尾上屋台 2017/10/04 01:39

「Fate/Apocrypha」

・アニメ公式


まあ一応Fateだし、見ておこうかなと。
ジャンヌ・ダルクがどんなキャラか、気になってたってのもあります。

結論から言うと、ちょっと散漫な感じがしました。
これね、多分FGOやってる人は楽しめたんじゃないかと思うんですよ。
知ってる、ゲームで使ってるキャラが、ばしばし出るわけじゃないですか。
それだけで、充分楽しめるはずなんですよね。
が、FGOやってない自分からすると、こんなにいっぺんに出してくれなくてもって感じで(笑)。
なんというか、もったいない。

キャラの多さ自体は、別にいいんですよね。
見せ方で、多さをカバーすることってのはいくらでもできると思うんで。
でも普通の(?)作品と違うのは、一人一人が英霊なわけじゃないですか。
歴史好き(さほど詳しいわけじゃなく)の自分からすると、なんかこう、もったいない感じするんですよ。
幸い(?)、今回出てるキャラで、歴史上の人物としても大好きって英霊はいなかったんで、そんなに口惜しい気にはならなかったんですけど、そういうキャラが、たくさんいる登場人物の一人、みたいに描かれてたら、ちょっと複雑な気分になったかもって思います。

もうあまりにもFateってものが展開し過ぎたんで、最初のFateと比較するのはナンセンスなの承知で言うと、やっぱFate/stay nightは、出てくるキャラ、英霊を、かなり丁寧に描いていたなあと。
英霊の正体も謎で、正体がわかると、あっと驚かされる。
その正体隠す意味も含めたクラス分けなわけで。
で、英霊が正体不明だと、ある時期までは自然とマスターの方にスポット当たるようになってるんですよね。
で、英霊ってもののキャラクター性に負けちゃう前に、まずマスターのキャラ立ちってのができるわけで。
初めてFateやった時、なんて緻密な設計してるんだろうって、唸らされたもんなんですよ。
んで、そうやってキャラの立ったマスターと、そもそもキャラ立ちしてる歴史/神話上の英霊がタッグを組み、生き残りをかけた戦いに臨んでいくわけですよね。
七組のコンビが出てきて、願いを叶えるのは、たった一組。
おー、いいコンビだなあと思っても、一組以外は全て死ぬかリタイアの、壮絶なサバイバルだったわけですよね。
これいずれ、Fate/stay nightだけでむちゃくちゃ長い文章書きたいくらいなんですけど(笑)。

で、この辺の緊迫感ってのは、Fate/Zeroなんかは充分に継承してたと思うんですけど、どんどん展開してって、やっぱ違うものになってきてるんだなあと。
この間全てのFateに触れてきたわけじゃないんで変遷辿ることはできないんですけど、やっぱもう、これは別物として捉えるべきなんだろうなって、思ったりもしました。

逆に、Fateってもんが足枷になってる部分もあるかもしれないですよね。
今作も、Fateの冠着けない物語だったとしたら、僕の評価も随分違ってたんじゃないかって思います。
こう、別に切り口が変わってもいいんですよ。
コミカルなFateがあってもいいし、まったく別の要素で描いてもいいわけで。
でも同じシステム(聖杯戦争)を用いてるなら、外すべきではない点ってのはいくつかあるはずで。
簡単に言えば、英霊みたいの召喚して、みたいのは既にジャンル化してると思うんで、別にFateじゃなく、そういうジャンルの物語でいいんじゃないかと。
なんだろ、作者変わっても、ここは抑えるべき、というディレクションは、あっても良かったんじゃないかと思います。

で、これはこのタイミングでアニメ化されたってのは、見る側にとっても、アニメこれしか見てないってわけじゃないはずなんで、ちょっとタイミング悪かったかもって部分もありますね。
僕が見た限りでも、2017夏アニメってのは、すこぶる上手いストーリーってのが、たくさんあったわけなんですよ。
全体的に、物語って点では弱いクールに今作が入ってたら、また違う評価になったのかな、とも。
話の緻密さ、上手さって点では、豊作の今期に当たってしまった不運みたいのは、確実にありますねえ。

あとこの作品、確か元はノベルなんですよね。
アニメだといまいちジークが周りにあんなに肩を持たれる理由が伝わってこなかったんですけど、原作読んだら色々わかったのかも。
展開的に「?」と思うとこの多い作品ではあるのですが、アニメしか見てない僕としては、そこら辺に突っ込むのも、なんかアレかも、みたいに思ったりして。

加えて、どっちの陣営に肩入れしていいかわかりづらいってのもあったかも。
どちらかをもう少し主人公側って感じで描いてくれると、単純にそちら中心に見てもいいし、逆にライバル側に肩入れしてもいいと、選択肢が出て来るんですけど、なんかこう、どっちにも肩入れしづらいというか・・・。

自分的ヒロインは、アストルフォですかねえ。
出てくるシーンが多い分、思い入れもしやすかったですし、何より、いい子ですしね(笑)。
ジャンヌ・ダルクも、本作見ようと思ったきっかけだっただけに、なかなか捨てがたいです。
なんかこう、エロいんですよね(笑)。
なんなんでしょうね。
なんか、グッとくるものがあるんです。

と、色んな条件やら何やらもあって、2014夏アニメの中では多少見劣りしてしまった感があったのですが、基本的には毎週楽しみにしてました。
物語も完結してないですし、このまま次のクールに突入なので、次クールはあっと言わせる展開を、期待したいと思います!

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