ぶるがり屋 2022/07/17 22:55

鎌倉殿の13人 27話 の感想

鎌倉殿の13人 27話
「鎌倉殿と十三人」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 鎌倉時代、武家の時代を一人で築き上げた源頼朝、その死。
鎌倉殿の13人 新章・本編始まる…!!

新章・本編始まった!

 よし、誰も死ななかったな!
(文覚は勘定から外す)
いや闘争や滅亡の兆しいっぱいなものの、愛着ある人物たちが誰も死なないでほっとしましたよ〜。
政治劇はコミカルで、最近で一番の楽しい回だったのでは。

 そんな中でも一番恐いのは、実衣ちゃんと全成の夫婦に亀裂が入りそうなところ。
どんなに悪どかったり残酷を選び取る人物たちでも、愛し愛され夫婦仲が良くて。
それが救いだったのですが、ついにここもオアシスではなくなってしまうのか…

後鳥羽上皇、登場

 今川氏真だ!(違
『おんな城主直虎』から、また尾上松也さんが雅で蹴鞠得意そうな配役に(笑

 少ない情報から頼朝の死、さらには鎌倉の状況まで読み解く上皇。
同じ蹴鞠好きでも父の死の真相には遠い源頼家と、気付いた北条頼時の対比か。
ただ頼家は蹴鞠で朝廷接触と近習作りに用いていて、無能というよりはまだまだ未熟で、政権作りだけで精一杯な状況なように考えます。

政治劇は群像喜劇

 いやぁ、三谷幸喜さんの魅力全開ですね(笑
 和田殿への「難しいことは俺はダメだぞ」「皆分かっておる」「勢いが欲しい」「お手伝い致しましょう!」

 時政パパの「もう一人いっとく?」

 「死にました」「もうすぐ死にます」「爺さんは止めましょう」
三浦義村のバッサリ斬り具合。
どれも最高でした(笑

 今まで描かれてきた一人一人の、考え方や対し方、関係性がまた面白く。
比企と北条の権力争いも、当人たちは殺し合うほど憎んでないので現代だったら楽しく見られると思うのですが、この時代では蹴り落とすのも蹴りあとされるのも切った張ったの殺し合いなのですよね…
 今までは頼もしく思えた時政パパの暗躍が、鎌倉の分裂・紛争に近づいて見え、怖く悲しくなりました。
どんどん怖い時代に進んでいく……。

鎌倉殿の13人

 ついに登場、タイトルの鎌倉殿の13人。

北条時政

 かわいい時政パパン!

北条義時

 我らが主人公、糞真面目堅物、人の心分からない無骨者!だから好き!

三浦義澄

 かわいいおじさんNo.2、時政パパンのキャッキャ仲間。

安達盛長

 頼朝の爺様。

和田義盛

 猪突猛進こってり田舎武者。仁は篤い。

梶原景時

 糞真面目堅物その2、主家より天地神明に仕える。

比企能員

 権力大好き!悲劇の大体の原因側なのに可愛くてちょっとムカつく。

大江広元

 鎌倉のオーベルシュタイン。今回も比企の歓待を思いっ切り拒絶しててニマニマ。

足立遠元

 誰だっけ…?

八田知家

 胸元セクシー今回で実力と誇りの高さが分かり、かなり好みに。

三善康信

 危なっかしいけど真面目で丁寧な文官。

中原親能

 大江広元が連れてきた兄、京に強い。

二階堂行政

 誰だっけ…?その2

 うーん、足立遠元と二階堂行政を覚えてないな…
足立さんは政子周り担当の人でしたっけ?
 平知康が丁寧に思い出しナレされたけど、そっちは覚えてるんでこの2人こそやって下さい!

 ついに来たタイトル回、なのに鎌倉殿"と"十三人なのですよね。
新たな鎌倉殿、頼家の13人ではない……。

頼家、2代目将軍の孤独

 2代目将軍本人も、宿老たちもまだ幕府も最高権力継承も知らない中で。
決して無能ではなく意欲も高く、かつ明らかに未熟な将軍、源頼家の頑張りも苦悩も悲しいですよ。

 頼家の「お前らを信じていない」は最大の悪手だけど、近習に比企・北条の両勢力を入れてるところは慧眼だと思うのですが、また世界の狭さも表しているようにも。
不器用で優しく、人を信じ、信頼に応える太郎(頼時)が頼家の懐刀になってくれると、良いなぁ。
少なくともこの近習制について、頼期は父・義時に話さなかったのですから。
五郎(時連 )くんは年かさなんだからそれとなく流そうよ!

 13人の中で信用できる人物とすると、北条義時、梶原景時、大江広元、安達盛長。
頼家にとって安達殿が「遊んでくれる爺様」にはならなかったのが、悲しいですよ。
後の3人は「各々のあるべき君主」に忠誠を捧げているので、頼家個人に忠誠を捧げてはくれないのですよね…

 冒頭、政子が授けた"義朝の髑髏"の意味を、頼家は理解出来なかったのか。
自分の心や真実は問題ではない、人の心を束ねて力にすることが、鎌倉殿の仕事だと。
ただ、きっと一番に信頼してた義時叔父も梶原殿も頼家個人の味方ではなかった。
孤独な頼家が欲しい忠誠ではなかった。
それが辛くて、頼れなくて、頼家は間違ってしまった。

 それでも、幼い頃からの関係であり、まだ修復も再出発も出来る範囲だと思うのです。
時代や周囲が許してくれるかというと… うん、ちょっと無理な気がしますが。
どちらかと言うと今までに見せつけられた三谷脚本が、許してくれない気がしてきました(笑
史実が、三谷脚本が怖いよー!!

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