ぶるがり屋 2015/05/30 23:01

今週の へうげもの 感想 2015年 5月第4週

あらすじ

 もはや止まらない、大戦への流れ。
大阪には浪人、徳川に恨みを持つ将たちが集まり、駿府は緩やかにその状況を見詰めていた。
そんな中、古田織部は家康と茶席を通じ、家康の本意を確かめ、更に自身の本意も伝える。


へうげもの(19) (モーニング KC) [コミック]
山田 芳裕
講談社
2014-11-21

感想

 うわぁあ…誰も幸せにならない…
大阪側は、徳川家康が望み計算したように、どう考えても天下二分の大合戦で勝てるような陣営じゃないですね。
豊臣秀頼の、戦争を始めておいて戦術的有利より民への配慮ばかりを気にしたりも大概ですが、仮にも主君の前で格好良さやら功績争いを堂々と始めるとは、完全に烏合の衆ですよ。
一番まともな真田信繁ですら、平気で主君の横から後へと歩いてますからね。
一流の数寄を見せたとはいえ、完全に不敬じゃないかなこれ。
大野治長もこの危険に気付いていませんし、織田長頼も数寄で負けた事だけ気にしていますし。
何か一つの目的の為に集まった訳では無く、結局、徳川の世に弾き出された人物しか大阪側についていないのですよね。
これは諸将は豊臣秀吉に忠誠を誓ったのであり、一世一代で築かれた豊臣家には、忠誠を誓う郎党が居なかったのが大きいように思います。

 しかし主君秀頼は消極的で、本来司令官であるべき大野治長は大局を見られず、他の僅かな有能な将も殆どが関ヶ原で負けた領地無し組。
この中で軍をまとめ、勝利を掴もうとする信繁の度重なる苦労が見えますよ(笑

 勝利は確定し、出来ればより多くの不満分子、未来の敵対分子を燻り出したい徳川家康。
やっと本人に会えた古田織部は、その望みと覚悟を糾す。
この痛烈な皮肉は、織部としては友人、天下の泰平を求めた同志としての言葉なのだろうけど、どれ程の覚悟が有って発言したのか分からないなぁ。
それでも男として、公明正大な君主としての徳川家康を信じているのか、権力者に還元をし一族諸共滅ぼされる覚悟が有るのか、それとも天下の大名たちへ大きな影響力を持つ大人としての傲慢さなのか。

 老いて変わりゆく主君に迷いながらも付いて行く、本多正純も大変な苦労が見えますね(笑

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