ぶるがり屋 2018/04/14 20:36

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あらすじ

 古田織部の、最後の茶会。


へうげもの(25) (モーニング KC)

山田芳裕
講談社
2018-01-23

感想

 ああ、汚くて格好悪くて、煩悩まみれで未練がましくて、感情豊かで洗練さが欠け欠けで。
私の大好きな、織部だ。
織部らしい生き様、死に様だ。

 千利休の拳骨は、「まだ来るな」「それがあなたではない」だったのでしょう。
と考えると、家康との殴り合いは計算ではなく、感情そのままの本気だったんだなぁ(笑
豊徳合体や笑いのある世や、おせんや子供たちのことも超えて。
「この頑固で意地っ張りの、笑いを忘れた爺さんを、自分が笑かしてやる!」
の気持ちの方が強くなったのでしょう。

 ずっとずっと、「あじか売り」に勝ちたかったんだ。
織部にとって、利休も、秀吉も、家康も、友でライバルなんだ。
本気の殴り合い、素の感情のぶつかり合いだからこそ、家康の腹の栓が緩んだのか。
 誰もが呆然とする中、ただ一人、家康だけを笑わせて。

 利休の死以降、ずっと遠くに行ってしまった織部が、やっと目の前に戻ってきたような。
悩んで苦しんでキラキラしたものにひしゃげた笑顔を振りまく、いつも全力な、
古田左介が。

 そして、振り落とされる刃ー

 唯一気がかりなのは、この喧嘩&茶会で、家康は織部の弟子に、数寄の継承者になってしまったようにも取れる事。
そうだとすると、織部が苦しんだ「師匠を殺し、天下を取る」の連鎖は続いてしまうことになるのですがー

 はてさて、次回最終回。
どんな風景が私たちをひょうげさせてくれるのでしょうか。

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