ぶるがり屋 2023/06/19 01:05

どうする家康 23話 の感想

どうする家康 23話
「瀬名、覚醒」の感想です。


見逃し配信 - どうする家康 - NHK

【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 まさか、まさかこんなにも丁寧にじわじわと延々と、瀬名と信康の悲劇を描かれようとは……
かなり前から気構えしているのに、じわじわとこの気構えも穴が空いて壊れてきています。
分かった、分かってるからもうせめて一思いに……!

あんなに一緒だったから

 徳川信康、五徳、瀬名。
前回前々回で壊れかけかと思ったのですが、今もまだすれ違って不安定だけど、それでも小さい頃から一緒の、今も愛し合う大事な家族なんだ。
ああ、なのに、だから、辛いですよ。

浜松の女房、家康の妻たち

 今回まともな出番無いのに万千代(笑
女もお菓子も食い散らかしてんのか!
その上女房にけつ叩かれる立場なのもまた可笑しいよ君亡国の王子だよ!

 久々登場のお葉さん、新登場の於愛さん。
お葉さんは家宰としても有能な、武家の女性ですねぇ。
そんなお葉さんにも瀬名にも信頼される於愛さんも、佳い女ですよ。
真っ直ぐでおおらかな、情の濃さが伝わる女性だ。

 『源氏物語』来期につながった(笑
あの食いつきぶり、オタクらしくて好きになっちゃいますよ。

 今の家康を安らげるのはこんなおおらなか女性で、幼い亀姫も少し大人になって嫁に出て行き、瀬名は満足してしまったのか。

裏切りと警告

 水野信元、こんなところで死んでしまうのか!
山師で不敵で、口はずっと悪くても甥の家康にずっと優しくて、佳いキャラでした。
でも織田信長にとっては、切っても痛くない、直参でない配下だったのですね。

 久松俊勝とは仲良い親戚、男友達だったのだろうなぁ。
言葉の端々からそう思えて、だから家に戻り、於大の方を見た俊勝はぽっきり折れたのだと分かりました。
ちょっとした差し違えで、主人の考えで、ひとかどの武士が死に、殺され、殺さなければならない。
これからも、ずっと。

 五徳は、これも自分の行いが結果だと分かっているでしょう。
瀬名に釘を刺したのは、脅しではなく、願いだったのだと伝わってきます。
瀬名は、分かったのかなぁ。
五徳を信じ切っていても、脅しだと分かっていても、瀬名は突き進んだか。

 そして今回とどめをさしてしまった平岩親吉。
瀬名に信康に五徳に大事にされ、彼らを大事に守る忠臣に、悲劇しか見えないのがまた辛いですよ。
怖くてまだ平岩親吉のWikipediaページ見られていません。

心と言う器は

 信長に抗うは地獄、下るは更なる地獄。
戦い続け、罰して、殺して、弑して。
立派な侍に、君主にと己を鍛え上げ、己の弱さを押さえつけてきた信康に、もう耐えられるはずもなく。
人の心が少しづつ壊れていく様が、母・瀬名の言葉にはっと気づいて愛する妻と子を見る怯えた顔が、あまりにも痛々しくて。

 たとえ過ちでも、罪でも、失敗しても、瀬名は愛する者の為なら、なんだって貫いてしまいますよね……

まつりごと、はかりごと

 望むは平和、女性のまつりごと。
望月千代女とは五分というところですが、進まない、ですよね。
立場は遠く、理想はまだ形も無い考えで、じっくり作っていくはずのものでしょう。

 なのに信長が恐れる通り、武田との謀は出来てしまうんですね……。
"上役の男"を通しての、はかりごと。

 間違いなく、瀬名と信康の、止められても脅されても突き進んだ、理想も理念も無い、謀反。
それでも、この謀が悪などと、誰が言えるでしょうか。
人の心を、家族を大事にしたいと願ったこの挙を、誰が。

悲劇は止められたのか

 家康がこの転げ落ちる悲劇を止められないのは、何故なんだろうなぁ。
何度も指摘されたのに、目を瞑って。
家康も半分壊れかけだからか、家康を一番知っている瀬名が上手く秘しているのか。
辛くて逃げている家康が、瀬名の強さと脆さをまだ分かっていないのか。
みんなみんな、家族が大事なのに、傷だらけですれ違いで。

 誰が悪いかというと、まぁおさ信長と時代が悪い。
でもこの悪い時代を終わらせるには織田信長という人物が必要だったと考えると、時代が悪い買った……

どうする家康

 次回、『築山へ集え!』
回り始めた悲劇に、
今川を泣いて裏切っても守り通した妻子に、
置いていった弱き白兎に、
どうする家康。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索