ももえもじ 2020/06/01 11:02

女スライムに包囲されました

「ぐっ、なんてこったっ!?」
 広々と続く穏やかな草原でまさかの失態だった。
 こんな穏やかな場所で捕らわれるとは、勇者一生の不覚である!!
 視界の良い草原。
 のびのびと歩いていたところ、突然足が湿地にハマったのだ。
 ズボッと足がハマる。地面と罠が同化していて気付かなかった。
 粘着質な液体に足を掬われて一歩も動けない。
 あたふらしてると、この罠を張ったらしいモンスターが姿を現した。
 モンスターは、青色をしたスライムの雌が二匹だった。
「あっはっは! 勇者やぶれたり!」
「や、やったっ、勇者を捕らえたよっ!」
 一匹は高笑いするツリ目の女スライム。
 もう一匹は、モンスターらしくない優しそうな顔つきの垂れ目な子だ。
「くっ、この罠を仕掛けたのはお前らか」
「ふっふっふ。偉大な者ほど小物にヤられるものよ!!」
「あれっ、アクアが自分を小物だって認めるの珍しいね」
「仕方ないじゃん。青色スライムだもん」
「うん」
「けど、それも今日でお終いよ。勇者の精力を全て奪って、私たちこそが最強のモンスターになるの!! ふふふふ、この時をどれほど待ったか!!」
 アクアと呼ばれた小生意気そうなスライムが両手でガッツポーズを取る。青いスライムは最弱モンスターとして有名だ。
 それをアクアはコンプレックスに思っていて、力のある俺からパワーを吸い取って返り咲きたいってところか。雑魚モンスターながら涙ぐましいじゃねえか。
 俺は一歩も動けないまま、冷静に会話から流れを推測した。
「さあ、勇者。覚悟しなさいっ」
「か、覚悟するですっ!」
「はぁ……やれやれ」
「って、ちょっ。もう少し危機感抱いたらどうなのっ?」
「あのなぁ、こんなのが抜け出せないと思ってんのかよ?」
「えっ!?」
「…………」
「俺は様々なダンジョンを潜り抜けた勇……ふぁああ~~あ」
「こ、こ、こ、この状況であくびするなぁっ!!」
「身が入らねえよ。お前ら程度の罠なんかよぉ……」
「むっきぃー!! 私らを普通の青スライムと思わない方が良いよっ!?」
「ふわぁああ~~~~あっ(超デカいあくび)」
「うがーーーーーーっ!!」
 あくびをしながらケツをポリポリ掻く。罠に掛かってモンスター二匹に挟み撃ちを受けていても、俺の心拍数は依然として平常だ。
 危機感を抱かないのも当然だろう。レベル一でも倒せそうなスライムの罠なんか、レベル90代の俺に通用するハズもない。涙ぐましいアクアを、俺はあくびしながら哀れみの目で見ていた。
 哀れんだ俺の目に、当然アクアは真っ赤になってバタバタと怒っている。
地団駄を踏む姿が妙に可愛らしくて噴き出す。
 それがまたアクアの怒りに触れるらしく、暫く俺を指差しながら癇癪を起こしていた。
 しかし、俺はまだ気付いていない。
 本当に哀れなのは、俺だったってことに。
 この数分後に立場が逆転すると、俺は最弱モンスターを揶揄ったツケとして、とんでもない生き地獄を味わわされることになるのだった。


「あ、あれっ?」
「…………?」
「くっ……」
「ア、アクアッ、見てっ」
「プッ、どうしたの勇者様。そんなに踏ん張っちゃって」
「な、何故だ。あ、脚が動かんっ」
 そろそろ茶番も終わりにしよう。
 ってことで罠から抜け出そうと脚に力を籠めるが、それでも動かない。
 仕方ないから魔力を解放してやるが、それでも脚は泥濘に捕らわれた儘、それ以上振り上げることが出来なかった。
「ぷっ、あーっはっはっはっはっは! どーした、様々なダンジョンを潜り抜けた勇者なんでしょ? なら、さっさと抜け出してみなさいよっ!」
「……言われるまでも無い」
「な、なによ。この光っ」
「死にたくないなら消えろ」
「ア、アクアっ、あれっ、魔王様の技だよっ!」
「ヤ、ヤバッ、マリン、逃げるわよっ!」
「もう遅ええっ!!」
 魔力を最大限に。自身から光のオーラが放たれる。
 そして解放。辺り一帯に、とんでもない爆発が巻き起こった。
 どぉおおおおおおおおおおおおおおおん!!!
「ぐはあぁっ!」
「きゃあぁああああっ」
「わぁあああっ」
 アルテマ。魔王からラーニングした究極の魔法だ。
 それを自分を対象に発動させる。自分も大ダメージを受けるけど、辺り一帯も吹き飛ぶので地形ごと罠を外せるだろう。そういう目論見だった。
 …………
 大爆発の後に、草原に巨大なクレーターが出来る。近くに居たアクアともう一匹の、マリンが巻き込まれて、何処か遠くへと吹き飛んでいくのが見えた。
 俺も大ダメージだ。けど、その甲斐はあっただろう。
 と、思っていた。
 しかし、それでも泥濘だけは残っていた。
「な、なにっ!!」
「いったたたたた……お、おお~、凄い。マリンっ、見てっ!!」
「おおおおお~っ、まだ残ってるっ、勇者も捕らわれた儘だっ!」
「バ、バカな……」
 しぶとく生き残っていた雑魚モンスターの二匹。
 それ以上にしぶとい沼に、俺は初めて背筋を凍らせた。
 しかも、究極魔法を自身にぶつけた所為で、なんかもう死にかけである。眩暈がしてきた。脚もガクガクしていて踏ん張ることも出来ない。アイテムも吹き飛んでしまったから回復も出来ないし・・・
 これは・・・超ヤバいのでは。
 感情がありありと表情に出ていたのだろう、俺の様子を見たアクアから妖しい笑みが浮かび始める。形勢は完全に逆転……いや、もともと積んでいたのに、俺が傲慢すぎて罠の危険性に気付かなかっただけ。
 そう、俺は雑魚モンスターの張った罠で完全に積んだのだった。
「ふははー、今度こそ勇者やぶれたり!」
「魔王様すら倒せなかった勇者を私達が、って良いのかなぁ」
「良いの良いの。ほら、どーしたよ勇者たま❤」
「ぐ、ち、ちくしょうっ」
 アクアがクレーターに入ってきて、俺の頭を撫でてくる。
 完全に馬鹿にしている。残りの魔力で吹っ飛ばしてやろうか?
 しかし、そうなったら広い草原に一人残されることになる。こいつらを倒したところで、罠から抜け出せなければ飢え死にするのは確実だ。
 だから、こいつらを説得。示談するしか、もう生きる道は無かった。
 唇を噛み、静かに言葉を吐く。
「望みを聞こう」
「むむ。もっと命乞いすると思ったのに。流石は歴戦の勇者ね」
「アクア、どうする?」
「どうもこうも、ただ勇者のエネルギーを吸い取るだけよ。ま、その後で解放してやらんでもないかな。ま、エネルギーかすっかすになるまで吸い取るつもりだし、一応言っておくけど、アンタはもう勇者としては生きていけないわよ。卒業して村人に戻ることになるの!」
「……野垂れ死ぬよりはマシだ」
 これまで培った全てを、こんな雑魚に与えるなんて冗談じゃない。
 こんな奴ら、すぐに篭絡して必ず抜け出してやる……
 ボロボロになりながらも野心は衰えず。
 これより、勇者VSザコモンの戦いが始まるのだった。

「マリン。そっち持って」
「うんっ」
「ぐっ、ち、ちくしょうっ、ちくしょうっ」
「じゃあ、行くよ」
「そーれっ❤」
 棒立ちの体勢で一歩も動けず、究極魔法で勝手に自爆した俺は、全くの無抵抗で二匹のスライムから鎧を外される。ボロボロになったインナーもあっさり脱がされて、姿を潜めていたイチモツがポロリと姿を現した。
「ぷっ、こっちの方は勇者って言い難いね」
「ば、爆発で縮んだんだよ」
「可愛い❤」
「ううっ」
 二匹のスライムがしゃがんでイチモツに擦り寄ってくる。
 下から見上げてくる二人。その可愛らしい瞳に、ついついドキッとする。
 あまり意識してなかったけど、二人とも外見は良かった。
 指で軽く亀頭を抓まれ、思わず声を出してしまう。
 こういった行為は、どれくらい久しぶりだろうか?
 モンスターとは言え、見てくれは中々に上々なアクアとマリンだ。
 こんな状況にも拘わらず、徐々にイチモツは元気になっていってしまう。
「ふむ。勃起力は中々ね」
「あう……」
「どうしたの、マリン?」
「ア、アクアは、こういうの慣れてるの? わ、私、オトコのコレ見たの初めてで、なんかめっちゃドキドキしちゃう」
「言わないでよ。私もドキドキしてるんだから」
「お前ら処女かよ」
「ムカッ、処女でなにが悪いんだよ? このぉおっ!!」
「うぐっ!!」
 軽く触られていただけのイチモツに、今度はアクアがズボッと腕を貫通させてくる。直角に勃起していたイチモツを、アクアはスライムの特性を利用して正面から一直線に捉えてきたのだ。
 青色の半透明な腕に、イチモツが丸呑みされてしまう。スライムなんて、言ってしまえば全身オナホールみたいなものだ。実際、その気持ち良さに目を付けた商人も居て、裏市場ではスライムの闇取引も行われている。
 液状・固形と変幻自在に体質を変えることが出来るスライムは、まさに性行為の道具として最適なのだ。アクアが水のように柔らかくなった腕で無理やりイチモツを搦め取ると、今度は腕をゼリー状にして、ぬるぬると動かしてくる。
 その快感は、オナホールの比ではなかった。
 温かいし、なにより無駄な圧迫感がない。
 しかも腕の中のゼリー状がウネウネと絶え間なく動いており、まるで人間の女性器、それもミミズ千本と呼ばれた名器の中みたいな感触だった。
 ミミズ千本以上の感触をした、温かい電動オナホールと言ったところか。
「うああああぁあああっ!!」
 アクアが腕をジュッポジュッポと何度も動かす。ゼリー状の胎内で、まるでバキュームされてるようにイチモツが吸い上げられていく。
 人間との性行為では有り得ない快感に、俺は全身を戦慄させた。
「勇者様ってばカワイー❤ 随分溜まってたんだねぇ、もうチンコがパンパンじゃんっ。我慢汁で私を溶かそうとしてんのってくらい溢れてるしっ。へえ、これ気持ち良いねぇ~」
 アクアも、感じているらしい。
 アクアの頬が少しずつ染まっていくのが見える。
 腕の中にも性感帯が通っているのか、ブチュブチュと中でゼリーが弾ける度に、軽く全身をピクリとさせている。隣に友人が居るから、なんとか声を押し殺しているようにも見えた。
「アクアも気持ち良いの?」
「うん。マリンもやってみなよ」
「わ、分かった」
「や、やめ、うああぁあああっ!!」
 と、アクアだけでも気持ち良いのに、その快感に慣れる前に、マリンも参戦してきてしまう。スライムはスライム同士で融合することが出来る。器用にも、マリンとアクアが腕だけを融合させてくる。
 二人の腕に搦めとられたペニス。まるで二つのマンコに同時に味わっているかのような気分だ。さっきよりも二倍くらい強い刺激が走った。
「ああぁああっ、くううっ!!」
「あ、ほ、ホントに気持ち良いやっ」
「でしょ?」
「全身に温かいものが広がってくる感触。なんか落ち着く」
「うんうん。ゾクゾクするよねぇ」
「ふうっ、んっ、ゆ、勇者、さまぁ……」
「うぐううっ、マ、マリンって言ったか? なんて緩急だっ!!」
「勇者さま、もうイキそうなの?」
「…………」
 俺は黙って頷く。スライムエッチが始まって、まだたったの二分だ。
 マリンの参加から、まだ三十秒しか経っていない。
 けど、早漏なんて気にしてる余裕もないくらい気持ち良くて・・・
 俺は、早々に二匹の腕の中に精魂を吐き出した。

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