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2018年 05月の記事 (9)

尾上屋台 2018/05/29 01:15

レベッカ


・紹介ページ


・ピクシブ
https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=23670167

セリーナのメイド、レベッカ。
今回は、彼女についてだよ。


・デザイン

自分の絵の中では割合スタンダードというか、描きやすいタイプね。
セリーナが犬なら、このレベッカは猫っぽいというかね。
顔のタイプも、そんな感じ。

ただ、目元に関しては、上瞼のアールを気持ち下向きにしてみたりと、ちょっと工夫してるんだな。
一応、キャラは描き分けたいと思ってて。
大体名前のあるキャラに関しては、元のデザインの段階では、ひとつ特徴をつけることにしてるんだ。

これが描き慣れてくると、なんか他のキャラと似てきちゃったりするもんで、中々難しいんだけど。
ほら、漫画家でも、なんかそのキャラ、初登場の時より目が大きくなってないか?みたいのあるじゃない。
同じキャラ描いてる内に、描き慣れたバランスに近づいちゃうのかもしれないね。
自分も、よくあるよ。
ただ、いつも描く時は最初のデザイン画を横に置きながら描いてるんで、なるべく最初のデザインから離れないよう、気をつけてはいるつもり。

身体のバランスも、多分一番描きやすいバランスかなあ。
セリーナみたいに、これより胸が大きくなったりすると、当時は結構大変だったりしたんだよ。
まあセリーナでちょっと冒険した分、レベッカは描きやすいバランスにしたって感じで。

衣装も前回書いた通り、一発でそれとわかるデザインで。
「メイドだな、この子は 」と思って頂ければと。

この二人はセットだよね。
お姫様とメイド、みたいな組み合わせにすることで、それぞれがお姫様とメイドに見えてくるっていう。
なのでどちらが先に出来たみたいな感じじゃなく、ほぼ同時にイメージしてたんだよね。

このレベッカはセリーナほど難産じゃなかったんだけど、多少盛ったデザインから、少しずつ削って、ちょっと強そうなメイド、というラインが崩れないとこまで要素を減らしていったんだよね。
まあもっと派手にするのは、別のキャラで良かろうと。

そうそう、なんで出来るだけシンプルなデザインにしようとしたかっていうと、まあ理由は色々あるんだけど、まず今後量産する可能性があるってのも、大きな理由になってる。
これが小説のキャラだと、扉絵の他はたまに描くくらいなんで派手にしていっても(線が多くなっても) いいかなって感じなんだけど、CG集はやっぱたくさん描くことになるでしょう?
あまり凝ったデザインにすると、大量に描くことに疲れたり、あと見るのも疲れちゃうかなあみたいのがあって。

カードゲーム、スマホゲームのキャラ一枚絵とかって、それそのものが目当てだったり、課金誘導だったりするんで、パッと見の派手さ、ゴージャス感って大事だと思うんだけど、これはそういったものではないからねえ。
ただ、シンプルなデザインばかり並んでも、自分の画力程度じゃただの地味な作品にしかならないので、派手なのはトータルで見れば出番の少ない相手方、敵側みたいのに振り分ければいいかなと。

画力は描けば描くほどなんで、自然と上がっていくものではあるんだけど、すっごい上手い人になるまで悠長に構えてもいられないんでね(汗)。
その時の手駒だけで勝負しようと思ったら、やっぱそれなりに頭使わんといかんと思ってるのよ。
なので結構、考えて描いてるんだよ(笑)。

上手くなったらやろう、みたいのは作品作る上で成り立たないよね。
だってさ、作らないと上手くならないんだから。
下手でも、やるんだよ。


・名前

レベッカの綴りは「Rebekka」で、ドイツ語ですね。
よく使われる、英語のレベッカ(Rebecca)じゃなく。

パンゲアの世界はいわば「別の世界の地球」なんで、実際のヨーロッパを下敷きにしているのよ。
つっても全てが同じでは当然なく、魔法や、人間とよく似た種族がいたら、こうした歴史を歩んだのではなかろうか、という世界観なんだよね。

パンゲアではグランツ帝国って言うんだけど、レベッカはその北部の港町の出身。
グランツ帝国は神聖ローマ帝国が下敷きになってるんで、ドイツ語圏の名前になる。

これさ、よくファンタジーで、とりあえずカタカナで外人っぽい名前みたいのでキャラを名付けてる作品が多いじゃない?
言語体系めちゃくちゃみたいな。
まあそれはそれでいいと思うし、俺もまったく歴史を下敷きにしない地域や命名法を使ってたりするんで、そういうの全部おかしいとかちゃちゃ入れるつもりはないんだけど。

ただ、「日本人です。侍です」みたいなキャラの名前が「ワンチェン」とかだったら、やっぱ日本人的にはそりゃないだろって思うわけじゃない?(笑)
アルファベットの名前だって、基本的にはそうなんだよ。

でも全部はちょっと調べきれなかったり、一定の数が揃えられないところは、思い切ってまったく架空の名前でいくか、みたいにしてやってるところもある。
あと、エルフやドワーフの名前も、たとえばトールキンから引っ張ってくるようなことはなく、種族毎のイメージで作ってるしね。
まあでも、イギリスやらドイツだったりがその地域のモチーフになってる場合、やっぱそれに準じた名前にしたいなあとは思ってるんだ。
ちょっと、というか、フランス語圏の命名が、自分でも結構間違えてるんじゃないかと思ってるんだけど(汗)。
でも基本的には「それっぽい名前」のそれっぽさは、語系に準じたいとは思ってるよ。
偉そうなこと言える程語学に堪能ではないんで、あくまでそれっぽく、だけどさ(汗)。


・冒険者として

セリーナがさあ旅に出ようって時に、彼女には生きてく上での逞しさがあるとはいえ、冒険っていうと、ちょっと簡単には行かないだろうと。
大体、旅慣れてないしね。

そこで、レベッカにはその役割を担ってもらおうと。

まあデザインの時もそうだけど、レベッカとセリーナはほぼ同時にイメージできたし、その意味では生まれる時から、かつてのベテラン冒険者、という立ち位置は決まってた。

ゲーム的な職業で言うところの、「盗賊(シーフ)」 ってヤツね。
ただ非力な盗賊みたいな、お約束的なイメージはなく、どう生きてきたか、どう戦ってきたかってのは、やっぱ彼女独自のものだよ。

戦い方としてロングライフル、ダガー、体術が得意ってのも、それぞれ理由があって。

ダガー、体術ってのは、まあ喧嘩殺法みたいなもの。
出自は貧しいからね、スラムってほどじゃないけど、荒々しい世界で生きてきたんで、そういうのは得意、というよりそこに才能があったからこそ、やがて冒険者みたいな、血なまぐさい世界で生きていくことになると。
この二つは、そういった環境で自然と身につけていったって感じで。
接近戦ですな。
ちゃんとした剣術を習って、みたいな出自じゃない。

一方で、相手を倒すってことに関して最も効率的な方法として、銃による射撃も身につけていくわけ。
これは、冒険者になってからの話だね。
怪物相手に接近戦は、リスクがある。
なら視認できたら即倒してしまえばいいということで、銃を身につけた。
この世界の火薬は結構貴重なんで、銃を使って戦えるってことは、冒険者としても成功していたってことでね。

ちなみに、いわゆる盗賊的な技術の習得については、9,10話で描くことになるんで、出たらそっちを見てもらえれば。

んで、こういう感じで理詰めでできると、まあ自然にキャラクターというのは、立ち上がるんじゃないかと思う。
立ち上がれば、後は勝手に歩き出す。

お約束、みたいのはささっとイメージする、そして読者にささっと理解してもらうって意味では重要な要素だと思うんだけど、CG集作る時に、もう好きなようにやるんだから、俺が思うところのリアルを追求すればいいやってのが、まずあったんだよね。
なので一見お約束に見えるけど、中身は全然違うんだぜ、というのをやってやろうと。

結果これが作品の個性になってくれたみたいなんだけど、あくまで作りたいように作る、が目的だからね。
レベッカというキャラクター一人に対しても、そうだよ。


レベッカとセリーナがセットで生まれて、オリジナルの世界観もほぼ頭の中で出来上がってた。
そうなると、もう頭の中で物語が進み始めるからね。

これはここでは書いてなかったかもだけど、俺の場合、キャラクターが生まれるのと話が出来上がるのって、ほぼ同時なんだよ。
どう生まれて、どう死ぬのかまで、ざっくりイメージとして出来上がる。
それは、どのキャラクターについても同じ感覚で。
で、これはセリーナを主人公とした物語で、どの部分を切り取って形にしようか、みたいな感じなんだな。

どの辺りを描くのが面白い、ウケるだろうか、ではなく、どの辺りを描きたいか、がメインになったってのが、このシリーズ始めて、自分の中で一番変わったとこだなあ。

ちなみにどこを切り取ったらウケるか、みたいな感覚って、ホントは大事なんだよ。
特に、こういったことで商売しようと思ったら。
人からお金取るようなことは、まず相手ありきなんだから、そこ、金儲け的な部分を何か邪なものとして考えたら、お金出してくれた人に対して失礼だからね。

でもさ、プリンセスブライトは、ちょっと俺の心境が変わっちゃったってとこもあって、自分のやりたいようにやってる。
たまに綺麗事でそういうこと言う人いるけど、そこ強調するのはちょっと違うんじゃないかと思う。
俺はさ、何か純粋な気持ちになってそう思ったんじゃなく、もうどうせ誰もこんなものに金出さんだろうから、好きなようにやってやめたるわ、みたいなある種の絶望感から作り始めたからねえ(汗)。
その意味で「自分の好きなものを作ってます(キラキラッ☆)」みたいな感じでは、間違ってもないんだよね。
好きなものしか、作る余裕がなかった。

んなわけでさ、このレベッカにしても、こんなん俺しか好きにならんだろうってキャラをもし好きになってくれる人がいたら、その時点で俺の友人だよ。
別にその人が俺のことをどう思ってようが、俺にとっては、かけがえのない存在だよ。

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尾上屋台 2018/05/28 15:23

セリーナ


・紹介ページ


・ピクシブ
https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=23477377


プリンセスブライト、まさに最初の登場人物で、全てはここから始まったといっていい。
いや、ちょっと大袈裟かな。
ただ、彼女が生まれたことで、その後の物語ができていったわけだから、やはり、彼女が最初の一人なんだな。
以下、テーマ毎にいくつか、振り返ってみよう。


・デザイン

プリンセスブライトのキャラ、特に最初の数人やメインになるキャラクターは、一目でどんなキャラかわかるようにしよう、というのがあった。
セリーナはお姫様なので、やはり一目で「お姫様だ」とわかってもらう必要があった。

デザインには、実はそれなりに苦慮している。
初めは、もっと線の多い、やや派手なデザインだったと思う。
しかしこれが、もうひとつかわいくならない。
二、三日何度も描き直した結果、もう何も難しいことは考えず、新しい紙にささっと描いたのが、この一枚。
確かラフから線画清書まで40分くらいで描き上げることができて、多分これは今までのどんなキャラよりも速かった。
最速記録だろう。
版権キャラをそのくらいのスピードで描くことはあるが、オリジナルはデザインの要素が入ってくるので、早くて半日、丸一日くらいかかることが多いのだ。
無印プリンセスブライトのように、なるべく線を少なく、かつシンプルなデザインにするには、一枚の紙でああだこうだと思案するよりは、速めに描いたラフを積み上げた方が、良いのかもしれないなあ。

ともあれ、難産の末ではあったが、出来上がる時は、一瞬と言ってもいい感じだったんだ。
今見ても、目指してるところに対する整合性という意味では、結構完成されたデザインだと思う。
先のことを考えても、ここが基軸になると思ってたんで、ボツを積み上げるようなことができたんだろうね。
薔薇のモチーフが後のランカシャー家のデザインに反映されてるし(王家は赤薔薇にしたけど)、金髪にしたんで母親も金髪と、細かいとこでもここが出発点っていう、そういうデザインではありますね。

ちなみにこのセリーナ、それまでの自分が、描くの苦手とする要素満載なんだよね(笑)。
まず、やや垂れ目気味な顔が、難しかった。
おっぱいも、ここまで大きいのはほとんど描いたことなかったからねえ。
いずれもバランス取るのが難しく、第一部完結の頃まで、ずっと苦戦してた気がする。
それまでにちょこちょこ、バランスが変わるのはそのせいなんだよ。
なかなか一定できなくて、すまんかった。
最近は、慣れたよ。


・名前

初めは、というよりかなり直前まで、名前は「セシリア」だったんだ。
ただ、セシリアって名前は当時流行ってたアニメかなんかで何度か聞いていたんで、検索に引っかからないよう、似たような名前にしたんだよ。
もっとも、「アウェイキング」を書く頃にはそういうことはどうでもよくなってて、結局その名は母親の方で使うことになったんだけどね。

まあ、「セリーナ」の方が、セシリアよりも響きが柔らかい感じがして、今にしてみれはぴたりとはまってる感じもするね。

時折、作品を見た人から「セリーヌ」と間違えて呼ばれることがある。
セリーヌ・ディオン辺りからの勘違いだろうか。
セリーヌの英語読みがセリーナだったと思うんで、まあ言い間違いも致し方無しか。
ま、あんま読んでないな、とは思うけどね(笑)。
主人公の名前なんだからさ。

ちなみに、多分ここが初出だと思うんだけど、正式な名称は「セリーナ・ブライト・ランカシャー・オブ・カルドレイク」。


・投稿時

ピクシブを始めてしばらくの頃はオリジナルの絵も描いてたけど、この頃にはすっかり版権ものしか描いてなかったし、やり取りする人とも、当然そういう話しかしていなかった。
なので、今さら自分がオリジナル描いたところで、無視されるのがオチだろうと思ってたんだよね。

が、予想に反して、このセリーナの絵には15くらいのブクマがついた。
やはり、意外だったよ。
さりとて、これでCG集が売れるとはさっぱり思っていなかったのは、前回、「プリンセスブライト」のとこで書いた通りだな。

まあ無料だったら見るけど、お金を払う価値はない、という人間が大半なのは、それまでの経験で充分わかっていたので。
というより、ピクシブの客層(?)と、ダウンロードサイトの方の客層は、あまり重なっていなかったりするんだよね。
無論、いくらかリンクしてるんだけど、売り上げという現実的な数字を見ると、作品によりけりだけど、乖離といっていいくらいの開きがある。
無視していいわけじゃないけど、あくまで、なんとなくの目安のひとつ、くらいに考えた方がいいよね。

もちろん、両方見てくれてる人も、絶対的な数では少なくはないんだけど、一方で、以前プリンセスブライトについて実に詳細な感想を頂けた方なんかは、サイトやダウンロードサイトを見てくれてる一方、ピクシブはやってない様子だったんだ。
ツイッターにしてもしかり、なにかひとつのSNSだけが大きな発信源になってるってことはなくて、本当に宣伝しようと思ったら、あらゆるチャンネルは持っておく方がいいんだろうね。
そしてそこの数字ばかり追いかけないことが、必要なのだとも思う。
振り回されないというかね。

もっとも、この時は数字が上がれば嬉しかったとはいえ、これでラストとも思ってたんで、一喜こそすれ、一憂はしなかったな。
諦めの境地というか(笑)。
ま、この辺のことは別の記事で書くことにするよ。


・価値観

得意項目として「狩り」というのがあるんだけど、じゃあ狩りをして旅をしよう、みたいな感じじゃない。
これを入れたのは、要は人生観をちゃんと提示したかったわけ。

基本的に、これは作中にも出てくるけど、「人っていうのは命を奪って自らの命を得ている」って部分は、外すべきじゃないと思ったんだな。
セリーナは基本的に優しい子なんだけど、そういうところをわかってない優しさってのは、なんか薄っぺらいじゃない?

俺なんかはさ、環境やシステム、立場に守られた人間がもっともらしいこと言っても「いやあ仰る通り。でも薄っぺらいっすね!」って思っちゃうタチなもので(笑)。

セリーナは、基本的に一人で生きていける人なんだよね。
レベッカを差し置いて、なんでも自分でやっちゃうところがあるし。
山かなんかに籠って、狩りをして暮らす、みたいなこともできちゃうわけ。

ここがひとつ、見た目の雰囲気からのギャップってことになるんだろうね。
蝶よ花よと育てられたお姫様が、人々の助けになりたいみたいなこと言って冒険に出るというのは、ちょっと違うだろうってのがあって。
それで人とか斬っちゃうのは、なんかおかしいよなあ。
そういう、お約束で進められていく物語ってのは、やりたくなかったんだ。

この辺の価値観は、後のアウェイキングのフェルサリにも受け継がれてるよね(作品の時系列的に逆だけど)。
あっちはわかりやすく、狩人から始めた。
ただ性格も出自も違うので、似たような価値観持ってても、まったく別の物語になる。

これはさ、たまにピクシブだったりでコメントくれる人に対しての、踏み絵みたいになっちゃってる部分があるな(汗)。
俺が作るもの全体に言えることなんだけど、キャラ紹介の短文と、作中の活躍ってのは、結構違うじゃない?
実はこうだった、みたいのが好きだったのもある。
なので作品見てない人からのコメントってのはすぐにわかっちゃうし、「あー見てないな」って思っちゃう。
まあそれはそれでいいんだけど、せめて小説の方みたいに、無料のもんくらいは見てほしい気もするな。
つっても作品見てない人に対してさほど興味もないので、どうでもいいか、みたいな思いもある。

ともあれ、作中のセリーナの言動について感じ入るといった感想をもらえると、本当に嬉しいよね。


セリーナについては、その後の冒険で成長していった部分もあるし、また別の機会に触れてもいいかもね。
ここまでは、どういった経緯で生まれたか、みたいな話なので。

でもまあ、君が感じてくれたセリーナ像が、本当の正解だよ。
これはキャラだけじゃなくて、どの物語にも言えることだな。
読み手はもちろん、その人の置かれた状況や感性で、作品の意味ってのはたやすく変わるわけだから。
そこにはもちろん、作った俺が気づかなかったものがあったりするわけでね。

なので、キャラクターってのは、単に性格だけじゃなく、人格といえるところまで練り上げる必要があると思うんだ。
そこまでやれば、後は舞台の上で作り手も予想しなかった活躍をしてくれるよ。
キャラが、勝手に動き出すって話だな。

セリーナは、最初の一作から、もう自分の足で歩き出していたよ。

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尾上屋台 2018/05/27 03:30

「プリンセスブライト」




やっとこさ、ここまでやってきたよ。

そんなわけで、版権モノで迷走しつつも、このまま何か良さげなものを探し続けるのかなあと思っていた矢先、ある出来事が起きたんだ。
端的に言うと、もう絵を描く暮らしはできないかなあという状況になってしまって。
まあ、これについては別の機会にちゃんと触れような。

ともあれ、もう売れなくていい、最後に自分の好きなことを目一杯やろうと思って始めた、ないしは終わらせようと思って作ったのがこの「プリンセスブライト」シリーズなんだ。
でも、人生わからないものだねえ。
結局これが、絵を描き続ける、作品を作り続けることになるんだから。
作ってる時点では、これが最後って感じで、作ってたんだよね。
あ、この一本が最後って意味では、厳密にはないんだけど。
ともあれ、もうそれまでの感じでは作品作り続けられないとは思ってたんだよね。

で、ご存知のように、これが一番売れた(笑)。
作って、販売申請した時点では、一本も売れない、ないしはひょっとしたら、これまでの作品手に取ってくれた人が買ってくれて、二、三本は売れるかなあという、全く何の期待もしてないと言ってもいい感じで。
ある意味、無心で作った作品とも言えそうだよね。

以下、テーマ毎にいくつか振り返ってみるよ。


・世界観

ずっと以前から、「パンゲア」というオリジナルの世界観は、頭の中にあったんだ。
走り書き、メモ書き程度だけど、ある程度の世界設定は、あった。
それこそ子供の頃からちくっとずつ頭の中に構築されてた設定で、いつかオリジナルで何かやれたら、と思いつつ、この日までなかなかその機会がなかった。
これよりずっと前に書いてた二次創作の小説があるんだけど、そこのキャラたちを、いずれはここに移住させようという計画もあったりしてね。

なので、オリジナルでやろうと思った時に、ああ、ここを使えばよかろうと。
やっと、日の目を見ることになりました。

出してる部分は、サイトにあるもの(パンゲア設定)は本当に氷山の一角で、聞かれれば実に様々なことに答えられるくらい、詳細なものがあるんだよ。
考察に耐えられるくらいの重厚な設定、というのが、目指してるところでもあったので。


・キャラクター

このプリンセスブライトを始めるにあたって、まずお姫様とお付きの二人、というのが頭にあって。
最初は、お転婆姫とおっとりメイド、という設定だったんだ。

でもこれだと、以前に書いてた小説となんとなく似てきちゃうので、あえて逆にしてみた。
ちょっとおっとりしたところがある主人公ってのは、今まで作ってきたものでもやったことない要素だったので、ちょっとチャレンジブルでもあったよね。

最後と思いつつ、何気に新しいことにチャレンジしてみようって気概だけはあるんだな(笑)。
自分の好きなことだけで作り始めた作品だけど、大体俺は何か新しい要素にチャレンジすることが大好きだったりするんでね。
なので今まで得意としてきたものの焼き直しみたいのを、避けたいってのがあったんだな。
そもそもそれだと、作っていて楽しくないもの。

セリーナとレベッカ、二人については、それぞれ紹介やらメイキング的な記事を、後日書くことにするよ。


・ふたなり

これまた挑戦的な。
というのもそれまでふたなりなんて描いたことなかったし、趣味でもなかったからねえ(汗)。
ただ、描いてみて、ハマりました。
エロで食ってる人って、何かしらニッチなニーズに刺さる要素を持ってる人がほとんどだと思うんだけど、俺の場合はそこがなかったからね。
そういうとこも、ここまでちょっと、弱かったことの要因だと思った。

俺の場合、まず画力が足りないってのもあるんだけど、変な話、自分より(デッサン的に)下手な人でも、すっごい売れてる人なんかはいるわけよ。
今言ったニッチなニーズみたいのもあるんだけど、そういう人の作品は、まずエロいんですよ。
要は、これがえっちぃんだよ、みたいのを、きちっと表現できてたりする。

まず、そこを掴むことなんだろうね。
上手い人なんか、ある意味いくらでもいるわけだけど、みんな上手くいってるかっていうと、そうでもない。
上手くなってくってのはもちろん絶対に必要なことなんだけど、画力的に発展途上でも、ここは押さえたい、この場合で言えば、エロさを感じさせる、という部分を掴めると、そこそこなんとかなるのかなと。

と、ふたなりに話戻すと、普通のエッチだと、悪いヤツや怪物に襲われる、みたいな展開ばかりになっちゃうかもなあって。
二、三話で終わらせるならまだしも、それの繰り返しじゃ、話長く続けられないなあと。

セリーナとレベッカを百合百合で絡ませるにしても、なんていうのかな、女の子同士の、普通の絡みだけだと、絵的にちょっと弱いかなあというのもあった。
百合関連って、体位が限られてくるってのもあるんだけど、なんとなくこう、絶頂感みたいのが作りにくいなあってのがあって。
一枚絵でぱぱっと見せるには充分なんだけどね。
そこでふたなり、それもシチュエーションによっておちんちん有り無しみたいに、バージョンを増やせれば、絵的にも多少強くすることができるかなあというのがあって。

でもこれ、不思議だよね。
この一本でラストでいいかなって思いつつも、その後に繋げられるよう、色々仕込んであったりするんだよ(笑)。
続けよう、続けたいって意志がなくても、もし続けることがあれば、という仕込みは作ってあったりするんだよね。

ただ、「全部で十本くらい作ろう」みたいな目標感は皆無で、今でもそうだけど、目標は次の一本だよ。
この時も、先々の話はざっくり頭の中にあったんだけど、とりあえずこの一本で終わってもいいと、そんな気持ちで作ってたんだな。


・物語

これは、できるだけシンプルに作ろうと思った。
今では結構込み入った話も作ってるけど、まだキャラも少ないし、変に話を複雑にするよりかは、あくまでセリーナとレベッカはこんな人ですよ、セリーナが旅に出るのはこんな話ですよ、と、もうそれだけ伝わればいいかなと。

話の比重って、キャラが立ってからじゃないと、話そのものにキャラが引っ張られちゃう、結果キャラが弱くなっちゃうなと。
ノベルゲームくらいの尺があればストーリーに比重かけていいと思うんですけど、CG集で、絵、それもえちぃ絵がメインですからね、まずはできるだけシンプルな話で、セリーナとレベッカを知ってもらえればなと。

二人のデザインを、一発でキャラがわかるようなものにしたってのも、同じような理由からで。
パッと見て大体こんなキャラかっていうイメージ作ってもらって、話もそこから大きく外れないようにして。
意外性みたいのは、もうちょい話続けてからでいいんだよね。
ていうか、キャラのイメージが出来上がる前に意外性出しても、それも初期設定みたいな感じで捉えられちゃって、意外性にならないわけで(笑)。

この一本では、あくまでキャラのイメージを掴んでもらう、その為の物語って感じで作りました。


・売り上げ

前述した通り、背水の陣で臨んだこれが、一番売れました(笑)。
いやはや、ホントかよって感じで。
一時間ごとのランキングでも、丸一日くらい3位だったと記憶してる。
珍しく、ランキングにかじりついちゃったもの。
いや、これまではずっとランキング下位だったもので、そこに関心持てなかったんですけどね(汗)。

一位は売れてるゲーム作品で、まず桁が違ってたので、こりゃ勝負にならないなと。
二位は、何日も前からむちゃくちゃ売れてる作品で、これもまたしょうがないなと。
三位ってのは、その日販売された作品の中で、一番だったんだよ。
結果、その日だけで50本弱、一ヶ月で108本(覚えてる)、それまででもっとも売れた作品になってくれました。
発売前は、さっき書いた通り一、二本、それこそ0本の可能性が高いなあと思ってたんで、まさか、まさかだったよ。

ただ作り終えた時は、0本でいいから、次も作ってやろうという気持ちにはなってた。
俺自身がさ、セリーナたちの旅の続きを、見たいと思ってたんだ。
で、いつか一人でも、こんな作品があったんだなあってことに気づいてもらえればって気持ちだったんだ。

結果これが売れてくれたことで、今もこうして、作り続けることができている。
あの時、そしてその後にでもこの作品を手にしてくれた人に、心から感謝したい。
君のおかげで、今もこうしてセリーナたちの物語を、紡ぎ続けることができているよ。


一度くらい、売れたいとか売らなくちゃとか、そういう気持ちを投げ捨ててみることも、大事なのかもしれないね。
今、このシリーズには売れてほしいとは思ってるけど、なんていうのかな、それまでの版権で感じてた「売れてほしい」とは、また違った心持ちでいる。
見てほしい、セリーナたちの冒険を知ってほしい、そんな感覚だよ。

結果、もう一回絵の世界で頑張ってみるかなって気持ちになった。
知ってほしいから、今後も出来る限り続けていくつもり。
それこそ今後の売り上げがが0本になっても、作り続けると思うよ。

たとえ誰も手にしなくても、そこにはセリーナたちがいて、泣いたり笑ったりしながら、旅を続けているんだからさ。

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尾上屋台 2018/05/23 23:44

「Dragon's Cramp」




一応今の時点で、二次創作の同人としては最後の作品。
2011年だから、7年前ですか!
まあピクシブなんかの投稿では、二次創作描いてますけどね。
確か、この年のコミケでクレイモアの同人誌出してるんで、厳密に言うとそっちが二次創作の最後ってことになるんですけど。

ともあれドラゴンズクラウンの二次創作なんですけど、何気に無茶しますよねえ。
というのも、この時点でドラゴンズクラウン、まだ出てないですからね(笑)。

でもヴァニラウェアの新作ってことで、ビジュアル発表されてから、結構盛り上がってはいたんですよね。
僕も珍しく、発売前にイラスト描いたりしてて。
ソーサレス、アマゾンのイラストが結構高評価だったんで、よし、いっちょやってみるかって感じだったと思います。
まあ発売前の作品で同人作ろうってくらい、次何やるか迷走中だったってことですね(汗)。

この後がプリンセスブライトなんですけど、あれをやり始めるにはきっかけがあって。
その話はプリンセスブライトの時にちくっと触れますけど、それなかったら、今でも何の二次創作やるか、ふらふらと彷徨い歩いてたかもしれないですよ。
なんかしら売れ行きがよさげなものがあったら、それを二、三本、その後またよさげなものを探して・・・みたいなことを、ずっと続けてたんじゃないかと思います。
って、なんか悪いことのように書いてますけど(汗)、そんなことはなく、一定しない売り上げに苦労しつつも、それなりに楽しめたんじゃないかと思います。
この頃とは生活が変わってしまったので、ちょっと懐かしいな、なんて思ったりもするわけです。

で、その売れ行きの方ですが、まずまずといった感じでした。
確か、初月で50前後ってとこだったような。
100円クレイモアをのぞけば、今でもたまに売れることもありますし、二次創作CG集ラストとしては、それなりに有終の美を飾れたんじゃないかと。

にしても、原作発売前にですよ(笑)。
でもこれ、なんとなくですけど、プレイアブルキャラ選べたり、同じキャラ(職業)でパーティ組めたりとかを、なんかで知ったのかな、ともあれそういう作品なので、話の方も、例えばオーディンスフィアとか朧村正みたいに、かちっとしたものはないどろうと踏んでの話作りだったんですね。

僕のCG集は、これまでの買ってくれた人はご存知の通り、ストーリーがあるんですよ。
CG集っていうと、単にえちぃ絵がたくさん入ってるだけって勘違いしてる人もいるんですけど(そういう作品もあるんですけど)、意外と人によって、表現方法って異なるんですよね。
僕のはhtmlで、ウェブサイトのような体裁で、ストーリーも会話劇の形で見せてくって感じで。

なので発売前の作品の二次創作ってのは、それなりに博打だったんですよ。
発売して、全然違う話だったらどうしようって(汗)。
ですが、これは運良く読み通りって感じで、とても発売前に出したとは思えないくらい(笑)。
キャラづけみたいのは多少違うにせよ、こんなソーサレス、アマゾン、エルフがいてもいいだろう、みたいな感じで、なんとかなってるって感じです。
まあ、やってみるもんですな。

でもあらためて、これ出してから7年近く経ってるんですねえ。
3,4年くらい前の感覚ですよ。
え、じゃあプリンセスブライト出してから6年経ってるんだってことにたった今気づき、五周年になんかしらやればよかったかなって(汗)。
いやはや、自分の誕生日も忘れて後から気づくくらいの輩なもので、まあなんつうか、覚えてたら十周年とかはやりたいものです。
忘れてる気もしますけどねえ。

ちなみに今後、プリンセスブライトはまだまだ続く、それ中心に創作してくって方針に変わりはないんですけど、二次創作同人は、二度とやらないよってわけでもなく。
まあそれ作ってる時間があったら、プリンセスブライトを少しでも進めたいって感じで、逆に言えば「これやりたい!」ってものに出会ったら、やってみたいなって気持ちはあります。
作品として好きでも、それで二次創作、ましてエロやりたいかっていうと、必ずしもそういうものでもなく、この辺はまあ、いい出会いがあったらってことで。

次回からは、いよいよプリンセスブライトの話を。
口調も、こういったですます調ではなく、フランクなものに戻し(?)ます。
アニメの感想の時もそうですけど、原作のあるものの文章ってのは、検索に引っかかることもあるんで、多少口調をあらためておこうみたいのがあるのですよ。
ま、そんなことはあまりないので、フランクな方に統一しちゃっても良いんですがね。

んなわけで、また時間見つけて書きますわ!

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尾上屋台 2018/05/20 19:18

「ECHIMORE」




クレイモアのCG集です。
タイトル、えちぃことをもっと、みたいに取れて、地味に悪くないタイトルですね(笑)。

んなわけで、無双で転けてしまったものですから、さて何をやろうかというところで、これ、というものが思い浮かばなかったんですね。
そこでもう単純に、その時に一番好きなキャラ、作品でいこうと。
こう書いちゃうと当たり前に聞こえるかもですが、そこの難しさはこれまでに書いてきた通りで。

で、これは作品の知名度、流行度みたいのからみても、まったく売れないだろうという予想はできました。
そこで、これは思い切って100円でいこうと。

この100円、他の人でもたまにやってるの見て、一度やるべきだと思ってたんですよね。
まず儲けにならないという最大のデメリットを差し引いても、なおお釣りがあるって話なんです。
あくまで、目的やタイミング次第ですけど。

僕的には、まず僕の作品を手に取ってほしいという狙いがありました。
100円だったら試しに、 てヤツですね。
元の作品や、僕の作品知らない人でも、まあちょっと覗いてみるかな、と思ってくれればと。
いわば試供品的な位置づけで。

で、この試供品がいい加減だったら金輪際僕の作品を手に取ってくれることもなかろうと、結構力入れて作ってます。
もちろん、今見たら未熟な部分も多いんですけど、この時点で持てるスキルは全部注ぎ込んだって感じですね。

おかげで、多分初動では最も売れた作品だったんじゃないですかね。
確か、一ヶ月で100本以上売れたと記憶してます。
今では500本以上、僕の作品の中でも三番目にDLしてもらえてる作品ですね。

これ、出品してる人は知ってることですけど、販売価格って安くすればするほど、卸金って少なくなるんですよ。
これに関しては、一本当たり、30円なんです(笑)。
半額の時に買われた日には、もう(汗)。

なので、初動で売れた時も、100本も売れておきながら、これ自体の儲けは3000円程度なんです。
が、一応狙い通り、気に入ってくれた方々が、他の作品も手にしてくれました。
なので、トータルの売り上げとしては、まずまずだったんじゃないですかね。
レビューや、出品者宛のコメント等も、上々の評価でした。

ただ、これは100円で出してみてわかったんですけど、もうひとつ、結構リスクやデメリットがあったんですよ。
おそらく、100円や同様の低価格帯を買い漁っている層がいるらしくて。
で、この人たち全部ってわけじゃないんでしょうけど、その人たちは気に入らないと、評価1点をつけていく様子で。
そうじゃなくても、評価はかなり辛めが多い印象です。

大体人って、安くないもの買った時って、それがよほどひどい代物じゃない限り、低評価ってつけないもんなんですよ。
低評価つけるって、それ買った自分に見る目がなかったって言っちゃうようなものですから。
反面、これが怒りに転じるってことも少なくないにせよ、割合的にそういうことする人は、そうそう多くない。

が、100円くらいだと、どうせ安物だからと、この辺の障壁が低くなるんでしょうね。
表で出てる評価平均のイメージよりも、実際の内訳(出品者のみ見れるもの)として、結構な低評価もつけられてしまいました。
これは、それなりのリスクだなあと。
表に出てる評価平均まで下がると、結構なダメージですからねえ。
そのリスクは、出品停止にしないかぎり、今後も続くわけで。

あと、安物感に加えて、やっぱ新規で手に取ってもらう人が多い、というのも要因かなと。
これまでの僕の作品手に取ってもらえて、これだったら買ってもいいかなって思い続けてくれた人と違って、ただの通りすがりで評価つけてく人ってのが、いるのだなあと。
もちろん、その中で高い評価をしてくれて、他の作品まで手にしてくれる人がいたわけですから、この辺は賭けになるわけですけど。
まあ、ここまで僕の作品を買ってくれた人と、まったくの新規、かつピクシブだったり、その他の活動を知らない人では、評価の付け方自体が異なるわけで。

これ、僕が100円戦略(?) みたいの知ってて、かつこういったリスク知らない状態だったら、ひょっとしたらCG集一発目を100円にしてたって可能性もあるんですよ。
宣伝も兼ねてって感じで。
で、そこで轟沈してたら、大変なことになってたというか、今もこうしてCG集作ってるってことは、なかったかもしれませんよね。
んで、これはもうちょい後の作品の時に触れますけど、そうなると、今はもう、絵自体描いてなかったかもしれない。
いやはや、最初にそんなヤマっ気出さなくて良かったなあと(笑)。
100円ってのは、やっぱそれなりにリスクありますよ。
メリットとデメリットは、慎重に秤にかけなくちゃいけない。

この100円については、後の「プリンセスブライト7」の時にもやることになるんですけど、この時はその辺のリスクも重々承知の上でやりました。
シリーズものの途中でやったんで、またこの時とは状況が違ったんですけどね。
それについては、その時に。

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