尾上屋台 2017/10/03 00:17

「将国のアルタイル」

・アニメ公式


中東の方をモデルにしてる作品って、珍しいですよね。
一応アルスラーンなんかもペルシャの辺りが舞台だったと思いますけど、こちらの方がもうちょい、日本人がイメージする中東に近いかなと。

西洋っぽい国と、中東っぽい国のぶつかり合いを描く、戦記モノですね。
ちゃんと調べてないんですけど、西洋っぽい帝国は神聖ローマ帝国、中東っぽい国はオスマントルコみたいなイメージで、大体あってるんじゃないかと。
wikiとか見ちゃうとネタバレも書いてそうなので、このまま2クール目に入る今作については特に、アニメ見る以上の情報は調べてないんですよ。
どの作品にしてもそうなんですけど、話自体が完結してないものは、極力作品以外で入ってくる情報は抑えてるんですよね。

で、今作ですが、期待してた以上に面白かったです。
話が、思ってたより展開するんですよね。
それも、一話の中で次から次へと。
テンポのいい作品は好きなんですけど、これちょっとテンポ早すぎない?ってくらいで(笑)。

中東の方ってのもそうですけど、国の配置やそれぞれの個性といった、舞台設定の組み方はかなり好きです。
1クールでかなりの数の国や都市が出てきたわけですけど、大きな部分で二大国の争いってとこを外してないんで、思ってたよりわかりやすい。
戦記モノに限らず言えることなんですけど、物語の軸って部分がしっかり明示してあると、多少設定を複雑にしても、いい意味でわかりやすい物語になるんですよね。
色々展開してっても、結局そこに収束するってことで、見ている側も混乱しないというか。
中盤以降、主人公が旅をすることで一気に色んな情報が入ってくるわけですが、背景として二大国の争いってのが見えていれば、そこに至る道筋なんだろうなあってことが、わかるわけですね。
要は、どういった物語かってことが、常に提示されてる。

あと、やっぱ国家間の争いなわけですから、これが正義ってものが、曖昧な部分があるんですよ。
それについて、主人公が常に考えさせられるって展開は、王道ながら、よくできているなと。
そういうのって価値相対的なもんなんですけど、そこをあえて、主人公の目線でなにか絶対的なものを探っていくというか。
自分の中で「これだ」と思えるものをですね。
あまりに相対的にしすぎると、これは少年誌としてはふさわしくないわけで、いわゆる少年漫画っぽい部分と、そうでないとこのバランスを、よく取っているなあとも思いました。
僕はそれぞれの正義や事情なんかを描いている作品の方が好きだったりするのですが、それだとあんまり漫画的じゃなかったりするんですよね(笑)。
より複雑で視点の数が多くなるものはどうしてもテキストで補完していく必要が出てくるので、小説向きになっちゃうというか。

本来漫画よりも小説に向いている戦記モノってジャンルを、あえて漫画でやって、かつ成功している例があるとすれば、今作なんだろうなって思います。
端的に言って、話がよくできていますもん。

今作はこのまま2クール目に突入なので、今後の展開にも期待大です。

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