ぶるがり屋 2017/08/05 22:19

今週の へうげもの 感想 20170803

あらすじ

 時代を作る者、時代を担う者。


へうげもの(24) (モーニング KC)

山田 芳裕
講談社
2017-06-23

感想

 まさかこんな幕切れだとは。
古田織部の処罰を前に、徳川家康と秀忠の、最初にして最後の対決。
頑なに、閉じ篭るように凝り固まった家康の心は変わらず、対する秀忠も決して曲がらず、家康を殺して影武者を立てる覚悟まで持って挑むとは。
二人とも、個人的な感情含みなものの、これからの泰平の世の為にという大義、願いが込められたものなのですよね…
同じ願いのもとに、同じ夢を見た者同士が、しかも血を分けた親子が。

 そこに投げ込まれる、古田織部の死の覚悟。
父のように、もうこの世にいない同じ時代を生きた武将たちのように、
もしかしたら、千利休のように。
自分が死ぬことで、意味ある世、思う数寄が残るように。

 しかも、織部が現世を諦める最後の理由は、秀忠のおかげなのですよね…

 父を殺すと決めた覚悟が潰えた秀忠も、泰平の世のために一生を捧げ、天下人にもなりながら、
その果てに息子に抹消されかけ、誰一人にすら見守られない、孤独に倒れたままの家康が。
切ない。

 千利休を殺し看取った古田織部のように、
織部を斬るのは直弟子の上田宗箇か小堀遠州かと思いましたが、もしかしたら秀忠かもしれないなぁ。

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