「神様になった日」
「エンジェルビーツ!」「シャーロット」、そしてこの「神様になった日」で、麻枝准三部作、みたいな感じで。
ちなみにこの三つだと、シャーロットの出色の出来だと個人的には思いました。
いや、シャーロットも今期再放送してましたけど、たまたま一話目見る機会あって、もう一度見たものにも関わらず、毎週見ちゃってますからね。
シャーロット、面白いんです(笑)。
でも今作、僕が言える立場じゃないと思いつつも、明らかに麻枝准の作家性、高まってるなって思いました。
なんだろ、全体としての展開ってすごくシンプルになってて、どっしり構えてる感じがするんですよね。
展開に頼ってないというか。
いや、一話一話はすごく展開性あるのに、物語としては二段、三段構えくらいで済ましちゃってるじゃないですか。
展開もそうですけど、構成もシンプルになってる。
なんかこう、余計なことしてない感がすごいあるというか。
エンジェルビーツ初めて見た時は、ここの感想では書いてなかったと思いますけど、ノベルゲームっぽい感じがして。
シャーロットで、ああ、いかにもアニメっぽいというか、その良さを十二分に活かしてるなと。
で今作見て、あ、これは"物語"だなって。
変な話、漫画的、アニメ的な文法に頼ってない感じがしたんですよね。
アニメ前提で書かれた脚本で、特に序盤なんかはその良さを活かしつつも、ぶっちゃけ、アニメじゃなくても成立するものを作ってきたなあって。
これもまた変な話、僕より歳上の作り手が、五年単位でこうも成長していく様ってのは、それ自体にちょっと胸を打たれるというか。
三つの中でどれが一番面白いかって聞かれたら、まあシャーロットって答えちゃうとは思うんですが(笑)、どれが一番物語になってるかって部分では、間違いなく今作だと思うんですよね。
ああ、物語として、よくできてるって。
アニメの、特にオリジナルの脚本なんて、作るのめちゃくちゃ大変なはずなんですよ。
僕もちくっとシナリオの仕事してたんで、アニメのそれってのは想像を絶するくらいだろうなって思うんですけど。
にもかかわらず、そして今作には、あんま苦労の跡が見えないんですよね。
してるはずなのに、それが作品に出ちゃってない。
さらさらって、物語としてすごくスムーズに流れてるというか。
いや、作家だよなあって。
最後、ひなが元通り(?)になるってとこに逃げなかったのは、勇気ある決断だったと思います。
悲しさと希望を織り交ぜた終わらせ方は、ひょっとしたら麻枝准の特徴なのかもですが、僕は昔からこういう作品が好きだってのもありますかね。
ともあれ、麻枝准の次回作に期待しましょう。
なんかこれ作ったことで一気にハードル上がったかもですが(笑)、僕はホント楽しみに待ってます!