WsdHarumaki 2023/01/24 21:20

洞窟の主:願いの少女【魔女のミナリア、洞窟へ行く】(01/50)

第一章 洞窟の主
第一話 願いの少女

 あらすじ
 魔女のミナリアは継母から働けと言われて、ギルドに入る。簡単な仕事の筈がゴブリンに襲われてなんとか撃退する。道に迷うミナリアは洞窟を見つけた。

「暗いなぁ」
 野宿を覚悟して洞窟の中を進む。壁面は宝石の原石でキラキラ光る。ガラス玉で光を作りながら私は奥へ行く。自然の洞窟の場合は人工的な罠を心配しないでいいから気楽。私は壁の原石を見ながら洞窟の状態を確認したい。

「アメジスト……琥珀……ルビー……」
 私は洞窟に原石がデタラメのように大量の種類があるのに驚く。普通は一種類か二種類の原石があるくらいだ。

 洞窟の内部は分岐していない一直線だがぐねぐねと曲がる、私は期待と恐怖の半々の感情だ。そして洞窟の奥にまばゆく光る水晶の柱が見えた。円形の洞窟内部は広さが両手を広げて二十人は並べる。

「わぁ、本当にすごい」
 透き通る水晶は巨大だ、人の両手を広げたくらいはある。持って帰れるならどれくらいで売れるだろうか?いやこの洞窟にある原石だけでも私は楽に暮らせる。

「子供?」
 水晶がしゃべった!違う水晶の中から声がする。水晶の中で何か動いている。小さな少女が見える。まるで玩具のようなお部屋の中でキラキラ光る宝石の家具がある、そこに黒い髪の少女が住んでいた。気がつくと私の隣でその少女が立っている。

「侵入者は殺さないと……」
 彼女は私を見つめるといきなり物騒な事を言い出す。私はあわてて魔法の杖を構えた、彼女を見ているとまるで幽霊のように後ろの背景が見える。彼女は生きていないのでは?洞窟に居るゴースト系のモンスター?

「間違ったの、すぐ出るわ」
 謎の黒い髪の毛の少女に伝える。彼女は私に近寄る。ゴースト系に魔法は意味が無い。私はお父様から貰ったペンダントを取り出す。信仰心は薄いけど神様のシンボルだ、幽霊少女に突きつけた。

「あ、悪霊退散!」
「私は幽霊じゃないわ、この洞窟を管理するレオノーアよ」

続く

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