【技術解説】「AI生成」と「AI一部利用」の違い
上の記事の通り、DLSiteで「AI生成作品」の販売が一時停止になりました。
お取扱い継続作品:作品形式がノベル、ゲームの作品
ただ、この記載の通り、私が販売を予定しているゲームジャンルは影響を受けないので、今回の決定による当サークルへの影響は無いかと思います。
A. ゲーム性が低い・または文章量が少なく、AIイラストの依存度が高い作品についてはお取り扱いできません。
AI作品についてのよくあるご質問
ちなみに、この記載があることから、ただのビューワー機能内蔵の画像生成CG集をゲームとして販売することもできないので、中身のないゲームもどきが紛れ込むことはなさそうです。
AI利用にはユーザーの納得感が重要
「AI生成作品」の販売を停止、「AI一部利用」については販売を継続いたします。
また、このように、「AI一部利用」判定であれば、AI使用のイラスト集でも申請可能だそうです。しかし、このAI一部利用に当たるかどうかの基準は曖昧です。
最も重要な基準は「ユーザーが納得できること」だそうです。
AI使用を隠されると言うことは、ステルスマーケティングと近い感覚で、ユーザーは騙されたと感じるそうです。私はこの説明でかなりしっくりきました。
せっかくなので、少しだけ「AI生成」と「AI一部利用」を考えてみます。
AI生成
まずはAI生成から見ていきます。
まずこれらは確実に「AI生成」に該当します。
詳しい説明は省きますが、いわゆるプロンプト(文字情報)のみで画像を生成しています。
かなり細かい部分まで書き込まれていますが、これと同じデザインは確率上再現できません。文字情報として「細かく書いて」と指示しているだけで、どのように書くのかは文字のみでは制御不可能だからです。
つまり、この緻密なデザインの衣装を着た別のイラストは、今の技術では作成できないので、AI生成による同一人物の複数のイラストを、うまく使うのは難しいです。
しかし画像生成は、背景などの非人物画像には有効に使えるので、これはこれで使用します。
もはや大量の画像を人力で確認できない
ちなみに上の画像の制作過程で、似たような画像を何十枚も生成しています。
もし、これらをCG集として販売する場合。販売サイトのスタッフが、これら全てを人力で確認しなければいけないそうです。これはもうAI利用の良し悪し以前に、対応が間に合わないので制限する、というのは当然ですね。
AI一部利用?
次に私が研究している方法です。上が3DCGによる元画像、下がAIによる調整後の画像です。
3Dモデルからスクリーンショットを書き出し、それを元に細部の書き込みをAIが行っています。こちらにもプロンプトは使われていますが、実際に影響しているのは書き込み部分だけです。
確かに書き込み部分を生成していますが、この場合は構図を維持できるので、(ほぼ)同じ衣装を着たイラストを作成できます。つまりゲームなどに組み込みやすいです。
さて、この形式で作った画像をCG集として販売したとしましょう。
この場合は「AI生成」でしょうか?
それとも「AI一部利用」でしょうか?
どちらの判定になるかは運営側の判断ですが、最終的にはユーザー側の納得感の問題に行き着くので、今のところ厳密な定義や正解の境界線はありません。
しばらくは、どのような形でAIを使用しているかを説明し、ユーザーに納得してもらうということが、より重要になっていきそうです。
ちなみに私の場合、AIは画像以外にも使っています。
企画はChatGPT、脚本はAIのべりすと、プログラミングにはCopilotを用いています。こちらに関してはゲーム開発を始めたら、その時点で解説していきます。
余談
先週はじめにRPGツクールの最新作である「RPG Maker Unite」が発売されました。
この1週間様子を見ましたが、その出来があまりにもひどいと界隈で話題になっています。あるユーザーの意見では、まともに使えるようになるまでには年単位でアップデートを待つべきだそうです。
流石にこれは待てないので、一つ前のRPGツクールである「RPGツクールMZ」で最初の開発を進めたいと考えてます。
Uniteを使う1番の目的はAndroid向けの出力だったので、残念ながら当面はスマホ対応できそうにありません。これはゲームの作り方がスマホ向けに縦画面を前提にするのか、PC向けに横画面を前提にするのかで大きな違いがあります。
キャラクターを魅せる場合は縦画面の方が作りやすいので、実はエロゲは縦画面の方が向いている説があります。実際に上の画像も全部縦に長い構図ですが、これは単純に縦の方が作りやすいからですね。
細かいことは、とりあえずMZで1作品を作りながら考えることにして、ゲーム制作を本格的に開始してきたいと思います。