ぶるがり屋 2023/11/25 18:17

どうする家康 35話 の感想

どうする家康 35話
「欲望の怪物」の感想です。


見逃し配信 - どうする家康 - NHK

【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 新たな時代、新たな人生
天下一統も近く、ずっと続いてきた織田信長の下でもなく、目指した自分の天下でもなく。
豊臣秀吉の下で生きる、家康と徳川、新たな生き方。

格好悪い逸話が残ったのは

 食べ物配りに噂の流布した民への赦し。
今も残るみっともない伝説を否定しておいてのこれ、まさに善政、仁徳の鑑だなぁ。

 前回で於愛が言いましたが、家康自身が家康の理想を叶えなくても良いのですものね。
 お婆さんたちが反省してるのも、将たちが怒って笑顔で許すのも、きっとこれが家康も瀬名も目指した世の在り方だから。
戦の苦しみのない世を残していけるから。

 このドラマでも『おんな城主 直虎』でも、ここに至るまで本当に地獄でしたからね……。

 遠江を奪って20年、去る時に。
厭離穢土浄土はまだ遠くとも、家康のまつりごとの形が見えた気がします。

秀吉の母

 大政所、いいキャラだ〜。
高畑淳子さんと佐藤浩市さんは大河ドラマに毎年出て欲しいくらいですね!

 美形好きの成金お婆さん…なのも事実で(笑、でもきっと燃やされる人質なのも理解してたように思います。
秀吉・ねね・秀長でも操縦しきれない強さを持ち、大武将の徳川家でわがままを通し、人質なのも甘んじて生きる。

 それでもなのか、だからなおなのか、
秀吉の虚無の大きさを一番理解出来た人物、でも秀吉の母にはなりきれなかったのかな。

怪物の欲望

 人を知るには下から見上げるべし

 武士どもをどうやって食わしていく
民もじゃ
民ももっともっと豊かにしてやらにゃいかん
この世から戦がなくなることは、ねぇ。

 秀吉の巨大な野望と、昏い諦観。
今回の秀吉はまさに怪物で、旭姫が死んでも大政所が死んでも泣かないような、人間性の欠落を感じました。
 妻や弟に話す天下一統も戦無き世も世界切り取りも、全部お題目に聞こえて。
どうしようもないほど飢えていて、果てのない欲望が満ち満ちて溢れ出て、世を侵していく。
そんな怪物に見えて。

 母から知らぬ怪物と恐れられ、旭姫は言うに及ばず、腹心で弟の秀長すら窺い知れぬ心中。
ともがらにはおどけて憎み、家族を愛し利用しからも恐れられる化け物。
何故ここまで飢え、渇望し、足掻き挑み、果てのない戦いに進むのか。

 笑顔と虚無が入り混じる底知れぬ化け物、豊臣秀吉。
恐ろしく描かれれば描かれるほどに、笑顔の仮面と虚ろな瞳で心を見せないほどに、胸を締め付けられ、救われて欲しいと感じました。
ねね様だけは、賛同者でなくとも、せめて理解者でいて欲しいなぁ。

星見る光成

 石田三成、最近の猛々しく義憤に満ち満ちた家康とはソリが合わなそう、と言うのが先週の感想でしたが、野望を捨て、ねね秀長の真摯さと秀吉の猿芝居に毒気を抜かれた、今の本来の家康とは、相性バッチリでした。
ファンシー!勉学!理想家!
なるほど。
そして確かに三河に居ねぇ(笑

真田と徳川

 出番こそ少ないものの、真田家、真田昌幸のふてぶてしさ、最高でした(笑
よっ!表裏比興の者!
「で〜き〜ま〜せ〜ぬ〜」
結局「なら沼田渡します」とは言い切ってないのでは(笑

 三方ヶ原、関ヶ原、大坂の陣。
上田沼田だけならギリギリカット出来ますが、家康の人生を描き切るなら、やっぱり真田は難敵、大敵ですねぇ。

戦国の女の生き方、笑顔

 今回の旭姫、かか様との再会を喜んで、直政好きを徳川勢にお願いして、かか様の兄評を聞いて顔を強張らせて。

 ずっと人質の辛さや戦国の女性の希望と絶望を描いて、また今回も次回も痛切に描いているのに…

 なんか稲と信幸の結婚だけはコントにしか見えないよ!(笑
政略結婚で幸せな夫婦がまだ描かれていないので、ちょっと期待してしまいます。
敵中の瀬カツも、本多忠勝に後ろで睨まれてるより気楽でしょーし(笑

どうする家康

 次回予告。
Σええっ!於愛の方、家康を愛してはいなかったの!?
しかもこの流れ、死にそうなの!?

と動揺してたらどんどん叩き込まれる面白い絵のシーンに次ぐシーン(笑
ちょっとこの徳川の猛将たち、可愛いが過ぎますよ!

 不安と期待がいっぱいの次回、『於愛日記』
どうする家康。

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