ぶるがり屋 2024/03/03 23:22

光る君へ 9話 の感想

光る君へ 9話
「遠くの君」の感想です。


見逃し配信 光る君へ NHKプラス

【キャスト】吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、吉田羊、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
【作】大石静(脚本家)
(C)NHK

光る君へ

 壮絶
1話で描かれてたのに、まだ私はのどかな物語を心に描いてしまいました。
そう、権力は人を操り狂わし、戯れに殺すのだ。

道長の選択

 直秀との問答でも、その後のまひろとの会話でも、やっぱり道長は直秀大好きなのですよね。
嘘もつくし物を盗むけど、人を殺さず出来るだけ傷つけず、「貴族なんてクソだ!」の新信念に嘘偽りがない。
 検非違使に引き渡せも手荒なことはも心づけも、穏便さを求めてのことなのですよね、
甘い、事なかれが少しだけ混じった……。

土御門家は今日も仲良し

 倫子様の恋バレてるー!
ハッキリ気づいたのが周りのお姫様方なのが良いですね。
他人の恋話に敏感ですよ(笑

 赤座衛門さんも気づいてると思いますが、他言するのを控えただけかな?
源雅信との線はやっぱりないですねー。
貴公子推しか。

 それにしてもこの家だけ闇が薄くて仲良しな夫婦、家族だ。

左大臣家の陰謀

 藤原兼家の仮病と安倍晴明の儀式。
両方汚くおぞましいまでの権力欲だとゾクゾクしていましたが、
ほぼ最初から結託した策でしたか!

 本当に驚きましたし感心しましたし、最低だと軽蔑もしてしまいます。
道隆お兄ちゃんは心酔しちゃったかー。
いや確かに凄いのですけど、人の心の傷を嘲笑い操る所業、残酷と言おうか卑劣と言おうか……。

 詮子は慄き軽蔑しながらも、愛息子のために算段。
道長は今度こそ汚れた権力欲だと軽蔑したのでしょう。

道兼の愉悦

 自分だけが父に使えると思われたのだ、自分で傷さえ作って騙したのだと、今まででいちばんの笑顔を見せる藤原道兼。
そうか、人の心に散り入りを騙す才能が、そしてそれを父に認めれたと、はしゃぐように笑うのか……

今日の癒やし枠

 ああ、ずっと癒しだった惟規くんが居なくなってしまう……
寂しい。
小麻呂の出番はちょとだけでしたし。

 そうするとこれからの癒しパートは、乙丸・百舌彦の仲良し従者コンビと、
藤原実資の愚痴パートになるのかな(笑
いや愚痴パート笑っちゃうけど、癒しにはちょっと遠いよ!

遠くの国へ

 直秀は、自由になりたかった、自由に生きるものになりたかった、のだと思います。
大きず傷ついて、誰も傷つけない、傷つかない世界に生きたかった、
奪う貴族が許せなかった。
だから、海の見える場所に行きたかったのかな。

 海の見えない荒れ野で死んだのか、海の向こうへ飛んで行ったのか。
道長もまひろも、分からない。
手に収めた扇は、貴人としての儀礼だったのかなぁ。

魑魅魍魎の血族の中で

 道長は父のおぞましい県央術数を見ながらも、一歩引いて、信じないと、自分は違うと行きてきたのですよね。

 検非違使が何を思ったのか。
「手荒なことはしない」を「楽に殺してくれ」と判断したのか、女も連れて貴族の中の戯れかと憎んだのか、流罪の面倒を嫌ったのか。
 本当のところは分かりませんが、道長が自分の家の権力を、家の風聞を、刑罰の常識をを、知らなかったからの過ちなのですよね。
ただ、権力の重さと大きさを知らなかったばかりに。

 嫌い、遠ざけていたつもりが、自分も罪深くおぞましい、左大臣家の一人だった。
そして嫌って避けていたから、余計に間違った……。

道長の罪

 言葉も交わさず、一晩土を掻き分け死体を埋める道長とまひろ。
帰りも一人まひろを馬に乗せて自分は歩いて馬を引いて、ああ道長は白馬の王子様なんだなぁ、最初はそう思ったのです。

 ふと思い出して、今回道長の素朴さ素直さが描かれてたと感じたのです。
まひろに距離を取られて泣きそうで、噂れると言われて拗ねて。
嫌なことからはするっと逃げて、やりたいことしか、あとちょっと「やらなきゃ」の時だけしか動かない。
嫌なこと心に背くことでも、空気を読んで、黙ってきた。

 それでも、土を掘らずにはいられなかった。
泣かずにはいられなかった。
泣かずに、我慢できなかった。

 尊敬するライバルを、見知った優しい人々を、殺してしまった。
父と違わない、汚れた人間なんだ、なっていたんだ。

 そして。
まひろの袖の土を払えるはずが無いのに払い続ける様も、まひろを大事にしたいだけでなっかたのだと、思うのです。
自分の罪が大き過ぎて、一族と同じおぞましく恐ろしい、こんな汚れたものでまひろを汚すのが怖かったんだ。
権力と左大臣家と自分の罪が、まひろを汚すのがどうしても怖かったんだ。

 土と涙で袖を汚す道長が、泣きじゃくる子供のようで、でももう戻れない青年姿で、胸に痛かったです。

藤原道長と紫式部

 愚かさで母を殺してしまったまひろ。
愚かさで直秀を殺してしまった道長。

 恋でなく、欲でなく、親しみと罪が、道長とまひろを権力へと進ませるのか。
こんな十字架を、真っ直ぐな2人に負わせるのか……。

光る君は、誰

 壮絶でした。
考えてみると大河ドラマは成り上がりが基本なので、若かりし主人公が己の権力の大きさに失敗してし舞うことってあんまりないのですよね。
尊敬していたライバルを、守ったつもりが殺してしまった。
ただ、権力の重さと大きさを知らなかったばかりに。

 「藤原道長のドラマ」が、始まったように感じます。

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