尾上屋台 2017/09/17 06:58

「Re:CREATORS(レクリエイターズ)」2クール目

・アニメ公式


レクリエイターズ、2クール目です。

冒頭、主人公(?)が衝撃の告白をすることで、物語がぐぐっと動き出した、本来のテーマである作り手の心情に、一気に寄ってきたって感じですねえ。
いやーいくら友人に、立場的に置いてかれたっていっても、助けを求めてきた時に、あんなあしらい方しちゃあかんでしょって僕は思ったんですけど、これってどうなんですかね?
まあ嫉妬みたいのはあるにしても、そこはそういう複雑な思いはぐっとこらえてってのがある種の矜持みたいなもんだと思うんですけど、でも今まで関わってきた人思い出すにつけ、ああいう行動に出ちゃう人も多いのかなあって。

まあまだ子供だから、とも思ったんですけど、自分が子供の頃でも、あんな冷たい態度は取らなかったよなあと思うと、この辺は意外と的確にそういった心情を表してるのかもしれませんね。
というのもやっぱ、そういったもんはいくらでも見てきたわ、と後から思い直して。

でもそういうのはイレギュラーだと思ってきた自分がいるんですけど、むしろイレギュラーなのは自分なのか、なんて気もしてきました(笑)(笑えない)。
色々あって多少距離置くことあっても、あんな冷たいあしらい方はするまいよ、とあらためて思ったりもしたのでした。
今作ではセツナに非はないので当てはまらないですけど、場合によっちゃちゃんと相手を叱ったり、ダメなとこは指摘するってのも、誠実さってもんだと思いますけどね。

ともあれ本編通じて、前期よりも一層作り手の心情ってのを描いてましたね。
共感できる部分は多かったです。

自分なんかもマイペースでもの作ってるように見えるかもですが、作ったものが日の目を見ないってことに、毎日傷ついてますもん(笑)。
特にオリジナルやってると、これは本当にキツいですもんね。
自分の場合、プリンセスブライトのシリーズ完成させるまで絶対死なない(絶望して自殺しない)ってある時期に決めることができたんで行けるとこまで行きますけど、そう思い定めることができなかったら今頃どうなってたんだろうって、つくづく思いますもん。
あんま、そうは見えないでしょ?(笑)
見えないようにしてるわけで、これがまた更につらい。
自分でイチから物語紡いでいくってのは、こういう地獄と付き合っていかなくちゃいかんわけで、これはタフですよ。
とにかく、圧倒的多数から無視され続けるってのが、作品を作っていくってことですから。
そして二次創作と違って、微塵も逃げ場がない。

登場する作り手の立場や考え方でこの辺の心情ってのは違ってくると思うわけで、それをそれぞれの作り手キャラクターで描いていったってのは、やっぱこの作品独自のものですよね。
一人に絞らなかったってのが。
でもひょっとしたらみんなに共通してるのは、それでも作らないわけにはいかないっていう、そういうものだったと思います。
なのでラスト、主人公が絵を投稿した時に、それを閲覧ゼロ、評価ゼロってとこで終わらせたのは、実にいい終わらせ方だったと思います。
一応、評価とかが伸びる可能性はあるものの、おそらくそれはないだろう、それでも彼は作品と向かい続けるだろうって感じでですね。

自分的ヒロインは、途中まではアリステリアだったんですけど、ラスト数話でアルタイルって感じですかね。
物語をわかりやすく見せる演出(大団円感を出す)として、ラスト数話ってのはあったと思うんですけど、作り手とキャラクターがやりとりをするってのは、この作品をよく象徴してるなあと。
で、これはやっぱ作り手の物語であり、それを一番体現したアルタイルの物語なんですよ。
ラストで、そんな台詞があったと思うんですけど。
そういう意味で、アルタイルに共感しないわけにもいかないですよねえ(笑)。
ラスボスが、赦されたわけでもないのに救済される話ってのも、よく考えたら珍しいなと。

わかりやすい部分でも、それを体験した者にしかわからない心情も、両方を描きつつそれを作品に昇華させたってことで、希有な作品だったなあと、そう思ったのでした。

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