ぶるがり屋 2024/02/18 19:10

光る君へ 6話 の感想

光る君へ 6話
「二人の才女」の感想です。


見逃し配信 光る君へ NHKプラス

【キャスト】吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、吉田羊、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
【作】大石静(脚本家)
(C)NHK

光る君へ

 ああ、『光る君へ』を見ている……!
そんな喜びで満ちています。
今まで撒かれていた文学、政治、家と個人、権力と自由、男と女。
全てが一つの『光る君へ』に結びついた、そんな喜びで。

父と子と

 あ〜やっぱり父を迎え入れるまひろの声が優しい〜〜。
ちやは母の死の処理から離れていた藤原為時・まひろの心が、前回ラストで再び近づいたと感じたのですが、確かで嬉しいです。

 「わしが浅はかであった」
ああ、子供の心の傷に寄り添った。
父として娘に寄り添った。

 為時パパは不器用で学問できる娘を大人として突き放してしまう、決して良い父とまでは言えない父ですが。
人の情を権力の道具として教える兼家パパと比べると、どれだけ良い父か……
 今の所、子に優しくて権力に使わない父は源雅信だけですしねぇ。

 父の優しさにまっすぐに見つめて感謝し言葉にするまひろ。
倫子様の女子会は、外出の楽しさ、文学に触れる楽しみもある。
そして同時に、大人として貴族として生きる武器に出来る。

 少しだけ寂しいですが、為時とまひろが、家族として、同じ大事な人を奪われた傷を持つもの同士として、一緒になったことが嬉しいですよ。

 「父上の晴れ姿拝見しとうございます。」もずっと、見たかった言いたかった言葉だったじゃないかな。

子と父と

 続いて登場の藤原道兼パパ。
……父として、一族の担うものとして、優しく教えている。
普通の親と同じように子として愛してるのも本当だと思える、だからこそその言葉の意味がおぞましい。
すぐ後で道兼も言いましたが、
「権力を手に入れるためには汚い手段、その手を汚す犠牲が必要だ」
「権力を得るために誰もが犠牲になるべき」

なのですよね。
それは親子の情など問題でなく、一族の生き方そのものだと。

 結婚話で道長がまひろのことを言えないのは、愛する資格がないからか、父を父として見られないからか。
どちらにせよ兼家は、「権力の為の結婚、色欲の対象の女」とだけ見て、子の心を見誤ったのだ思います。

 「俺たちの影は、皆同じ方を向いている」
それは、「そうあってほしい、そうあるべきだ」
傷だらけで汚れてしまった、道兼の願いなのでは……

まひろの処世術

 え、あの名著読んだことないの?お持ちします!からの
私、書物を読むのが一番苦手なの(はぁと
オ、オタクー!(笑
いやずっと漫画読み物小説読んできた私も理解出来ないですけど!

 でも反対に、口語であそこまでの教養を身につけたのか!
言った言わないの記憶力が最低レベルの私には、羨ましいぐらいですよ(笑
絶対私より頭が良い。

 ここで1カット入る猫ちゃん可愛い!

 無理して笑って、押して、でもまだ下手なまひろ。
張り詰めなくても良いと柔らかく勧める倫子様は素敵ですし、
自分の傷をさらりと話し、倫子も自分も同じ人間だと返すまひろも素敵です。

 倫子様が嬉しそうに「苦手は苦手ということで」と返したのは、自分を立場血筋でなく、一人の人間として話してくれたことが嬉しかったように感じました。

藤原兼家一家・お兄ちゃん

 道長の政治談を初めてしっかり聞けた気がします。
不器用で興味無くて正直過ぎるけど、政治の正しさを求め、政略の流れを理解し、また嫌う父の手腕や政治方向を理解して評価できる、高い判断力。
こりゃ道隆お兄ちゃんも嬉しいですよ。

 そして貴子様、愛深く察しが良く女主人らしく、立派な貴族の妻だー。
穏当で正道な政治を見せ、人の心を理解し懐柔する道隆と、同じく心の機微を理解し学識で扶ける貴子様。
この夫婦、強い。

 自分の才を信じ、まだ地位を持たない貴公子たちにとって、学問の成果を披露する場は間違いなく欲しくて欲しくてたまらないもの。
しかも最後、さも正しく期待してると讃え、本当に欲しい言葉で包み込みましたからね……。

藤原兼家一家・お姉ちゃん

 夫の愛を奪われこが利用されると知る詮子もついに政略を……
なるほど、次の「天皇の母」は強いですし、父の陰謀も大きな武器でしたか。

 「父の娘ですゆえ父に似ています。」
父と同じように脅迫するのは同じですが、自分の弱さを見せ、歩み寄って手を握りありがたいと微笑み、娘の幸せを願う。
やり口は酷いですけど、薄汚さより子を守る誇り高さが見え、格好良いですよ。

 「お前、左大臣家に婿入れしなさいよ」
ズコー!
ごめん、やっぱり父と似ているよ(笑
弟や息子に人権があると思ってない、色々な意味で無遠慮で傲慢だ(笑

まひろの家族

 惟規くーん!(笑
いやまぁ苦手なものは苦手でしょうがないんだけど(笑
為時パパがまひろが男だったらと悔しむのは仕方ないですよ。
せめてもうちょっと格好良くor文才ありげに断れ!(笑

 ああでも、父の想いなんて蹴ったって家族だ、という兼家一家との違いでもあるのか。
頭悪くたって家の権力に役に立たなくったって、愛する息子なのは関係ないですものね。

 乙丸は今回次回と、お姫様のために頑張り続けてホロリときます。
苦労性従者、大好きです。
次回はかなり酷い目に合うようですし、報われて欲しい!

清少納言登場

 名前の由来を多少は聞いていましたが、父の姓は「清」だけだとばかり(笑
清原元輔、文学を愛し文学を愛するものを愛し、娘大好きな人の好さが好ましい。

 そして登場、ムラサs機式部と並び評される日本文学の才女、
清少納言、この物語での名はききょう。
うっわ強い(笑
声が上から入って、学識の高さとそれを誇るプライドが言葉一つ一つから感じます(笑

 ある意味、まひろが落としてしまったものをそのままに生きる女傑ですね。
まひろからするとうっとおしいけど、同じ学識を持ってそうな女性として、ききょうはまひろに興味津々なのでは。

 この二人の物語、すっごい見たい!

漢詩の会

 まひろが道長と離れようと決意したのに、道長も苦手だから遠慮したのに、
うん、そりゃ呼ばれるよね道長(笑
若手貴族懐柔の会なんだから、道長が一番必要なんだよ!
 という結果、まひろと道長、会い辛いのに再会しちゃったー!

 藤原行成の詩。
完璧な美しい文、シンプルで綺麗な詩。
好きだなぁ。

 藤原斉信の詩。
これぞ美しい書!という綺麗な文字に、自分の心情ばかりをつぶやくような、これまたシンプルな詩。
いけ好かないけど笑ってしまいます(笑

 藤原道長の詩。
今まで描かれてるからか、文字は映さないんだと驚きました。
素朴な恋心開けがこもった詩だ。
菊はまひろの衣装の模様なのか、小菊のように可愛い君なのかな

 藤原公任の詩。
これまた美しさの違う、硬い力強さと美學が溢れ出る文字。
格調高さを感じる美しい詩であり、また政治の意味も込めるとは。

 ううん、造詣深くなくても多くを感じる、日本文学の楽しさに溢れた演出でした。
道兼・貴子の手腕、貴公子たちの才覚、
そしてこの「学問で政治を行う」この場をまひろが見られた意味は大きいように思えます。

そして政治だけでなく。

詩で向き合う二人

 まひろと道長、見つめ合う、見つめ合えない、でも離れがたい二人。
詩を通して想いを告げる様が……
ああもうなんて心ときめく少女漫画!
2人の間にキラキラと百合が見えたよ!

 そして届けられる、まひろの為だけの、まひろだけに届ける詩。
ああこのために移さなかったのですね。
道長のおおらかで大胆な筆、ただただ純粋な「君に届いて欲しい」恋の歌。

 現代訳なくとも、まひろの抱く姿だけで伝わる想い。
ああ、美しい。

まひろから紫式部へ

 おかしきことこそ めでたけれ
自分の趣味や貴族女性の嗜好で描く物語が間違っている訳ではなく、
これが唯一の正しさではありませんが、真実だと思います。
笑いって本当に人を救うのですよ。

 今回、まひろはこれからの自分の使命を求め、生きる力としての権力を求め、政治上での文学の力を知り、そして「客の視点」と「笑いの力」を知った。
作家としての一歩、の前の大きな土壌が育ったように思いました。

 これからまひろがどのように物語を書き始め、源氏物語につながるのか。
ああ、楽しいなぁ。

その他ちょろちょろ

 忯子様ー!(涙
激しいせい行為とすっぽんまでは笑えましたが、死んじゃうのは悲し過ぎますよ。
未熟と問題だらけの花山天皇も、愛だけは本物中の本物なのですよね。
辛い。

 漢詩会の後の斉信と公任、
チョロい〜〜!
男友達〜〜!(笑

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