カスカナ文庫 2023/10/23 22:36

【小説】 収穫祭の夜 リーゼル編 1 【ゲームコンセプト】

今回から3回に分けて、ゲームシナリオにするために書いた小説を公開していきます。

コンセプトは「古い性風俗」です。

プレイヤーである旅人の男が、旅先の村の風習の一環として、普通の村娘と関係を持つだけのシンプルな構図です。エロゲなので数人から十数人とヤり散らかすことになると思います。

小説の中でその一例を描いていますが、そのような風習は、やはり現実にも存在していたようです。

今回の小説はエロゲシナリオ用に誇張していますし、時代考証などできるわけもなく適当なものなので、まったくの元ネタ通りというわけではありませんが。

文字数は約5500字です。
だいたいWeb小説1回分の文量になるように分割しました。

今回はエロシーンに入る直前までです。
適当に読み飛ばしてください。

プロローグ

太陽が高く昇り、鬱蒼と繁る木々の間から差し込むわずかな光が森の中を照らし出している。俺、アルタリウスはそんな静かな森の中を進んでいた。俺は薬師として数々の村や町を訪れては、薬を旅先で売って生計を立てている。また、その地方特有の薬草や素材を集めては、その素材を使って薬を作るのも仕事のうちだ。

今回の目的地はシャッテンベルグ。『影の山』という意味の村だ。シャッテンベルグは三方向を山に囲まれており、最後の1方向は隣の街とは森で隔てられている。その合間にある慎ましい平地には、三方の山から豊富な水が流れ込み、農業が栄えている。

このような人の行き来の少ない小さな村には、医者がいないことも多く、薬の需要もありそうだ。そして、その村では収穫祭の時期というのもあり、薬の素材になりそうな、面白いものも出回っているかもしれない。

足元の枯れ葉がカサカサと音を立てる中、森の中を進む。紅葉した森の中は木々の影で少し薄暗いが、すでに葉も落ちかけており、その間から差し込む光が神秘的な雰囲気を醸し出しているが、そんなことには気にも留めず、できるだけ早く通り抜けようと休憩することなく歩き続ける。

農業が盛んなシャッテンベルグの収穫祭は、収穫後の最初の満月の日から3日間行われ、旅人は歓迎され、食べ物や酒が振る舞われるという。そして何より祭りの夜といえば……。私は旅人として、多くの土地を回ったが、何かと期待できることが多いことを知っている。私はその祭りの賑わいを肌で感じるのが楽しみで仕方がなかった。

やがて、森の中を抜けると、目の前に広がるのはシャッテンベルグの農場だった。その山間に敷き詰めたように広がる平地には、すでに収穫が終わった畑が広がっていた。黄金色に輝く麦藁の束が整然と並べられ、風が吹くたびにその束がカサカサと揺れている。

今年も豊作であったのだと思い、振る舞われる料理にも期待してしまう。そして農場の奥には赤い屋根の家々が立ち並び、その煙突から煙が上がっているのが見えた。おそらく、収穫祭の準備で忙しくしているのだろう。私はその香ばしい匂いのしそうな煙の立つ方向に向かって、黄金色の細い街道を一歩一歩進んでいった。

リーゼル1

出会い

シャッテンベルグの村の入り口に近づくと、大きな木製の門が目に入った。門の周囲は簡単な木の柵がある程度で、人への対策というよりは家畜が外へ逃げないようにする意味合いの方が強いのかもしれない。いたって平和で穏やかな村だという印象を受ける。

俺が門をくぐろうとしたその時、門の影から俺の目の前に金髪の少女が現れた。祭りのために門に飾り付けでも行っていたのだろうか。彼女の瞳は深い青で、この地方らしい白を基調とした民族衣装のドレスを身に纏い、その裾が軽やかに風に舞っていた。

「あら、行商人の方ですか?」


画像生成AIを使用しています

彼女の声はやわらかで、少しくすんだ金色の髪はまるで小麦畑のように秋の日差しに輝いている。大人の女性というにはまだ早い、その一歩手前のあどけない笑顔の少女。秋の風を凌ぐために少し着込んだその衣装では、はっきりと彼女の体型はわからない。

だが、彼女が子供であるとも言い難い、程よい二つの膨らみが胸元の布を押し上げている。そしてその胸元には、わずかばかりのおしゃれとして可愛らしい木製の首飾りを下げていた。

そんな少女が急に現れたように見え、驚きと同時に見惚れてしまっていた。

「あ、ああ……、俺はアルタリウス。薬師だ。アルトと呼んでくれ。収穫祭が近いと聞いてやってきたんだが……」

その少女はにっこりと笑う。村娘らしい素朴な笑顔だ。

「アルトさんですね。私はリーゼルと言います。ようこそシャッテンベルグの収穫祭へ。祭りはつい一刻前に始まったところですね」

旅人が珍しいのか、少女は俺の姿を不思議そうに眺めている。

「そうか。なんとか間に合ったみたいだね。この村は食べ物が美味しいと聞いて楽しみにしていたんだ」

「そうですか。では私がご案内いたしましょうか?」

まさかこんな少女に案内までしてもらえるとは思わず 「それは助かるよ」 と言った。

「うふふ。シャッテンベルグの収穫祭は他の街では味わえないものがたくさんあるので、楽しんでいってくださいね」

リーゼルは俺の手をぎゅっと掴むと、賑やかな祭りの中へと俺を引っ張っていく。この村の娘はずいぶんと積極的なんだな、と思ったが、こんな垢抜けない少女を訝しんでも仕方がない。少女の柔らかい手を優しく握り返すと、彼女はにこりと微笑み返してくれた。

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