ぶるがり屋 2023/10/30 21:17

どうする家康 33話 の感想

どうする家康 33話
「裏切り者」の感想です。


見逃し配信 - どうする家康 - NHK

【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 共に生き、戦い、失ってきたからこそ
石川数正が選んだのは、泣き出しそうな可愛い子への、最後の誠心。

秀吉の天下、家康の敗北

 小牧長久手の後、進む秀吉の天下取り。
そして、石川数正の裏切り。
畿内から支配構造と金で日ノ本を支配する秀吉と、道義と武辺を尊び一国の君主として成長してきた家康の、隔絶した差。
勝てない。

 前回の、今までの積み重ねを全て昇華した、爽快な勝利!
がここまで覆されるとは。
衝撃で「あの感動を返してくれ!」とは思うものの、あれだけ尽くして勝ったからこそ、この政略の敗北が重く、また徳川勢の悲嘆の重さも実感できるのですよね。
とはいえ! この感情をどうすれば……!?

 そして家康も、もう「勝てない」という理由だけでは、止まれないのだ。

初登場その1 ねね様

 ずっと見たかった今作のねね様。
秀吉に対しての感情はまだ不明ですが、これは見事な人物造形。

 人懐っこい猿と人外の化け物、両面の秀吉。
君主として足りない、誠実と気遣いを秀長が、安心と優しさをねね様が人をつなぐのか。
これは盤石な豊臣政権ですわ。
怖いけど、ひれ伏すに値する正道を見せ、安心できる世を見せる。
信長政権にも無かった安定。

初登場その2 真田家

 やっぱり真田家登場は、燃えますね!
名優佐藤浩市さんの、天下の梟雄、表裏比興者、真田昌幸!
いやぁこんな梟雄、乱世を治め浄土を求める家康の敵ですわ(笑
でも最高に魅力的な、天下を睥睨する不敵な笑顔。

 そして勇壮かつ真面目な、徳川家康本多忠勝に気に入られそうな真田信幸、
不敵で血気盛んで弟気質な、豊臣秀吉に可愛がられそうな真田信繁。
最高です。
more出番!

石川数正の選択

 今回は名シーンだらけですが、出奔前の家康・数正の問いかけが一番心にきました。
物語の最初から、視聴者と一緒に家康を愛し見守り戦を生き抜いてきた石川数正。
その去り際は、やはり美しかった。

 あの弱く優しい白兎が、天下を狙うまでに強く勇ましく、痛ましく成長し。
苦しくないと声を張り上げる。
どう見たって苦しいじゃないか。
もう自分では止まれないじゃないか。
失くした人との約束を刃に、今も苦しんでいるじゃないか

 苦しくないと悲壮な貌で叫ぶ愛子を見る数正の瞳が、辛くて優しくて。

 三河を岡崎を家康を愛している。
共に戦い、共に失ってきた。
大事な人を何人も。

 だから家康の為に築いてきたものを捨てられる、身を捧げられる。
家康に生き延び、いつか望みを果たせると願って。
今家康を止められる、三河を守れる唯一の手段と考えて、石川数正は。

 「殿お忘れなさるな、私はどこまでも殿と一緒でござる」
せめて、この想いだけは、家康にだけは、通じて欲しくて。
傷だらけの可愛い可愛い白兎にこれ以上、傷つかないで欲しくて。

初登場その3 結城秀康!

 敗北の証、人質として成長した
結城秀康初登場!
なかなか会ってくれないでもないし、目をかけられるし、お父様大好きだし、控え目だし、これは秀忠の良いお兄ちゃんになりますわ。
あーいい子。
頑張れ報われろ!

どうする家康

 思いもよらない敗北、最古老の裏切り。
とは言え秀吉も潰すのは被害が大きくて抱き込みたい。
旭姫との結婚、敗北の実感、そして数正への心こもった罵倒(笑
ああ、徳川一家がこの敗北の先に進むのか。

 次回、『豊臣の花嫁』
どうする家康。

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