ぶるがり屋 2022/08/28 18:34

鎌倉殿の13人 30話 の感想

鎌倉殿の13人 30話
「全成の確率」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 翻弄され続け、愛し続けた男、全成の生き様。

物語初期からの微笑ましい笑顔の絶えない絆だった、政子と実衣の姉妹の仲、全成と実衣の夫婦の仲。
頼朝の死で、絆に傷が入ってしまって、ああ、また仲良く笑ってくれないかな。
そう、思っていました。
思い続けて、今回、叶いました。
でもそれは… もっともっと微笑ましい彼女たちを見たかったということで。
こんな結末を、涙と叫日に引き裂かれる結末を、見たかった訳じゃないんだ……

 私を幾度も癒してくれたオアシスは、枯れてしまいました。

堤判官師匠と師匠を超える弟子トキューサ

 平知康さん、キーキャラ過ぎるよ!
笑ってたら笑えない展開だよ!

また感情の方向が迷子になるオープニングでした(笑
後白河法王の横にいる頃から記憶に残る良いキャラでしたが、こんな面白い使われ方するとは(笑

 実は今回3番目の主人公?北条時連くん、いい子やなぁ…(子じゃない
トキューサ!
何回もセリフにしてテロップまで使うほどのネタなの!?(笑

 未熟で純真で、優しく甘い時連くんから、歴史に残る名前の北条時房となり、時代の大波に揉まれ、これから時代を背負う大人になっていくのだろうなぁ。
苦労して欲しくないけど、苦労しまくるんだろうなぁ……。

時代を作った宿老、北条時政

 三浦に連なる名前を軽く捨て、この適当さと無遠慮さは、もう三浦にはわかってもらえないということにも気づいてなさそうな。
今まで三浦義澄との幼馴染のきゃっきゃぶりに萌え、今も時政パパの可愛さはそのままなので、この欠落が何とも辛いですよ。
というか時房自身にも名前の経緯を伝えてないのはダメでしょ!(笑

 比企能員と同じく、頼朝の前世代の宿老。
とめどなく変化する時代の中で、2人とも新しい時代を見ない恐ろしさと悲しさが見えます。

三浦義村の時代が始まる?

 生き生きしてきたなぁ(笑
今までも楽しそうに暗躍してきましたが、ついに一族の棟梁となって初めての謀。
おまけに自分が描き導いてきた、梶原景時という重りを排除し、比企と北条の欲望丸出しの権力争いを進め、そしておそらくは「北条の味方の一族」でない三浦が権力を握る、その道筋。
誰かの後ろでも下でもない、自らの謀とその先の野望。
笑顔が今までよりまぶしく妖しく映ります。

 …いやぁ、謀に初めてとか何度目とか書くの初めてですよ(笑

ふたたび笑い合う北条姉妹

 仲良くて、ちょこちょこ喧嘩して罵り合って、ずっと「仲良い家族」だった北条家の象徴、政子と実衣。
尊敬しているから、自分もなりたいから、大事だから、誇りと痛みを進んできたから、そんな当たり前の想いと姉妹だからこその絆が、権力の大渦に飲まれて歪んでしまって。
その大渦に流されて流されて、失ったからこそもう一度、つまらない話からまた笑い合えて。
ああ、良かった。良かったよ。
せめて、せめて。

悪禅師全成の死

 謀を隠せない、証拠を残しまくる、不器用な人。
呪うのが苦手で、人を恨めず憎めない人。
自ら言い聞かせてもいましたが、前回・今回の呪いの下手っぷりを見て、「本質的に誰かを憎んだり傷つけたりするのが苦手なんだ」と思わずにいられませんでした。

 そんな憎めない全成の、鬼気迫る呪言。
源頼家への、比企能員への、北条時政・りくへの恨みではなく。
悪禅師全成、その愛と覚悟。
激しく、優しく。
鮮烈な退場でした。

 呪い力がある、それは頼家を呪ったのは自分で無かったと、実衣を傷つければ呪いが降りかかると、しましたのかな。

 その死を問う、実衣の眼差し。
一つ一つ、しっかりと、噛みしめて。
愛する夫の死を全て、抱き締めるような。
強く深い、本当に大事なものを愛する想い。

 実衣の衣の赤、ほとばしる血の赤。
その大事なものが奪われる、痛みが重く鮮烈に心に残りました。

北条義時の、覚悟

 「私も考えます。」
全ては頼朝の遺した鎌倉のために、その為には多少の損をしても、比企とも力合わせて。
そう信念にあった筈の義時が、変心するには。
鎌倉維持の生贄でもなく、北条家や全成の罪ゆえでなく。
ただ一族の権力の為に、愛する家族を奪われたなら。
いつも心癒してくれた、全成と実衣の夫婦の愛を壊したのなら。
私の心にも、同じようにふつふつとどす黒い憎悪が沸き立ちました。
 そして、義時の選択は。

 ああ、義時は家族のために怒るのだな。
それでも、最後の機会を与えるのだな。

比企能員の野望と苦悩

 旧来の権力者から土地を削り、新しく有能な若者たちに土地を割り当てる。
次世代の政治、鎌倉殿を唯一絶対の存在に引き上げようとする源頼家からすれば方向的には正しい策ですが、謀反が起きて殺されても当然のやり方。
能員が頼家排除に動くのも。
 一族郎等を背負い、家族大好きで一族で権力思考で、やっと手に入れたはずの天下も不安定で。
笑顔で憎悪と苦悩を迸しらせる怪演、引き込まれます。

 という諸々の上で、
憎い、憎たらしい。
決して自らは矢面に立たず責任を取らず、時に頼朝頼家を後ろ盾に権力を振るい、時に頼家に全ての罪を被せ、時に愛妻実衣の名前を出し、自分の都合のままに人を操る。
私が愛したオアシスを枯らす。
憎たらしい…!!!!

 頼家はどこまで気づいたかなぁ。
と思ったら倒れたー!?

他、ちょこちょこ。

 八田知家カッコイー!
男として武将として、その上異様な色気はなんだ!(笑

 扉開いたらフルアーマー仁田忠常!
カッコイイー!
いやこれは勝てる気がしませんよ(笑

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