ぶるがり屋 2023/06/25 22:09

機動戦士ガンダム 水星の魔女 23話 の感想

機動戦士ガンダム 水星の魔女 23話
「譲れない優しさ」の感想です。


各種動画配信サービスにて配信中

【監督】⼩林 寛
【シリーズ構成・脚本】⼤河内⼀楼
【原作】矢立 肇、富野由悠季
【出演】市ノ瀬加那、内田直哉 ほか
(C)創通・サンライズ・MBS

機動戦士ガンダム 水星の魔女

 「母親なら娘を等しく愛しなさいよ!」
「兄弟ゲンカで死ぬとかマジ笑えないっすから!」

 正論!!

 止まらない罪過の輪の中で、もがき苦しみ人の物語。
誰も救われないまま終わる、なんてことがなくて本当に良かったですよ……。
罪を犯しても、苦しんでも、それでも人生は続くし、良いことだってしたら良い。
一緒に一歩進めば良い。
ミオリネの、罪人を憎まない大きさに驚かされました。

ガンダムの呪い

 冒頭の、スレッタとラウダの呼吸音がもう、本当に本当に苦しそうで。
大事に愛し合う、戦うべきでない姉妹と兄弟が戦う様が、辛かったですよ。
でも違ったのですよね。
大事だから、愛しているから、命を削ってでもぶつかろうとした、だから、通じたのだと思います。
いややっぱりラウダの方はちゃんと話せよ!と思いますが(笑

 そしてエアリアルinエリクトは最強で、最新技術の塊のガンダムは強いと。
そんなエアリアルにギリギリ粘れるスレッタはやっぱり強くて、
圧倒的なスペックのシュバルゼッテと対等に戦えるグエルは、本当に強いですよ。
美しく苛烈で、見事なバトルでした。

地球寮の人びと

 勇気を出して、格好良い言葉を吐いて、世界で一番危険な場所に来たマルタンがやっぱりへなちょこで(笑
癒されるなぁ、可愛いなぁ、偉いなぁ。
みんな文句言わないし、5号くんがちょっとかばってて吹きました(笑
支えたいぜ!

グエルとラウダ

 ラウダとグエルの出会い。
やっぱりグエルは最高の漢だし、ラウダが脳を焼かれるのが納得でき過ぎる(笑
あとヴィムが恰幅良過ぎる格好良過ぎるよ!
この男ぶりでなんで妻と愛人に捨てられるんだよ!

 ラウダくんの闇落ちの理由はまー知ってる状況からすると分かります。
グエルが逃げたのもガンダム呼び込んだのも地球て暴動になったのもそこから学園テロになったのも、ミオリネに関係するのは事実ですからね。

 それはそれとして物語での意味は、ずっと言えなかった苦しみをラウダがぶちまけて、罪に苦しんで誰にも頼らないグエルと殴り合って、お互いぶちまけあって。
赦し認め合うこと、グエルを救うことだったのかな。

 誰にも頼らず全部背負うグエルは最高に格好良い。
格好良いけれど、グエルが好きな家族と仲間からすれば、それは傲慢な不幸なのですよね。
それでも「普通に話せよ!」なのですが(笑、
 グエルがやっと罪と責任の荷を下ろして、弱音を言える場所が出来た。
これから、幸せになれるんだ。

 だからフェルシーちゃん、君は今回のMVPだ!
偉い!可愛い!
絶対生き残って!

 しかしラウダくん、父死んで兄が殺害者で何も言ってくれなくて恋人重傷でノイローゼ状態なのは分かるけど、
その最愛の兄さん向けて殺人兵器ぶっ放すな!
絶対君グエル兄さんなら大丈夫と信じ切ってるだろ!
そっちの方が割と深刻な狂気だからね!

エリクトとスレッタ

 母娘の願いは一つ、エリクトが自由に過ごせる世界を。
意思の疎通が難しかった2人ですが、齟齬がなくてちょっとほっとしました。
罪は罪でも、勘違いより自覚的な方が救いはありますよ。

 少なくとも、大好きなスレッタと本気で戦えるほど、エリクトは本気でデータストームで満ちた世界を望んでいるのですね。

 そして対するスレッタは。
お母さんとお姉ちゃんが大好きで、同時に、人を守るために生きる人で。
どっちも曲げられない、スレッタの望みだから、命をかけて立ち塞がる。

言い続けろ

 お互いが譲れない本当の願い。
ただ、スレッタの愛は間違いなく尊いのだけど、「お母さんのそばに居たい、抱きしめたい」は、エリクトにはデータストームの中ですら、叶わないのですよね。

 それでも。

 愛する家族でもすれ違うし許せないしいさかうことも、ある。
それでも家族で、愛しているんだ。
命をかけて守るんだ。

罪過を超えて

 無敵の人だったにプロスペラは。
多くの人を傷つけ殺し、加害者になった。
唯一残した家族に、命を賭けて立ち塞がれた、娘を殺す側になった。

 それでも止まれないプロスペラに、母の愛を確かに受け取ったミオリネは、手を差し伸べる。
「私たち、家族になるんだから」
は百合としてもとても美しいのですが、それ以上に、「誰も犠牲になんてしない」と決めた強さと誇りを見ました。
お前も家族だ、犠牲にしない、罪も痛みも一緒だ、と。

 どこまでも正しいミオリネと、どこまでも優しいスレッタ。
世界がどんなに暗くて残酷でも、一緒に歩いていける。
最高の2人だ。

罪を背負った大人たち

 デリング、無理した!
ベルメリアさん、頑張った〜〜〜!!

 最善と突き進んで来ても、生き延びるにはこの道しかなくても。
罪を背負った大人たちが、せめてもと頑張る姿は、やはり素晴らしいですよ。
まぁデリングは人としても親としても企業人としてもこれぐらいはできて当然ですが、ベルメリアさんは本当に、荒事苦手なんだなぁ、と。

 弾が尽きて最後、死の危険を冒してミオリネを庇った背中が、今のベルメリアさんの本当の姿だと思います。
ずっとずっとそうして生きたかったのか、今までの罪を背負ったから出来たのかは分かりませんが。

 だから、5号くんも優しい言葉をかけたのだと思います。

ラスボスはペイル社!?

 いやー、議会連合が予想を遥かに超えて悪の暴力でした(笑
隠蔽、秘密兵器、関係ない民衆ごとも滅ぼす破壊、
コロニーレーザー!
 これはデリングが暴力で権力を奪って戦争シェアリングで回してきた世界が、それがまだ前世代よりマシな状況だったと納得してしまいます。

 ペイル社も今まで通りかなり悪辣なのですが、直接暴力行為には噛んでないので、これまた風見鶏に逃げられそうな所がヒドい(笑
流石に真エラン様が顔をしかめてたので、4CEOは切られる側になるかも?
うーん、しれっと逃げ延びても、懲らしめられても、どっちも重しおり良い悪キャラだなぁ。

次回、最終回

 プロスペラとデリングのクワイエット・ゼロの目的は今までの説明通りっぽいので、残る謎はそんなに気にならないかなー。

 唯一、今回データストームを止めたのは誰なのか、何なのか。
ちょっと難しい描写でしたが、エアリアルかクワイエット・ゼロの中に誰かが居るのか?
今まではエリクト・プロスペラに協力的で、でもそれ以上にスレッタに協力的な、誰かが。

 次回、『最終回』
果たして最後まで副題は「最終回」なのか!?
3/4年見続け(webラジオを)聴き続けてきたこの物語の、
残酷な世界を駆け抜けるこの愛しい若者たちの行き先が、とても楽しみです。
 とりあえずミオリネスレッタ、ラウダペトラ、マルタンとニカorセセリアのデート見せて!
幸せな恋物語を見せてー!!

ガンダムシリーズの中で

 ガンダムシリーズの色々なオマージュの込められた今作ですが、流石にハロが殺人機械となって主人公たちを襲って来たのは初めてな気がします(笑
いやただ命令通りに動くAIなだけなんですが、やっぱり可愛くて面白くて、怖いよ!

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