尾上屋台 2017/02/20 01:58

つまりはマッチョな世代

先日、大学時代の先輩と飲んだ時も思ったし、去年辺りも同世代の人間と何度か会って話をしてみて、あらためて思ったことがあったんだ。
特に先日、ちょっと世代間の価値観の違いみたいな話になって、余計にそれは鮮明になったんだけど。

それは、自分たちの世代は、意見の衝突を恐れていないってこと。
むしろ、求めているようなとこもある。
ある程度の共通した価値観は必要にはなってくるんだけど、それは円と円が、僅かでも重なり合ってればいいってくらいで、基本的には違う意見、もっといえばその相手の意見を求めてるってことだな。
意見ってのはつまり考えで、同意じゃないというか。
同意なんて求めなくても、その事柄について同じ意見だったら、まあ自然と同意するだろうくらいなもんで。

自分はまあ、大体団塊ジュニアって世代に属してると思ってる。
「大体」とか「思う」ってのは、ホントはつい最近まで自分は団塊ジュニアだと思ってだけど、ちゃんと調べたらそれよりほんの少し下の世代なんだな。
でもまあ、年上で付き合いのある人間は多いし、年下でも兄弟のいるとこは兄貴や姉貴の影響受けてることも多いんで、価値観的には団塊ジュニアと言っても差し支えないと思う。

で、自分的に世代の認識ってのは大体十年区切り、十歳くらい下、二十歳くらい下って感じで捉えてて。
世代間のギャップって意味では、この十歳くらい下の方が、違いあるなあと感じることが多いかな。
逆に二十歳くらい下だと、なんか価値観の円環みたいなものがあるのか、逆に近いんじゃないかって思うことの方が多い。

十歳くらい下世代は、多感な時期にネットが普及したってところで、二十歳くらい下は、いわゆるネットネイティブだよね。
自分らの世代は既に成人してからネットが普及したので(一応そういうものがあるのは知ってたけど、普及し始めたのは成人してから)、大人になってからネットの世界に触れてるのよね。

これ前にもツイッターで少し呟いたんだけど、自分らの世代で、例えば今の自分みたいにネットがとても重要(主に食い扶持の問題で)なのは結構例外的なんだ。
その先日の飲みでも話してあらためて思ったんだけど、自分らの世代って、ネットは電話の延長なんだよ(笑)。
既にリアルで知り合ってる人間と連絡取り合う為のツールに過ぎない。
もちろんインターネットに日々触れてはいるんだけど、もうひとつの使い方も、まあせいぜいテレビの延長なんだよね。
自分から何か発信したり、HNで活動してる人間って、ほとんどいない。
プレイヤー側に回るんじゃなく、あくまでオーディエンスなんだよね。
要は、あくまで道具以上のものじゃないんだ。

十歳くらい下であろう世代と話しててよく思うのは、この世代はネットってのは生活の一部、あるいは身体の一部なんじゃないかって。
これが二十歳くらい下になるとちょっと様子が変わってくるんだな。
電車なんか乗って周り見てみると気づかされるんだけど、十歳くらい下の人間は常にスマホいじってる感じなんだけど、これが二十歳くらい下になると、文庫本読んでたりするんだよ。
あー、これ自分が学生だった頃と同じだわって(笑)。
このくらい下の世代になると、ネットでもほとんど知り合いいないんでどういう感覚なのかよくわからないんだけど、ごく稀に話す機会ある時に感じるのは、なんか俺たちの若い頃と似通ってる部分あるのかもしれないなあと。
まあ、自分がネット通じて知り合うのって同世代か十歳くらい下の人がほとんどなんで、外から見た印象が強いんだけどね。

と、長々と話した世代間のギャップが本題じゃないんだ(笑)。
でも違う世代の人たちと触れ合ってあらためて思ったのが冒頭にある通り、どうも自分たちの世代は、同意よりも意見を交わすことの方に重きを置いてるんだなあってこと。

ていうのもさ、例えば人と会って話す時、あーネット通じてでもいいんだけど、まったくもって同意見だったりすると、話してる意味ってあんまないんじゃない?みたいに思っちゃう。
違う意見があるからこそ会話が転がるわけであって、同意見だったら、「そうだね」だけで終わっちゃうというか。
なんかそこから発展するものがないような感じがするんだよ。

特に哲学とか勉強したことない人でも、テーゼ、 アンチテーゼ、ジンテーゼって言葉くらいは聞いたことがあると思う。
テーゼ(ある事柄や意見) に対して、相手のアンチテーゼ(矛盾、問題点、相反する意見)があって、ジンテーゼ(両者を発展させた、あるいは解決法)が出てくる。
これが人と話す醍醐味というかダイナミズムなわけで、それでこそ人の話を聞く意味があるというか。
逆にまったくの同意見、テーゼがいくつも並ぶような状況だと、その時相手と話す意味って、あんまないんじゃないかって思っちゃうわけ。
と、この感覚って以前はまったく意識することもなかったんだけど、ネットの世界でちょっと下の世代と話す機会がある度に、あれ、これって自分らの世代だけの感覚なのか?みたいに思ったり。

で、なんでこういう思考してるかっていうと、要は自分らの世代が、えらくマッチョ思考なんじゃないかって気づかされて(笑)。
どういうことかっていうと、会話の中に常にジンテーゼを求めてたりするんだな。
それによって、自分の思考をもう一歩先に、平たく言えば勉強したいと思ってるわけ。

今も昔も、あるいはそれこそ世界共通なんじゃないかって思うことのひとつとして、男が女の子の話を聞く時に、変に解決法なんかを提示するんじゃなく、まず女の子の話を聞くべしってのがあると思うんだけど。
それにしたって、同世代の女性の話聞いてると(最近そういう機会も少ないけど)、どっかでジンテーゼに当たるようなものを求めてるというか、それこっちが出さないと話が終わらない(笑)、みたいのはあったもんなあ。
これがちょっと下の世代になってくると、まったくそういうもんを求めてる気配がない人がほとんどなわけで、逆にそういうの求めてる子って、かなり上昇志向が強い子なのかなって。
同世代の女性は、特にそういうもの持ち合わせてなくても、何かしらひとつ発展させた形を求めてたんだなあって、あらためて思う。

たまにだけど、自分は聞き上手だと言われることがある。
上手かどうかは自分のことなんで判断できないけど、人の話を聞きたいって欲求は、結構あることは確かだなあ。
相手の気が引きたくて話聞くみたいな、下衆な考えではないわけよ。
人によって思考法ってのは様々なわけで、それ聞いて、もっと色んな世界を見てみたいわけなのね。
わかりやすい部分では自分の場合、そういう話を聞いて、作品に出てくるキャラクターたちに深みを与えたいってのがあるし、そういうの抜きにしても、日常生活で煮詰まりそうな時、色んな人の話、意見ってのは、ものすごく助けになるじゃない?
引き出しが増えるというか。
そこ抜きにしても、人の話って結構興味ない?
もちろん自分らの世代でも人の話にまったく興味ないって人間もいるけど、少なくとも自分は、人の話聞くってのは、ものすごく楽しいことだよ。

こんな話をすると、自分らの世代は「だよなあ!」ってなるんだよね。
なんつうかこう、やっぱマッチョ思考なんだと、あらためて思う(笑)。

ま、難しい話は抜きにして、君もいつか、君の物語を聞かせておくれよ。
引き出し云々を抜きにしても、それは俺にとって楽しみなことなんだから。

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