ぶるがり屋 2022/09/25 23:16

鎌倉殿の13人 37話 の感想

鎌倉殿の13人 37話
「オンベレブンビンバ」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 オンベレブンビンバ
最初はスタッフどーしたんだと思いましたが(笑
イタリア後で、「子どもを見守る親の影」という意味だそうですね。
 はるか昔に失ってしまった、愛する子供の思い出。
家族全員で幸せを祈った、祝福の言葉。
長い長い旅路の、傷だらけの、愛しい記憶。
可愛い可愛い、子供への。

権力者は誰か

 もう権力移動してるー!!
畠山滅亡で御家人たちに見限られた上に、政子・義時に恩賞を握られたことで乗り換えられたのでしょう。
今までずっと、時政パパは身びいきばかりでしたからね……。

 ちょっと頑張り切れない政子も、すごそばで仕事する喜びを隠し切れない大江広元も、3人の真面目な最大権力者に囲まれて愛される泰時も、愛らしい。
特に大江広元さん、血に左右されない、自分にも厳しく正しく政を行おうとする権力者が大好きなんだろうなぁ。
そして政子の美しさと厳しさが大好きなんだろうなぁ。

りくの謀略

 辛い。
やっぱり政範が死んで、野望がほぼ潰えて、どんどん深みに行ってしまっているのか。
少なくとも平賀朝雅を疑っていればこの策は選べないでしょう。
そして何より、賢いりくが「御家人たちが従う理由」が分かっていない、忘れてしまっていることが、悲しいですよ。
 「自分の血を引くものを権力者に!」と言う最後の頼みが、この策なのも分かるのですが。

 以前は将軍職を夢見て載せられた筈の平賀朝雅が粛清粛清に怖がって逃げるのがまた残忍な小悪党というか、朝雅以下の判断力になってしまったり草っが悲しいと言うか……。

北条一家

 最後の宴、オンベレブンビンバの宴。
時政パパも義時も、久々に見る、優しいあけっぴろげな笑顔なのですよね。

 ずっと一緒だった家族。
だけど、もう一番大事な、自分の身を捨てても大事なものは、違うのですよね。
北条時政は家族を見て、義時は鎌倉の政を見て、政子は人の未来を見ている。
時房は、大事な人たちに寄り添おうとして、でも不器用でちょっと失敗している(笑

 酒を飲んで、昔を思い出して、笑って。
一緒に土にまみれて、また笑いあって。
家族で、各々に愛して、心通じて。
それでも殺し合うと。
時政は決めてしまった。
義時も決めてしまった。

 父・時政を排除する。
義時がこの時に泰時を側に置いたのは、源頼朝に教えられたように、泰時も政治と権力の闇と思い身を知れ、そして継げ、という意味と。
自分が誤ったならば同じように排除せよ、そういうことなのだと思います。

 それでも、政子は、泰時は。

時政パパの選択は

 りくに望まれない時の時政パパの顔は、疲れ果てた老人のようで。
子供たちと一緒の時は、明るい馬鹿な親で。
ああ、北条時政は、もう満足していて。
野望もとうの昔に燃え尽きていて。
それでも、りくを愛して、この好いた女のために死んでも良い、一緒に死のうと決めたのか。

 ただ、戦うというなら、殺し殺されも当然と覚悟し。
愛する家族と、最後の団欒を楽しんだのか。
きっと、これだけで良かったのに。
りくと一緒に死ぬと決めたのか。

 時政も、りくも、義時も、政子も、実衣も、もう居ない全成も大姫も、みんなみんな。
伊豆の畑から、遠くへ来てしまったなぁ。

妻たちの戦い

 苛烈な、りく VS.政子
前々から折々に前妻の血を引く政子・義時・実衣・最近は時房に嫉妬していましたし、特に源氏に嫁いで権力を握れる立場の政子と実衣を牽制してきました。
愛息・政範を失って、自分の血族の繁栄という野望を瓦解して、残ったのは老いた自分と夫。
あまりにも醜い憎しみと欲望、それでもなお美しい顔が、痛々しくて、悲しくて。

 実衣は割と抜けててお姉ちゃん大好きで情のままにしか動けませんし、りくと似て京ばかり気にするのえさんも夫を支配する美しさも周りを巻き込む程の悪どさ計算高さも無いので、ここから先は血みどろな妻たちの戦いは無いかなー
と、ちょっとだけ地獄の最小化を期待しています(笑

失うもの、生まれるもの

 今回は今までで一番、懐かしい記憶が揺り動かされる構成でした。
北条家の家族の記憶、魚の骨、泰時の無愛想な言い返し、武衛武衛、エトセトラ。
また義時が多くを失っていく予兆のようで、胸が重くなりました。

 特に、和田義盛が上総介広常のように消えていくとしか思えない流れで、辛い……!
このドラマ、救いや笑いが全部消えていって、新たな救いかと思ったらまた消えてくよ!

 そしてこの欠落と喪失の先に、真っ黒な装束の執権・北条義時が生まれるのかな。
生まれて、しまうんだろうなぁ。

他、ちょこちょこ。

 牧氏事件と言うからには、りくの兄・牧宗親が出てくるかと思ったら全く出てこなかった。
あの人どうなったんだっけ…?

 三浦義村、また親子の殺し合いに笑顔と人の心の無さでしたが、「そうだそうだみんな武衛だ」があんまりにも心無くて笑ってしまいました。
ちょっとは人の心に寄り添おうぜ!(笑
 今回、割と時政パパと一緒に切り捨てられてもおかしく無い立場になったのですが、保険があるのか、理の無い処断を義時はしない、と信じているのか。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索