「アキバ冥途戦争」
・アニメ公式
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これ今期一番でしょうね。
もう単純に面白かったですし、任侠モノのパロディのみならず、90年代、00年代のクライムアクションへのオマージュ感がすごくて。
基本、ヤクザものをメイド喫茶に置き換えたってとこがいいセンスしてるなって。
一見最も対極にありそうなものを、オタク的なセンスで合成したってのが、いいアイデアだなって。
今の若い子が見たらどう思うんだろうってのがまずあるんですけど(笑)、僕ら子供の頃って、結構ヤクザものってやってたんですよ。
別に仁義なき戦いとか極妻ばかりでなく、普通に地上波でそういうのやってましたからね。
暴対法以降は地上波のゴールデンとかでそういうのやることはなくなっちゃいましたけど、昔は普通に一ジャンルとして確立されてたもので。
最近はもう、Vシネマとかだけになっちゃいましたけどねえ。
なんかさ、僕ら世代が子供の頃って、普通にヤクザのおじさんって町にいましたもんね。
銭湯とかで、背中全部埋まってる感じの人とか見かけるの、珍しくない感じで。
とまあおっさんの昔話は別でやるとして、メイド喫茶の世界ってのも、ある意味仁義なき水商売な感じあるじゃないですか。
最初はピーエーワークスのお仕事アニメってノリで宣伝してたんで、裏ではこうですよ的な作品かと思ったら、モロにヤクザもんやんけって!(笑)
でね、そういった作品のテンプレに、上手くメイドをはめこんでくわけなんですよね。
さすがに子供過ぎてあんま憶えてなくても、ああこういうシーンとかこういうキャラとかいたよなあってのは充分感じられて。
それだけでなくハリウッド全盛期のクライムアクションも乗っけてて、「ファイトクラブ」かと思ったら途中から「スナッチ」か、みたいに、往年の名作へのオマージュ感はすごくありましたね。
元ネタ感の強くある作品なんで、それこそ前述したように今の若い子がどう感じたのかはわからないですけど、僕的には今期一番の作品になりました。
余談ですけどサイゲームスは、ウマ娘とか、結構団塊ジュニア辺りをターゲットにした、オマージュ感の強い作品、立て続けに打ってきましたね。
僕自身は正確には団塊ジュニアよりかはちくっとだけ若いんですけど、触れてきた作品とか時代背景は、団塊ジュニアのそれと変わらないので、この辺くすぐられると、やっぱ引き寄せられるものはあるわけです。
作品って、作品そのものはもちろんですけど、それが作られた経緯にだって、文脈はあるわけなんですよ。
その意味で、現代の任侠モノをこういう形にまとめたってセンスは、高く買いたいと思います。
そういう面白さが、まず第一にあったかなって。
ホント、よくこれ思いついたなって!
傑作でした。