ぶるがり屋 2022/09/12 00:46

鎌倉殿の13人 35話 の感想

鎌倉殿の13人 35話
「苦い盃」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 よし、今回は誰も死ななかったな!(予告とか目逸らし
北条政範の死から次の合戦までの、ほんのひと時。

のえさん三浦義村評

 やっぱり見抜いたー!!(笑
のえさんの猫かぶりっぷりも図太く素敵ですが、振る舞いで即見抜き、米粒一つの証拠を見出す平六、期待に応えてくれるぜ!
男女の関係と、提言のみに留める様も実に小憎らしい(笑

秘密基地・和田邸

 和田義盛さんのお家が源実朝に気に入られてるー!
まぁ明らかにこの家の雰囲気、和やかですものね。
結果として実朝の悩みを解決してますし。
和田殿有能。
臭いのは御免ですが(笑

 和田殿がちょっと悪いことも教える気の良いおじさん、出迎える八田知家が同じ気の良い、でもちょっと厳しいおじさんでした(笑
気心知れあって、仲良いなぁ。
今や13人+畠山家+三浦家、ご近所の遠い親族みたいなものなのでしょうね。
だからこそ殺し合いが辛いのですが……

大好き三善康信

 他の登場人物たちの人生はあらかた調べましたが、三善康信だけまだ調べられません。
彼だけは、彼だけでも幸せに死んで欲しい……
今回、本当に頑張ったよ!良い声だったよ!結果出したよ!
周りに知らせなかったのは失敗だけど今回ばかりは八田殿が連れて帰らなかった方が良かったでしょうし!
実朝の側近は和田殿と三善殿、泰時だけで良いよ……!

坂東武士の鑑、畠山重忠

 本っ当に清廉で剛直で、武士の鑑だ。
恐ろしい、美しいほどの坂東武者だ。
怪力に武勇を備え、正々堂々を好み、正義の欠けた戦いで悩みながらも迷わず戦う非情さも持ち。
だからこそ義時の弱さも過ちも正しさも、痛みも分かった上で問い詰める。
大義を以って犠牲を払わせるなら、お前も大義を以って犠牲を払わなければならない。

 義時が重忠の武勇を誰よりも知るように、重忠も義時の苦しみを知っているのでしょう。
それでも、だからこそ、逃げず、逃げるのを許さず、問う。

可愛く情深く強い、時政パパ

 ちゃんと聞く耳もある、常識も持ち権力欲はそこそこだし、人情は厚い。
でも、愛する家族が死ぬと考えたら、それだけで何でもやってしまう、やれてしまう。
帰ると言って隠れたり笑顔で孫騙したりとか、他の最高権力者の誰でもできないよね(笑

 登場最初からの魅力いっぱいな時政パパが、その時政パパのままに地獄を作っていく様が、痛々しく悲しいですよ。

 りくさんも愛息子と野望を失って判断力が落ちての錯乱ですが、もともと都人の平賀朝雅を寵愛してましたし、一度間違えば滅ぼされるほどに憎まれて居るのも真実なのですよね。

大きな転機 その前に

 期待していたより政範の死はあっさりで、その余波、その結果としての畠山重忠の乱を大きく描くのですね。
この物語、義時にとって大きな転機、ということ、なのでしょう。

 ああ、そうか。
鎌倉の為、北条の為。
そう諳んじて義時が目を逸らしていた、「鎌倉安定の一番の敵」を倒さなければいけない。ついに義時が鎌倉の最高権力者になる。
安定した武士政権が誕生する。
大きな大きな転機。

 尊敬する人を見殺し、敵を欺いて殺し、仲間を見送り、主君を親族を殺し、友を殺し、父を追放し、その先で全てを握るのか。
数多の願いと呪いを背負って、全てを握るしかないのか。
その時、北条のためか、源頼朝のためか、そう、義時は言えるのか。

 今回で分かっちゃいましたが、小四郎の"心"、すでにたくさん失ってしまったけれど、"失う心"まだまだいっぱい残ってるんですね……
これから更に、その残った"心"を失っていくのですね。

 そんな父の背中を、太郎はずっと見続けるんだ。

演技の妙、味わい深い表情

 りくさんの政子を騙し時政を追い詰める迫真の能面が、心が壊れて張り付いたような顔が、凄かった、怖かった……。

 今回の好きな顔は、
畠山殿の射竦める眼差し。
大江殿の政子を見惚れる蕩け顔。
大竹しのぶさんの歩き巫女の怪しく胡散臭く、なお人の心に染み入る言葉と笑顔
実朝くんの悩みを飲み干すほころんだ顔。
いくつもの感情が混ざり合った、複雑な、今までの生き様が溢れ出たような。
うん、ええ顔や。

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