ぶるがり屋 2020/10/11 23:11

麒麟がくる 27話の感想

麒麟がくる 27話「宗久の約束」の感想ですよー。


NHK大河ドラマ「麒麟がくる」オリジナル・サウンドトラック Vol.2
ジョン・グラム
2020/9/2

麒麟がくる

 こっわ!
足利義昭と織田信長の「武士としての生き方」、
足利義昭と明智光秀とお駒ちゃんと伊呂波大夫の「人を救う」の切なる思い。
だからこそ、各々のズレが悲しく怖い。
大事なものだからこそ、たとえ自分お命を失っても譲れないですよね…
 特に義昭と信長のズレ、お互いで理解も尊重もしてないよ!
絶対後で大問題になるよ!

武士の中、義昭の救世が目的な方が異端ですが、信長にとってはただの規範ではなく「大好きな父」の教えが一番大事な指針でしょうから、本当にこのズレは決定的で、怖い。

 光秀も信長と「大きな国」がズレてるの、気づいてるのかなぁ…
大義の、特に世を治めるものたちのズレって、結果は「戦争~多くの人死に」なのですが、光秀は分かって犠牲も已むなしと突き進んでいるのか、まだ気づいていないのか。
薄々気づいているけど無視しているように見えます。

 光秀が将軍家に仕えると聞いた信長の、声色と眼差しが怖い。
どう対するというんだ…
 でもその前に足を止めて振り返る時は何をするかまだ不明でもっと怖く、勝手に随伴する配下2人の気持ちになって「ひぃーっ!」って言っちゃいました(笑
色々な信長像がありますが、この信長の直属の部下は嫌だなぁ(笑

 久々の光秀クエスト受注&クリア!
いや〜懐かしい。
命じられ、遠地に赴き人と出会い触れ合い、若者が世界を知っていく。
でも、もう今は。
自分から役目を乞打て同じ志のために動き、既地で見知った人たちを頼りに、国を動かしていく。
 大人を相手に堂々と茶を飲み、歴史を動かしていく様に泣き、心と夢がすれ違ってしまったお駒ちゃんとの問答に胸が苦しく、伊呂波大夫の「世界は美しいのか醜いのか」の問いに応えられず同じように眉を寄せ額に皺を刻む姿に切なくなるのです。
 青い空の下一人草むらを駆ける青年は、国を動かし軍勢の魁となったのだなぁ。
そしていつか、お駒ちゃんの願いに、伊呂波大夫の問いに答える時は、あの日なのか。

 お駒ちゃんの役割。
テーマ的なものはまだつかめていませんが、作劇的にはまーばっさばっさと人脈をショートカットしてくれますね(笑
そして、光秀に似て真っ直ぐで頑固、底抜けに優しい。
誰もが光秀を信じるように、光秀も絶対に信用するのが駒ちゃんなのかな。
今回のように、たとえ道は違っても、必ず真っ直ぐに本当の気持ちで応えてくれる。

 伊呂波大夫の胸の内がまた少し。
一番身分の低い貧しさも、一番身分が高い裕福さも、よ〜く見て、痛いほど知って、味わってきたのでしょう。
京も京以外の、乱世の公家と武士と民の営みも。
 擦れ尽くして諦めて嘲笑って、そんな自分と近い人生を追ってきたのに、綺麗事でも真っ直ぐに貫いている駒ちゃん。
恨めしいかもしれませんが、眩しくて可愛いだろうなぁ。

 にこやかで恐ろしく、底の見えない今井宗久。
陣内孝則さんは昔から好きな芸能人でしたが、やっぱり良い役者ですねぇ…
しみじみ。
光秀に向け茶を差し出した時のにこやかな笑みからすっと冷たい眼差しに。
他のはなんとなく分かりましたが、最初の水を捨てる所作は何を暗示していたのかな。

 口々から出る帰蝶の名前、なのに姿が見えず。
演出や演者のスケジュール的な問題かもしれませんが、この頃から歴史的文献から出なくなるそうで、もっと出番が欲しい!けど心配です。
ちょっと怖い。

 時代を動かすようになった光秀。
なのにその動かす幕府と軍勢はまるでバラバラでズレばかりで、未来の破綻が見えて。
光秀が切望していた「将軍の帰還、幕府の復権」なのに、それを導いたのは光秀なのに、晴れがましさはどこか遠くのようで。
不安しかないよー!

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