「ブルーピリオド」
・アニメ公式
https://blue-period.jp/
やっぱ「絵」がテーマになってる作品は、外せないですよねえ。
おお、藝大受験かーって。
僕個人の話では、普通の文学系の大学出た後、絵の専門学校に入ったって経緯があるんで、藝大、まあ美大でいいんですけど、そこ行ってないのって、このながく仕事続けてく間に、微妙なコンプレックスになってる部分があるんですよね。
僕の場合、そもそも自分の絵を描き始めたスタートが遅くて、美術の成績は良かったんですけど、当時はそっちにそんなに興味なくて。
人生やり直せるなら、美大目指すんだろうなってのがあって、なんというか、人ごとじゃない感じがしてですね(笑)。
それはともかく今作ですが、これ、1クールの終わりに受験持って来る必要からか、主人公八虎の、「絵が上手くなっていく過程」みたいのが、すっ飛ばされてません?
原作読んでないんでわかんないんですけど、そっちじゃその辺描かれてるんですかね。
というのも、ちょっとそこにかなりの興味あったんで、あ、そこ抜きに予備校行く時点でもう「描けてる」なあって。
描けるようになる過程、ホント興味あったんですけど(汗)。
ここ見てる人は自分でも実際に描いてる人、少なからずいると思うんですけど、やっぱこう、そこの描けるようになる過程って人それぞれだし、人がどうやってそうなったのかって、すっごい興味あるじゃないですか。
そこやってよーって、ちょっと思ってしまったり。
ただ、作品全体としては、すごく面白かったですよ。
おお、美大受けるのって、こんな感じなんだーって。
さっきの話と絡めていえば、技術的なことはもう当然として、既に受験の時点でこんなにも「表現」することが求められてるんだなーって。
いやー、これも絵描いてる人ならわかると思いますけど、表現そのものを考えられるようになるのって、まず「描ける」状態になってからじゃないですか。
いや、ぼんやりと、そして結果的に何かしら表現されてるってのは絵である以上当たり前ですけど、そこをスタート地点として一枚の絵を描けるようになるのって、ずっと先の話じゃありません?
いやいや、これって僕が遅過ぎただけかもですが、僕がそういうの意識できるようになったのって、下手なリにですけど、自分の絵柄が固まってたらですよ。
芸大受ける人って、もう十代の時点でそこまで考えてるんだなーって。
いやもう、単純に敬服しますよ。
すごい。
キャラもそれぞれ立ってましたよね。
特に龍二の存在が、いいスパイスになってて。
受験までもそうなんですけど、受験直前に二人で海に行くシーンとか、ああこれは胸に来るなあって。
あとこれ予断ですけど、美大出身のウチの母もこの作品見てまして、母曰く「この子藝大行くの有利だよ」って。
え、なんでって聞いたら、藝大、美大じゃなく国立の藝大って、まず学科試験がキツいらしいんですよね。
ただ絵が上手ければ行けるとこじゃなくて、そもそも普段の学校の成績がすこぶる良くなくちゃいけない。
今だったらセンター試験でいい成績出すのが実技試験に至るまでのパスになってるんでしょうけど、そうそう、この八虎って主人公、まずもって頭めちゃくちゃいいわけです(笑)。
それ聞いて、あーなるほどなあって。
藝大行くには、前提として学科で優秀じゃなくちゃいけない。
おー、なんて恐ろしいとこだって、その時に思いましたよ(笑)。
あと、八虎が受験当日に倒れそうになった時のモノローグで、絵を描くって、そもそも異常に体力いりますし、メンタルもごりごり削られるんですよね。
そうそう、これだよって。
僕もこの仕事二十年近くやってきて、体力にもメンタルにもそれなりに自信あったのに、とうとう身体パンクしちゃいましたからねえ。
キツいんですよ、絵を描くって。
いやもうホント。
僕なんか売れないんでここまで色んな仕事と兼ねてきましたけど、絵ってのは趣味じゃなくなった瞬間に、ここまでしんどいものも、そうないというか。
藝大受験が最初のピークなんでとりあえずここまでをアニメでって感じで制作されたと思うんですけど、これ、続き見たいですねえ。
続編アニメ化、期待してます!