ぶるがり屋 2021/02/06 18:00

麒麟がくる 43話の感想

麒麟がくる 43話「闇に光る樹」の感想です。


NHK大河ドラマ「麒麟がくる」オリジナル・サウンドトラック Vol.2
ジョン・グラム
2020/9/2

麒麟がくる

 ああ、やっと、ついに。
ここまで来てしまったか…

 終わらない乱世の中、もがき生き抜いた斎藤道三、その遺志を託され乱世を終わらせる織田信長を育てた明智十兵衛光秀と帰蝶。
もがいてもがいてもがき抜いて、嫌いながら惹かれて、託されて目指した。
酷薄な奸計、理想のような乱世の終結と大きな国。
2人での「大嫌い」で、本当にこの物語は終わるのだ、と感じました。
嫌いだと笑って、胸中で色々な想いが渦巻いた最後、強く残った想いは
「あんなに嫌いだったやり方を今、自分は行おうとしている」
「道三は、こんなに苦しかったのか」

なように思います。
ああ、ああ。

 喜ぶだろうと殺し、首を贈る。
今回で、「織田信長は何も変わっていない」と改めてハッキリと描かれたのだと思い。
では光秀と帰蝶が変わって信長を取り残してしまった… のも間違いは無いのでしょうけど、これも腑に落ちず考えました。

 色々考えて、3人とも根っこは変わってないですよね…。
もちろん父と母に自分を一番褒めて欲しいだけの、望まれているだろう行動をして皆が喜ぶだろう贈り物を振舞っているだけの、信長は原点そのままの信長で、帰蝶と光秀は大人になって大事なものが増えたのも事実ですが、ではそこまで2人が大人になれたのか、信長との付き合い方がそこで変わったのかと言うと、
それは違うと思うのです。

 変わったのは多分、状況なのでは、と。
今思えば最初から3人の関係は「新しい時代を作る、大きな国を作る」目的で始まっていて、そこまでで。
「新しい時代を始めた、大きな国を作った」今では破綻してしまった、ということなのだと思うのです。
 世界を変える双六に上がる為の関係性なのに、上がった後も変わらなかった。
周りは彼らに天上人、大人な最大権力者としての生き方と関係性を求めているのに、彼ら3人は若く幼い感情と情熱のまま変わらず、成長も変化もできなかった…

 そして、一番凶暴で一番求められる立場の信長には、幼い激情のまま、暴走する道しかなかった…。

 いやもちろんダメなのは信長なのですけどね!
残酷で巨大な子供の信長を利用し育て、一緒に寄り添って世界を超えたのに、一緒に居続ける未来を想定していなかった、出来なかった。
最後まで寄り添える信長ではなかった。
この決裂は関係を構築した最初から約束されていた。
…やっぱり、そういうことなのだと思います。

 ここ何週間も胸や胃が痛くなる展開が続き、それでも決められなかった十兵衛光秀が、決められない理由をついに吐露し、追い詰め追い詰められて、行動にまで出してしまった…
もう、戻れない。
際gに残された道は、破滅への直線。

 本心を誰にも見せず心を許さない羽柴秀吉と、綺麗ごとを口にしながらも常に現実を捉え上手く立ち回りきる細川藤孝は、器用で大人だったのですねぇ。
 徳川家康はあのともに今川を倒して天下を取ろうと信長に宣言した時点で、自ら子供の殻を脱いで大人になったのでしょうね。
あー辛い。
子供のままでも大人になるのも辛いよ乱世!

 戦国乱世を壊すのは、信長と光秀でしか出来なかった。
でもそこまでで。
大きな国を作るのは、豊臣秀吉でしか出来ず。
大きな国を平らかにし麒麟を呼ぶのは、徳川家康しか出来ないのでしょう。

 長い物語の、長く重い苦難の果てに。
この救われない3人の物語が終わるのだと、ほっと解放された気持ちです。
この物語をもっと見たいという気持ちも強くありますが、もうここ一ヶ月以上…
辛かったんだよ!(笑
ちょっと間をおいて、金ヶ崎の戦いや齋藤竜興との戦いを克明に描く外伝2時間スペシャルとか欲しいです!とっても!

 次回、最終回
「本能寺の変」
せめて心だけは通じてくれ… お願い!!!!

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