「海賊王女」
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うわ、これは惜しいなあって。
いやー、これ絶対2クール前提で設定とか作ってたんじゃないかと。
僕はこの作品気に入ってて、もっと面白かった作品を差し置いて全話HDに残してあるんですよね。
その良い部分の話は後にして、まず惜しいというか、そういう点の話を。
まず、タイトルと内容が合ってないですよね(笑)。
で、想像になりますけど、これ企画の段階では最低でも2クールだったんじゃないかって。
というのもストーリー、幹の部分しか描いてない感じがするんですよ。
女海賊たちの、人数が多くてかつ妙にキャラだった設定も、彼女たちってもっとフェナたちと激闘を繰り広げる相手だったんじゃないかと。
で、フェナたちももっと色んな場所を冒険したり、なんだかんだ海賊っぽいことをしつつ、みたいな話だったんじゃないかって。
実際にはフェナの出自というか謎の石を探ることくらいしかやってなくて、これが多分海賊的冒険の合間にちくちくとメインの話として入ってくるものだったんじゃないかと。
それが1クールってことになって、こういう、駆け足かつどこが山場なんだかイマイチわからない構成になっちゃったんじゃないかって。
石の謎みたいのが、普段やってる冒険の合間合間に入って来ると、お、少しずつ真相に近づいてるのかなって感じになったと思ったんですけど、ここの話しかやってないんで、ぶっちゃけ、どこが海賊王女やねん、みたいになっちゃってて。
ついでに、和の要素を入れた意味合いが、最後までわからなかった。
惜しいですよね。
話に破綻したところはどこにもないんですけど、枝葉、もっといえば花の部分まで削ぎ落としちゃったせいで、かなり味気ない作品になってしまったかなと。
にも関わらず、僕がこの作品気に入ってるのは、もうね、絵が最高にいいんですよ。
まずキャラデザがいい。
顔の描き方とか、俺も本当はこういう絵が描きたかったんだよ!ってくらい(笑)。
毎回眼福でした。
作画も最後まで崩れませんでしたし、どのカットとっても、絵がいい。
背景も良かったですね。
雄大に見せたい、不気味に見せたい、荘厳に見せたいとか、もうそういうもの描きたい時の見本市みたいでした。
あー、こうやってこう演出するからこう見せられるんだなって、勉強になりました。
話は色々事情があってああなったんでしょうけど、映像作品ってとこに絞れば、間違いなく今年一番の作品でした。
何気にキャストもスタッフもいい人揃ってるんですよね。
惜しい。
惜しいですけど、見所の多い作品ですよね。
僕は絵描く時、色んな設定資料集を参考にするんですけど、これは作品そのものが極めて質の高い資料でした。