に小さく抑えめにすることでより肌のツヤ感が出ています。
さて今回、これで気をよくした私はもう少しAIを使ってみることにしました。
本来は予定になかったのですが背景を追加し、それをAIに任せてみることにしました。
AI利用:背景編
AIに背景を任せるにあたって最も望ましい結果は簡素なラフから充分なクォリティがあるように見える背景が生成されることです。
手始めにこのような背景のラフを読み込ませてみました。
ちょっと薄暗い路地裏のイメージです。そういうのが生成された万々歳ですがどうなるでしょうか?
生成された画像の一部を紹介します。
さすがにちょっと簡素すぎたようです。
また色の選び方を失敗しました。コンクリートの壁ようなものばかりです。一応ファンタジー世界なので今回は使えません。
なのでAIに詫びを入れつつ次の読み込む画像を用意します。
この失敗で学んだのはある程度具体的なモノを入れたほうがいいこと。そして色選びです。AIはかなり色に引っ張られるようです。
そうして用意した次の元画像はこちら。
もうかなり完成品に近いです。
ぶっちゃけいつもならこれを背景に使います。
そうしてこの元画像でAIに生成させたところほぼイメージどおりのばかり生成されました。
なので実際に使われたものだけ紹介します。
さてかなりそれっぽいですがひとつ問題があります。
こちらをご覧ください。
背景にキャラをそのまま乗せたものです。
ご覧の通りキャラが背景から浮いているように感じると思います。
と、思っていたのですが今見るとそうでもないような気もします。
……
ともかく今回この修正が結構手間でした。
浮いてるように見える原因は3つあります。
1:背景とキャラが当たる光の強さが違いすぎる
2:背景とキャラの光の当たり方が違う
3:キャラが落とす影が背景にない
1に対しては背景にやや明るいフィルタをかけることで対応できました。本当ならキャラのほうも明るさを調整して少し暗くするべきでしたが元のままのほうがやはり見栄えがいいので妥協しました。
2に関して。キャラの光の当たり方を修正することは1コマずつ影を入れ直すことを意味します。つまり作業負荷で私が即死します。
なのでそれは避けて背景からアプローチするしかありません。
そうなると元画像を修正し再びAIに画像生成をかけることになります。
しかしそれはそれでめんどくさいので今回はキャラと背景が同じ方向から光を受けてるように見せかけることで強引に解決しました。
具体的には上のほうを暗くすることによってキャラと背景が同じ方向から光を受けている感じを出しています。
こちらが完成品の画像です。
キャラと背景が同じ方向からスポットライトを受けてるように感じるかと思います。
そして最後に3の問題。
強引に出現したスポットライトの光の方向に合わせてキャラが落とす影を追加するだけですが結構めんどうでした。
一枚絵なら本当に追加するだけでいいですが、これはアニメーション作品です。
キャラが動くなら落ちる影も動かないと違和感が凄いです。
もうこれはどうしようもないので妥協と気合でやっつけました。
このようにAIで背景を生成させるのは意外とめんどくさく、制作の途中で思いつきでやっていいことではないことがわかりました。
画を設計する段階できっちり計画を立てないと手を焼きます。
また今回初めてやって分かったのですがそもそもキャラと画風が違う背景を馴染ませるのは非常に難しいです。
今回は運良く自分の中の許容範囲に収まっただけで次もうまくいくと保証出来る技術が今のところありません。
今後もAIを背景で使っていくならそれなりの勉強が必要だと感じました。
さらになんとなくの元画像ではあまり使えない画像を生成するのもネックです。
それなりに具体的な元画像を用意する手間があります。
とはいえ今回はお試しで使ってみただけなのでまだまだ試行錯誤の余地があると感じています。
さらに言えば今回はキャラの場所を大きくとる構図だったので手間の割に……という感じでしたがもっと背景のスペースがある構図であればAIはその素晴らしい画力(えぢから)を発揮すると思われます。
それでは最後に今回のアニメーション制作全体の所感をまとめて終わりとしたいと思います。
全体の所感
顔が良く描けたと思います。前回のアニメーションのとき「今までで一番顔がいいな」と思ったのですが早くも更新となりました。
そして気になるのはどんどんCi-en用のアニメーションのサイズがでかくなっていることです。
最初のアニメーションはまだ大きめのドットアニメと言い訳出来なくもなかったのですが、前回の時点で限界まで顔は青ざめており今回で決壊しました。
これはただのドット用のペンで描いたでかいアニメーションです。
とはいえ1ピクセルのでかさに悩まずに済む解放感はなにものにも代えがたくもうしばらくはやりたいようにやると思います。
あとこれまで描き続けた成果か、イラストマッスルが大きく発達して画力が上がっていってるのを感じます。
今回のようなシンプルな塗りでこれほど綺麗に描ける日が来るとは思っていませんでした。
間違いなくCi-en用アニメーション制作エクササイズのおかげであり、つまりはCi-enを初めたおかげであり、記事を見てくれる皆様のおかげでもあります。
ありがとうございます。こんなに立派なイラストマッスルが育ちました。
最後に現在メインの制作目標であるふたなりネーロエとエロトラップダンジョンver2ですがシンプルに物量が多く、ステージ制作完了は当初の一ヶ月先、11月までもつれ込む気配を感じています。
そもそもステージを作るのにどれぐらいかかるのかを知るのも目的でやっているので焦りはありませんがお待たせすることになるのは申し訳ない限りです。
頑張ります。
そういえば今回、アニメーションビュワーを作る際にまたしても自作した自動化ツールが牙を剥いたのですが叩きのめしたことを報告して終わりとしたいと思います。
以下おまけです。
AIに今回のアニメーションを1コマずつ読ませて繋げたらどうなるのか試してみました。
ほぼ自画自賛になりますがおっぱいの動きがいいです。
とはいえクォリティの高い塗りでのアニメーションはまだ少し遠い未来のように見えます。