投稿記事

TS百合堕ちの記事 (12)

レモネードオアシス 2021/09/03 11:25

TS俺が百合堕ちするまで6

いつもあたたかいご支援ありがとうございます!
今日は金曜日なので小説を更新する日です!

遥香のわざとおもらしっ!


目次

TS俺が百合堕ちするまで(カテゴリー)

この小説を最初から読む!




♂♀3章目 遥香のわざとおもらし


「すまない。私の責任だ。トイレの問題を失念していた」
「いえ……俺が……わたしが、悪いん、です……」

 誰もいない、授業中の静まりかえった廊下を、遥香に肩を貸してもらいながらやってきたのは女子トイレ。
 ……その、入り口。

「一緒に入ってやる。だから恥ずかしがることないぞ」
「は、はい……」

 返事をしながらも、やはり女子トイレに入るというのは抵抗がある。
 それでも躊躇っているわけにもいかない。
 授業が終われば休み時間になる。そうなればトイレにもたくさんの生徒たちがやってくることだろう。

「うう……。やっぱり女子トイレというのは……っ」
「女子の制服を着ているのだ。男子トイレに入ってるときに誰か来たらビックリするだろ。さて、こういうことはあまり緊張するとダメなんだ。女は度胸ってな」
「あっ」

 遥香に肩を貸され、そのまま踏み込んだ女子トイレ。
 女の子だけが踏み込むことを許された空間。
男子トイレの青いタイルとは違って、小用の便器はなく、当然のように全部が個室になっている。

「入っちゃった……。女子トイレに入っちゃったよ……」

 ふんわりと感じられるのは、男のものよりも角が取れた、それでも刺激的なアンモニア臭。
 それは長年にわたってこのトイレを使ってきた女子たちの恥水が染みこんだ香りだ。
 その香りに思わずクラッときてしまう。

「おいおい、こんなところで倒れないでくれよ。もしも倒れたら私が責任を持って介抱してやることになるからな」
「ぜ、善処します」
「その意気だ。よーしまずはショーツを降ろすか。濡れた黒タイツは脱げにくいからな。手伝ってやる」
「ちょっ、一人でできますっ」
「そ、そうか……」

 残念そうにしている遥香だけど、ここは見守ってくれていることに決めたらしい。
 千尋は個室には入らずに、遥香の前でスカートの両サイドから手を入れて、黒タイツごとショーツを降ろそうとする。
 ……が。

(せっかく会長……。遥香さんが貸してくれたショーツなのに……。1日どころか、1時間目で汚してしまうだなんて)

 それにここでショーツを脱ぐということは、汚してしまったショーツを遥香に見られるということでもある。
 それはなんだかとても情けなくて、恥ずかしいことのように思える。

(遥香さんのショーツ、汚しちゃったんだ……)

 改めて心のなかで呟くと、ぽつり。
 それは千尋にとっても意外なことだった。
 視界が急に滲むと、大粒の涙が溢れ出してきてしまったのだ。

「ど、どうした!? やっぱり1人では脱げないのか?」
「違います……ううっ。せっかく遥香、さんに……貸してもらったショーツなのに、すぐに汚しちゃうなんて……っ」
「なんだそんなこと。洗濯すればいいだろう?」
「洗濯しても……。遥香さんは嫌じゃないんですか? 俺……ううん。わたしがおもらししてしまったショーツだなんて」
「んー? 千尋はどう感じるかな?」
「えっ? わ、わたしが……?」

 一瞬、なにを言われているのか分からなくてキョトンとしてしまう。
 そんな千尋を見つめながら、遥香はその場にしゃがみこんだではないか。
 個室の外で、タイル床に膝をついて。
 更にはスカートを捲り上げて、ショーツが見えるようにして。

「しっかりと、見ているんだぞ?」

 遥香は呟くと、

「ふっ、ふうう……っ」

 呼吸を整えて息み出す。
 一体なにをしようとしているんですか?
 聞く余地もないほど、遥香は何事かに集中している。
 でも、一体なにに?
 遥香が視線を落としている先には、トイレのタイル床があるだけだ。
 ……それに。

「遥香さん……ぱんつ、見えてしまってます」
「なにを言っている。見せているのだ。しっかり見ているようにと言っただろう?」
「えっ?」

 ピクンッ、ピククンッ!
 遥香のショーツには、おまたの縦筋が食い込んでいて、痙攣する様子までも浮き上がらせていた。
 黒タイツ越しにでもその痙攣が分かってしまう。

「ンッ……ッ。なかなか、出てきてくれないものだな……。ショーツを穿いたままだと」

 このときになって、千尋は遥香がなにをしようとしているのか理解した。
 きっと遥香は、この場でわざとおもらしをしようとしているのだ。
 ショーツを汚してしまって泣いてしまった千尋のために。

「遥香さんストップ! わかりましたっ。たとえ遥香さんがおもらししたショーツでも、俺は穿きたいですっ。洗濯すれば全然平気です! 気にしません!」
「俺じゃない、わたし、だろう?」

 おしっこを出そうとして息み、顔を真っ赤にさせているというのに、遥香は余裕を持ってツッコんでくる。
 それでもお腹から力を抜くことはなかった。
 こうしている瞬間にも、ショーツを穿いたままでおしっこをしようとしている。
 そして、ついに。

「あっ……出る……出そうだ……っ」

 じゅわわっ。

 遥香の縦筋が食い込んでいるショーツに、じんわりと暗い染みが浮き上がってきたではないか。
 クロッチという、女の子の恥ずかしい染みを隠すための二重布を、そして黒タイツから滲み出してきているのは、遥香の親くらいしか見たことがないであろう聖水。

「大丈夫ですっ。わかりましたっ。俺はもう……っ、わたしは泣きませんから……っ」
「いいからしっかり見てるんだ。それにもうここまできたら……ああっ、止まらない……!」

 ジュワッ、じゅわわ……。

 黒タイツに浮き上がった染みは見る間に大きくなっていく。
 数秒間だけクレヴァスに沿って大きくなっていくと、すぐにお尻のほうへと広がっていき、

 しゅいいいいいいいいいいい……。

 ショーツのなかから、くぐもった水音が聞こえてくる。
 それは、紛れもなく女の子のおしっこをするときになる、恥ずかしい音だった。

(遥香さんもおしっこの音、恥ずかしい音が鳴るんだ……)

 女子トイレに、ツーンとしたアンモニア臭が立ち昇ってきて、音とともに脳に染み渡ってくる。
 遥香は、頬を赤らめながらも、今度はゆっくりと身体から力を抜いているようだった。
 一度出てきてしまうと、女性器というのは我慢できなくなってしまう。

「んっ、ふう……ッ。ああ……。ぱんつのなかがあったかくなってきて……太もも、撫で回されてるみたいだ……」

 しゅわわわわわわわわわ……。

 見られながらのおしっこということで音は控えめだけど、それでもそれは充分に衝撃的な光景だった。
 目の前で生徒会長がしゃがみこんで、わざとおもらしをしてくれているだなんて。

「な、なんか変な気分だな。おもらしというのは。イケナイことをしているというのに、なんか気持ちよくなってきてる……」

 しゅおおおおおおおおお……。

 遥香を中心としておしっこの大きな湖が広がっていく。

 遥香自身の上履きを浸し、すぐそばに立っている千尋の上履きまでも浸していく。
 それでも千尋はその場から後ずさりすることができなかった。
 上履き越しに感じられるのは、遥香のおしっこの体温――。

「ああぁ……。出すのに苦労してたのに……1回出てくると……はぅぅ、止まらない……ふぁぁ」

 しゅいいいいいいいいいいい……。

 ツーンとしているけど、芳醇な香りが漂う。
 それは紛れもなく会長のおしっこの匂い。
 高嶺の花の、芳醇な香り

「お尻撫でられてるみたいで……ふっ、ふうう!」

 ブルルッ!
 プッシャア!!

 遥香は大きく身震いして、最後のおしっこの一飛沫を噴き出すと、唐突におもらしを終えた。
 あとに残ったのは――。

 もわ~ん……。

 遥香に溜まっていた、恥ずかしい聖水でできた水溜まり。
 まさか遥香の体内に、こんなにもたくさんのおしっこが溜まっていただなんて。

「んっ、どうやら全部出たみたいだな」
「す、すみません……わたしのせいで……」
「気にするなよ。私が好きでしたくなったんだから。……ところで」
「えっ?」
「千尋は、私のショーツなんてもう穿きたくないと思っているのか? 洗濯したとしても、汚いと思って」
「い、いえっ。そんなことは……ない、です……」
「そうか。それでは私と同じだな。たとえ千尋がおもらししてしまったショーツだからといって、穿きたくないなんてこと、私も一片たりと思ってないぞ」

 立ち上がった遥香に、ギュッと身体を抱きしめられる。
 やはり遥香といえどもわざとおもらしに緊張したのか、身体が溶けそうなくらいに熱くなっていて、それにふんわりと甘い香りが胸元から漂ってきている。
 きっと汗をかいたのだろう。

「さて、それでは千尋のショーツを脱がしてやるから覚悟を決めるんだ」
「お、お願い……します」

 それはとても恥ずかしいことだけど、わざとおもらしをしてくれた遥香の言葉を断ることなどできるはずがない。
 千尋は、されるがままにショーツを、黒タイツごと脱がされていく。
 おしっこで濡れそぼった黒タイツは肌に密着して脱げにくくなっていて、それでも遥香はくるくると黒タイツの生地を回しながら脱がしていってくれた。

「よし。脱げたな。それでは……」

 遥香は脱がしてくれた黒タイツを一旦洗面台におくと、今度は自分のおもらし黒タイツをショーツごと脱ぎはじめる。
 ぜんぶ脱ぎきると、千尋が穿いていた下着を置いてある洗面台へと置いた。

(そうだ、おもらしした下着は俺……いや、わたしが洗わないと!)

 とっさに申し出ようと思ったけど、しかし遥香が次に手に取ったのは、千尋が穿いていた黒タイツとショーツだった。
 遥香が洗ってくれるのだろうか?
 それなら二人分の下着を一緒に洗ったほうが効率的というか……。
 そう思って、遥香の一挙手一投足を見守っていると、

「ふむ……なるほど」
 遥香は千尋のおもらしショーツを広げながら、意味深に頷いてみせる。

「あの……その、あんまりショーツの裏側をみられるのは……はずかしい、です」
「ああ、すまない。そうだよな。早く穿かないとな」
「は!?」

 驚く暇もなかった。
 なんと遥香は持っていた千尋のショーツへと、なんの躊躇いもなく脚を通してみせたのだ。

「んっ。千尋のショーツを穿きたいと言ったのは、これで嘘ではないとわかっただろう? タイツも穿いてやる」
「えっ、あっ、その……、せめて洗濯したほうが!」
「私が穿きたいのだ。だから好きにさせてくれ」

 遥香は濡れそぼった黒タイツに苦戦しながらも、キュッとしっかりと上まで上げてくれる。
 きっとさっきまで千尋の大事な部分に触れていたクロッチは、遥香の花びらとディープキスしていることだろう。

「ふふっ、千尋のおもらしショーツ、冷たいけどすぐに熱くなってきてる、ぞ?」
「遥香さん……」

 遥香は恥ずかしそうな笑みを浮かべて、頬を赤らめている。
 心なしか、涙ぐんでいるようにもみえた。
 その表情にドキッとして、じゅわり……母乳が滲み出してきてしまう。

「わ、わたしも……っ」

 千尋も、さっきまで遥香が穿いていたショーツを手に取る。
 そしてなんの躊躇いもなく穿いてみせた。
 だけどさすがに遥香の脱ぎたてで、しかもおもらししたショーツを穿くと、嫌でも身体が反応してしまうらしい。

「んっ、あっ、くぅぅ!」

 ピリリッ!
 股間から甘い電流が発せられると、

 しゅわわわわわわわわわわ……。

 間の抜けた音とともに、おしっこを漏らしてしまう。

「ああっ、すみません……遥香さんのぱんつ、汚してしまいました……」
「なにを言ってる。元からおもらししてあったんだから気にするなよ。それに千尋が穿いてくれて、私は嬉しいぞ」
「タ、タイツも!」
「おう。その意気だ。女は度胸が大事だぞ」

 遥香のおもらし黒タイツも穿く。
 濡れそぼった黒タイツが脚全体にまとわりついてきて、それはまるで遥香に優しく撫で回されているかのような、そんな錯覚に陥る。

「ううっ、遥香さんのぱんつあったかぁい……」
「おっと危ない。膝が笑っているぞ」
「あうう、すみません……」

 とっさに遥香に身体を支えられて、なんとか立ってられるくらいに膝が震えていた。
 さっきまで遥香のおまたに食い込んでいたクロッチが、千尋の縦筋へと食い込んできているのだ。
 立っていろというほうが無理だった。
 ただでさえ、女の子になってから力を上手に入れることができなくなっている。

「さて、と。今日はもう帰ることにするか!」
「えっ、まだ1時間目なのに……。あ、でも教室には戻りたくないような……」
「教室に戻っても、気まずすぎるだろう? こう言うのは時間が解決してくれるんだ。今日はサボるぞ」
「……はいっ」

 まさかの生徒会長直々のサボり宣言に、千尋は小さく頷く。
 まだ一人では立っていることができないから、遥香に身体を支えてもらいながら……。


TS俺が百合堕ちするまで7につづく!


楽しんでもらえたら嬉しいです!
この小説はDLsiteで配信中です!
感想・レビュー・高評価ありがとうございます!
励みになっています!!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

レモネードオアシス 2021/08/27 14:57

TS俺が百合堕ちするまで5

いつもあたたかいご支援ありがとうございます!
今日は金曜日なので小説を更新する日です!

教室でおもらしっ!


目次

TS俺が百合堕ちするまで(カテゴリー)

この小説を最初から読む!





♂♀2章目 女の子の尿道は太く、短い


 翌朝。
 遥香の部屋。
 ゆうべは生徒会権限で遥香の部屋に運び込まれたベッドで、別々に睡眠をとったものの、千尋は明らかに寝不足だった。

 隣のベッドから、遥香の寝息が聞こえてきていたのだ。
 ついこの前まで健全な男だった千尋にしてみれば眠れるはずもなかった。

「うう……寝不足……」
「私は一緒のベッドでもいっこうに構わなかったんだがな。そうすれば耳元で優しい子守歌を歌ってやることもできたのに」
「そんなことされたら余計に眠れませんよ……っ」
「まあ、冗談はさておき、制服を用意してあるんだ。着てくれ」
「げ」

 千尋が呻いてしまったのも無理はない。
 なにしろ、遥香が持ってきたのは当然のように女物の制服だったのだ。
 しかも、スカートはかなり短く調整されている。

「あの……本当に着ないとダメなんですか?」
「恥ずかしがることはない。まずは外見から変わっていかないとな。せっかく可愛らしいのだ。私が……きみの制服姿をみたい!」

 ……と、言ったらどうする?
 イタズラっぽく効いてくる遥香。

「そんなこと言われたら……着るしかないじゃないですか」
「ありがとう。きっと可愛いぞ」

 こうして千尋は制服を着せられることになった。
 太ももが丸見えのミニスカート。
 それに女物のブラウスにブレザー。胸元にはタイ。

「黒タイツでシックに決めるとしようか。私が使っているものだが平気か?」
「うう……むしろお願いします……。このままだと太ももが丸見えで恥ずかしすぎる……」
「それじゃあ穿かせてやる」
「お、お願いします……」

 ここまできたら黒タイツを穿くことにはなんの躊躇いもなかった。
 タイツなんて、男だったころは穿いたことがないというのに。
 こうして千尋は少しずつ女の色へと染まっているのかもしれなかった。

「ううー。タイツがぴったり、密着してきてる……」
「当たり前だ。タイツなんだから」
「それにかすかに透けているような……」
「80デニールだからな。ほどよい守備力で男どもの視線も釘付けだぞ。さて、準備はできたな。それじゃあ登校だ!」
「あっ、ちょっと待って……!」

 遥香にカバンを渡されていざ登校!
 千尋の、女の子としての長い1日が始まろうとしていた。

        ☆

「うう~。周りの視線が気になる……!」

 女物の制服に身を包んでの、初めての登校。
 女子寮を出て、噴水のある前庭を横切って昇降口へと歩くだけの短い距離が、今日に限っては長く感じられる。

 それもこれも、男子からだけではなく女子からも注目されているせいだった。
 男のチラ見は女にとってのガン見というのが、身をもって分かってしまう。

「ほら、へっぴり腰になってるぞ。あんまり腰が引けるとショーツが見えるから気をつけるんだ!」
「は、はいい!」
「あと周りの視線は気にするな。女子というのは気合を入れるためにスカートを短くするんだ。むしろ堂々と視線を受け止めてやれ!」
「そ、それはちょっと慣れないと無理……」

 隣を歩いている遥香にお尻をはたかれて、千尋はピーンと背筋を伸ばす。
 そんな千尋の太ももを、春のそよ風がイタズラっぽく撫で回していった。

「ううっ、スカートが短すぎる……! こんな布切れを巻いて外に出なきゃいけないなんて……っ」
「きみは女の子なのだ。早く慣れることだな。……と、それにしても」
「それにしても……?」
「きみ、というのは他人行儀だよな。差し支えなければきみのことを千尋……と、名前で呼んでもいいか?」
「もう好きにして下さい……」
「そうか。それはよかった。それでは千尋からは、私のことは遥香と呼んでくれ」
「ええっ、それはさすがに……!」
「同じ部屋に住んでいるのだ。いつも会長と呼ばれていては、私の肩が凝って堪らん」
「うう~……。それじゃあ、遥香、先輩……」
「うむ。いい感じだな」

 名前で呼ばれたことがそんなに嬉しいのか、遥香は上機嫌に微笑んでみせる。
 その笑顔にドキリとしてしまい、

 じゅわわっ、

 ブラの裏側で母乳が溢れ出してきたのは千尋さえも気づいて異な事だった。

        ☆

 だが……。
 事件は1時限目の国語の授業中に、少しずつ膨れあがってきていた。

(あー……。おしっこしたくなってきちゃってる……。女の子の身体だと、あんまりおしっこ我慢できないから、ちゃんとトイレ行っとかないとなー)

 千尋はノートをとりながら、呑気にそんなことを考えている。
 だけど数秒後に、不意に重大なことに気づくのだった。

(この格好でトイレって! 男子トイレ使えねええええ!!)

 そう。

 まさか女子の制服を着たままで男子トイレに入るわけにはいかないのだ。
 女子は女子トイレを使わなくてはいけない。
 当たり前すぎることが抜け落ちていた。

(ちょっと待て! でもいきなり女子トイレというのはあまりにもハードルが高すぎる!)

 ただでさえ女物の制服を着て、クラスメートたちの視線を集めているのだ。
 そんななかで女子トイレに入るのは、さすがに恥ずかしい。

(ああっ、やばいっ。どうする!? 体育館のトイレを使うか!? それとも女子寮まで帰ってする!?)

 迷っているうちにも、下腹部では尿意が膨らんできている。
 この状態では走ることはもうできないだろう。
 体育館も、女子寮も、休み時間のあいだに尿意を堪えた状態で歩いて往復するにはあまりにも遠すぎる。

「あっ、ああ……っ」

 じゅわわっ。

 フッと意識が遠のき、ショーツのなかが、ほんの少しだけ生温かくなった。
 男子トイレに入ることができない――。
 絶望感に包まれ、尿道から力が抜けてしまったのだ。

 女の子の尿道は、太く、短い。
 それに千尋はまだおしっこを上手に我慢することができなかった。
 だから男物の制服を着ているときは、いつも休み時間ごとにトイレに行くほどだったのに。
 トイレに、入ることが、できない……。

「あっ、あっ、ああっ」

 キュンッ、キュンッ、キュウウ!
 おまたに力を入れても、一度意識した尿意はどんどん膨らんできて、そしてついに。

「あぁ……」

 おまたから力が抜けてしまう。

 じゅわわっ、じゅわわわ……。

 ショーツのなかが生温かくなって、どんどんその染みが大きく広がっていく。
 遥香のショーツを穿いているのに。
 汚してしまう。
 止めないと。

「ウッ、うう……っ」

 シュイイイイイイイイイイ……。

 だけどどんなにおまたに力を入れても、一度漏れ出してきたおしっこを止めることはできなかった。
 ショーツのお尻のほうまであったかくなって、黒タイツまでも濡れてしまう。
 せっかく遥香に穿かせてもらった黒タイツなのに。

「だ、だめぇ……っ」

 しゅいいいいいいいいい……。
 じゅわっ、じゅわわわわわわ……。

 黒タイツに覆われた太ももが、おしっこに浸されて生温かくなっていく。
 おろしたてのスカートも、もうおしっこでビタビタになっていることだろう。怖くて下を向くことができない。

「ああぁ……」

 自分の喉から漏れ出したのは、女の子の切なげな声。


 その声が自分のものではないように感じられて、そしておもらしというこの現実が、自分のことではない、信じられないことのように思えて。
 千尋の身体は、諦念に弛緩してしまう。

 しゅわわわわわわわわわわわわ……。

 くぐもった水音がショーツから響き渡る。
 椅子に座ったままでおもらしをすると、脚のあいだにおしっこの大河ができあがることになる。
 やがてその大河は椅子の縁にまで達すると、ナイアガラの滝のように床へと落ちていき――、

 ぽた、ぽたぽた……。
 しゅいいいいいいいいいいいいい……。

 ぽたぽたと恥ずかしい音を立てながら、床へと広がっていった。
 それでも奇跡的なことに、千尋のおもらしは真理我のクラスメートたちには気づかれてはいない。
 だがそれも時間の問題だった。

 しょおおおおおおおおおぉぉぉぉ……。

 小さな膀胱のどこにこんなにおしっこが溜まっていたのかと疑いたくなるほどに、千尋のおもらしはまだ続いていた。

 トイレで水に流せる状況ではおしっこの量など気にも止めることではないけど、こうして失禁するとおしっこというのは多く感じてしまうものだ。

(やだ……匂いもしてきて……っ。この世から消えてなくなりたい……よぉ……っ)

 もわ……っ。
 もわわ……っ。

 床に広がった、おしっこの湖から立ち昇ってきたのは、刺激的なアンモニア臭。
 本来ならば教室で漂うことのない匂いに、周りのクラスメートたちがキョロキョロとあたりを見回し――、

『ひっ』

 きっかけは、後ろの席に座っていた女子の、短い悲鳴だった。
 その声に、千尋は気の毒なくらいビクリと身体を痙攣させてしまう。
 バレて、しまった……。
 それでも逃げ場なんてどこにもない。
 それがおもらしの一番恥ずかしいところだった。

「み、見ないで……」

 呟くも、クラスメートの視線は千尋へと集中している。
 教壇に立っている女性教諭でさえも、千尋を見つめて目を見開いていた。
 無理もない。
 この年にもなって、教室でおもらしだなんて。

「ごめんなさい、ごめんなさい……っ」

 一体誰に対して許しを請うているのか?
 それさえも、分からなくなっている。
 火がつきそうなくらい頬が熱くなって、このまま気絶できたらどんなに楽だろうかと、何回も願う。
 だけどそんな儚い願いが聞き届けられることもなく――。
 おしっこは、急速に冷たくなっていった。

「うう、ぐす……っ」

 おもらししてしまった羞恥心。それにこの教室で立った一人だけになってしまったかのような孤独感に、勝手に涙が溢れ出してくる。
 この年でおもらしだなんて。
 しかも遥香のショーツと黒タイツを汚してしまった。
 それにおろしたての制服も。

 それから――。
 どれくらいの時間が経ったのかは分からない。
 たぶん、数分のことだったのだろう。
 その数分間、千尋はしゃくりあげるように泣き、そして。

「千尋、大丈夫か!?」

 ガラガラと教室の前のドアが開き、駆け込んできたのは遥香だった。

(――えっ、なんでここに!?)

 疑問に思うも、そんなことお構いなしと言わんばかりに遥香は授業中の教室へと入り込んできた。
 そしておもらしの湖の中心にいる千尋に、なんの躊躇いもなく肩を貸すと席から立たせてくれる。

「あっ、ダメ……です……会長の上履き、汚しちゃう……」
「気にするな。それに会長とはまた悲しいことを言ってくれるじゃないか」
「うう……遥香さぁん……」
「そうだ。その調子だぞ。私と千尋が仲がいいところを、しっかりとみんなに見てもらわないとな!」

 こんなときだというのに、遥香は力強く言い放つ。
 そのせいだろうか?
 おもらししてザワザワと落ち着かなかった教室が、別のざわめきに包まれていた。
『桃瀬のやつが会長と仲がよくなってる、だと……!?』
『わたしも会長と仲良くなりたいのに……っ』

 男女問わず聞こえてくるのは、千尋と遥香が親密な仲になっていることへの驚愕とささやかな嫉妬の声。
 千尋がおもらししたことを騒ぐ声は、いつの間にか無くなっていた。

「さて、私が綺麗にしてやるからな。一緒にトイレに行こう」
「はい……」

 遥香に肩を貸されるがままに教室を出る。
 おもらしした黒タイツは冷たくなっていたけど、なぜかおまたは熱くなっていた。


TS俺が百合堕ちするまで6につづく!

楽しんでもらえたら嬉しいです!
この作品はダウンロードサイトで配信中です!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

レモネードオアシス 2021/08/20 15:09

TS俺が百合堕ちするまで4

いつもあたたかいご支援ありがとうございます!
今日は金曜日ですので新しい小説を更新したいと思います!


目次

TS俺が百合堕ちするまで(カテゴリー)

この小説を最初から読む!


初めてのショーツ!

「ああ……。会長のブラ、温かい……です」
「うむ。サイズはぴったりのようだな。しっかりフィットしているか?」
「はい……。会長の熱がしっかり伝わってきています」
「そうか。それはよかった。次は……ショーツだな」
「うう~……。やっぱり、ショーツも穿かないとダメ、ですよね」
「当たり前じゃないか。月の巡りがきたら、男物の下着だと困ったことになる」

 遥香は黒タイツと一緒に脱いだショーツを拾い上げる。

「……って、まさかショーツも脱ぎたて!?」
「なんだ、さすがに嫌か? 私の脱ぎたてショーツは」
「い、いやではないですけどっ。でも会長の下着を汚してしまうしっ」
「きみの助けになるのだ。私はそんなこと気にしたりなんかしない。だからきみも気にするな」
「は、はいぃ……」

 会長の穿いていたショーツは、シンプルながらも大胆なローライズだった。
 スカートと黒タイツで隠されている下着はちょっと大胆なものを愛用しているらしい。

「そうだ。女の子のショーツがどんな感じなのか、ちょうどいいから知ってもらうことにしようか」
「えっ?」
「男とは違って、女の身体は尿道が短いからな、それにたくさん汗もかくし、下り物も出てくる。だからちょっとした工夫が施してあるんだ」
「工夫、ですか」
「その様子だとまだ気づいていないようだな。男物の下着を穿いたままだと大変なことになっていたところだぞ」
「はい……すいません」

 遥香は、さっきまで穿いていたショーツを広げてみせる。
 すると、

 もわわ……っ。

 甘酸っぱい香りが立ち昇ってきて、目眩がしてきそうになる。
 それでも千尋は、ショーツの内側から目を逸らすことができなかった。
 なぜならば……。

「黄ばんでる……」

 思わず呟いてしまう。
 ショーツの裏側……そのおまたがあたる部分には、ショーツとは別の白い布が縫い付けてあるみたいだった。
 そこにはシュッとおまたが食い込んでいたのだろう、縦筋が刻まれていて、かすかに黄ばんでいた。

「おまたがあたる部分だけ、二重になってる……?」
「ああ。これがクロッチというやつだ。この二重布で、おまたから漏れ出してきてしまった軽失禁や、下り物を受け止めて、外側にまで滲みだしてこないようになっているのだ」
「あの、さっきから言ってる、下り物って……」
「おまたには膣があるのは知ってるよな」
「あの、知識としては知ってますけど、まだ確認はしてないです」
「その調子だとそうだと思ったぞ。……ほら、よく見てみるんだ」
「…………はい」

 ショーツを広げてみせてくれるのは、きっと遥香にとっても恥ずかしいことに違いなかった。
 それでも千尋のために性教育をしてくれる。
 その心意気を無駄にするわけにもいかない。
 千尋は目眩を覚えながらも、匂い立つショーツを注視してみる。
 するとクロッチには、おしっことは別のものがこびり付いていることに気づく。

「これは……カスタードクリームみたいなのがついてます」
「それが下り物だ。おまたや、膣から分泌された垢を、こうしてクロッチが受け止めてくれているんだぞ」
「そ、そう……なんですか」
「さて、性教育はここまでだ。やっぱり私の脱ぎたてはやめておくか? そうなると、保健室のダサダサショーツか、それともタンスには私の愛用ローライズショーツもあるが」

 遥香の脱ぎたて?
 それともダサダサショーツ?
 それか、洗濯した遥香のショーツ?
 ここまでしてくれた遥香の厚意を無下にすることなど、千尋にはできなかった。

「会長の……脱ぎたてのショーツ、穿きたい、ですっ」
「そう言ってくれると私も嬉しいぞ。それではまず右足を上げて……穿かせてやろう」
「あ、ありがとうございます」

 まずは右足を上げると、ショーツの脚を通してくれる。
 次は左足。
 両脚を通すと、しゅるしゅると、遥香の手によってゆっくりとショーツが上げられていく。

(ああ……俺……ぱんつ……穿いちゃうんだ……。女物の、ショーツを……)

 人知れず緊張していると、遥香が耳元で囁いてくれる。

「そんなに緊張するなって。もっと身体の力を抜いて。私が優しく包み込んでやるからな」
「は、はいい……っ」

 ゆっくりと、ゆっくりとショーツが上げられていき、ついに。

「んっ」

 クロッチが恥丘に触れて、千尋は短い声を漏らしてしまった。
 さっきまで遥香の大事な部分に触れていたクロッチは温かかった。
 それにお尻を包み込んでいたショーツ全体も。
 ピリリッ、下半身が痺れると、腰が抜けてしまいそうになる。

「おっと、危ない」
「あっ」

 後ろから遥香に抱きしめられて、なんとか倒れることは免れた。
 だけど手を離されたらすぐにでも倒れてしまうことだろう。
 女の子の身体になって、ただでさえ上手に力を入れることができなくなっているのだ。

「支えてやるから、なにも心配するな。ほら、似合っているぞ。サイズもぴったりのようだ」
「に、似合ってなんか……」
「見てみるか?」

 遥香に導かれるがままに連れてこられたのは、身長ほどもある大きな鏡。
 そこに、可愛らしい下着に身を包んで、身体を真っ赤にしている少女が映っていた。
 涙目になって、いまにも泣きそうになって、頼りなさげに内股を擦り合わせて。

「こ、これが俺……?」
「そうだぞ。それにしても俺というのは無粋だな。これからは一人称を『わたし』にしたほうがいい」
「わ、わたし……。そんなの、恥ずかしい、です……」
「大丈夫。少しずつ慣れていくんだ。身も、心も」
「…………」

 あまりにも恥ずかしくて応えることができず、千尋はほんの少しだけ小さく頷く。
 なにしろ心臓が飛び出しそうなくらいドキドキしていて、ブラジャーからは母乳が滲み出してきている。
 それに、おまたも急に熱くなって、ムラムラしてきて……!

「あっ、だめぇ……っ。おしっこ、したくなってきちゃってる!?」
「な、なぬ?」

 これにはさすがの遥香も狼狽を隠すことができないらしい。
 それでもギュッと後ろから抱きしめてくれていた。

「我慢できそうにないのか?」
「ううっ、なんか変なんです……ッ。ドキドキして、おまたが熱くなって、ただでさえ男のころよりも我慢できなくなってるし……!」
「キュッとおまたに力を入れる感じで……」
「ああッ、キュンキュンして、きちゃって……!」

 じゅわり。

 ――あっ。
 ぱんつのなかが生温かくなってしまった……と思ったときには、もうすでに手遅れだった。

 しゅいいいいいいいいいい……。

 くぐもった水音が、ショーツのなかから鳴り響くと、じゅわわわわわわっ。取り返しのつかない温もりが広がっていく。
 せっかく穿かせてもらったショーツなのに。

「あっ、あっ、ダメ……です……っ。会長、離れて、ください……っ。汚してしまい、ます……っ」
「言っただろう? きみを女にしてやると。だからきみのすべてを受け止めてやる」
「うっ、ううう~」

 しゅわわわわわわわわわわ……。

 女の子はおしっこを漏らすとき、なんでこんなに恥ずかしい音が鳴ってしまうのだろうか?
 しかし羞恥心を感じながらも、千尋はどこか背徳的な開放感を覚えていた。
 
「きみのおしっこ……温かいぞ。私の脚を伝い落ちている。フフッ、くすぐったくて変な気分だな」
「ダメ、です……っ。我慢してるのに、勝手に漏れ出してきて……ああっ」

 しょおおおおおおおぉぉぉぉ……。

 クロッチから滲み出してきたおしっこは内股を伝い落ち、後ろから身体を密着させてきている遥香の脚を撫で回して床へと広がっていく。
 ツーンとした恥ずかしすぎるアンモニア臭が立ち昇ってきて……、
 千尋は、恥辱の泥沼へと沈んでいくようだった。

「ああ……。止まらない、なんで……っ。会長のぱんつ、汚しちゃってるのに……っ」
「気持ち、いいんだろう? 遠慮することはないこれは二人だけの秘密だ」
「二人だけの、秘密……ううっ」

 しゅいいいいいいいいいいい……。

 まだまだ慣れていない女性器。
 それに喉からは、自分でも信じられないくらい頼りない女の声が漏れてくる。
 しかも溢れ出してきているのはおしっこだけではなかった。

 じゅわわっ。

 乳首が切なく疼くと、ブラから母乳までも滲み出してきてしまう。
 背後からは裸の遥香が抱きしめてきているのだ。
 ドキドキするなというほうが無理だった。

 ジュワッじゅわわ……。
 しゅいいいいいいいいいいいい……。

 せっかく遥香から下着を着せてもらったというのに、5分も経たないうちに汚してしまうだなんて。

 ぽた、ぽたた……。

 すべてを出し切った千尋は、放心してしまう。
 それは羞恥心からなのか?
 それとも開放感からなのか?
 千尋にさえも分からないことだった。

「全部出せて偉いぞ。さあ、新しい下着を着せてやる」
「はい……」
「下着もこれから共用でいいからな。サイズは同じみたいだし」
「会長と……共用……」

 耳元で甘く囁かれ、千尋は為す術もなく頷いていた。
 新しい下着を着せてもらえるという、さっきまでだったら絶対に素直に頷くことはできないことに、人知れず歓喜しながら。

「俺……ううん……わたしは……穿きたい、です……。会長と同じぱんつが……」
「よく言えた。これから充分に可愛がってやるからな」
「……んっ」

 後ろから抱きしめられて。
 じゅわり……ブラから大量の母乳が溢れ出してきた。


TS俺が百合堕ちするまで5につづく!

楽しんでもらえたら嬉しいです!

この作品は、フルカラーイラスト7枚で配信中です!
購入してもらえると、次の創作活動の励みになります!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

レモネードオアシス 2021/07/31 20:29

TS俺が百合堕ちするまで・先行体験版

いつもあたたかいご支援ありがとうございます!

次回作の同人誌の体験版ができましたので、できてたほやほやを味わってもらいたいのでおいておきます。

ZIPファイルですので、スマホ・タブレットでは解凍アプリを使わなければ読めないかもしれません。
PCならば、よほど古いPCでなければデフォルトで解凍できると思います。



CGも入れておいたので楽しんでもらえたら嬉しいです!


TS俺が百合堕ちするまで(体験版).zip (31.50MB)

ダウンロード

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

レモネードオアシス 2021/07/30 07:39

大決壊!~TS俺が百合落ちするまで~3

いつもあたたかいご支援ありがとうございます!
今日は金曜日ですので新しい小説を更新したいと思います!


目次

TS俺が百合堕ちするまで

この小説を最初から読む!


2人きりの相部屋で

「あ、あの……。先輩、俺は……、本当にここに来てもいいんですか……?」
「なにを遠慮しているんだ。きみはもう女子なのだ。ビクビクしてると逆に目立つぞ」
「うう~」

 遥香に手を引かれてやってきたのは、男子にとっては世界の果てよりも遠い場所である女子寮だった。
 ヨーロッパをイメージした白壁の瀟洒な2階建ての建物。
 その吹き抜けになっているロビーに踏み込むと、南国のフルーツを思わせるふんわりと柔らかい香りが漂っている。
 それは年頃の女の子からごく自然に香ると言われる、ラクトンという成分の匂いなのだろう。
 男子寮と同じ作りの建物のはずなのに、どこか別世界のように思えてならなかった。

「さて、私の部屋は2階だ。案内するからついてきてくれ」

 暖色のカーペットが敷かれたロビーの正面にある巨大な螺旋階段を上り、2階へ。
 同じように暖色のカーペットが敷かれた2階廊下を、遥香の後ろをついていく。
 すれ違う女子たちの視線がチクチクと痛い。
 男子の制服を着ていることが、かえって目立っていた。

「着いたぞ。ここが私の部屋だ。遠慮なく入ってくれ」
「は、はい……」

 ほんとうは産まれて初めて入る女の子の部屋に抵抗がないと言えば嘘になる。
 だけどこのまま廊下に立っていても、女子たちの奇異の視線を受けていることになるだけだ。
 仕方がなく、恐る恐る千尋は遥香の部屋へと踏み込んでいった。

「散らかっているが気にしないでくれ」

 謙遜する遥香だけど、千尋から見れば充分に整理整頓が行き届いた部屋だった。
 20畳ほどの広々とした空間は、オフホワイトと木目を活かした家具によってまとめられている。
 カーテンからは西日が射してきていた。

「広い、ですね」
「生徒会長という職務に就いているとどうしても持ち物が多くなってしまってな。学校から特別にこの部屋をあてがってもらったんだ。私一人で使っているから、安心してくれ」
「は、はい……」

 頷いてから、ふと疑問に思う。
 なぜ、安心しろ?
 まるでいまの言い方だと、俺がここに住むようにも受け取れるような気が……?

「あ、あの……先輩? 安心しろっていうのはどういうことです?」
「決まってるだろ。きみを一人にするわけにはいかん。私がこれから女としての生き方を教えてやるから覚悟するんだ」
「ちょっ、せめて別の部屋というのは!」
「無理だ。もう女子寮は満室だから、入寮するとしたら私の部屋しかあり得ないぞ」
「だ、男子寮に戻りますっ」
「言っただろう? 私がきみのことを女の子にしてやる、と。私に嘘をつかせないでくれ」
「そ、そんなぁ……」

 こうして千尋は問答無用で遥香と同じ部屋で生活することになるのだった。

 だが、これはまだ前奏曲<プレリュード>に過ぎない。

 そしてそれは一息つく暇もなく、遥香の口から飛び出すことになる。
「それではまずはその無粋な服をどうにかしようか」
「えっ?」
「なにを鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしているんだ。ここは女子寮なのだ。いつまでも男子の制服でいるわけにもいかん」
「ちょっ、待っ……! と、いうことは……ス、スカート!?」
「もちろんだ。ついでにいうと、スカートは短めなものをチョイスしてやったから、まずは下着からだな」
「下着って……、まさか、女物のっ」
「当然。トランクスなんて穿いてた日には、スカートからはみ出るくらいに短いスカートだ」
「あ、あの……、女物の下着というのは、さすがに……っ」
「こういうのは勢いが大切だな。まずは服を脱いでみるがいい」
「脱がないという選択肢は?」
「私が脱がしてあげることになる」
「うう~」

 だけどいきなり服を脱げと言われても、心の準備というものができていない。
 しかも、遥香のような美人の前で。
 身体は女でも、心はまだ男なのだ。

「ふふ、真っ赤になって可愛いところがあるな。そんなに震えてくれるなよ。私が脱がしてやる」
「うう……お、お願い…………します」
「任されたぞ」

 後ろに回ってきた遥香が、学ランとワイシャツのボタンを1つずつ、丁寧に外してくれる。
 ズボンのベルトも。
 露わになったのは、サラシが巻かれて、やや控えめな膨らみになっているFカップ。
 それにトランクスに包まれた下半身。もしも男だったら、下半身に血流が集中して大変なことになっていたことだろう。
 だけどその代わりに、千尋の身体には別の反応が起きていた。

 じゅわり……。

 滲み出してきたのは、母乳。
 サラシに包まれているおっぱいがムズムズしてきて、なんだか切ない気持ちになってきてしまう。
 だけど遥香はそのことに気づくこともなく、

「サラシはよくない。形が崩れる」
「あっ」

 サラシに手をかけられるとしゅるしゅると外されていく。
 逃げようと思えば簡単に逃げられる、優しい手つき。
 だけど、黒髪に縛られたかのように動くことができなかった。

「おお、これは立派な……とても魅力的でセクシーなおっぱいをしているな」
「そんな……おっぱい……恥ずかしい、です」
「恥ずかしがるなよ。これから一生付き合っていくんだ」
「そう、ですけど……」
「おや……? これは」
「ああう……これは……その、母乳、です……」
「ぼ、母乳が出るのか!?」
「その……はい。ドキドキしたときとか、出てきてしまいます……。ホルモンバランスがまだ崩れてるみたいで……すみません」
「なにも謝ることはない。ちょっとビックリしただけだ。私こそ驚いてすまなかったな」

 長い長いサラシを外されると、次はトランクスだ。

「脱がしても、いいか?」
「うう……そんな恥ずかしいこと、聞かないで……」
「恥ずかしがってる顔も、とっても可愛いぞ」

 耳元で囁かれる甘い声に、頭がクラクラしてくる。
 トランクスの腰ゴムの両端に、ゆっくりと指がかかると、

(ああ、恥ずかしい姿を見られてしまう……っ)

 母乳が出るのに、赤ん坊のようにつるつるのおまた。
 男だったころのたくましさは微塵も感じられない、あまりにも心許ない不毛地帯。

「これは……。可愛いな」
「笑わない……んですか? 赤ん坊みたいにつるつるなのに」
「笑う? むだ毛もなく、つるつるの肌で羨ましいくらいだぞ。それに……」
「そ、それに……?」
「私も……生えてない、からな」

 耳元で囁かれる声には、ほんの少しだけ照れが混じっていて、ごまかすようにギュッと遥香は抱きしめてくれる。
 その体温が温かくて、ドキドキと鼓動が早まってきて……じゅわり、母乳が滲み出してきてしまう。

「ふふっ、ドキドキすると母乳が出てくるというのも、とても魅力的だ。舐めてみたいくらい」
「な、舐めるだなんて……」
「だけどそれはまた今度の楽しみにとっておくことにするよ。今日のところはまずは下着をつけてもらわないとな。……ふむ。ちょっいと失礼するぞ」
「あっ」

 後ろから抱きしめてきている遥香に、ガシッと乳房を鷲掴みにされて、身体に電流が走る。
 他人にこうして身体を触れるのは初めての経験だった。女の子になってからも、男だったころを入れても。
 鷲掴み……というのはちょっと齟齬があるかも知れない。乱暴な手つきではなくて、包み込むような優しい感触。

「ふむ。乳房のサイズは私とほとんど変わらないようだな。身長は小柄なのに、わがままな体つきをしている。それに……ヒップも私と同じ安産型で大きさも同じくらい、と」
「そ、そうなんですか?」
「試してみるか。こんなこともあろうかと、保健室からいろいろなサイズの下着を取り寄せておいたのだ。真っ白のダサダサな下着だけど、今日のところは我慢してくれ」
「だ、ダサダサ……」

 生徒会長の口からそんな単語が出てくるとは思ってもいなかったので、ちょっと意外に思ってしまう。
 遥香はタンスの一番上の段から真っ白なブラジャーを持ってくると、再び後ろに回ってブラを充てようとしてきて……、

「あっ、イヤ……ッ」

 あまりにも恥ずかしくて、それにブラジャーをあてたら男としての人生が終わってしまうような気がして……千尋の口から出てきたのは、拒絶の言葉だった。

「……やっぱり無理そうか?」
「あ、あの……やっぱり、恥ずかしい、です……」
「だがいつまでもサラシでいるわけにもいかんし。ぱんつだって、男物のようなスカスカな下着だと、女の子の日がきたら大変なことになるぞ?」
「そ、そうなんです……か?」
「ああ。女の子というのは、男どもの知らないところで苦労しているものなのだ。……そうだな、きみだけ裸になっているというのは恥ずかしいよな、やっぱり」
「えっ?」
「ちょっと待っててくれ」

 千尋が戸惑っていると、後ろに立っていた遥香の身体が離れる。
 そして数秒後にもぞもぞと衣擦れの音とともに着衣が床に落ちていく気配。
 プツン……、小さなホックのようなものが外れる音が聞こえてくると、

「これでよし、と。」

 なにがいいんです?
 振り向いた千尋は、愕然としてしまった。
 なにしろそこに立っていたのは、制服を脱いで一糸まとわぬ裸となった遥香が立っていたのだ。

「う、うおお……っ」

 男だったときの習性か、それとも神が創り出した造形美に視線が吸い寄せられたのかは分からない。
 千尋の視線は、遥香の裸体に釘付けになってしまう。

 華奢な裸体だった。
 だが乳房は大きく膨らみ、その頂にはちょこんと小さなピンクの突起が自己主張している。
 それでいてキュッとくびれたウエストライン。
 ヒップは遥香自身が安産型と言っていたように、やや大きめでむっちりとしていた。
 だけどその少女の部分には、産毛さえも生えていなかった。
 それでもシュッと縦筋が刻まれた秘部からは、かげろうが揺らめくほどの女の色香が漂っているようにも思えてならない。

「これで裸の付き合いだ。そうだ、せっかくだからこんな真っ白のダサダサブラジャーはやめておくか。サイズも同じみたいだし、私のブラを充ててみるか?」
「会長の……?」
「ああ、きみが嫌でなければ、だが」
「う、うう……」

 そんなことを言われて、嫌だと言えるはずがなかった。
 それに遥香のブラはシンプルながらも可愛らしいデザインをしていた。

「分かり……ました。会長のブラ、とっても可愛いし……それでお願いしますっ」
「いい返事だ。女は度胸、てな」

 だがその直後に千尋は目を疑うことになる。
 なにしろ、遥香が広げてみせたのは、いま脱いだばかりのブラジャーだったのだ!

「えっ、脱ぎたて!?」
「いやか?」
「いや、ではないですけど……!!」
「おおう、母乳が滲み出してきてる。それはオッケーと言うことでいいんだな」
「は、はい……」
「それはなによりだ。もしも断られたりなんかしたら、落ち込んで3日は寝込むところだったぞ」

 後ろに立つ遥香に、ゆっくりと、優しい手つきでブラジャーをあてられていく。
 遥香の脱ぎたてのブラは、まだ体温を宿していて温かかった。

(会長の脱ぎ立て……!)

 そう思うと、どんなに平静を装おうとしても心拍数が跳ね上がってしまう。

 じゅわわ……。

 母乳が滲み出してきて、ムワッと甘い香りが漂ってしまう。
 このままでは、母乳で遥香のブラを汚してしまうことになる。

「あっ、ちょっと待って……ください。ブラ、汚しちゃう」
「そんな細かいこと気にするなって。あとで拭いてやる」
「は、はい……」

 ブラジャー。
 それは女性のために創り出された下着。
 その下着をあてると言うことは、男から女へとメタモルフォーゼしたことを認めてしまうことになるのでは?
 少しずつ、女の子になったことを認めなくてはいけない……。
 千尋は、覚悟を持ってブラを充てられようとしている。


TS俺が百合堕ちするまで4につづく! 

楽しんでもらえたら嬉しいです!
いいねボタンを押してくれるともっとがんばれます!

今回イラストを担当してくれためんぼーさんの新作同人誌はこちらから!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

1 2 3

月別アーカイブ

記事を検索