ぶるがり屋 2017/05/16 00:09

先週の へうげもの 感想 20170511

あらすじ

 狭まる織部包囲網。


へうげもの(23) (モーニング KC)

山田 芳裕
講談社
2016-12-22

感想

 お!大野治長の一世一代の大芝居はちゃんと効いてた!
でも徳川家康の情報網と合わせて、より疑念を煽る結果になってしまったのが辛いところです。
追っ手の数は減るので、豊臣秀頼と子らのことだけを考えれば十分成功なのですけど、古田織部と一派には厳しくなってしまいました、

 上田宗箇と徳川秀忠の、織部を救おうとする師弟の絆と、覚悟。
最後まで助けようとする想いと、同時に歴戦の強者で有るから分かる、不可能の可能性。
決意を語る、重く苦い渋さよ…
上田は本当に、織部の一番弟子で親友で戦友で、
そして恐らくは、千利休を殺して後継者となった織部の、次代の後継者なのだなぁ…

 豊臣に忠義を尽くす重嗣と金森宗和。
新しい時代の重圧に抗い数寄を貫く本阿弥光悦と、あくまで商売人な有来新兵衛。
どちらが悪いと言う訳ではなく、年齢や経験、大事なものの差でしょう。
それでも織部焼が、美術家として美術品が大量に失われるのは辛いとしか言いようがありません。
 ただ、一世を風靡した芸が消えると、時代の美が栄えたりするのですよね。
難しいものですよ。
 
 織部を囲む、そして残される者たちのドラマ。
細川忠興はもう終わりかなー。
俵屋宗達と小堀遠州はみたいですが…
Σあ!
岩佐又兵衛はどうなってるんだろ。


 5/12の深夜、NHKでおもてなしの心をテーマに千利休から古田織部の茶道についての番組が有りました。
ちょうど『信長の忍び』と被っていて困りましたが(笑

 やっぱり高画質で茶器や茶室の実物が見られると違いますねぇ。
一方向からではなく回転して見せてくれましたし。
一番はもちろん実物に触れることだとは思いますが(笑、上田流家元さんに上田流茶室、織部焼で歓待してもらうのはNHK以外では無理だったでしょう。
 史跡や構成上、織部の茶道を上田流に見出すのは残念でしたが、暗く狭い利休の茶室と器、そして外から歩いて庭を楽しみながらの明るい茶室とへうげな器に盛られた料理。
『へうげもの』の雰囲気が感じられて、遥か昔に思いを馳せて、幸せな時間でした。

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