尾上屋台 2018/12/31 09:07

「東京喰種:re」二期目

・アニメ公式


うーん(笑)。
僕はここであんまその作品の悪いとこ挙げるのは避けてるんですけど、これはさすがにあんまりじゃないかと。

最初の最初、「東京喰種」は良かったんですよ。
むしろ、すごく良い作品だった。
なんでこんなことになってしまったのかっていうのと、あとなんでこれが人気あるのかさすがにわからなかったので、珍しく、放送中にこの作品見てる人の感想を見て回ってしまいました。
普段は他の人の感想に引っ張られるのが嫌なんで、基本的にここに感想書くまでは、他の人の感想とかって見ないんですけどね。
いや、これはさすがにどういうことかと。

どうやら、原作ではそれぞれのキャラについて、きちんと描写があるみたいですね。
それがあるとないとじゃ、全然違う作品だろうと。
僕は原作読んでないんで詳しくはわからないんですけど、そういうものがあれば、ファンがいるってのも納得です。
なので今回は、あくまでこのアニメのことってことで、ご容赦を。

前期以上に、作品になってないんですよね。
もうひたすら、「暗いところで喋りながら戦ってる」だけの作品で。
んで、出てくるキャラの髪型やら服装やらがしょっちゅう変わるものですから、「誰? 前に出てきたっけ?」って思ってる間に、そのキャラが死んじゃうみたいな。
一応意図があるから戦ってるはずなのに、バックボーンみたいの思い出す(ないしは語られる)前に戦闘戦闘って感じで、これはちょっと作品になってないだろうと。
またキャラが尺の割に多い、かつそれぞれの優先度みたいのが希薄な作品なもので、わかりにくさに拍車がかかってたなあと。
なので、戦闘そのものが、この手の作品の中でも飛び抜けて軽く感じてしまうんです。

加えて、痛みみたいのが、さっぱり伝わってこない。
腹から背中にかけてずどーんと貫く攻撃受けても「どうせグールだからこれくらいじゃ死なんだろ」みたいな、ホントだったら大変なことでも、なんかどうでもいいことみたいに感じちゃう。
そうかと思うと実際に死んじゃったりすることも多いんですけど、これもまあ、ああ、やられちゃった、みたいな。
名前のあるキャラが死んだ時って、見てる側はそれなりに心動かされたり、話の中でこれはどういう意味があるんだろうと考えるものだと思うんですけど、なんかこう、何も伝わってこないんですよね。
というより、ものすごく「蚊帳の外」感があって。

多分ですけど、この作品って、この尺でやりきっちゃうような作品ではなかったんだと思います。
もっと一人一人に焦点当てたら、ないしは間をもって描写していたら、ちゃんと作品として成立してたんじゃないかと。
これね、脚本とか監督とか、すっごい困ったと思いますよ。
原作のどこを抜き出したら話として成立するか、でもこの尺で終わりまでやっちゃわないといけないのかみたいなのって、すごく難しいことだと思うので。
多分、ある程度重要なシーンを繋いでいく形にしたんだと思うんですけど、結果作品としては、伝わってくるものの少ないものになってしまっているなあと。
このアニメ見てて「駄目だ」と思うことはあっても「稚拙だ」と感じることは少なかったので、おそらくそういうひとだったんじゃないかと推測する次第です。
要はもうちょい尺とってやらないと、丁寧に描写することができないでしょ、と。
スタッフ&キャストは、僕にしては珍しくよく知ってたり、リスペクトしてる人たちが多かったので、なんでこの面子でこんなことになってしまったのよと。
企画の段階で、色々おかしかったんじゃないかと、思わざるをえないですよね。

最初がすこぶる良い作品だったので、余計にちょっと残念な終わり方になってしまいましたけど、これも今の業界の状況を顕しているのかも、とか。
作画崩壊とかだけじゃなく、こういうところにも、そんなところが出てしまっているのかもしれないと、そう思った次第です。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索