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鎌倉殿の13人の記事 (48)

ぶるがり屋 2022/10/03 00:30

鎌倉殿の13人 38話 の感想

鎌倉殿の13人 38話
「時を継ぐ者」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 鎌倉幕府二代目執権、北条義時誕生
ついに、ついにここまで来てしまいましたね……。
でも、思っていた虚無の魔王誕生より、はるかに人間らしい誕生でした。

初代執権、北条時政

 ああ、やっぱり孫の源実朝を傷つけられないし、何より妻・りくが大事で大好きで、敵対しても義時を息子として愛していたんだなぁ。
みんな大好きで、それでもやっぱり一番はりくで。
りくを喜ばす為に鎌倉の頂点を奪って、りくを止める為に死を選ぶんだ。
同時に、「自分が死ぬと見せればりくは止まってくれる」とも考えているのですよね。
合っているけど、切ないけれど、まぁ良い夫婦ですよ。

 ホトトギスのくだりは、時政が言葉に詰まって絞り出した下手な話であり、すれ違いと未来の家族の話でもあった。
そんな風に感じました。

 疲れ切った老人が、男の顔侍の顔になり、夫の顔になり、晴れ晴れとした上人の顔に、そして父の顔になり、舞台を去る。
生き様そのものが顔を深く彩る。
素敵な、寂しくも晴れ晴れしい終幕でした。

北条家の別れ

 泣いて恨んで、笑顔での別れ。
こういうの、こういう別れが良いよ、権力闘争で追いやられても、死なないで舞台から去って行ってくれ……!
同士の戦友の幼馴染の殺し合いは嫌なんだよーッ!!!!

史実なので言っても仕方ないのですが、気持ち的には切実です。

 一度は殺し合う状態になっても、語らう時は家族のままで。
いや、権力の座から転げ落ちたからこそ、ただの家族として語り、笑い、そして憎しみも野望も正直に託せたのでしょう。

 りく政子実衣の語らいは何処を取っても最高でしたが、実衣がみすぼらしいりくを見たくないと、華やかな母をりくらしさと愛していたこと。
そして見事にりくも華やかに自分を飾って見せたことが本当に最高でした。
 また、殺されかけたと分かって野望と責任を託す姿も美しい、
いやぁ、本当に格好良いよりくさん。
 喧嘩して、嫌って、愚痴を言って、笑い合って、愛し合っているんだ。
家族だから。

 やっと昔の、"口喧嘩とトラブルばかりの仲良い北条一家"に戻った気がします。
ああ、本当に、本当に遠くへ来てしまったんだなぁ。

 死罪にならなかったのは、敵味方が同族だったのも大きいでしょうけど、殺さなければいけない対抗勢力がなくなってきて、権力が安定してきたのも有るようにも思います。
そして何より、北条義時が父を殺す正しさを見せ、北条政子が父を許してと土下座して情に縋った。
この両輪ならばと許したようにも思えます。
 文官勢が意見を違えながらも流罪にまとめたのは、きっとだからなのだと。

誕生、執権北条義時

 キービジュアルの通り、真っ黒な衣装に身を包んだ
執権 北条義時が、誕生した。
多くの者たちを看取り、見殺し、殺し、追放して。
多くの者たちの願いを、無念を、憎悪を、そして彼らへの悔恨まで背負って、真っ黒に染まって。
奪うでなく君臨するでなく、深い闇と暴力の檻に、独り残った。
背負ったものがあまりに重たくて、過酷に苛烈に進むだろう、義時は。

 でもちょっとだけ、私は嬉しく思っているのです。
時政パパを殺すでなく、涙ながらの別れとなって、ギリギリのところで虚無の魔王に墜ちずに済んだのだと。
大好きな父を看取ることが出来ないと、操作せた父が憎いと視線を泳がせ、涙をこぼし続けた義時が。
片田舎の不器用で心優しい青年、小四郎が。
柔らかい心をまだ保ったまま、支えられて望まれて執権になったことが。
嬉しいのです。

 そして同時に、後鳥羽上皇に意識され、名を覚えられる。
北条義時最大の戦いが、始まってしまう。

新政権の始まりと

 ついに権力を握った、握ってしまった主人公・北条義時。
阿野時元や長沼宗政の存在が不穏ですし、情を切り捨てる義時だからこそ、今まで義時を担いで来た武士たちには不満が出るように感じます。
ただそれでもきっと、義時の統率と政子の情け、この両輪が鎌倉時代をつなげていくだろう、そう思えるのです。

鎌倉殿の13人と北条義時

 主家を断絶、父追放、天皇・朝廷政権の打倒。
こう考えると、まぁ不義不道徳の暴君ですね(笑
ただどう考えても武力と血統以外で御家人たちに支持された訳で、その人間性も確かだったのでしょう。

 この複雑で恐ろしい時代を、生き抜いた人間たちを、見せてくれたことに感謝です。
まだ1/4残ってますが!
これはちょっと怖く思っています(笑

今週の三浦義村

 今回は主人公、執権北条義時の誕生回であり、三浦義村劇場でもありました。
時政和田どのを振り回して、死神の鎌トウを翻弄して、義時を執権の座につける。
 特にね、トウとの戦いとかもー、
三浦義村があんまりに三浦義村で笑うしかないでしょ!
 今までの描写から
八重>>>りく>>巴>それ以外
が好みだったと思うのだけど、そうすると「芯の強い、気の強い女」が好みだよね。
そりゃトウが好みだわ(笑
トウを目で追う笑顔の義村らしさよ!
この三浦義村ァ!

北条と三浦

 最後の執権就任の小芝居も見事な息の合いっぷりでしたが、私は北条泰時と初の夫婦の中の方が心ときめきました。
あまりに思い闇を担いだ父・義時を理解できず苦しむあまりに真っ直ぐな泰時と、その視野の狭さをしっかりと叱って説ける初の、愛と知恵の深さよ。
3代続く、しっかりと支え合う絆、でも少しづつ違う絆。
ええなぁ。

他、ちょこちょこ。

 和田義盛殿の「難しいこと分かんねぇ」レベルが上がっている…!?
「りくさん千客万来で殺せない」「承知つかまつった→忘れたのか」が今回ベストコントでした(笑

 おかげで源実朝様の有能さ、優しさ、正しさが燦然と輝いてました(笑
これから千代様との仲も深まるようで、何よりですよ。
報われて… 報われて欲しい……!

 八田知家どの、今回も色気ムンムン格好良過ぎる。
泰時に説いて、義時に殺せと唆して、時政を助ける。
いやホントちょっと格好良過ぎますよ。
なんだその色気。惚れる。

 大江広元、二階堂行政、三善康信。
文官3人の、刑と政子&義時への接し方が、各々人柄、正しさと優しさを感じて和みます。
好きですよ、3人とも。

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ぶるがり屋 2022/09/25 23:16

鎌倉殿の13人 37話 の感想

鎌倉殿の13人 37話
「オンベレブンビンバ」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 オンベレブンビンバ
最初はスタッフどーしたんだと思いましたが(笑
イタリア後で、「子どもを見守る親の影」という意味だそうですね。
 はるか昔に失ってしまった、愛する子供の思い出。
家族全員で幸せを祈った、祝福の言葉。
長い長い旅路の、傷だらけの、愛しい記憶。
可愛い可愛い、子供への。

権力者は誰か

 もう権力移動してるー!!
畠山滅亡で御家人たちに見限られた上に、政子・義時に恩賞を握られたことで乗り換えられたのでしょう。
今までずっと、時政パパは身びいきばかりでしたからね……。

 ちょっと頑張り切れない政子も、すごそばで仕事する喜びを隠し切れない大江広元も、3人の真面目な最大権力者に囲まれて愛される泰時も、愛らしい。
特に大江広元さん、血に左右されない、自分にも厳しく正しく政を行おうとする権力者が大好きなんだろうなぁ。
そして政子の美しさと厳しさが大好きなんだろうなぁ。

りくの謀略

 辛い。
やっぱり政範が死んで、野望がほぼ潰えて、どんどん深みに行ってしまっているのか。
少なくとも平賀朝雅を疑っていればこの策は選べないでしょう。
そして何より、賢いりくが「御家人たちが従う理由」が分かっていない、忘れてしまっていることが、悲しいですよ。
 「自分の血を引くものを権力者に!」と言う最後の頼みが、この策なのも分かるのですが。

 以前は将軍職を夢見て載せられた筈の平賀朝雅が粛清粛清に怖がって逃げるのがまた残忍な小悪党というか、朝雅以下の判断力になってしまったり草っが悲しいと言うか……。

北条一家

 最後の宴、オンベレブンビンバの宴。
時政パパも義時も、久々に見る、優しいあけっぴろげな笑顔なのですよね。

 ずっと一緒だった家族。
だけど、もう一番大事な、自分の身を捨てても大事なものは、違うのですよね。
北条時政は家族を見て、義時は鎌倉の政を見て、政子は人の未来を見ている。
時房は、大事な人たちに寄り添おうとして、でも不器用でちょっと失敗している(笑

 酒を飲んで、昔を思い出して、笑って。
一緒に土にまみれて、また笑いあって。
家族で、各々に愛して、心通じて。
それでも殺し合うと。
時政は決めてしまった。
義時も決めてしまった。

 父・時政を排除する。
義時がこの時に泰時を側に置いたのは、源頼朝に教えられたように、泰時も政治と権力の闇と思い身を知れ、そして継げ、という意味と。
自分が誤ったならば同じように排除せよ、そういうことなのだと思います。

 それでも、政子は、泰時は。

時政パパの選択は

 りくに望まれない時の時政パパの顔は、疲れ果てた老人のようで。
子供たちと一緒の時は、明るい馬鹿な親で。
ああ、北条時政は、もう満足していて。
野望もとうの昔に燃え尽きていて。
それでも、りくを愛して、この好いた女のために死んでも良い、一緒に死のうと決めたのか。

 ただ、戦うというなら、殺し殺されも当然と覚悟し。
愛する家族と、最後の団欒を楽しんだのか。
きっと、これだけで良かったのに。
りくと一緒に死ぬと決めたのか。

 時政も、りくも、義時も、政子も、実衣も、もう居ない全成も大姫も、みんなみんな。
伊豆の畑から、遠くへ来てしまったなぁ。

妻たちの戦い

 苛烈な、りく VS.政子
前々から折々に前妻の血を引く政子・義時・実衣・最近は時房に嫉妬していましたし、特に源氏に嫁いで権力を握れる立場の政子と実衣を牽制してきました。
愛息・政範を失って、自分の血族の繁栄という野望を瓦解して、残ったのは老いた自分と夫。
あまりにも醜い憎しみと欲望、それでもなお美しい顔が、痛々しくて、悲しくて。

 実衣は割と抜けててお姉ちゃん大好きで情のままにしか動けませんし、りくと似て京ばかり気にするのえさんも夫を支配する美しさも周りを巻き込む程の悪どさ計算高さも無いので、ここから先は血みどろな妻たちの戦いは無いかなー
と、ちょっとだけ地獄の最小化を期待しています(笑

失うもの、生まれるもの

 今回は今までで一番、懐かしい記憶が揺り動かされる構成でした。
北条家の家族の記憶、魚の骨、泰時の無愛想な言い返し、武衛武衛、エトセトラ。
また義時が多くを失っていく予兆のようで、胸が重くなりました。

 特に、和田義盛が上総介広常のように消えていくとしか思えない流れで、辛い……!
このドラマ、救いや笑いが全部消えていって、新たな救いかと思ったらまた消えてくよ!

 そしてこの欠落と喪失の先に、真っ黒な装束の執権・北条義時が生まれるのかな。
生まれて、しまうんだろうなぁ。

他、ちょこちょこ。

 牧氏事件と言うからには、りくの兄・牧宗親が出てくるかと思ったら全く出てこなかった。
あの人どうなったんだっけ…?

 三浦義村、また親子の殺し合いに笑顔と人の心の無さでしたが、「そうだそうだみんな武衛だ」があんまりにも心無くて笑ってしまいました。
ちょっとは人の心に寄り添おうぜ!(笑
 今回、割と時政パパと一緒に切り捨てられてもおかしく無い立場になったのですが、保険があるのか、理の無い処断を義時はしない、と信じているのか。

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ぶるがり屋 2022/09/19 00:21

鎌倉殿の13人 36話 の感想

鎌倉殿の13人 36話
「武士の鑑」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 散る次郎、残る小四郎
多くのものが死んでもなお、晴れやかさが残る回でした。
畠山重忠、強く美しく気高く、武士の鑑よ。

 そして負け、殺されず地に履い、生き残らされた北条義時は。
残酷に後ろ暗く醜く、支配者にならなければいけない……

気の良いおじさん和田義盛

 ずっと口喧嘩ばかりで一緒だった畠山殿が討たれるとなり、和田義盛がどう応えるのか、気になってましたが、期待通りでした…
素晴らしい!可愛い!!
 追討策に反対し、降伏の使者となって生き延びようと懇願し。
畠山の誇りの高さを知るからこそその決意の重さを悟り、それでも腕相撲を断られ(笑
戰となれば全力で一番得意な策で臨み、小四郎との一騎打ちを、三浦義村とともに守る。
 ああ、我々が愛する、和田義盛殿でした。

 同時に、この良いおじさんだからこそ、気づいてないんだろうなぁ。
かつて畠山殿が比企邸前で言ったことを、義村が理解していることを。
次は和田かもしれない、ということを。

戰上手・畠山重忠とその死

 戰など誰がしたいと思うかぁ!
当代一の武士とも讃えられ、非常に軍を進めてきた畠山重忠。
だからこそ、叫びが重く悲痛でした。
壇ノ浦で水夫や女子供を殺し、戦友梶原景時を追い、比企一族を滅ぼし。
それでもなお、誇り高くあろうとした男の、本当の心の叫び。

 多勢に無勢の合戦でも存分に戦い、兵数差を見切って本陣に向かい、一騎討ちへ。
小四郎と次郎、旧友だからこそ理解し合い、戰を読み切った次郎が導いた、そして必然の決着。
白と赤、黒と金。
2人だけの世界で戦い、勝っても殺さず、なお笑顔で去る。
憎しみも、無念も、友情も、悲願も、全力で託して。
きっと、この先も分かって、戦って死んだのでしょう。

 それでも、最後だと、小四郎の一縷の望みの首検分は逃げられた。
年若い源実朝は、それでも未熟を知り、己の罪と知り、罪を飲み込んだ。
父・北条時政は、己の罪を見届けさえしない……
 小四郎に時政を追い落とす他は、無い。

 誇りと道理を貫いた、なんて清々しい、小四郎への呪いなのだろう。
多くの者が、小四郎に願いと無念を残して死んでいく。
幾つも幾つもの願いが無念が、呪いとなってへばりついて黒くなって。
重忠の遺した笑顔をまとって、小四郎はまた黒くなる。

姉と弟

 一幡を殺し、頼家を殺し、小四郎の苦しみを理解できても、信じられなくなった政子。
今度は父を落とすと決めた小四郎に、政子は理由も犠牲も、頼朝への想いも全て理解して、その罪の重さに驚き苦しみながらも、背負うと決めた政子。
ああ、久しぶりに2人が手を結んだんだなぁ。
結べたんだなぁ。
 その絆は嬉しいけれど、それは鎌倉を守るための最後の手段だから。
父を落とす、ただ一つの道だから。
頼朝の意思を継ぐと、鎌倉を守ると、2人は背負うのだ。

父と子

 次郎を殺せず、それでも父に望みをかけた小四郎は、消えた。
消えてしまった。
姉・政子と悪友・義村を共犯に、北条義時となった。
なってしまった。

 愛息子に「小便ちびった」と、父に教わった優しい嘘をつけるようになった小四郎が愛らしく、同じ日に父を見限った義時が、悲しい。

時政パパはくじけない

 んで時政パパも、陥れられても笑い、このまま終われないのがまた愛らしくも困ったちゃんだよ!
いやずっと困ったちゃんだったけど!
 皆に笑って欲しい、家族が大事、という自らの拠って立つ生き方を自ら壊してしまったことを理解して、それでも降りるなんて出来ないおっちゃんだよなぁ。

 決して近く居て欲しくないタイプですが、格好良く可愛いのですよね。
全てを読んで失敗の可能性も十分に理解して、それでも博打うって失敗しちゃった表裏比興の者・真田昌幸と、ついつい比べてたくなっちゃいます(笑

旧友4人

 鎌倉殿の13人はなった回で2人欠けるスピード瓦解でしたが、主人公同世代、旧友4人がついに欠けてしまいました……
だからこそと言うべきか、4人の友情、絆、関係性が具に描かれ、胸を暖かくもしてくれました。
 重忠と義時の理想と清廉さの理解、重忠と義盛の喧嘩ップル(違)、義時と義村の悪友っぷり。
特に今回は、理解して、尊敬し合うからこその北条義時と畠山重忠の一騎討ちの気高さと泥臭い本気っぷり、また2人だけの戦いを守る義盛と義村の息の合いっぷりに胸が熱く、切なくなりました。

 だからこそ、殺し合う理由なんて無かったんだ、この先も続いてしまうんだと、重苦しくなるのです。

小四郎と平六

 理解しあっている4人の中でも異質な小四郎と平六。
今回で「下がっていろ」と言われた義村が笑った理由が怖いなぁ(笑
「お前もそんな口が聞けるようになったか」の不遜な笑いか、「やっと俺好みの(多分超えるに値する)男になったなぁ」の破顔か。
いやー怖い怖い、楽しみー!
 この2人は敵対してからが本番なよーな気がしてます(笑

次も地獄 …あれ?

 そして、北条義時は地獄の道を突き進む…
かと思ったら楽しげな北条姉弟たちの宴会?風景に「オンベレブンビンバ」?
これは…予想がつかないぜ!!??

他、ちょこちょこ。

 畠山重忠の妻であり重保の母、ちえ。
娘の苦しみと憎しみの重さを、時政パパは気づいてないんだろうなぁ……
稲毛重成に嫁いだあきは死んでるからまだ良いけど(良くない)。

 足立遠元と北条政子の語らい。
ちょっと切なくて微笑ましくて笑っちゃったけど、大江広元に見せた優しさ美しさも合わせて、政子の権力を求めない真摯な優しさが、これから大きな力になっていくのだと理解出来ました。
 義時は大義で、政子は情で鎌倉を支えるんだ。


 今回で横田栄司さんで張飛、中川大志さんで関羽or関平で三国志演って欲しくなりました(笑

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ぶるがり屋 2022/09/12 00:46

鎌倉殿の13人 35話 の感想

鎌倉殿の13人 35話
「苦い盃」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 よし、今回は誰も死ななかったな!(予告とか目逸らし
北条政範の死から次の合戦までの、ほんのひと時。

のえさん三浦義村評

 やっぱり見抜いたー!!(笑
のえさんの猫かぶりっぷりも図太く素敵ですが、振る舞いで即見抜き、米粒一つの証拠を見出す平六、期待に応えてくれるぜ!
男女の関係と、提言のみに留める様も実に小憎らしい(笑

秘密基地・和田邸

 和田義盛さんのお家が源実朝に気に入られてるー!
まぁ明らかにこの家の雰囲気、和やかですものね。
結果として実朝の悩みを解決してますし。
和田殿有能。
臭いのは御免ですが(笑

 和田殿がちょっと悪いことも教える気の良いおじさん、出迎える八田知家が同じ気の良い、でもちょっと厳しいおじさんでした(笑
気心知れあって、仲良いなぁ。
今や13人+畠山家+三浦家、ご近所の遠い親族みたいなものなのでしょうね。
だからこそ殺し合いが辛いのですが……

大好き三善康信

 他の登場人物たちの人生はあらかた調べましたが、三善康信だけまだ調べられません。
彼だけは、彼だけでも幸せに死んで欲しい……
今回、本当に頑張ったよ!良い声だったよ!結果出したよ!
周りに知らせなかったのは失敗だけど今回ばかりは八田殿が連れて帰らなかった方が良かったでしょうし!
実朝の側近は和田殿と三善殿、泰時だけで良いよ……!

坂東武士の鑑、畠山重忠

 本っ当に清廉で剛直で、武士の鑑だ。
恐ろしい、美しいほどの坂東武者だ。
怪力に武勇を備え、正々堂々を好み、正義の欠けた戦いで悩みながらも迷わず戦う非情さも持ち。
だからこそ義時の弱さも過ちも正しさも、痛みも分かった上で問い詰める。
大義を以って犠牲を払わせるなら、お前も大義を以って犠牲を払わなければならない。

 義時が重忠の武勇を誰よりも知るように、重忠も義時の苦しみを知っているのでしょう。
それでも、だからこそ、逃げず、逃げるのを許さず、問う。

可愛く情深く強い、時政パパ

 ちゃんと聞く耳もある、常識も持ち権力欲はそこそこだし、人情は厚い。
でも、愛する家族が死ぬと考えたら、それだけで何でもやってしまう、やれてしまう。
帰ると言って隠れたり笑顔で孫騙したりとか、他の最高権力者の誰でもできないよね(笑

 登場最初からの魅力いっぱいな時政パパが、その時政パパのままに地獄を作っていく様が、痛々しく悲しいですよ。

 りくさんも愛息子と野望を失って判断力が落ちての錯乱ですが、もともと都人の平賀朝雅を寵愛してましたし、一度間違えば滅ぼされるほどに憎まれて居るのも真実なのですよね。

大きな転機 その前に

 期待していたより政範の死はあっさりで、その余波、その結果としての畠山重忠の乱を大きく描くのですね。
この物語、義時にとって大きな転機、ということ、なのでしょう。

 ああ、そうか。
鎌倉の為、北条の為。
そう諳んじて義時が目を逸らしていた、「鎌倉安定の一番の敵」を倒さなければいけない。ついに義時が鎌倉の最高権力者になる。
安定した武士政権が誕生する。
大きな大きな転機。

 尊敬する人を見殺し、敵を欺いて殺し、仲間を見送り、主君を親族を殺し、友を殺し、父を追放し、その先で全てを握るのか。
数多の願いと呪いを背負って、全てを握るしかないのか。
その時、北条のためか、源頼朝のためか、そう、義時は言えるのか。

 今回で分かっちゃいましたが、小四郎の"心"、すでにたくさん失ってしまったけれど、"失う心"まだまだいっぱい残ってるんですね……
これから更に、その残った"心"を失っていくのですね。

 そんな父の背中を、太郎はずっと見続けるんだ。

演技の妙、味わい深い表情

 りくさんの政子を騙し時政を追い詰める迫真の能面が、心が壊れて張り付いたような顔が、凄かった、怖かった……。

 今回の好きな顔は、
畠山殿の射竦める眼差し。
大江殿の政子を見惚れる蕩け顔。
大竹しのぶさんの歩き巫女の怪しく胡散臭く、なお人の心に染み入る言葉と笑顔
実朝くんの悩みを飲み干すほころんだ顔。
いくつもの感情が混ざり合った、複雑な、今までの生き様が溢れ出たような。
うん、ええ顔や。

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ぶるがり屋 2022/09/11 23:45

鎌倉殿の13人 34話 の感想

鎌倉殿の13人 34話
「理想の結婚」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 前回が悲劇ながらも救いがあったのに続き、久しぶりに一息つける面白話でした。
いや不穏いっぱいで来週に回されただけなのも明らかだけど!

髑髏と小仏の継承

 これ源氏は源義朝の髑髏、北条得宗家は小仏を継承することになるのかな(笑
髑髏は「美旗たるべし」、小仏は「戦や謀略の中にあっても、人の心を忘れざるべし」という戒めと願いなのでしょうか。

 鶴丸くん気安いなぁ(笑
ここらへん許してるのも北条家の甘さと北条泰時との仲の良さが分かります。

新しい妻、のえ

 義時が女に騙されるのはまー仕方ないというか一度くらい騙されとけ!という気が(笑
基本的に八重さんにも比奈さんにも迷惑かけっぱなしでしたし。
「キノコ大好き!」だけで笑いが出るの、積み重ねだよなぁ。
テレビ前で思いっきり吹きました(笑

 悪女っぷりが泰時にバレましたが、正直、最後のしたたかさぐらいなら義時にちょうど良い気がしたり。
強大で厳正な政を行う、心優しく朴訥な男の横に居ると考えると、ね。
まぁ八田知家・二階堂行政・大江広元を騙せるのなら十二分に"良い女"ですよ。

 絶対見抜くでしょうけど、どう評するか、来週の三浦義村との出会いに期待です。

三代将軍・源実朝と鎌倉幕府

 千鶴丸に始まり義高、大姫、一幡と来て、今回も源実朝といい、北条政範といい、子供や若者が大人の政治・権力争いに巻き込まれて犠牲になるの、嫌だし辛いですよ。
そんな苦しむ若者、実朝に和歌集をさりげな〜く渡せた三善康信さん、
頑張った!偉い!不憫可愛い!

 源実朝くんが、本当に良い青年で、応援したくなります。(実年齢は少年)
皆の期待に答えようと真面目に一所懸命なのがいじましい…
 体力尽きる無茶な教育現場だったけど、頼家の失敗から随分と学んでいるのも確かなのですよね。
頼家には出来なかったこと、伝えられなかったこと、これから一緒に生きること。
鎌倉が破綻しないよう、自分たちの為でもありますが、償いも願いも感じるのです。

 息がつまる生活の中で、和田殿の豪快で無遠慮な可愛さと、政子が選んだ優しい和歌集は、きっと大きな救いだよなぁ。

北条の綻び

 賄賂に流されまくる北条時政、権力を飲もうと飲まれるりくと実衣。
そして、政範の悲劇。
この時点でもう、りくさんの野望はもう叶わないのですよね……
野望と最愛の息子、両方いっぺんに失ってしまったりくが悲しく、その絶望の先が恐ろしく。

 平賀朝雅はダメな奴とは思っていましたが、それでも権力狙いでプライド高いだけで、小悪党にもならない筈だったのに。
ああ、政範くーん!
 来週、死の真相と朝廷と鎌倉の関係がどう進むのか、楽しみです。

他、ちょこちょこ。

 三谷幸喜さんは山本耕史の使い方が卑怯だよ!
毎回ギャグノルマクリアしなくていいよ!

と思ったけどやっぱ毎週お願いします。
大好き。

 初ちゃんも佳い女だなぁ。
言葉少なだけど一言一言が強く、行動もためらわない。
八重さんの肝の太さと平六の人を見る目が備わって居るのでは。
いやぁ、これは最高の妻ですわ。

 北条時房くん、優しく人を慮り行動力も高い!
けどホントに肝太くて無遠慮でウザいな(笑
義時が気兼ねなく怒れるの、平六とトキューサだけなのでは。

 八田知家殿は「他人に関わらず気っ風の良い梶原殿」のイメージが強くなってきました。
真面目で他人を慮らず、公平で私欲と公権力を分ける高潔さ。
好漢だ。
今回でさらに「頭良いけど思想が脳筋」「女を見る目が無い」も加わった(笑

紀行は以仁王

 年初は『鎌倉殿』とアニメ『平家物語』を見ていたな…… と思い出しました。
2作品ほぼ同時期に以仁王が出て、死んでしまって。
『平家物語』ももう遥か昔のようで、平家は滅び、頼朝義経も、あまりに多くの愛すべき者たちが死に、心安らいだ幸せな絆は朽ちて。
遥か昔、ずっと遠くに来てしまった、そんな風に感じています。

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