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2019年 04月の記事 (11)

尾上屋台 2019/04/17 01:50

SEKIRO プレイ感想2




できるようになってしまうんだなあ、というのが、プレイ中によく浮かんだ感想で。
いや、もう、これ絶対に勝てない、ないしはかろうじて勝ったとしても、より敵のステータスが上がってる二周目とかは絶対に無理、とか思ってても、勝てるんですわ。

これ、どっかの攻略サイトのコメントにあったと思うんですけど、二周目からは、それこそ敵の攻撃力みたいのが二、三倍になってて、難易度無茶苦茶上がってるにも関わらず、「敵のステータスアップよりも、こちらの腕の上達の方が勝ってしまっている」状態で(笑)。
それこそ二周目からは場合によっては一撃、そうじゃなくても敵の一連のコンボ受けてしまうと大体即死なんですけど、それだけ敵が凶悪になってるにも関わらず、楽なんですよね。
一周目より二周目の方が、すっごく楽。

で、こちらはプレイした人向けということもありますけど、よく使ってた忍義手、そして印象に残った敵について、いくつか感想と、自分はこうやって戦ったよみたいなプチ攻略を書きたいと思います。
一応トロフィーコンプリートしましたけど、達人には程遠く。
あと、攻略サイトの動画とか見てもその通り戦えないって人に、なんかしらのヒントになればいいかな、とも。
勝ち方は、一通りじゃないってことで。

では、忍義手から。
かなりの数の忍義手があるわけですが、主に使ってたのは、以下の二つ。


・手裏剣

これ、多分一番使いましたね。
このゲーム、アクションに対する慣れみたいのと同時に、プレイヤーの精神的な部分がすごく攻防に影響するでしょう?
ちょっと焦ってる時とかに、一拍呼吸置くのに、すごく適した武器なんですよ。
ダメージは、きちんとヒットしたところで雀の涙ほどですけど、相手が連撃に入った時でも、大抵はその動きをキャンセルできる。
あと、少しでもダメージ入ることで、体幹ゲージの回復、わずかでも遅くなるっていう、気持ちのゆとりも作ることができて。

とにかくこのゲーム、近距離で打ち合うと目にも止まらぬ展開で、押されてる時はもちろん、押してる時も、やや冷静さを失いがちなんですよ。
なので手裏剣のような、ちょっとでも相手の動きを止める武器があると、そこで平静を取り戻せますわね。

三種セットできる義手忍具の内、常にこれがひとつはセットされてる状態で、プレイしてました。
犬とか猿とか、動きの速い雑魚にも有効。


・仕込み傘

体幹ゲージこそ奪われるものの、大体の攻撃を防げるんで、これも重宝しました。
特に初見だと、どの攻撃にどう対処すべきか、よくわからないじゃないですか。
でも傘開いとけば、とりあえずその場はしのげるっていう。

防御って意味では、非常に汎用性の高い忍具だったかなと。
まあ、敵の連撃とかの時に出しちゃうと、弾きの感覚で出さない限りごっそり体幹ゲージ奪われるんで、これ一本でなんとかなるってことはないんですけど、それでも道中、ずいぶん助けられました。
あ、これはやばいと思ったら、とりあえず傘で(笑)。


忍義手は、あらためて攻略サイトとか見てみると、おすすめみたいの全然違うんですよね。

このゲームの良いところは、これだけ難しいにも関わらず、攻略法が多様にあるところでしょう。

動画とか見ても、「え、こんな戦い方もできるの!?」みたいな、発見が多い。
僕はどうしても勝てないと心折れかけた時以外はプレイ動画は見なかったんですけど、こうしてトロコンした後にちくちく見てみると、もう自分と全然違う戦い方してて、びっくりですわ(笑)。

では、印象に残ったボス戦を、いくつか。


・vs葦名弦一郎

序盤の最大の難関。
つうかね、ここまでは、苦戦しながらも、ソウルシリーズ伝統の戦い方でなんとかなったんですよ。
ガード固めて、ちまちまやり返すみたいな。

葦名弦一郎は、それだともう絶対勝てない。

ソウルシリーズでも、パリィってあったじゃないですか。
僕あれ苦手で、基本的に盾ガン受け派だったんですよね。
ダークソウル2のボスとか、あとブラッドボーンの何体かのボス、どうしてもそれが必要な相手以外は使ってこなかったんで。

このゲームの「弾き」って、要はソウルシリーズのパリィなわけで、このパリィを相手の一撃ごとに合わせていくってのが、このゲームの基本なんですよね。
で、それがわからなかったもんだから、もう気づくのに何十回も殺されて(汗)。

僕は基本的に攻略サイトって、一度クリアするまで見ないんですよ。
絶対見ないわけじゃなく、どうしても詰まった場合なんかは見ることありますけど、まあ基本的には見ない。

この葦名弦一郎戦の動画は、たくさん見ましたねえ(笑)。
それで、どの人も、やっぱ弾きを基本線として戦ってるんですよね。
勝ち方は色々あっても、どうやらこの弾きをマスターしない限り、絶対に勝てないなと。

で、この葦名弦一郎は、弾きの練習に、最も適した相手なんですよね。
要は、弾きがある程度マスターできる頃には、葦名弦一郎に勝ってる。

あと、相手に弾かれるの承知で、こっちからガンガン攻めることの重要性も教えてくれて。
弾き専念だと、やっぱ相手の体幹ゲージを削りきれないんですよ。
こっちが攻め、相手がガードすることでも確実に体幹ゲージは減らせるんで、守りを固めつつも、いかにアグレッシブに攻めるかってのも重要で。

まったく勝てなかった頃は、葦名弦一郎は良ボスなんて言葉も聞いて、いやどんだけマゾなんだよと思ったもんですが、実際勝てるようになると、これはホントに良ボスです(笑)。
このゲームに必要なこと、基本として抑えておくべきこと、この一戦で全部教えてくれますもんね。

このゲーム、普通のゲームのように体力を削り切ることが勝ちってことじゃなく、体幹ゲージを削り切ってしまえば、一撃必殺の「忍殺」が決まるんですよ。
この忍殺の為に、そこまでの道筋をつけてやるのが、このゲームにおいてのバトルなんだと。

これ理解したら、道中もすごい楽になりましたもんねえ。
奪うべきは敵の体力じゃなく、体幹ゲージなんですわ。
もちろん、敵の体力を削っていけば、体幹ゲージの回復も遅くなるんで、確実に勝利に近づくわけですけど、目をやるべきはそこじゃないなと。

このゲーム自体に慣れてくると、敵の体力かなり残った状態で忍殺できますもんね。
上手い人程、敵の体力残してますよ。
ダメージ与え切る前に、忍殺できてる。


・vs首無し

中ボスなんですけど、怖いんですよね(笑)。
特に序盤は、首無しにダメージ与えられる「神ふぶき」の入手量が限られてるってのもあって、失敗できないみたいな緊張感にやられて、もう手元が狂いまくる。

実際の強さよりも、そういう精神的な部分で負けてしまっていたプレイヤーも多かろうと。
ホントこのゲーム、メンタル大事ですよねえ。

ルックスは、首がないとはいえ、多分静止画かなんかで見たら、特別怖い外見してるわけじゃないんですよ。
なのにもう、抜群に怖い(笑)。
モーションもそうですし、何より強さに恐怖しちゃう。
負けられない、にも関わらず負けを重ねてしまうことで、緊張しちゃうんですよね。
あと、攻撃弾き損ねると、体力より前に怖気ゲージが溜まっちゃって、怖気死んでしまうという。

とりあえず一周目でアイテム回収した後は、周回時にスルーだったんですけど、実は一体、未発見の首無しがおりまして。
三周目だったかな、ステータスアップした、残ったこいつとやるのは、精神的にキツかったです。
うあぁ、なんでこいつを一周目のステータスで撃破しとかなかったんだって、泣きそうになりながら戦いました。
もっとも、その時には指笛(泣き虫)が有効だって気づいて、そこからはなんとか勝てたんですけど。
逆に言うと、一周目、泣き虫手に入れてたら楽勝だったかもと、ほぞを噛む思いですわ。

タイミング取りづらいですけど、弾きに成功してれば、体幹ゲージは溜まってくれるんですよね。
動きが遅いんでついついこちらも刀を振るってしまいますけど、どちらかというと弾き専念に近い形でもいいのかなと。
完全に攻撃が止まってから斬りつけた方が、安定して戦える印象ですね。
慌てない慌てない。

怖気ダメージを与えてくるってのが、プレイヤーの実際の恐怖感とリンクしてて、ものすごくシステムとリンクした、良いボスだと思います。
もっとも、もう相手することはないと思いますけどね(怖)。


・vs長手の百足 仙雲

実は唯一、初見であっさり撃退できたボスです。

出会い頭にむちゃくちゃ攻撃してくるんで、慌てながらも弾きまくってると、あっという間に体幹ゲージ溜まって、忍殺できるという。
危険攻撃も、何やってくるかわからないのに本能的にジャンプ回避したら、それで正解という。

周回時にも、ちょっとその攻撃の激しさに動揺しつつも、ある意味癒しなボスでした(笑)。


・vs獅子猿

でかさ、攻撃の迫力についつい距離を開けてしまいたくなりますけど、勇気を持って、前へ前へ、が大事ですね。
つうか、前へ出ようとする程、ちょっと向こうが距離を取ってくるんで、ガンガン行くくらいでちょうどいい。
かえって逃げようとする時に手痛い一撃が待ってるのは、このゲームのボス共通で。

でもまあ、首無し程じゃないですけど、このボスも怖いんですよ(笑)。
うぉーうぉー吠えまくるし、叩き付けるように繰り出してくる打撃は地面揺らすし、慣れない内は前に出るの怖いですよねえ。
やられまくって、動画とか見て気づくんですけど、どれだけ恐ろしさを感じる一撃だろうと、危険攻撃以外は全部弾けるんですよね。
ついそれを忘れてしまって、気づくまでにかなりやられました。

で、首を落としてからも、第二ラウンドで戦うことになるじゃないですか。
これも恐怖を感じて、最初は結構やられたんですけど、実はこの首が落ちてからは、動きが読みやすいんですよね。
どれだけダイナミックな攻撃でも、危険攻撃以外は全部弾ける、防御できるのもそうですけど、体幹ゲージ削れるってことに気づいてからは、むしろ楽な相手で。

調子に乗って攻撃し過ぎると、絶叫が待ってるんで、二、三発当てたらちょっと距離を取る、の繰り返しでなんとかなりますね。
あと絶叫中は手裏剣当て放題なんで、その意味でも楽。

ただ、再戦時、そのさらに第二ラウンド目は、獅子猿二体と戦う羽目になるじゃないですか。
二体目は爆竹有効なんですけど、さすがに二体同時に相手の戦いは、全然安定しなくてですねえ。
二体がそれぞれ離れた時がチャンスなんですけど、なかなかそれを辛抱できず、周回でも苦手な相手でした。

とはいえ、葦名弦一郎同様、周回時に自分の成長を実感できる、良いボスだったとも思います。
自分のステータスアップって、たかが知れてるというか、レベルアップすれば強敵倒せるってゲームじゃないんでね、逆に自分のプレイヤーとしての腕前が上がってるってのを実感できるってのが、この作品の魅力のひとつですよねえ。


・vs破戒僧

多分一番苦手な相手でしたね。
人によっては楽勝だと思うんですけど、攻撃が大振りで、弾きのタイミングが非常に取りづらかったです。

で、攻撃ごとに、速度が違うでしょう?
速いのは、まだなんとかなるんですよ。
遅い攻撃が待ちきれなくて、ついついワンテンポ早く弾きに入ってしまって。
あれ、弾いたと思ったのにくらっちゃったよ、からの連撃でやられちゃうことが多くてですねえ。

どのボスも、周回するごとに、ステータスアップしてるにもかかわらず、楽だと思えることが多かったんですけど、特に源の宮での再戦時、この破戒僧にはものすごく苦労しました。
二周目も三周目も、多分十回以上は殺されたんじゃないでしょうか。

速さに反応するクセがついてしまって、どうにも遅い攻撃にタイミング合わなくて。
実は同様の問題で、道中の雑魚、特に斧持った兵士に結構苦戦してしまうこともあったりして。

まあ、落ち着いて対処すれば、どうという相手でもないはずなんですけどね。
再戦時三ラウンド目の、虫を吐き出してくる攻撃が厄介ですけど、かわしづらいのは大振りからの危険攻撃二連発の時くらいなもので、まあ最初の一撃目を左横にジャンプしてればなんとかなるかなと。
基本的な攻撃は弾きつつ、攻撃が止まった時に一撃ずつ与えてれば、そんなに苦労しないはず。
欲張って斬りつけてると、いきなり虫吐き出してきますしねえ。


・vs大忍 梟、義父

最初に天守で戦う時は、周回時も結構苦手でした。
そんなに大ダメージの攻撃はないんですけど、隙も少なくてね。
手裏剣からのジャンプ斬りの時は、かわして攻撃できるんですけど、他はちょっと攻め入る隙が見つけづらく、やや長期戦の様相を呈しておりました。
このゲームのボス戦では珍しく、ジリ貧になって負けることも多く。

で、再戦時、義父としてのバトルは、このゲームのボス戦の中で、一番好きでした。

最初、あまりの強さにどうしたらいいかわからず、葦名弦一郎戦の時以来の挫折感を味わったりしたんですけど。
いやあ、一撃一撃が、一周目から重い。
おまけに圧倒的なスピード感で、これは勝てないんじゃないかと。

が、弾きはもちろん、ステップを多用したり、危険攻撃に対する対処覚えれば、楽ではないにしても、かなり楽しいボスでした。

突きに対する見切りは、信じられないほど遠くから突っ込んでくるのがわかれば、攻撃のチャンスだなと。
下段攻撃からの力溜めての振り下ろしは、ジャンプ回避からの着地後、こっちの一文字二連の方が、早く入るんですよね。
あと連撃からの爆竹、合わせての豪快な一撃は、右前方にステップすれば回避できて、これも攻撃のチャンスで。

とにかく一発が重く、ちょっとミスすると即死な相手ですけど、なんかこう、こちらの全てを出し切れる感じで、楽しいんですよ。
ああ、楽な相手ではなく、こうした全力を出し切れる相手を楽しいと思えるようになってるんだなあって、戦っている最中から達成感みたいのもあって。

周回時、もう戦う前からワクワクできる、この作品一番の好敵手でした。
うーん、義父と再戦する為だけに、もっと周回してもいい感じです(笑)。


・vs葦名弦一郎、葦名一心

修羅ルート以外の、ラスボスですね。

もうここではっきりと自分の成長を実感できるんですけど、葦名弦一郎が、楽なんですよ。
つっても、たまにミスってやられちゃったりするんですけど(笑)。
でもまあ、葦名弦一郎が楽と感じるくらい、自分ってば上手くなってるんだなあと、多くの人が実感できると思います。

問題は葦名一心で、これも義父とは違った意味で、全力を出し切れる相手だなと。
一周目は、多分五十回くらいやられましたけど(汗)。

攻略法は人それぞれでしょうけど、僕は弾きに徹して戦いました。
危険攻撃以外は、全部弾きが効くっていうこのゲームの原則に立ち返って。
変に動き回るよりかは、それこそ一文字二連でも、しっかり弾き切ってしまった方が、ミスが少ない。
一心も攻撃がド迫力なんでついつい下がってしまいがちなんですけど、前へ前へって感じの方が、押し込めるイメージですね。

つうかもう、全部弾いてやるって気概で立ち向かえば、結構早い段階で体幹ゲージ削りきれるんですよ。
中途半端に距離置いちゃうってのが、多分このゲームのボス戦の一番まずいパターンで。
大体どのボスも、中距離からの攻撃が一番きついですもんねえ。
向こうから距離置いた時以外は、回復とかも使わないくらいの心構えで。

勇気を持って前へ出るって姿勢は、格闘技や武術にも通じるところがあって、ああ、この作品って戦いってものがよくわかってるなあと、あらためて。
大体、腰が引けてる相手が一番やりやすいですもんね。
逆に、前に出てくる相手を倒すってのは、至難の業ですよ。
僕自身、格闘技をやってた頃を、こんなところで思い出せたりして(笑)。
ホント、この辺の呼吸をゲームに取り入れたアクションゲームって、今までにないと思いますよ。

弦一郎含めて計四ラウンドの強敵ですけど、また対戦したい相手ですよねえ。
修羅ルートの一心も捨てがたい難敵ですけど、多くのルートでラスボスとして立ち塞がる一心との戦いは、忘れられない一戦となりそうです。


あらためてSEKIROについては、いくらでも語れる作品だなあと、書いてみると感じます。
僕はこう、戦う要素がある作品って、戦いそのものが物語になってるべきだと思ってるんですよ。
話の合間に、適当にバトル挿んでお茶濁す感じじゃなく。
これはゲームのみならず、どんな作品にも言えることで。

そういう作品は少ないですけど、間違いなくSEKIROは、そうした作品だったかなと。
ストーリーももちろんありますけど、ソウルシリーズはそこの点を抑えてるのが素晴らしい。
かつ、これまでのソウルシリーズの中でも一番の作品だったなと、そう感じました。忍殺。

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尾上屋台 2019/04/16 22:11

SEKIRO プレイ感想1




「SEKIRO」、かつてこれほど難しく、それでいて達成感のあるアクションゲームはあっただろうか。

一応、デモンズからソウルシリーズは全部プレイしてるんですけどね。
いやはや、シリーズで一番歯ごたえのあった「ブラッドボーン」の七倍くらい難しい(笑)。

あ、そうそう、これとは別にもう一本記事書く予定で、こちらの方は未プレイの人でも、なんとなくゲームの雰囲気掴めればと思って書く予定です。

ざっくりどういうゲームかというと、隻腕の忍者が、義手のギミックを駆使しつつ、敵を倒していくアクションゲームです。
いわゆる無双系ではなく、ステルスアクションなんかも多用する、緊張感のあるゲームですね。

で、最初はこれ、一体どういうことかって感じで。
序盤の最後の辺りのボス、葦名弦一郎に、百回くらい殺されましたもんね(汗)。
つってもここで、SEKIROってゲームは、いかにして戦うのかってのを叩き込まれるんですけど。
ソウルシリーズの今までの立ち回りとは、根本的に違うってことに、ここで気づかされるんですわ。
ま、詳しい話は、次の記事で。

とにかく、息をつかせぬ剣戟アクションなんですな。
敵の攻撃を見切り、かわし、一撃を、否、連撃を叩き込む。
一部の敵を除いて、ヒット&アウェイや、ガードを固めての戦いは通じない。
敵に向かっていく姿勢が、ホント大事なゲームで。

で、ある程度立ち回り覚えてくると、敵の強さに、恐怖するんですよ。
強さに、恐怖する。

自分、ゲーム歴30年以上で、割合アクションケーム得意な方で、敵が強いってことに恐怖したの、この作品が初めてですもんね。
いや、いかにもホラーな演出だったり、敵のルックスがグロテスクで「怖いなぁ」って思うことはありますけど、そういう演出的な恐怖じゃなく、敵の強さそのものに、恐怖する。
この体験は、初めてのものでした。
「うわ、こいつ、強い!(怖)」って、なかなかゲームで味わえるものじゃなく。

あと、このゲーム独特の「体幹」システムは、ツボでしたね。
激しく打ち込む、そして相手の攻撃をいなすことで、相手はバランス、「体幹」を崩していくんですよ。
いわゆるヒットポイントとは別に、このゲージがあって。
これを削り切ると、たとえ相手の体力が充分あっても「忍殺」、つまり一撃で相手を倒せるんですよ。

これはよく出来たシステムだなあと。
この作品、雑魚でも一撃で倒せることはそうそうなく、大体十発以上は当てないと倒せないんですけど、この体幹ゲージを削ること考えて戦うと、大体二、三撃で相手を倒せるんですよね。
立て続けに三、四回斬りつけて体幹崩すもよし、相手の攻撃を弾く、見切って一撃で倒すもよし。
どうあれ相手のバランスが崩れたら、一発で勝負がつくんですよ。
これ、慣れるとものすごく爽快で(笑)。
いわゆる無双系とはまったく違う爽快感なんですよ。

ああ、アクションゲームには、まだこんなシステムが思いつくんだって。
今やどのゲームも大体、基本的なアクションのシステムって同じじゃないですか。
オリジナリティは、基本的なシステムや演出、シナリオの方の違いだけで。
体幹システムは、根本的に違う。
タフな相手を一撃必殺ってのは、まさに武術とか格闘技に通じるものがあって。

僕がアクションケーム好きなのの要因の一つって、やっぱ肉体感覚に近いものを求めてるってのがあるんですよ。
で、この体幹システムを理解して戦って思ったのは、そう、この感覚だよって。
相手が隙を見せれば一発で片がつくこの感覚、まさに武術ですよ。

で、相手も一撃、ないしは一連の動きでこちらを瞬殺してくるこの緊張感は、ちょっと他のゲーム出は味わえなかったですね。

単にアクションが難しいってことじゃなく、このゲームほど、武術の、いや戦いそのものの感覚をゲームに落とし込んでいる作品はないですよ。

それも、相手の隙をじっと窺うだけじゃなく、こちらから激しく攻め込むことで相手の隙を作る、ないしは義手に仕込まれた様々なギミックを駆使することで、その一瞬の隙を作り出す。
かつてこれほどまでに、戦いの本質を描いた作品は、なかったなあと。

SEKIRO、これはおすすめです。

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尾上屋台 2019/04/04 11:39

「約束のネバーランド」

・アニメ公式


フジというかノイタミナ枠というか、全部見てるわけじゃ当然ないですけど、こういうタイプの作品好きですよね(笑)。
僕が見た中では、半分くらいそうなんじゃないかっていうくらい。

シチュエーションがいいですよね。
タイムリミットがある中、大人の目をかいくぐって、いかに出荷(殺害)されないかっていう。
なんといっても主人公たちが年端のいかない子供たちなんで、これ全員連れて施設から逃げるってのは、どんだけ至難の業なんだよっていう。

で、何かしら計画立てて、それが上手くいきそうだって度に、より一層の困難が立ち塞がるわけですよ。
僕はこういう、次から次へと難題が現れるような物語って、自分がすごく不得意とするところだと感じてるんで、すごく勉強になりました。
アクションが入ってくると行ける気はするんですけど、この作品は違いますもんねえ。
要は、ひとつの要素から派生して緊迫感が積み重なってくんじゃなく、要素自体が次から次へと現れるっていう。
「脱出する」みたいなものすごくわかりやすい旗印があるんで、事態や展開を複雑にしていっても、物語としてまったくぶれてないんですよね。

あと、一見クローズドなシチュエーションに思えても、たとえばママの立ち位置、成り立ちなんかみると、典型的な弱者支配のやり方なんですよ。
分割統治みたいな。
弱いものに弱いものを管理させたり、争う立場に置かせたりってね。
こういう設定みると、作者はよくよくこの世の仕組みみたいなものが、よくわかってるなあと。
そういった理解がある上で物語が展開してくと、やっぱそこに世界観を感じるんですよ。

世界観の有る無し、薄っぺらいか厚みがあるかって、つまるところ作者の知識、教養にかかってるなあと、あらためて。
で、そういうとこが物語の仕掛け、そしてエンディングに繋がってて、絵柄や媒体に関わらず、言葉通り、大人が見るに耐えうる作品になってますよね。
いや、別に誰が見たってみたいのはどんな作品にも言えるんですけど、これはいくらなんでも子供騙しだろうみたいな作品も、あるにはあるので。
ある程度教養を身につけた大人にこそ見てほしい、そんな作品って、ひょっとしたら今のアニメ界で、少なくなってるのかもな、とも感じてるんで。

やっぱ、作者が物事をよくわかってるなあって作品は、信頼して見れますよ。

これは既に続編が決まってるんですよね。
楽しみに待ちましょう!

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尾上屋台 2019/04/04 11:18

「賭ケグルイ xx」

・アニメ公式


賭ケグルイ、二期目ですね。
前期に触れたと思うんですけど、その都度オリジナルのギャンブルで勝負するんで、特にギャンブルに関しての知識がなくても見れるってのが、この作品の強みですね。
多少なりともギャンブルの知識あるとちょっと食い足りないとこは出てくると思うんですけど、ギャンブルものなのに間口が広いってのは、この作品のオリジナリティですし、やっぱ強みなんですよね。

あえて難点あるとすれば、主人公の夢子が、物語が展開すればするほど掴みどころがなくなってくとこですかね。
最初尖った設定で出てくる主人公ってのも、大体話が進むにつれ読者にも理解できるというか、視点そっちに持ってくことが多いんですけど、夢子はこう、見れば見る程わかんなくなりますね(笑)。
キャラとしては実に面白いんですけど、これを主人公で引っ張ることの難しさってのがちょっとずつ出てきた二期目かなとも思ってます。

謎ってのは、ちょっとした取っ掛かりがあってこその謎だと思うんですけど、夢子はちょっとずつ過去の話とか出てきてるにも関わらず、全然理解できなくて。
いや、まあこの辺は僕の理解不足もあるかもですね。
ただ破綻してるようには思えないんで、まあどんだけ複雑な人格を主人公に置いてるんだよ、みたいな感覚ではあります。
脇やライバルだと最高に光るキャラだとは思うんですけど。

夢子ってキャラの立て方が、小説的なのかもしれませんよね。
小説だと、もっと複雑なキャラクターや、それ自体が物語の仕掛けになってる作品は多々ありますし。
小説的、ないしは文学的なのかも。
漫画だと、描写できるものが限られてる分、ちょっと取っ掛かりが少な過ぎるような気がするなあと、そう思ってしまいます。

なので、生徒会長を決める、いわばバトルロイヤル状態に話が進んでいったってのも、必然かもしれないですよね。
夢子単体でで話を引っ張るのって、ちょっと難しいはずなんですよ。
夢子だけで進めてくと、ノリにあきられてしまう可能性もありますし。

で、色んなキャラが出てくることで、またサシの勝負よりも団体戦が多くなってきたことで、夢子の尖ったとこも、上手く話に乗るようになってきたかなと。
こういうキャラは、やっぱ比較対象あってこそだなと、それも多ければ多い程際立つかなと、そう感じました。

話としてはまだまだ続くわけで、これも続編に期待しましょう。
あと、二期目くらいによくある中だるみ感がなかったってのも、この作品の良いところだったと思います。

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尾上屋台 2019/04/04 09:54

「モブサイコ100 2」

・アニメ公式


これ確か前期も言ったような気がするんですが、作者は基本的に物語を作る力みたいのが、強いですよね。
それだけに、ツメ関連だとちょっと話が弱いかなーとか思っちゃったりするんですけど、それ以外の話ってのは、起承転結の着け方が、実に鮮やかで。

一話完結的なものって、かなりその人の創話能力試されちゃったりするじゃないですか。
長編一本書くより、短編一本の方が遥かに難しい。
前期、今期ともに、一話、ないしは二、三話で話一本まとめる力って、すごく高い作品だと思うんですよね。
ああ、そうくるんだっていう意外性もあって。

多分、ツメ関連がちょっと話として弱いなって思っちゃうのは、この前半部分がすごくよく出来てるからだと思います。
ツメとの戦いになると、論破と撃破がセットになる、いわゆる普通の、よくある作品とそうそう変わらなくなっちゃったりするんで。

でもまあ、物語としてある種のフィナーレ感を出すには、一応戦える上に強い主人公ですし、どうしても欲しい要素だったのかなとも。
これらの戦闘にしても、それぞれの戦いの描き方ってのは、随所にセンスの光る描写でもありますし。
悪くない、むしろ普通の戦闘漫画と比べてもあきらかに面白いよな、とは感じるんです。
一話一話の作りは最高、されど全体として見た時に、ちょっと歪な感じかするのかもですね。
俯瞰で見た時に、やや構成のとこでもったいないと感じるのかも。

ともあれモブサイコ100、とても良い作品ではありました。
それはもう間違いなく。
結構、勉強になる作品でもありましたね。

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