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鎌倉殿の13人の記事 (48)

ぶるがり屋 2022/07/24 22:33

鎌倉殿の13人 28話 の感想

鎌倉殿の13人 28話
「名刀の主」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 もう12人じゃねーか!
タイトルの13人体制、いくら何でも丸々1話も保たないとは思わなかったよ…(笑
いや、今までの仲違いを見れば、半年は保った方なのか。
一番邪魔な、正しくうるさがたの人物から消される、破局の始まりですね…

(7/24 23:05追記)
中原さん13人だった…
もう11人になってた……!

止まらない権力争い

 まぁ比企と北条の低レベルな喧嘩に巻き込まれるのは嫌ですよねー(笑
少しでももっと権力を、少しでも邪魔な奴を排除しよう。
くだらない、愚者の、でも根源的な人間の欲。
梶原景時の失敗は、そういう人間の根源を軽視したことも有るような気がします。
りくさんが怖かったけど、景時はあのずる賢さも計算できなかっただろうなぁ。

 梶原どのも悲劇でしたが、実衣ちゃんの利用されっぷりが、下衆で残酷ですよ……

宿老たち

 欲と野望、大義が渦巻く群像劇。
今まで物語を彩った古強者たちの個性が光る回でした。
安達盛長の真の忠義、千葉常胤の古き良き危なっかしい武士魂、土肥実平の犠牲を踏み越えて歴史を変えた者の切望。

 前回、源頼家と安達殿が爺やと坊ちゃんの関係になれなかったと嘆きましたが、ここまで断絶が有るとは。
良くも悪くも源頼朝は依怙贔屓しなかったと感じながらも、その結果が辛いですよ。

 今回の千葉常胤と「同じように、もう一花咲かせたいと願っていた土肥実平の、一人叫ぶ様に少し泣きそうになりました。
武士らしくも有り、優しくて、ここまで来るのに築いた犠牲に苦しんできて。
時代を開いてきた一人であり、その苦しみも間違いも背負ってきた、老武者の悲哀を見ました。

源頼家の選択

 「君主論」でも部下の妻を奪うのはやっちゃいけない筆頭でしたか(笑
女好きはともかく、権力を笠に着ての略奪と処罰は最悪ですし、母と妻が怖くて止めるのは最低としか。
 まーおかげで妻たちが仲良くなったのは良かったのか(笑

 梶原景時への裁定は有能とは言えませんが、他に取れる手段があったかと言うと…
反対に常識と正しい現状認識に即した判断であり、無能でない証だったと思います。
傷ついてでも自分主導を通した頼朝との差でも有りますが……

 半分以上自業自得ですが、妻たちから、母から、最側近から突き放された、そんな心持ちなのですよね。
父の影響をそのまんま受けた行動なのも間違いなくて。
頼朝のアホー!(笑
頼家のばかー!(涙

辛いわぁ…

梶原景時という英雄

 ずっと己の才を信じ、天の下、名将として生きたかった。
事実十二分な才が有り、才を振るい、振るうに値する最高の主を得た。
ただ、そこで終われなかった。
主と戦さ場が、先に終わってしまった。

 鉄面皮だった顔が崩れ見せた涙は。
自分の望む時間は終わったのだと、人の心、天の運が自分に無かったのだと気付かされて。
それでも、そこで終わるなんて出来なかった。
 景時の根っこは、正義と栄誉を夢見る少年だったような気がします。

受け継がれる名刀

 主によって名刀にもなればなまくらにもなる。
なまくらになったのは景時、受け継がれた名刀は善児。
こっわい置き土産だよ!
 善児の次の持ち主が義時だとは…
物語の終盤で引き継ぎそうな気はしましたが、本編2話でとは。
確かに現時点で引き継ぐべき「無欲の裁定者」たるは義時だけですが…

 「源氏は飾り、板東の為」も、頼家と義時への楔でも有り、願いを託す置き土産かな。

 善児。
天の代わりに誅す、人の心を捨てさせる死神の鎌ですなぁ。
人の手に余る、恐るべき刀か。

小四郎と平六

 へ、平六〜!!(怒
りくさん怖いなぁとか思ってたけど、お前が一番怖いよメフィラス!
梶原殿は今まで何人も殺してきたし殺される覚悟も有ったけど、実衣ちゃんを惚れさせて操って裏切るんじゃないよ!

 あれ?
鎌倉を維持したい義時と、適度に崩して権力掴みたい義村と、実は敵対関係じゃないです?
義村は義時のことよく分かってて今回も実衣から動かさせましたけど、今の義時なら義村の暗躍も必ず捕まえそうです。
 このドラマの結末、権力的なラスボスは後鳥羽天皇、テーマ的なラスボスは三浦義村が担うような気がしてきました。
 権力と絆の果てに、築かれるもの。

他、ちょこちょこ。

 うう、三幡の悲劇が悲しい……
中原親能も退場。
乳人って本当に大きい絆なんだなぁ。

 今度こそ、傷ついた実衣ちゃんを慰めるんだ全成!
君の人を傷つけられない、のほほんさが今一番癒しになるんだ!

 八田殿、脳筋どころか公平な行動、土地に根付いた見識、最高に格好良いぜ!

 比企りくさんに続いて、和田義盛も平時の邪魔だなぁ。
邪悪じゃなくて短慮な分怖いよ!

 見映えが良過ぎる畠山(笑
まー自分が尊ぶ才能や武勲でなく選ばれてて不満なも分かるけど、やっぱりムカつくよ!(笑

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ぶるがり屋 2022/07/17 22:55

鎌倉殿の13人 27話 の感想

鎌倉殿の13人 27話
「鎌倉殿と十三人」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 鎌倉時代、武家の時代を一人で築き上げた源頼朝、その死。
鎌倉殿の13人 新章・本編始まる…!!

新章・本編始まった!

 よし、誰も死ななかったな!
(文覚は勘定から外す)
いや闘争や滅亡の兆しいっぱいなものの、愛着ある人物たちが誰も死なないでほっとしましたよ〜。
政治劇はコミカルで、最近で一番の楽しい回だったのでは。

 そんな中でも一番恐いのは、実衣ちゃんと全成の夫婦に亀裂が入りそうなところ。
どんなに悪どかったり残酷を選び取る人物たちでも、愛し愛され夫婦仲が良くて。
それが救いだったのですが、ついにここもオアシスではなくなってしまうのか…

後鳥羽上皇、登場

 今川氏真だ!(違
『おんな城主直虎』から、また尾上松也さんが雅で蹴鞠得意そうな配役に(笑

 少ない情報から頼朝の死、さらには鎌倉の状況まで読み解く上皇。
同じ蹴鞠好きでも父の死の真相には遠い源頼家と、気付いた北条頼時の対比か。
ただ頼家は蹴鞠で朝廷接触と近習作りに用いていて、無能というよりはまだまだ未熟で、政権作りだけで精一杯な状況なように考えます。

政治劇は群像喜劇

 いやぁ、三谷幸喜さんの魅力全開ですね(笑
 和田殿への「難しいことは俺はダメだぞ」「皆分かっておる」「勢いが欲しい」「お手伝い致しましょう!」

 時政パパの「もう一人いっとく?」

 「死にました」「もうすぐ死にます」「爺さんは止めましょう」
三浦義村のバッサリ斬り具合。
どれも最高でした(笑

 今まで描かれてきた一人一人の、考え方や対し方、関係性がまた面白く。
比企と北条の権力争いも、当人たちは殺し合うほど憎んでないので現代だったら楽しく見られると思うのですが、この時代では蹴り落とすのも蹴りあとされるのも切った張ったの殺し合いなのですよね…
 今までは頼もしく思えた時政パパの暗躍が、鎌倉の分裂・紛争に近づいて見え、怖く悲しくなりました。
どんどん怖い時代に進んでいく……。

鎌倉殿の13人

 ついに登場、タイトルの鎌倉殿の13人。

北条時政

 かわいい時政パパン!

北条義時

 我らが主人公、糞真面目堅物、人の心分からない無骨者!だから好き!

三浦義澄

 かわいいおじさんNo.2、時政パパンのキャッキャ仲間。

安達盛長

 頼朝の爺様。

和田義盛

 猪突猛進こってり田舎武者。仁は篤い。

梶原景時

 糞真面目堅物その2、主家より天地神明に仕える。

比企能員

 権力大好き!悲劇の大体の原因側なのに可愛くてちょっとムカつく。

大江広元

 鎌倉のオーベルシュタイン。今回も比企の歓待を思いっ切り拒絶しててニマニマ。

足立遠元

 誰だっけ…?

八田知家

 胸元セクシー今回で実力と誇りの高さが分かり、かなり好みに。

三善康信

 危なっかしいけど真面目で丁寧な文官。

中原親能

 大江広元が連れてきた兄、京に強い。

二階堂行政

 誰だっけ…?その2

 うーん、足立遠元と二階堂行政を覚えてないな…
足立さんは政子周り担当の人でしたっけ?
 平知康が丁寧に思い出しナレされたけど、そっちは覚えてるんでこの2人こそやって下さい!

 ついに来たタイトル回、なのに鎌倉殿"と"十三人なのですよね。
新たな鎌倉殿、頼家の13人ではない……。

頼家、2代目将軍の孤独

 2代目将軍本人も、宿老たちもまだ幕府も最高権力継承も知らない中で。
決して無能ではなく意欲も高く、かつ明らかに未熟な将軍、源頼家の頑張りも苦悩も悲しいですよ。

 頼家の「お前らを信じていない」は最大の悪手だけど、近習に比企・北条の両勢力を入れてるところは慧眼だと思うのですが、また世界の狭さも表しているようにも。
不器用で優しく、人を信じ、信頼に応える太郎(頼時)が頼家の懐刀になってくれると、良いなぁ。
少なくともこの近習制について、頼期は父・義時に話さなかったのですから。
五郎(時連 )くんは年かさなんだからそれとなく流そうよ!

 13人の中で信用できる人物とすると、北条義時、梶原景時、大江広元、安達盛長。
頼家にとって安達殿が「遊んでくれる爺様」にはならなかったのが、悲しいですよ。
後の3人は「各々のあるべき君主」に忠誠を捧げているので、頼家個人に忠誠を捧げてはくれないのですよね…

 冒頭、政子が授けた"義朝の髑髏"の意味を、頼家は理解出来なかったのか。
自分の心や真実は問題ではない、人の心を束ねて力にすることが、鎌倉殿の仕事だと。
ただ、きっと一番に信頼してた義時叔父も梶原殿も頼家個人の味方ではなかった。
孤独な頼家が欲しい忠誠ではなかった。
それが辛くて、頼れなくて、頼家は間違ってしまった。

 それでも、幼い頃からの関係であり、まだ修復も再出発も出来る範囲だと思うのです。
時代や周囲が許してくれるかというと… うん、ちょっと無理な気がしますが。
どちらかと言うと今までに見せつけられた三谷脚本が、許してくれない気がしてきました(笑
史実が、三谷脚本が怖いよー!!

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ぶるがり屋 2022/07/11 01:19

鎌倉殿の13人 26話 の感想

鎌倉殿の13人 26話
「悲しむ前に」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 頼朝が死ぬ
源頼朝の手腕の元、かろうじて束ねられていた鎌倉。
頼朝の死を前に、皆が皆、得てしまった権力と立場を手に動き出す…

頼朝まだ生きてた!

 前回のラストで死んだとばかり思ってしまっていました。
いやー不謹慎不謹慎。
愛し信頼する家族である、北条政子と義時との別れは前回終わっている、あれで良いと思っていましたが、さらにしっかりとした別れの言葉を交わせるのかー
とちょっと期待していたのですが。

 権力とったるでー!なドタバタ群像喜劇の果てに、あまりに切なく痛々しい別れでした。

主人を振り捨て、鎌倉が暴れ始める

 一代で日本を掌握した稀代の英傑、武士の棟梁。
もはや誰も止められない権力者が、死を前にして。
誰もが得てしまった権力をなくさず、もっともっと権力を求めて。
眠るままの頼朝に侍るのは、政子一人。

 現実ではもっと色々な人が居たでしょうが、"頼朝個人"のために全てを捧げたのは、助からなくても最期まで供に居ようとしたのは、やはり政子だけだったのでしょう。
 疲れ切った政子の乱れ髪が、美しく、悲しい。

暴風に呑まれる北条家

 頼朝の死から生まれた暴風に、実衣ちゃんも、全成も、時政も呑まれてしまった。
ただそれは欲だけでなく、野望と責任感と、愛に呑まれてしまったように思います。

 実衣は全成を愛し、政子姉を尊敬していた。
なのに全て否定された、また貶められ取り残された。
 全成は、自分の不足を知り、恥じ、だからこそ愛してくれた実衣に、北条家に、報いたかった。
なのに結局北条家が壊れる鍵になってしまった。
 時政は家族を愛した、家族だけ守れるなら、一番だった。
だからりくの言葉に乗り、家族からちょっとはみ出した頼朝よりもりくの為、北条家の繁栄の為に流れた。

 政子が実衣を否定したのは、まずタイミングがダメダメでしたが(笑、勢いに乗せられた形で出来るものでない、重責を愛する妹にはさせられない、そういった愛が殆どだったと思います。
それでも、身も心も切り続ける重責が余人に出来る筈がないという誇り、妹が出来る筈がないという気持ちに、侮りがないとは言えないのです。
実衣はずっと、侮られ置いていかれ金魚の糞で、ずっとずっとそんな自分を超えたかったのに、最大の理解者だと思っていた姉に、拒絶された。
どちらが悪いといえば、間違いなく実衣の方が間違っていているでしょう。
 ただ、家族の絆はそんなことではなくて、野望と責任感と、愛が強いからこそ、この猛る暴風に呑まれてしまった。
 傷つけあって憎しみあって、
伊豆の仲良し家族は、もう、戻らない。

 今まで多くの地獄の中でも癒しだった、実衣全成夫婦も、北条家の団欒も…
ああもう、新しい地獄が釜を開けたよ!
辛いわ!
 ことあらば権力慎重に走るりくさんと比企は、もう仲良しなんじゃねーかな(笑

人間、佐殿

 臨終出家で、知らず髷を落とす頼朝。
髷の中には、捨てたと言った小仏が。
寂しくて、罪と宿願に苛まれて、弱くて、それでも。
「これは何ですか?」
政子との出会いで発した言葉は、とてもとても優しくて。

 宿願と大望を果たして、罪への恐怖を脱ぎ落として、やっとただの人間になった頼朝が望んだのは、安心する"家庭"だった。
政子に、足立殿に見せた、素のままの佐殿は、屈託無く笑う優しい人だったのだと思うのです。

そしてまた、明日へ。

 次の鎌倉殿は、源頼家に。
誰も為し得てこられず、前例もない新しい時代に進むのは、まだ何も成していない若者と、政治を始めたばかりの田舎武士ばかり。
それでも今あるものだけで、先へ進まなければならない…

 頼家の正室や跡取りがどうなるか、朝廷がどう出るか、不安も山積みですよねー。

 愛する頼朝の死から離れ、やっとそんなゴタゴタを、少なくとも次の段階までのゴタゴタを治めた義時。
ここで隠居するつもりだったと言うのが、私心なく、また人の気持ち分かんない奴だなぁ(笑
そーゆートコだぞ!(笑
 ただ、最後に(のつもりで)、政子に甘えたのかもしれません。
権力闘争に慣れちゃったけど、心はずっと痛いままですものね……。

 ただ頼朝に一緒に居たかった政子が、それを許せる筈もなく、家族と分かたれた孤独に耐えられる筈もなく。

 頼朝が捨てられなかった小仏が、政子から義時へ。
ああ、ああ。
救いって、権力って、幸せって何なのだろうなぁ……
託す政子と託される義時の痛々しい横顔を見ながら、そう考えてしまいました。

 頼朝を愛した2人が、頼朝が築いたものを引き継いで、守って、共犯となっていくのか。
頼朝が愛した家族が、傷つき壊れながら、地獄を歩いていくのか。
叶わない夢と、愛した人の遺した願いは、呪いと一緒だ。

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ぶるがり屋 2022/06/26 22:53

鎌倉殿の13人 25話 の感想

鎌倉殿の13人 25話
「天が望んだ男」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 生き延びる伊豆立志篇、駆け上る平家滅亡篇、新しい時代を築く築く開幕篇、維持篇。
そして源頼朝主役の第1部、終幕。
心に刻まれる、素晴らしい回でした。

恐れる頼朝、困る全成

 前回に引き続き、天に見放されたと感じ、死と成したことへの未練に迷う頼朝。
また疑われて死ぬ者が出るかとビクビクしました。
「このキャラ殺されない?」「疑われない?」ともう気が気でなくて……
 きっと全成も同じだったと思いますが、言ったことをちゃんと周りに伝えよーよ!(笑
一番困る立場の安達殿や、法事に餅作りに参加するぐらい一員なら北条家に伝えなよ!(笑

 一番似合うとプロポーズした赤を、実衣ちゃんに着替えろというシーンは悲しくなりました。
思慮がちょっと足りないのはもうキャラとして(笑、夫婦仲が冷めないで欲しいなぁ。

 全成実衣ちゃん、和田殿巴御前の夫婦は「幸せに暮らしました」で終わって欲しいなぁ。
本当に、幸せに終わって欲しい……

頼朝の謝罪

 やったー巴御前の出番だー!
と思ったらちょっと不穏で。
頼朝が謝ったのは本心ですが、頼朝が救われたいから、相手が女小物だから、なようにも取れるのですよね。
どちらにしても、配下の和田殿の妻となった身に、今更言っても仕方ない訳で。

 このせいでこっちの夫婦に亀裂が入ったら嫌だなぁと思ってたらラブラブで安心しました。
キス邪魔されましたけど(笑

人間、頼朝

 ずっとノリはコントなのに、生きた心地がしなくて。
「あー死ぬかと思った」でやっと安心できました。
勝手に怖がって不安をひり巻いて、死ぬ思いをして。
そして、頼朝は。

 私は今まで、「巨星墜つ」という表現をよく使ってきましたが、今回は違いました。
日の本の歴史を変える巨星が役割を終え、天罰を恐れて右往左往逃げ回り、虚勢も執着も全部吐き出して。
「自分だけのために生きるも良いな」
復讐と業に身を焦がした先で、やっとそう思えて。
たった一人の頼朝に戻って、人間として死んだ。
そんな風に感じました。
愛すべき人間、頼朝が。

 全部吐き出して、遠くを見つめるように笑う頼朝が、義時と政子、安達殿の前の頼朝が、きっと純粋な頼朝なのだろうなぁ。
弱くても勇気と知恵で世界を変える英雄、強くて弱くて退屈しない愛らしい夫、ずっと育ててきて子供のような"佐殿"。
臆病で傲慢で、助平で勝手で、優しくて情け深くて、弱くて業深くて、何処まで行っても人間臭さの塊な、人間。
大好きでした。
さようなら、源頼朝。

天命の死因

 寝不足、ストレス、耳鳴りから最後の症状と、脳梗塞など病気に見えて、誰かに毒を盛られたとしても納得の描写なのが、怖い……

 巴の握り飯には私も「毒味しなくて良いの!?」と思いましたし、時政以外も手を入れられそうな餅、そして最後に義時が渡した水。

 鬼灯や比企尼のように、頼朝を恨んでいるように見えても恨んでおらず、それは頼朝の心が濁っていたように見えて。
それでも簡単に受け入れてしまう頼朝も、心の何処かで信じていて。
でも、それはやっぱり幻で、頼朝を殺そうとする者が居たのか。

 ただ、私は病か呪いか運命か、天命だったように感じます。
本人たちも信じられなかったけど、鎌倉の皆々と頼朝は絆で繋がっていたと、思うのです。

託された義時

 頼朝と義時。
最後の語らいは、美しい木々の中、頼朝の笑顔も本当に晴れやかで。
木の場所が黄金比と正方形の場所をゆっくりと佇み、完璧な美しさでした。

 最初は頼朝を煩い、大事なことを私だけに話さないでと嫌がった義時が、心底嬉しそうに「私にだけ大事なことを打ち明けて下さいます」と語り。
頼家を、源氏を、武家の世を託された義時。
これから義時は、多くの犠牲にした者たちと頼朝の悲願を背負い、頼朝の健忘術策と執念を武器に、生きなければいけないのか……
辛いなぁ。
頼朝もそうでしたが、義時も、大業を為すのは自分の為ではないのか。

 最後の祈っていた墓は、死んだ妹か、八重さんか。

権力の座に残された人々は

 頼朝の死を感じた人物たちは、頼朝と縁深く、また「13人」または近しい存在なのかな。
流石にりくさんが13人になならないでしょーし。
そんなりくさんに驚き、ケツ掻いて、忠誠心が無さそーに見えてもやっぱり大事だったのだろう比企に笑い。
 遠景でえびぞめ色の人だけ分かなかったけど、誰だったのかな?

 時代を開き背負った頼朝が死んで。
自らの欲や大望に関わらず、絶大な権力を掴んでしまった鎌倉殿の者たち。
新しい時代、絶大な権力を如何にするのか。
新しい地獄が始まるんだろーなー。

 「鎌倉殿の13人」第2部 真章、始まる。
あ〜面白い!恐い!(笑

他、ちょこちょこ。

 三浦義村、辻殿を紹介する。
北条家を使うにしろ、自分の手腕で新しい権力を掴む気だ!
ウッキウキだなぁ(笑
義時に見せつける為、反応を見る為に後ろで待ってたよーな気さえします(笑

 りくさん強い!怖い!
時政を愛してない訳じゃないのでしょうけど、多分立身出世欲が最強なのでしょうね。
時政より、頼朝より。
 まー、りくさんの誹謗を咎めない大きな器、助平しようと思った頼朝の制欲の方が怖い気がします(笑

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ぶるがり屋 2022/06/19 22:00

鎌倉殿の13人 24話 の感想

鎌倉殿の13人 24話
「変わらぬ人」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 心が痛い……
何でしょうかね、切ないとか苦しいとか、心の痛みの種類が多種多様過ぎて、何とも、心が落ち込んでいます。
ああすれば良かったとか、一つの解決策では変わらないのですよね。
 見ている我々だけでなく、登場人物たちも多くが「辛い、怖い、もう降りたい」と考えているばかりなのがもう…
でもここで降りても、次代=愛する子たちが苦しむかと思うと、それも出来ない。
冷たい地獄は、まだ続く…

蒲冠者 源範頼

 前回の引きでが破滅が示唆された範頼。
一つ一つの疑いは小さいものでも、「謀反の疑い」の重さ、唯一の頼朝の血統以外の権力者になり得る存在、そして大きく膨れ上がった頼朝の猜疑心への対応と、あまりに重く恐ろしい重圧。
ただ、愛兄・頼朝の為に、周りの者たちの為にと頑張ってきた範頼には、もう頑張る理由が失くなっちゃったのですよね。
兄にも信頼されず、比企にも捨てられた、あの時に。

 ここで頼朝が殺さなかったのは救いだった……筈なのに。
夢枕も呪いも現実であった時代が悲しい。
ピンボケの中、にこやかだった農夫婦が崩れ落ちていく絵が美しいほどに恐ろしい。

 しかしこの愛すべき人の死が、今回の地獄のほんの一部に過ぎないとは……

巴御前、生きて

 まさかここで巴御前の再登場!
事実の隙間を救いで埋める演出なだけでなく、ドラマの本筋に絡める見事な筋書きです。
 戦って失って、生きて、暮らして。
残酷な時代の中で翻弄され、なお生き続ける人間の輝きを見るようでした。

 全成さんのイタココントと巴御前・和田義盛の凸凹夫婦コントだけが、今回の救いでした。
もっと出て笑わして欲しいけど、難しいだろうなぁ。

大姫の運命

 丹後局との謁見。
心がキュッと絞られましたが、京の現実と厳しさ、必要な覚悟と政略をしっかりと教えてくれているのですよね。
政子なら受け止めて、戦えた。
でも繊細な、ここまで来ることまでで心いっぱいな大姫には…

 可憐で華やかな少女、大姫の顛末。
ずっと心の中で、『シグルイ』の
「心と言う器はひとたび、ひとたびひびが入れば二度とは、二度とは、」の言葉がぐるぐる回って。

 この残酷な時代に、最大権力者・武家の姫として、
弱かったと言えばそれまで。
ただ、それでもと願ってしまいます。
もっともっと生きて欲しい、幸せに過ごして欲しい。

 愛し子が頑張って頑張って、その末に自ら選んで死んだ。
同じ心だと思った夫は、痛みの言葉なく、次の政略の一手を進めて。
政子は強いよ、優しいよ。
だから余計に辛くて強いのだけれど、だからこれから、きっと多くの人を救うのだろう。

三浦義村の言葉

 頼朝と同じく今回その多面性を描かれた、裏の主人公だったように思います。
北条家と三浦家の結びつきの強さを求め、権力闘争の脱落を嘯き、親友義時との絆を受け入れ、同時に三浦家の不振を憂い、大姫の心に寄り添い、生きたいように生きるべきとそそのかす。
特に最後、武家一族の棟梁、頼朝の家人としては言っちゃいけない、聞かれたら滅ぼされる暴言ですよね(笑

 ただ、どれも本音だったように思います。
正面切っては言えない、鬱屈とした本音。
自分や一族の栄達が望ましい、けど上手くいかない自分が不甲斐ない。
逆に出世してる北条義時が羨ましく、支えている自分が誇らしいけど、頼朝に認められず、また重責を避けている自分が不甲斐ない。
全部全部、プライドが邪魔して口に出しきれない。

 好きに生きたい、でも出来ない。
その苦しみが浮かび出たように見えました。

 あと「〜です。」という言いぶりに、メフィラス構文も透けて見えちゃったり(笑

源頼朝という人

 正しく優しく、邪悪で冷酷で、法と秩序に則り、策略と憎しみで動き、勇敢に豪胆に決断し、猜疑心と臆病に蝕まれ、弱くて強い人。
源頼朝という人。
その複雑さ、多面性に惹かれてきましたが、今回はこの極致でした。

 大姫をどれだけ愛していたか、大事だったか。
何度も失ってきた家族、最愛の愛娘を犠牲にしてしまった、それでもなお進む。
大事なものを失ってきたからこそ、進まねばならない。
という次の一手への言葉だったと思いますが、その愛の重さ、誰にも伝わってないよ…

 それでもなお。
分からなくても怖くても、義時と政子が彼を愛していることが、頼朝もそれだけは疑っていないことが、救い。

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