ぶるがり屋 2020/03/14 17:13

麒麟がくる 8話の感想

麒麟がくる 8話の感想ですよー。


NHK大河ドラマ「麒麟がくる」オリジナル・サウンドトラック Vol.1
ジョン・グラム
2020/1/29

麒麟がくる

 明智光秀と織田信長の出会い。
めちゃくちゃ期待してたのですが、出会いそのものは「目と言葉を交わした」だけでした。
短じかい時間で残念でしたが、「光秀が、帰蝶が嫁にいっても大丈夫な相手だと判断した」ことは大きく、また土岐頼芸との対比が面白く感じました。

 帰蝶の言う通り、光秀の答えは出かける前から決まっていたのだと思います。
ただ、帰蝶を嫁に行かせたくないという私情も有って。
 最後の背中を押したのは、光秀ママの言葉。
武家の当主であるならば、武家の女であるならば。
守るべきは民の安寧、故郷の田畑。
 この時代に正しいと分かっていても、個人の幸せを犠牲にするこの大義は、今回の選択は、十兵衛光秀にとって重い十字架になるとしか思えないのです。
帰蝶に犠牲を強いた自分に、もっと重い責を負わせないはずがない、光秀には。

 「十兵衛の申すのじゃ、是非もなかろう」
いつかの「(光秀が囲んだのならば、)是非に及ばず」にかかるのか。
大義も筋も義理も全部背負って、悩んで迷って、苦しんで、
答えを出す明智十兵衛光秀ならば。
間違いであろう筈もないと。

 斎藤道三、今まで光秀とはすれ違いながらも主従の絆を深めてきましたが、今回ばっかりはヒドいよ!
その褒め方は光秀の傷に塩を塗ってるよ!
と思ったら、斎藤義龍と土岐頼芸が追撃をかけてきた…
もうやめて!とっくに光秀のライフはゼロよ!

 ただ、土岐邸での叫びは。
帰蝶を嫁に行かせる正当性を自分に言い聞かせる赦しのようでもあり。
苦しみ迷い、それでも答えを絞り出した正しさを、心に秘めず言葉にできた救いのようでもあり。
 誰から認められずとも、義を貫き、そして自分を苦しめた傷心の友を気遣う、光秀の清い優しさが愛おしいです。

 三安おじ様の嫌われっぷりがまたちょっと悲しくて可笑しい(笑

 斎藤義龍…!(涙
この先、難しい立場を超えて、武将としてそれなり以上に成功すると知っているのに。
暖かい家族を、自分を認めてくれる父を、心通じる友を、狂おしいほど求める義龍は。
幸せになれないのだろうなぁ…。

 今回も実に食わせ物で旧弊的な力を駆使する土岐頼芸ですが、特に織田信長との対比が光って見えました。
民に混じり民と語らう、信頼し刀も預ける、金の力を知る、漁師の姿に鮮やかな桃色の拵えとアヴァンギャルドな、人懐っこい笑顔の、信長と。
常に頭を下げさせ上下の立場で配下の国衆たちに命じる、伝統の守護の家名で生きる、雅な狩衣が似合う、作り物のアルカイック笑顔の頼芸。
(専門用語間違っていたら教えてね!)
 ただ、一度会った人を覚えている抜け目ない勘の良さは、同じような気がします。
いつか再会した時、「お前は浜辺で会った商人らしからぬ男」とでも話しかけるのじゃないかな。

 帰蝶と駒ちゃん、帰蝶と光秀、
そして最後に、光秀と駒ちゃんの、すれ違う想い。
誰も、想いを言葉に出来ず、伝えられず、届かずに。

 最後の京への別れ道、駒ちゃん視点で十兵衛の背中をずっと追うのですよね。
大河ドラマでこんな個人的で感情がこもったカメラを、初めて見た気がします。
十兵衛も、この背中を追う駒ちゃんも、切ない…
 ただ、十兵衛光秀も駒ちゃんを淡く恋心を抱いていたと、思うのです。
帰蝶を送り出して、駒も去ると聞き、同じように寂しくて辛かったのだと。
武家の娘ではないから、この国の者ではないから、自分を縛る鎖を感じずに。
ただ、それでもやっぱり、想いも言葉も伝えられず。

 十兵衛と帰蝶、お駒ちゃんの、淡い想いが儚く終わった回でした。

 今回だけだと、嫁に出された武家の娘なのに「あ、夫が面白そう」と笑った帰蝶様が一番幸せそうなのが(笑
強いなマムシの娘!

 次回、ついに菊丸の正体が!?
忍び確定のようですが、うーん、斎藤道三の配下かなー。

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