ぶるがり屋 2022/03/06 22:30

鎌倉殿の13人 9話 の感想

鎌倉殿の13人 9話
「決戦前夜」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 地方の武士たちとの戦いに勝って負けて、逃げて兵を集めて。
ついに辿り着いた決戦、京よりの平家の正統軍との戦い。

富士川の戦い

 と思ったら、これまたヒドい理由で決しちゃった(笑
ちゃらんぽらんな北条時政と真面目一徹な三浦義澄のおじさん同士の幼なじみわちゃわちゃが可愛いし、自分から言って殴られてすぐaキレちゃわないでよ!(笑
ただ平家軍への勝利より、「甲斐武田との源氏の主導権争いに負けなかった」という視点は驚かされました。

 アニメ『平家物語』だけでなくこちらでも、平維盛に統率力が欠けていたのも事実だけど、もともと勢い溢れる源氏軍と、寄せ集めで士気の低かった平氏軍との差で、戦う前からすでに負けていたのは、胸をなで下ろしました。
『平家物語』の維盛が応援したくなるイイキャラなんですよ…!

 いやー時政頑張った!
坂東が頼朝を支え、頼朝が坂東を導く。
そのかすがいに時政と義時が頑張る、という形が望まれて、なかなか上手く出来なかったけど、今回ついに頼朝と酒飲んで、甲斐武田に手柄を渡さす、坂東武者の魂をぶつけた!
 だけど。
やっと、やっと相互理解は深まったけど、余計に断絶も広がってしまうのが、辛い。
 京の上級武士と地方の武士との隔絶が、清盛以前からずっと払拭されない問題なのですよね。

頼朝の孤独、義経との出会い

 今回の主題は富士川の戦いではなく、
「頼朝と坂東の隔絶、その孤独さゆえの、義経との出会いの大きさ」
だったのだろうと思います。

 時政を失敗ばかりでも重用し続けたのは、ずっと大事にしてきた観音様を渡したのは、頼朝なりの精一杯の誠意だったと思います。
坂東武者と自分は、お互いの目的のために契約した関係だと分かっていた。
それでも。
自分は地方武士のことを理解できておらず、坂東武者は自分の同志ではなかった。

 坂東との断絶。
そこに現われる、同じ苦しみと悲願を抱える弟、
源九郎義経。
権力を操る儀式でなく、使える駒としてでなく。
孤独な頼朝にとって、本当に義経の存在が救いで光明だったのか。
 …そして未来、また失ってしまうのか。
千鶴丸のように。

 だとすると、三浦義村の助言の意味は、とても大きかったのではないか。
先に坂東武者としての立ち位置を認識してしまったからが故に、義時はいつも通りの誰でも寄り添い、八方美人が出来なかった。

 だから頼朝の孤独に、本心でもわずかでも、頼朝の孤独を義兄と主人と慕い、世を変える理想に共感していたのに、寄り添えなかった。
寄り添って居ると言えなかった。
 ただ、頼朝の悲哀には繋がったけど、義時が迷わないよう、泥沼にはまらない未来につながるようにも思います。
自分は兄の意思と一族の責任を負う、坂東武者だ、その為には見捨て、裏切りもする。そんな風に。

 そして…分かっていたことだけど。
江間次郎は報われなかったか…
愛して、捧げて、捨てて、命をかけて。
「大事な郎等」ぐらいにはなったと思うけど、八重さんの愛は不変なのですよね。
辛い。

他、ちょこちょこ。

今日はタイムラプス演出多いなー。
じ様を守る義村格好良いー!
政子の外面・頼朝の妻という立場強い!
畠山重忠の立ち位置渋いなぁ。
解き放たれた善児はこれからどうなるんだ……?
安達盛長、頼朝を孤独から守る為、死なないで頑張ってー!

 畠山とか佐竹とか、知る知る家名が増えてきてちょっと嬉しかったり。

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