天使のキス

「俺を殺してくれ！」
彼は苦悶の声で叫ぶ。悪魔に憑かれた彼は私に後悔と愛の眼差しを向ける。

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「何か食べ物……」
貧民街で暮らしていた。金目の物を探す、もちろん泥棒もした。そんな私を助けてくれた。

「一緒に来い」
男は幼い私を愛してくれた。お互いが貧乏でも幸せな生活。でも長くは続かない。私は不治の病で倒れると彼は禁忌の力に頼る。

悪魔召喚

自分の魂と引き替えに悪魔と契約を結ぶと私の病を治してくれた。そんな事を知らないまま、私は自然治癒と信じた。

子供の頃の悪行を悔いるためか、私は聖職者の道に進む。手に入れた力は天使の力。悪魔を倒す奇跡の力。私は街を守る聖職者として日々活躍したが目の前に居る悪魔は、彼だった。

「お前を助けるためだ、他に方法が無い…」
悲しそうな彼は殺してくれと頼む。悪魔に命令をされて悪逆非道を繰り返す、自分では抑止できない。私も涙で彼が見えない。

「愛しています」
彼を抱きしめると愛を感じる心が天使のキスで彼を浄化させた。

奇跡だ

私のキスは彼を助けた、そしてお互いの善と悪の魂が対消滅する、陽が昇る街角で二人の死体が見つかる……