尾上屋台 2018/09/25 15:44

「はるかなレシーブ」

・アニメ公式


前期からのものや原作知ってるもの除けば、この作品が今期一番だったかなと。
それくらい、よくできた作品だと思いました。

僕は作品の必然性みたいなものって、結構うるさいんですよ(笑)。
何故、そのテーマや世界観で描く必要があるのかっていう。
その点この作品は、ビーチバレーでしか描けないテーマをのっけから提示してて、おお、これだよこれ!って思いました。
かけがえのない一人を選ぶ、ってヤツですね。

よく考えてみたら、ビーチバレーってすごく特殊なスポーツなんですよね。
二人組でしかできないっていう。
テニスのダブルスはシングルスの延長線上にあるものですし、フィギュアスケートとかも一人が基本形としてあって、二人組はその派生系の競技ですよね。



他の団体スポーツってのは、大体大勢になったりして。

この「二人」ってのは、大きなポイントだなあと。
自分にとってパートナーはかけがえのない一人だし、自分もまた相手にとってかけがえのない一人になる必要があると。
そこには当然、二人組でしか描かれないテーマがあるわけですよ。
この「はるかなレシーブ」はそこをちゃんと描いてるって意味で、はっきりとしたオリジナリティがあるんですよ。
こういった辺りが曖昧になっちゃうと、なんというか量産型漫画って感じになっちゃうわけですが、この作品はきっちりと、この漫画でしか描けないものを描いてますよね。

あえて言えば、スポーツものとしてはちょっと勝負論の弱さみたいなものもあるんですよ。
でもそこさっ引いても、この作品がこの作品である意味ってのは、ちっとも薄れてないなあと。
この作品がこの作品として存在する意味が、ちゃんとある。

実際のビーチバレーでも、パートナー選びってのは悲喜こもごもあるってのは聞きますしね。
今までそういう記事とか読んでも「ああ、そうなんだ」くらいにしか思ってなかったんですが、これは何気に大きなテーマですよねえ。
大きいというか、ビーチバレーならではというか。

僕は野球描くなら野球でしか描けないものを、ファンタジーでも学園モノでもいいんですけど、テーマなり世界観なりをそこに設定した意味をきちんと消化できてない作品ってのは、まずいと思ってるんですよ。
これは自分が何か物語を作る際にはいつも意識してることなんですけど。
そういうポイントを、高いレベルで抑えてるって意味で、この作品の評価は高いです。

というテーマ消化ももちろん、ビジュアル的にも良かったですね。
お尻、お尻、お尻で(笑)。
退廃的なエロティシズムよりも、こういう健康美みたいのが大好物だっていう僕自身の好みもあります。
女の子が戦ってる、躍動美みたいのが、やっぱ自分の中の大きなテーマのひとつだったりするんですよ。

最初は女の子でスポーツもの、しかも水着ですぞい、くらいの感じで見始めたんですけどね(笑)、これは思わぬ掘り出し物というか、アニメ化されるまで知らなかったけど、こんな作品もあったんだなあって。
んん、これはいずれ原作買って、続きも読まねばと思いました!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索