尾上屋台 2018/12/20 03:04

「RErideD 刻越えのデリダ」

・アニメ公式


いわゆるタイムリープものなんですけど、過去に戻ってもあんまり大きな行動が取れない、みたいなので、ちょっと他の作品とは違った展開になってましたね。
主人公がちょこっとだけ過去に戻って、未来というか、現在の状況を変えようと奮闘します。

バタフライエフェクトですよね。
過去のどこを変えれば現在が変わるか試すんですけど、そのティッピングポイントがなかなか見つからない。
そうしてる内にも現在としては追手がかかったり、キーになるマージュという少女を捜したりと、それなりに忙しい。

タイムリープとロードムービーの合わせ技ってのは、結構良かったと思います。
何か核心に近づいてく感覚が、視覚的にわかりやすいですしね。
あと、ラストにも活きてくるんですよね。
旅の終わりって感じで、エンディングもそれらしくなるというか。

キャラについては絞ったってのもあって、結構深く掘り下げられていたと思います。
それぞれの過去について描かれるわけですが、これが過去を改変させることでどうなってしまうかってのも、ポイントだったかなと。
その過去、なくなっちゃうわけでね。

で、現在の、いわば最悪の状況を変えるのが目的なのに、そのそれぞれの過去が大切に思えてくるとこが、この作品の面白いとこだったかなと。
変えなくちゃいけない、けど変えたくないみたいな揺らぎは、最後のタイムライド前のユーリィの台詞に出ていた通りで。

タイムリープものってテーマよりも展開の面白さで押す作品多いじゃないですか。
でもこの作品は、テーマもちゃんと示していて、そこも良かったとこだと思います。

ちょっと細かい話になりますけど、マユカが健気でね(笑)。
最初はマスコット感覚で配置されたキャラなのかなくらいに思ってたんですけど、ああいう子が一人いるたけで、かなり作品にいい味が出せるんだなあと。
ああいう世界でも、強さというより健気さみたいなもので生き抜いてる子を見ると、勇気になるなと。
展開的にはいてもいなくてもって感じかもですが、マユカがいるといないじゃ、まったく違う色の作品になってしまうわけで。
その意味では、いなくちゃいけない子でしたね。

細かく見てくと結構丁寧に作られてて、好きな作品でした。
オリジナルアニメだけあって、ぱしっと1クールで締めてくれたのも良かったかなと思います。
こういう作品、今後もたくさん見れたらなあと思いました。

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