尾上屋台 2018/12/21 06:01

「BANANA FISH」2クール目

・アニメ公式


前期がロードムービー、もうちょいざっくり言えば洋画って感じの構成だったんですけど、今期は海外ドラマって感じですね。
場面転換と心情を絡めた描写が多かった前期に比べて、今期はアッシュと英二の関係性の深掘りに入ったというか。
オーサーが死んだ辺りから、随分大胆に構成変えて来たなあと。
ええと、前期終わりか今期始まりだったかちょっと放送時期覚えてないんですけど、ショーターと地下室でやり合ったとこが、一応前期からの旅の終着点ってとこだったんでしょうね。

で、随分と構成変わったにも関わらず、やっぱよくできてるし、丁寧なんですよ。
これ前期も書いた通り、やっぱある程度の様式美みたいなものも、そう感じさせるんでしょうね。
アッシュと英二が徐々に心寄せてくとこなんかは、やり取りとかに斬新さや新鮮さなんかは特にないわけですけど、それゆえに視聴者の、二人にはこうなってほしい、みたいな期待に沿った作りになってるんじゃないかと。

で、この二人にフォーカスした関係上、実は色々事件っぽいことや展開があったりしたんですけど、あんまり頭に入ってこなかったり(笑)。
あくまでいい意味ですけど、そういった諸々が、添え物みたいな感じに思えました。
一期目でキャラがぽんっと立って、あとは二人の関係性の進展がテーマになってくるでしょう?
そうなると、周りで起きる事件みたいのって、それこそ背景みたいになってくるんですよ。
逆に、そっちに視点が集まりすぎないような展開にしてたってのもあると思うんですけどね。

で、ラスト見た今となっては、アッシュが街に帰ってきてから(物理的な距離を)大きく動かないってのはなるほど、こういう話だったからなんだなと。
前期で心情と場面転換みたいのの繋がりが上手いなあって思ったんですけど、その意味では今期も基本的な構成ってのは変わってなかったんですよね。
あくまで、心情を優先した描写だったのかって。

ちょっと細かい話すると、今期はブランカが出てきたってのは良かったですね。
この作品、おっさんはいても(笑)大人がいないってのが、ちょっと引っかかってたとこなんですよ。
ああ、こういうキャラが、こういうとこで出てきたんだなあって。
前期までが基本的な作者の世界観なのかなって思ってたんですけど、ここに来てこういうキャラが出てくるってのは、おっと思わせる程、引き出しが多い。
でね、それがアッシュの滅びに繋がる展開で出てくるってのは、実に心憎い。
アッシュとブランカの関係性って、その進捗がそのまま心情の展開に繋がってるんですわ。
上手いですよね。
ホント、ものすごく上手い。

んー、そんなわけでバナナフィッシュ、以前から耳にしてた作品ではあったんですけど、聞きしに勝る作品だったなと、あらためて。
もうホント、構成が良くできるんですわ。

で、今期ここまで見終わった二作品も含めて、やっぱ話が完結してるってのはいいですね(笑)。
一本、ちゃんと見たぞって。
その話を最後まで見るってのは、経験値としてでかいですよ。
俯瞰できるんで、総括しやすいですし、自分の肥やしにもなりますしね。

ともあれバナナフィッシュ、大変な良作でした!

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