ぶるがり屋 2023/06/18 22:07

どうする家康 22話 の感想

どうする家康 22話
「設楽原の戦い」の感想です。


見逃し配信 - どうする家康 - NHK

【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 それは国を救う大勝でなく。
魔王に隷属する恐怖のなぶり殺しだった。

 前回信長が怒った、というより従属を強いたのは、背後にいる徳川が一番の危険対象だと気づいた、もしくは気づかれたと考えたからなのか。
武田を、徳川を終わらせ、織田一強の為に。

海老すくい

 酒井忠次、死す──!
え、アレで死なないの?(笑

 石川数正の朗々たる海老すくい。
低く実直な海老すくいだ。
格好悪くて田舎臭い、これが徳川家中の絆の証なのですよね。

 そうそう、最初は家康も戸惑ってましたよね。
洗礼を受けた井伊直政が可哀想やら可愛いやら(笑
誰か説明してあげなよ!

虎の子・武田四郎勝頼

 父の無念を果たさねばならなかった。
父を越えなければならなかった。
死中の活、信長を越える為に桶狭間を願った。
愚かといえば、確かに愚かだったのでしょう。
勝頼の煩悶すら読み、十分な戦力装備を揃えた、先に奇跡を計算して起こした信長が相手だったのですから。

 武田四郎勝頼、美しく烈しく、儚い英雄でした。
いやまだまだ戦いは長いのですが!
あまりにも滅びの美が美し過ぎる……

長篠の戦い

 戦場にかかる虹、猛々しく轟く騎馬の蹄、
終わらない銃撃、銃撃、銃撃。
勇者、山県昌景の、敵も遠く虚ろな死。

 羽柴秀吉が嘲笑い、ひしめく死体の野原の前で。
慄く家康と絶望する信康が可哀想ですよ。
戦力分布の、戦略構想の、そして織田政権権力基盤の大きな転機だったんだなぁ。

 地獄のような戦場で、それでも勝頼を最後まで侮らず、死にゆく武田の兵に敬意を評しる信長が格好良いですよ。

崩れゆく岡崎

 従属するしかない、しかし従属に耐えられない。
優しく朴訥な信康が壊れていく様が、痛々しいですよ。
そりゃ信長の終わらない戦いに引き摺り込まれたとなれば……
もう傷だらけで慣れてしまった家康が、傷だらけの家康と信康に耐えられない瀬名が、この家族を壊してしまう五徳が、哀れでなりません。

 父・家康と瀬名と同じように。
子供の頃からずっと一緒に過ごしてきた夫婦なのに。
徳川を潰す命令を受けた五徳は、信康に触れられない。
信長に心壊された信康は、五徳にすがれない。

ああ、辛い。

暴虐の魔王・織田信長

 信長の五徳への扱い、ひどいなぁ、道具として見てるんだなぁ、と思って見ていたのですが、よく考えたら家康とあんまり変わらないのですよね。
信長様、もしかして本当に五徳を愛してる……?

 才気溢れる愛しい者たちが、自分に恐怖し言う通りになるのを「愛されてる」って思って満足してるのかな、もしかして。
もしそうなら、信長も信長の愛する者たちも、不幸だなぁ。
秀吉だけ満足してそうですが(笑

人でなし・羽柴秀吉

 「“猿”の脳みそでは到底分からんことで。」の猿は、隣にいて真意を理解できない佐久間信盛だよなぁ。

 ずっと利用し嘲り蹴り落とし、人の道を外れた羽柴秀吉。
今回も武田の兵を蟲と笑う様は外道でしたが、別れ際の「本当にお仲間になりませんかの?」の言葉だけ、ふと。
信長の戦略や自分の利益も計算してるでしょうけど、本当に家康を心配してる言葉に聞こえました。
ちょっとだけ優しさを、人間を感じたり。

 この感情豊かに人の心がない外道秀吉、だんだん好きになってきましたし、この秀吉の心を捉え続けたねねがどんなキャラなのか、俄然興味が湧いてきたぞう!

どうする家康

 追い詰められていく徳川、岡崎。
織田の配下か、織田の敵か、武田とは。
五徳は、信康は、そして瀬名は何を選択するのか。
次回、『瀬名、覚醒』

 いや家康、最初からあんまりたおやかな"だけ"な女じゃなかったでしょ!(笑
どっちかというと君を食っちゃう肉食お嬢様だったでしょ!

 強くしたたかでなければ生き残れない時代で、誇り高い妻、繊細な息子、孤独な嫁。
着々と近づく悲劇に、
どうする家康。

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