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ももえもじ 2022/04/18 13:23

【再録】人妻AVデビュー

『36歳です。仕事に興味があります』

 物語は、SNSへと届いた一通のメールにより始まった。
 明らかな捨て垢のオファーに訝しむも、結局と廣峯勇志は誠実な対応で相手を出迎える。話を聞けば、送信者は結構な年上であり、更には現役の人妻だという。人妻相手ではトラブルが多く、そもそも廣峯にはロリコンの嫌いがあり、年上に興味を持った経験すら無い。案件を断ろうと何度も考えた末の、松浦紗友里との出会いだった。

「あっ、もしもし。ユリです。い、いま到着しました……」

「峰岸です。もう隣に居ますよ」

「あっ……!? あはは……は、初めまして」

 約束の日にて廣峯が初めて紗友里と出会う。既に廣峯は待ち合わせの場所にて待機しており、その声に驚いた紗友里が思わずスマホを落としそうになる。

「え、と……早速ホテルでしょうか……?」

「いきなりで良いんですか? 僕としては、打ち解ける為にも、まず軽く食事を考えていました。メールでも、そう伝えていたと思います」

「あっ、そうでしたっ……ごめんなさい」

 互いに偽名で自己紹介を交わす。落ち着いて話す廣峯とは対照的に、紗友里は緊張を極めて何度も口を噛む。異性との会話にすら慣れていない印象だった。
 自分より7つも年上の、なんとも慌てた様子に、廣峯が一先ずホッと息を吐く。経験の豊富な廣峯でも、初めて会う女性には警戒心や不安が拭えず、それだけに紗友里の初々しい態度は、程良いアイスブレイクとなった。

 また、想定よりも整った紗友里の容姿に廣峯が感嘆する。予め紗友里の写真はメールで送られていたものの、写りが悪くてスカを喰らっていたのだ。
(やっぱり、実際に会わないと分からないもんだな……)
 しかし、実際の紗友里は顔立ちがきめ細かく、着痩せしながらも存在感を放つ乳房の膨らみや、僅かに赤み掛かった美しい髪など、写真だけでは分かり得ない魅力を多く備えていた。

 三十代にも拘わらず垢が抜けない雰囲気も、廣峯の扇情を大いに煽る。廣峯の視線が何度も上下に揺れ動き、その度に紗友里が気恥ずかしそうに萎縮していた。

「好きな物を注文して構いませんよ」

「え、えっと……ごめんなさい。結構です」

「要りませんか?」

「正直に申しますと、不安ばかりで何も喉に通りません……」

「そうですか。大丈夫ですよ。じゃあ、自分だけ注文させて頂きますね」

「はい」

 一行は、駅にあるカフェへと足を運んでいた。
 これから二人は、ホテルで身体を重ねなければならない。明らかに性的経験の乏しい紗友里は、緊張と不安で食欲が湧かず、赤面を隠すように俯いてばかりだ。
 空腹の廣峯は、そんな紗友里に構わず次々に軽食を頼んでいく。一息を吐くと、廣峯は本題を切り出した。

「ギャラは10万円です。宜しいですか?」

「……はい」

「こちら契約書と誓約書になります。よく確認した後に、サインを下さい」

「分かりました」

「大丈夫ですか? 顔が真っ赤ですけど……」

「うああ!? ご、ごめんなさいっ!!」

「い、いや、謝らなくて全然良いですけど」

「うう……」

「あの、一つ聞いても良いでしょうか?」

「な、なんでしょうか!?」

「どうしてユリさんはAVに出演する気になったんですか? 失礼ですが、全然そういうタイプには見えません。ユリさんのような淑やかな女性からオファーが来た時はビックリしましたよ」

「…………」

 水耕栽培に携わる廣峯勇志は、副業としてAV制作を営んでいた。
 AVと言ってもメーカーに勤める訳では無く、個人によるインディーズである。素人との行為を撮影しては、それにモザイク等の編集を行い、サイトで販売する。大体の相手は、素人と言えどアダルトを生業とする者であり、こうした仕事にも抵抗が無い女性ばかりだ。

 しかし、明らかに紗友里は違う。異性への耐性は無く、そもそもが人妻である。話から察するに、旦那には確実に秘密にしての、今日という仕事だった。
 アダルトに初心者な上に、旦那には内緒の人妻と来れば、理由は一つしかない。察しは付くものの、廣峯は紗友里の言葉を待った。

「実は、借金があるんです。夫には絶対に知られたくなくて……」

「そうでしたか、すみません。話さなくて大丈夫ですよ」

「ありがとうございます」

 紗友里の指先は震えていた。
 感情を必死に押し殺すように、声も上擦っている。業界とは無縁の人妻が急にアダルト産業へと首を突っ込んだのだ。借金で精神的に追い詰められた末ならば、紗友里の震えも必然だった。

 借金か脅迫か、その辺りを予想していた廣峯に驚きはない。優しい言葉と共に、紗友里の手を握って慰める。この仕事をしていれば、訳アリな女性との出会いも多い。いまにも不安で事切れそうな紗友里に、これでもかと廣峯が慎重に接する。物柔らかい廣峯に、紗友里は初めて笑顔を見せた。

「優しいんですね」

「普通ですよ。どんな僕を想像していたんですか……」

「アダルト関係の仕事には、もっと物騒なイメージがありました」

「なのに、よく来てくれましたね」

「今日の約束を取り付けた時は何度も後悔しました。今朝も後悔で泣いちゃって。だから、峰岸さんが優しい人で本当に良かったです。本当に、本当に……」

 紗友里の借金は、完全に私的な理由による破産だった。
 専業主婦として暮らす傍らに、趣味の買い物が高じた結果である。その内気な性格から、旦那や家族にも破産を打ち明けられず、一人でカードの請求に怯える日々を送っていた。

 そして廣峯がSNSで発信した「高額バイト」のハッシュタグに引っ掛かった次第である。初対面の男と性行為を行い、マスクの着用が可能とは言え、更には撮影もされる不安に、紗友里のストレスは限界に達していた。
 そんな現況での温もりは有難く、紗友里の瞼には涙を浮かべていた。

「それでは、そろそろ行きましょうか」

「は、はい。ホテル……ですよね?」

「勿論です」

「……ッ!!」

 最後のパンケーキを口に放り込んだ廣峯が言う。時刻は、間もなく夕方に差し掛かっている。旦那にはママ友との飲み会だと伝えており、夜間は丸々と廣峯に費やす予定である。紗友里にとっては仕事でも、旦那から見れば不倫でしかない。旦那ではない異性と肩を並べてホテルへと向かう紗友里は、チクチクと罪悪感を感じながら、不安と緊張で心臓を高鳴らせていた。

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ももえもじ 2022/04/18 13:07

人間牧場(ノベル版)

いわゆる、遺言書だ。
 使用人である和子を頼り、私の死後にお前へと届くよう手配しておいた。
 何故に、お前か?
 各地に散りばめられた子の中では、お前が最も私に近いと感じたからだ。
 お前なら、きっと私の跡を継げるだろう。
 財団の話ではない。
 そんなものは、優秀な他の兄弟が勝手にやっていれば良い。
 お前には、もっと面白いものをくれてやると言っているのだ。
 和子から鍵を受け取れ。
 牧場の鍵だ。
 財団が経営する牧場ではない。
 とにかく行けば分かる。
 和子を始めとした、ごく少数の使用人だけには話が伝わっている。
 彼女たちに教えてもらえ。歴史ある財団の、真実の姿を。
 学べ。そして……愉しめ。
 ルールさえ守ってくれるなら、好きなだけ愉しんで構わない。
 …………
 ああ、年上が好きなら、和子にも手を出して構わないぞ。
 お前が睨んでいた通り、私は多くの使用人を手塩に掛けていたからな。
 そういう訳だ。私亡き歴史を頼んだぞ。
 よい人生を。
 財閥王より~~


 という、親父の遺言書が届いてから数日が経過した。
 目的地へと向かう道すがら、俺は使用人の和子さんにおおよその粗筋を聞かされた。
 政治家だった親父の、真の素顔について……あまりに突拍子もない内容なのに、すんなり受け入れてしまう自分がいる。
 まるで最初から知っていたように、「なるほど」と、小さく一言だけ和子さんに返した。
「冷静ですね。普通なら、もっと取り乱すものですよ?」
「これでも困惑してるよ」
「……やはり、似ているのかもしれませんね」
 隣で運転する和子さんが笑う。
 少し厚めの化粧に、シンプルだけど高級そうなメガネに、隙の無いスーツ姿と、和子さんは正にデキるけど堅物なOLと言った女性である。
「俺と親父か? はは、数いる兄妹で一番の親不孝者だぞ、俺は」
 言いながらも、心では和子さんに同調していた。
 俺の父親……表向きは、甚も堅苦しい政治家だった。
 私生活でも笑顔は見せず、そもそも感情の有無が疑わしいような人間である。
 対して俺は、優秀な兄妹を差し置いて、いつまでもふらふらと遊びまわるような奴だった。
 金に、女に、遊びに。家の財産を貪る寄生虫と誹られ続けた。
『どうして、あの父親から、あんな子供が……』
周りからは、正反対の親子と言われ続けていた。
 だが、通ずる部分は確実に存在していたのだ。
 親父も、分かっていた訳だ。
 優秀な兄妹を差し置いて、俺へと招待状を渡した理由……
「着きました」
 東京から車で2時間あまり、着いた先は馴染みの薄い栃木県某所だった。
 見渡しの良い田畑の脇に車が止まる。
 目の前には、ひと気のないビルが一つ在る。
 ビルといっても、三階建て程度だろうか?
 商業ビルではない。会社という訳でも無い。
 外観からは中身の想像が付かない建物だ。
 都会っ子の俺からすれば、穴場の箱ヘルにも見えた。
「ここが?」
 俺は、車から出た。
 都会の喧騒がない田んぼだらけの拓けた地は、季春だというのに風が強くて肌寒さを感じる。
 高層ビルの一つも見えない。芯まで都会っ子の俺とは肌が合わないような場所だった。
「こんな場所に……?」
「ご主人様の祖父は有名な地主であり、ここ一帯を管理していました」
「先祖が田舎の金持ちだって話は聞いたことあるな。ここがそうか」
「お金持ち……ええ、大変な資産家でした」
 それからも和子さんは、なにやら懐かしむような遠い目で語ってくれた。
 それは、まるで自分について話しているような口ぶりである。
 俺より一回り二回り年上とはいえ、まだ40代なのに……
 親父の祖父について、なんで詳しいのか?
 聞こうとしたとき、和子さんが先制して口を挟む。
「一先ず、入りましょう」
 和子さんが鍵を取り出して開錠する。
 ……開けると、そのまま俺に鍵を渡してきた。
 一つの輪に、重厚な鍵が三つ連なっている。
 一つは、この建物の鍵。あと二つは……?
「これからは、坊ちゃんがお持ちください。いつでも、好きな時に此処へと訪ねてくれて構いません」
「遠いんだよ。頻繁に此処に来るメリット、ちゃんとあるんだろうな」
「…………」
 俺の言葉を無視して和子さんが中に入る。
 灰色のカーペット、ビジネス用の椅子やデスク、景観を崩さない造花があちこちと、まさにオフィスと言った内装だった。
 デスクの上には、まるで先程まで人が居たように、無造作にノートや書類が置かれている。
 ただ、違和感が拭えない。
 このオフィスからは、生気を感じなかった。
 親不孝者な俺の勘が騒ぐ。
「隠れ蓑か」
「ご名答です。理解が早くて助かります」
 薬の取引や違法な性風俗など、金や立場を悪用して裏社会にどっぷり浸かっていた俺である。驚きは無かった。
 また、和子さんも、さも当然のような口調だ。
「実際には、旦那様が訪れる週末は此処もオフィスとして使われていましたけれど」
「そして隠し階段か。マジで犯罪の臭いがしてきたな」
 淡々とオフィスを抜けていく。突き当りの壁に来ると、和子さんはカーペットを捲り、隠れていた取っ手を慣れた手つきで引っ張り上げる。
 すると、そこにはまるで映画のような隠し階段が現れたのだった。
 流石の俺も息を飲む。
 だが、衝撃は更なる怒涛で俺に畳みかけてきた。
「このビルには地下があります。正確には防空壕だったようですが、旦那様が手ずから整えていきました。地下には、現在四人の女性が住んでいます」
「四人の……なんだって?」
「世界から遮断された、言葉も、自分の名前すら分からない四人の女性……もとい娘が、生まれた時から此処で暮らしているのです。暮らすという表現は適切では無いでしょう。『監禁』に言い直します」
「……そうか」
 寿司は旨い。なんて当たり前みたいなテンションで和子さんは話すもんだから、俺もバカみたいな反応しか出来なかった。
「実際に見るまでは信じがたいな。見せてくれ」
「はい、此処です」
 螺旋状の階段を降りた先には、厳重に施された重々しい鉄塊の扉が聳え立っていた。
 和子さんが目配りする。鍵を使えということか。
 三本のうちの一本を差し込むと、なんなく扉は開錠した。

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ももえもじ 2020/06/01 11:02

女スライムに包囲されました

「ぐっ、なんてこったっ!?」
 広々と続く穏やかな草原でまさかの失態だった。
 こんな穏やかな場所で捕らわれるとは、勇者一生の不覚である!!
 視界の良い草原。
 のびのびと歩いていたところ、突然足が湿地にハマったのだ。
 ズボッと足がハマる。地面と罠が同化していて気付かなかった。
 粘着質な液体に足を掬われて一歩も動けない。
 あたふらしてると、この罠を張ったらしいモンスターが姿を現した。
 モンスターは、青色をしたスライムの雌が二匹だった。
「あっはっは! 勇者やぶれたり!」
「や、やったっ、勇者を捕らえたよっ!」
 一匹は高笑いするツリ目の女スライム。
 もう一匹は、モンスターらしくない優しそうな顔つきの垂れ目な子だ。
「くっ、この罠を仕掛けたのはお前らか」
「ふっふっふ。偉大な者ほど小物にヤられるものよ!!」
「あれっ、アクアが自分を小物だって認めるの珍しいね」
「仕方ないじゃん。青色スライムだもん」
「うん」
「けど、それも今日でお終いよ。勇者の精力を全て奪って、私たちこそが最強のモンスターになるの!! ふふふふ、この時をどれほど待ったか!!」
 アクアと呼ばれた小生意気そうなスライムが両手でガッツポーズを取る。青いスライムは最弱モンスターとして有名だ。
 それをアクアはコンプレックスに思っていて、力のある俺からパワーを吸い取って返り咲きたいってところか。雑魚モンスターながら涙ぐましいじゃねえか。
 俺は一歩も動けないまま、冷静に会話から流れを推測した。
「さあ、勇者。覚悟しなさいっ」
「か、覚悟するですっ!」
「はぁ……やれやれ」
「って、ちょっ。もう少し危機感抱いたらどうなのっ?」
「あのなぁ、こんなのが抜け出せないと思ってんのかよ?」
「えっ!?」
「…………」
「俺は様々なダンジョンを潜り抜けた勇……ふぁああ~~あ」
「こ、こ、こ、この状況であくびするなぁっ!!」
「身が入らねえよ。お前ら程度の罠なんかよぉ……」
「むっきぃー!! 私らを普通の青スライムと思わない方が良いよっ!?」
「ふわぁああ~~~~あっ(超デカいあくび)」
「うがーーーーーーっ!!」
 あくびをしながらケツをポリポリ掻く。罠に掛かってモンスター二匹に挟み撃ちを受けていても、俺の心拍数は依然として平常だ。
 危機感を抱かないのも当然だろう。レベル一でも倒せそうなスライムの罠なんか、レベル90代の俺に通用するハズもない。涙ぐましいアクアを、俺はあくびしながら哀れみの目で見ていた。
 哀れんだ俺の目に、当然アクアは真っ赤になってバタバタと怒っている。
地団駄を踏む姿が妙に可愛らしくて噴き出す。
 それがまたアクアの怒りに触れるらしく、暫く俺を指差しながら癇癪を起こしていた。
 しかし、俺はまだ気付いていない。
 本当に哀れなのは、俺だったってことに。
 この数分後に立場が逆転すると、俺は最弱モンスターを揶揄ったツケとして、とんでもない生き地獄を味わわされることになるのだった。


「あ、あれっ?」
「…………?」
「くっ……」
「ア、アクアッ、見てっ」
「プッ、どうしたの勇者様。そんなに踏ん張っちゃって」
「な、何故だ。あ、脚が動かんっ」
 そろそろ茶番も終わりにしよう。
 ってことで罠から抜け出そうと脚に力を籠めるが、それでも動かない。
 仕方ないから魔力を解放してやるが、それでも脚は泥濘に捕らわれた儘、それ以上振り上げることが出来なかった。
「ぷっ、あーっはっはっはっはっは! どーした、様々なダンジョンを潜り抜けた勇者なんでしょ? なら、さっさと抜け出してみなさいよっ!」
「……言われるまでも無い」
「な、なによ。この光っ」
「死にたくないなら消えろ」
「ア、アクアっ、あれっ、魔王様の技だよっ!」
「ヤ、ヤバッ、マリン、逃げるわよっ!」
「もう遅ええっ!!」
 魔力を最大限に。自身から光のオーラが放たれる。
 そして解放。辺り一帯に、とんでもない爆発が巻き起こった。
 どぉおおおおおおおおおおおおおおおん!!!
「ぐはあぁっ!」
「きゃあぁああああっ」
「わぁあああっ」
 アルテマ。魔王からラーニングした究極の魔法だ。
 それを自分を対象に発動させる。自分も大ダメージを受けるけど、辺り一帯も吹き飛ぶので地形ごと罠を外せるだろう。そういう目論見だった。
 …………
 大爆発の後に、草原に巨大なクレーターが出来る。近くに居たアクアともう一匹の、マリンが巻き込まれて、何処か遠くへと吹き飛んでいくのが見えた。
 俺も大ダメージだ。けど、その甲斐はあっただろう。
 と、思っていた。
 しかし、それでも泥濘だけは残っていた。
「な、なにっ!!」
「いったたたたた……お、おお~、凄い。マリンっ、見てっ!!」
「おおおおお~っ、まだ残ってるっ、勇者も捕らわれた儘だっ!」
「バ、バカな……」
 しぶとく生き残っていた雑魚モンスターの二匹。
 それ以上にしぶとい沼に、俺は初めて背筋を凍らせた。
 しかも、究極魔法を自身にぶつけた所為で、なんかもう死にかけである。眩暈がしてきた。脚もガクガクしていて踏ん張ることも出来ない。アイテムも吹き飛んでしまったから回復も出来ないし・・・
 これは・・・超ヤバいのでは。
 感情がありありと表情に出ていたのだろう、俺の様子を見たアクアから妖しい笑みが浮かび始める。形勢は完全に逆転……いや、もともと積んでいたのに、俺が傲慢すぎて罠の危険性に気付かなかっただけ。
 そう、俺は雑魚モンスターの張った罠で完全に積んだのだった。
「ふははー、今度こそ勇者やぶれたり!」
「魔王様すら倒せなかった勇者を私達が、って良いのかなぁ」
「良いの良いの。ほら、どーしたよ勇者たま❤」
「ぐ、ち、ちくしょうっ」
 アクアがクレーターに入ってきて、俺の頭を撫でてくる。
 完全に馬鹿にしている。残りの魔力で吹っ飛ばしてやろうか?
 しかし、そうなったら広い草原に一人残されることになる。こいつらを倒したところで、罠から抜け出せなければ飢え死にするのは確実だ。
 だから、こいつらを説得。示談するしか、もう生きる道は無かった。
 唇を噛み、静かに言葉を吐く。
「望みを聞こう」
「むむ。もっと命乞いすると思ったのに。流石は歴戦の勇者ね」
「アクア、どうする?」
「どうもこうも、ただ勇者のエネルギーを吸い取るだけよ。ま、その後で解放してやらんでもないかな。ま、エネルギーかすっかすになるまで吸い取るつもりだし、一応言っておくけど、アンタはもう勇者としては生きていけないわよ。卒業して村人に戻ることになるの!」
「……野垂れ死ぬよりはマシだ」
 これまで培った全てを、こんな雑魚に与えるなんて冗談じゃない。
 こんな奴ら、すぐに篭絡して必ず抜け出してやる……
 ボロボロになりながらも野心は衰えず。
 これより、勇者VSザコモンの戦いが始まるのだった。

「マリン。そっち持って」
「うんっ」
「ぐっ、ち、ちくしょうっ、ちくしょうっ」
「じゃあ、行くよ」
「そーれっ❤」
 棒立ちの体勢で一歩も動けず、究極魔法で勝手に自爆した俺は、全くの無抵抗で二匹のスライムから鎧を外される。ボロボロになったインナーもあっさり脱がされて、姿を潜めていたイチモツがポロリと姿を現した。
「ぷっ、こっちの方は勇者って言い難いね」
「ば、爆発で縮んだんだよ」
「可愛い❤」
「ううっ」
 二匹のスライムがしゃがんでイチモツに擦り寄ってくる。
 下から見上げてくる二人。その可愛らしい瞳に、ついついドキッとする。
 あまり意識してなかったけど、二人とも外見は良かった。
 指で軽く亀頭を抓まれ、思わず声を出してしまう。
 こういった行為は、どれくらい久しぶりだろうか?
 モンスターとは言え、見てくれは中々に上々なアクアとマリンだ。
 こんな状況にも拘わらず、徐々にイチモツは元気になっていってしまう。
「ふむ。勃起力は中々ね」
「あう……」
「どうしたの、マリン?」
「ア、アクアは、こういうの慣れてるの? わ、私、オトコのコレ見たの初めてで、なんかめっちゃドキドキしちゃう」
「言わないでよ。私もドキドキしてるんだから」
「お前ら処女かよ」
「ムカッ、処女でなにが悪いんだよ? このぉおっ!!」
「うぐっ!!」
 軽く触られていただけのイチモツに、今度はアクアがズボッと腕を貫通させてくる。直角に勃起していたイチモツを、アクアはスライムの特性を利用して正面から一直線に捉えてきたのだ。
 青色の半透明な腕に、イチモツが丸呑みされてしまう。スライムなんて、言ってしまえば全身オナホールみたいなものだ。実際、その気持ち良さに目を付けた商人も居て、裏市場ではスライムの闇取引も行われている。
 液状・固形と変幻自在に体質を変えることが出来るスライムは、まさに性行為の道具として最適なのだ。アクアが水のように柔らかくなった腕で無理やりイチモツを搦め取ると、今度は腕をゼリー状にして、ぬるぬると動かしてくる。
 その快感は、オナホールの比ではなかった。
 温かいし、なにより無駄な圧迫感がない。
 しかも腕の中のゼリー状がウネウネと絶え間なく動いており、まるで人間の女性器、それもミミズ千本と呼ばれた名器の中みたいな感触だった。
 ミミズ千本以上の感触をした、温かい電動オナホールと言ったところか。
「うああああぁあああっ!!」
 アクアが腕をジュッポジュッポと何度も動かす。ゼリー状の胎内で、まるでバキュームされてるようにイチモツが吸い上げられていく。
 人間との性行為では有り得ない快感に、俺は全身を戦慄させた。
「勇者様ってばカワイー❤ 随分溜まってたんだねぇ、もうチンコがパンパンじゃんっ。我慢汁で私を溶かそうとしてんのってくらい溢れてるしっ。へえ、これ気持ち良いねぇ~」
 アクアも、感じているらしい。
 アクアの頬が少しずつ染まっていくのが見える。
 腕の中にも性感帯が通っているのか、ブチュブチュと中でゼリーが弾ける度に、軽く全身をピクリとさせている。隣に友人が居るから、なんとか声を押し殺しているようにも見えた。
「アクアも気持ち良いの?」
「うん。マリンもやってみなよ」
「わ、分かった」
「や、やめ、うああぁあああっ!!」
 と、アクアだけでも気持ち良いのに、その快感に慣れる前に、マリンも参戦してきてしまう。スライムはスライム同士で融合することが出来る。器用にも、マリンとアクアが腕だけを融合させてくる。
 二人の腕に搦めとられたペニス。まるで二つのマンコに同時に味わっているかのような気分だ。さっきよりも二倍くらい強い刺激が走った。
「ああぁああっ、くううっ!!」
「あ、ほ、ホントに気持ち良いやっ」
「でしょ?」
「全身に温かいものが広がってくる感触。なんか落ち着く」
「うんうん。ゾクゾクするよねぇ」
「ふうっ、んっ、ゆ、勇者、さまぁ……」
「うぐううっ、マ、マリンって言ったか? なんて緩急だっ!!」
「勇者さま、もうイキそうなの?」
「…………」
 俺は黙って頷く。スライムエッチが始まって、まだたったの二分だ。
 マリンの参加から、まだ三十秒しか経っていない。
 けど、早漏なんて気にしてる余裕もないくらい気持ち良くて・・・
 俺は、早々に二匹の腕の中に精魂を吐き出した。

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ももえもじ 2020/05/23 08:00

【小説】お嬢様だって足が臭い!!-第一話

概要

英傑は、ひょんなことから三人のお嬢様と知り合う。
彼女たちは根っからの箱入り娘であり、驚くほどに性の知識が無かった。
にも拘らず、性欲は人一倍という。
始めは調教ごっこのつもりで遊ぶ英傑だったが、次第に三人の性欲に圧倒されていく。


第一話-前半

 権威主義の家柄にて生を受けた令嬢たちは、権力者の独善的な私情によって人生の多くを支配されていた。上流階級の血筋に恥じぬよう、幼少期から英才教育を叩きこまれては、決められた将来へと歩まされる毎日である。進学先や仕事、結婚相手に至るまで徹底的に管理される彼女たちに自由や娯楽など有りはせず、これからも死ぬまで血筋やらを全うしなければならなかった。

「……そう思ってた時期があったよ~」
 頭を艶々に光らせた女学生の、溌剌とした声が聞こえる。名前を杏里といい、髪の毛を金色に染めたり、身体にタトゥーを掘るなど調子の良い奴だが、これでも歴とした名家の娘であり、彼女も生まれながら親に敷かれたレールを直走る存在だった。
 ……しかし、髪染めや彫り物、それと俺の顔面を踏みつけて悦に浸る様子から、杏里が既に親の望む姿から逸脱しているのは言うまでもないことである。
「ねぇ~、感触ばっか愉しんでないで、ちゃんと臭いも嗅いでよ!」
「はいはい、お嬢様。……すぅ~はぁ~、すぅ~はぁ~」
「ふふっ、くぅう……やっぱり、これ気持ちいいわぁ、ホント❤」
 肉付きの良い杏里の足が俺の鼻へと押し付けられる。お嬢様の卑猥な悪臭が俺の鼻を刺すが、不快感なんて毛ほどもない。前足部と踵を両手で支えると、俺は足底から立ち込める饐えた臭いを犬のように嗅ぎ惚けた。
「んっ、くふふっ、んっ……ぁっ……」

 土踏まずにキスをしながら露骨に鼻を鳴らすと、杏里が小さな喘ぎ声を零す。足の裏に感じる唇の感触と、足の臭いを嗅がれる羞恥により身悶えている。
「ったく、臭いを嗅がれて興奮するとか、どんなお嬢様だよ」
「は、はぁ? 女の子の足の臭い嗅いで思いっきり勃起させてる奴に言われたくないんだけど?」
「良いんだよ、俺は。お前らと違って下等生物だからな」
「拗ねないでよ。んっ、んぁっ……やっぱり、親指と人差し指の間を嗅がれるの弱いわぁ。なんか、ゾクッとくるよ❤」
「ここの臭い酷いな……んっ、すぅ~はぁ~、すぅ~はぁ~。ヤバい、ここの臭いマジで興奮する……すぅすぅ、くんくん、はぁはぁ……」
「んっ、ふぁあ! アンタの為に、靴下は洗濯しなかったんだ。自分でやっといてなんだけど、やっぱ恥ずかしいわ。んっ、ぁあっ……で、でも、この燃えるような快感……堪んないっ!」
「靴下を取り換えなかったのか。道理で、いつもより臭いわけだ」
 杏里の臭いが鼻から脳へと達すると、脳内麻薬が分泌したような心地に陥る。ムンムンと漂う酸っぱい香りを貪るに連れて、俺の股間が火を噴かせていた。
「んくぁあっ! は、鼻が足の裏に当たってっ、臭いも嗅がれて……恥ずかしいっ! 恥ずかしすぎて、変な声出ちゃうっ!」
「ああ。杏里っ、お前の臭い、最高だよぉっ!」
「んはぁあっ、英傑っ、英傑っ! もっと、もっと臭い嗅いでぇっ」
 獣のように我欲を全うする俺の姿に、杏里も燃えるような興奮を覚えていた。情欲が極まり、蕩けた瞳で縋るように俺を射抜いてくる。俺も、杏里のそんな視線に魅入られていた。
「あのぉ~、英傑さま。申し上げにくいのですが……杏里さんばかりではなく、私の臭いも均等に嗅いで頂けませんか? 随分待たされて、私のアソコも大変なことになっています……」
「ぇ、英傑さん……あ、杏里さんとイチャイチャし過ぎですっ!」
 杏里に理性を刈り取られかける中で、隣から二つの声が掛かった。足を差し出しながら待ちぼうけを喰らっていた少女達である。
「あ……すまん。つい夢中になって」
「最近は杏里さんばっかりですよね。もしかして、英傑さまは、杏里さんを心に決めているのでしょうか?」
 杏里と並び、同じく俺へと足を投げ出す女学生が、ムッとした表情で睨んでくる。彼女たちもまた、俺に足の臭いを嗅がれる存在だった。
「そ、そんなわけないだろ! ……ごめん、沙彩さん。ちゃんと沙彩さんの臭いも嗅ぐから。勿論、結衣ちゃんの臭いもね」
「ええ、お待ちしております♪」
「は、はい。あ、あ、ありがとう、ご、ございます……で、でも私は最後でも、ぜ、全然構いません……」
 俺を神聖視して「様付け」を止めない沙彩さんと、男慣れせず吃音が目立つ結衣ちゃんに平謝りをする。どちらも杏里と同様に育ちの良いお嬢様であり、天地がひっくり返らなければ、俺のような下民が涎を垂らしながら易々と触れて良い相手ではなかった。


「それじゃあ、次は沙彩さんの足、いきます。……すん、すん、すぅ~~、はぁ~~。……あああ、本物のお嬢様の足の臭い……嗅いでるだけなのに、身体が浮きそうな感覚だよ」
「ありがとう……ございます、英傑さま❤」
「オイ、アタシも本物のお嬢様なんだが……」

 だが、天地はひっくり返ったのだ。
 杏里のツッコミを他所に、俺は沙彩さんの足を愛でるように抱えて深呼吸を繰り返した。沙彩さんの臭いが鼻から全身に染み渡ると、ぽつぽつと脳汁が迸り、地に足がつかないような気分になってしまう。
「沙彩さんの臭い……た、堪んないっ! はぁっ、はぁっ……」
 十歳近く年が離れているのに、沙彩さんと「さん付け」してしまう貫禄が彼女にはある。及ばぬ鯉の滝登というのか、どうも沙彩さんのような上品すぎる子には頭が上がらなかった。
「ぁっ、んあぁっ! 身体がっ、もう熱くなってっ……英傑さまに足の臭いを嗅がれているだけなのに……あ、頭が真っ白になってしまいますっ……はぁっ、はぁっ、はぁあん❤」
 高嶺の花は、相当な感度を誇っていた。
 鼻柱を足裏へと押し付けて大きく息を吸い込むだけで、沙彩さんが背筋を戦慄させて身震いする。早くも顔を真っ赤にしては、瞳を熱く蕩かしていた。
「すぅ~はぁ~、すぅ~はぁ~。沙彩さん、相変わらず感じやすいね。愉悦に浸ってる顔、めっちゃエロいや……すぅ、はぁ~~っ」
「ひっ、ぁああん! ぁっ、ぁああ……恥ずかしくてっ、なにも考えられませんっ! ゃぁあ……お顔、視ないで下さぁい……いま私、絶対に厭らしい顔してるっ! ……こんな姿を父に見られたらっ、間違いなく勘当されてしまいますっ!」
 沙彩さんが涙目で身を捩る。変態プレイを純粋に悦ぶ杏里とは違い、沙彩さんは由緒正しきお嬢様に有るまじき姿勢への背徳感から興奮しているようにも見えた。
「ああ、全くだ。俺みたいな得体の知れん男に隈なく貪られて、こんなエッチに感じてるんだからなぁ。もしこんな姿を両親に知られたら、どうなるんだろうな?」
「はぁあっ……私、いけないことしてます……ぁっ、あああっ、ぁっ……こ、これじゃあ……両親に失望されちゃうぅっ!」
 臭気を吸い上げる度に、沙彩さんが壊れた機械のようにガクガクと全身を揺らす。果てには、勢力家の娘として不相応な自分を謝罪しながら、沙彩さんがオーガズムに達した。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……この快感、未だに慣れません❤」
 筋肉を弛緩させ、呼吸を整えながら沙彩が口を開く。
「はぁ、はっ、はぁあ。臭いを嗅がれることで、ここまで解放的な気分に浸れるだなんて……英傑さまに出会わなければ、絶対に知り得ないことでした❤」
「礼を言うのは、確実に俺の方なんだけどね。どうも、沙彩さんは俺を高く見過ぎる傾向があるんだよなぁ」
「ホントだよ、沙彩。コイツなんて、ただの不法侵入者じゃん。まあ、いまの環境には私も感謝してるけど、こんな変態にそこまで畏まる必要なんてないんだよ」
「その通りなんだが、言われるとグサッと来るな」
 さっきまで足の臭い嗅がれて善がってた癖に。
「杏里さん、失礼ですよ。英傑さまは私の恩人なのですから。英傑さまは窮屈にしていた私に数々の素晴らしい世界を教えてくれました! ……私、本当に感謝しているんですよ?」
「は、はぁ。どうも」
 沙彩さんが目を輝かせながら俺との出会いを思い浮かべている。しかし、身分も年齢も大きく異なる我々……その邂逅が良いものであるハズがない。杏里が言ったように、俺は不法侵入を働いて三人との出会いを果たしたのだ。

 定職にも就かず、四畳間のワンルームにて一人暮らし。女との面白い話もなく、日々をストレスと性欲で詰まらせてしまった結果、気づいた時には、俺は近所に聳える超お嬢様学園に不法侵入していた。
 まるでゾンビが人間の血肉を求めるように、或いは砂漠のど真ん中でオアシスを探すかのように学園を徘徊して、お嬢様の私物の一つでも盗んでやろうと考えていた。
 そして、学園で真っ先に出会ったのが、俺に足を差し出している三人のお嬢様だった。杏里たちは、俺が学園の関係者だと思ったらしい。敷地内を不審にうろつく俺に、なんの警戒心も抱かずに声を掛けてきたのだ。
 それから、何故このような関係にまで発展したのかは覚えていない。いつの日からか、彼女たちは放課後になると、わざわざ学園の外出許可を得てまで俺の住むボロアパートに足繁くようになっていた。
「不審者だった俺からエッチを教わりたいだなんて、お嬢様ってのはホントに変わってるよな。まあ、そのお陰で俺は警察に捕まらずに済んだんだけどさ……」
「本当だよ。英傑なんて捕まっちまえば良かったのに」
「杏里さん、またそんなこと言って。英傑さんが嫌いなんですか?」
「い、いや。嫌いじゃあないけど、さ……」
 一つ言えるのは、彼女たちが性に対して強い関心を抱いていたということ。全寮制な上に、ネット環境は厳しく制限され、外出の際にも一々許可が必要という牢獄的な学園に通うお嬢様方は、井戸の外に広がる世界が恋しくて堪らなかったらしい。ロクに働きもせず、日々をエロサイトの物色に費やしては、いつもオナニーに耽ってる俺のことが神々しく見えてしまうほど俗世に憧れていたのだった。
「その議論はまた今度にしよう。早く続きに移らないと結衣ちゃんが退屈しちゃう。待たせちゃってごめんね」
「い、いえ。と、とんでも、ない……です。ょろしくお願ぃします」
 無駄に回想に浸ってしまったが、まだエッチの途中である。沙彩さんがエクスタシーの余韻を味わっている間、俺は最後の相手こと結衣ちゃんに食指を伸ばした。
「……んっ!」
 ハムのように瑞々しくプルプルで、ムダ毛の一切ないツルツルな脹脛を抱えて優しく撫でると、結衣ちゃんが小さな呻き声を上げる。未成熟で童顔の、性に悶える結衣ちゃんのエッチな表情が俺の官能を天井知らずに突き上げていく。
 俺は、覚悟を決めて足の裏に顔を埋め、目一杯に深呼吸をした。

「すぅ~~~~っ……………………………………」
「ふあぁあぁっ、え、英傑さんがっ、私の臭いをっ……❤」
「さーて、今日は何処まで耐えられるかな?」
「シッ、杏里さん」
 俺は、可愛い女の子が相手なら尿だって飲める自信がある。足から放たれる臭気など、俺にとって官能以外の何物でもない。そんな俺だが、結衣ちゃんの臭気だけは別腹だった。
「ぅ、うう、ぇ、ぇいけつ、さん……」
 臭いが鼻から脳に行き渡り、俺は結衣ちゃんの脹脛を抱えたまま固まってしまう。結衣ちゃんの足からダダ洩れる香味……それは、強烈な悪臭と破竹の苦味を伴う「えぐ味」だった。
 催す吐き気を必死に堪えて、なんとか笑顔を浮かべる。そう、結衣ちゃんには、体臭があまりにもキツいという難点があった。
「…………くぅ、相変わらず……」
「ぁ、あぅ……ご、ごめ、さい……足が、その、臭くて……」
「い、いや。いつも言ってるだろ。結衣ちゃんの臭い、俺は好きだよ。……コンプレックスにするほどのもんじゃないってさ……」
 涙目で謝る結衣ちゃんに、俺が精一杯の擁護をする。結衣ちゃんの臭いを初めて嗅いだ時、俺は思わずトイレに駆け込んでしまった逸話がある。
 ただでさえ劣等感に苛まれやすい性格の結衣ちゃんだ。俺の、あの防衛本能は彼女を強く傷つけたに違いない。だから、俺は償いとして結衣ちゃんの悪臭に興奮を覚えるまで堪能する使命があった。
「……すぅ、はぁ、すぅ、はぁ……」
 しかし目に染みるほど臭い。杏里や沙彩さんのような、臭くて酸っぱいけど何処か淫猥で、つい嗅ぎたくなってしまう臭いとは違う。なんだろう、昆虫の死骸から発するような、腐った臭いに近い気がする。
 ……決して口には出さないが。
「すぅ、はぁ……んっ、ぺろっ…………ぅぇっ」
「なんだ、英傑ってば、もう結衣の臭い克服しちゃったんだ」
 ただ、人形のように均整の取れた愛らしい少女が臭いの発信源であることは事実なので、如何な腐臭だろうが、やはり俺の股間の滾りは避けられない。先ほどから、下着が先走り汁による不快感に見舞われ、ズボンを突き破る勢いで下半身を盛り上げていた。
「ぁぅ……ぇ、英傑さんのおちん〇ん……すごいことになってます……わ、私の臭いを嗅いで……あんなになっちゃう、なんて……」
「今更ながら、英傑ってホントにキモいな。あの結衣の足の臭いでも興奮しちゃうとか。一説じゃ、結衣の体臭を利用して化学兵器を作ろうって話も持ち上がってるくらいなのに」
「そ、そんなの持ち上がってないよぉ……」
「でも虫は殺せるよね?」
「殺せないよう……」
「ははは。まあ、確かに……ちょっとアレな臭いだよね」
 噂に名高い結衣ちゃんの足を愛でる俺。露骨に勃ったテントを前に、結衣ちゃんの視線が釘付けになる。自他共に認める悪臭を大の大人が喜々として貪っているのだ。結衣ちゃんは、湯気が出るくらい顔を真っ赤にしながら、止め処ない羞恥で下着を愛液でジワリジワリと濡らしまくっていた。
「はぅっ、やっ、ふぁああっ! え、英傑さんっ、も、もう止めて下さいぃいっ。わたっ、私のっ、臭いですからぁ! ぅううっ、うっ……ひくっ、ひっ、ひぁああ、ぁっ、ふああぁっ! 私、英傑さんの傍に居られればそれで満足です。嗅がれなくても、別に気にしませんから……沙彩ちゃんと杏里さんの臭いだけ嗅いでいて下さいよぉ。ひっ、はぁあぁっ!」
「なに言ってんだ。俺が嗅ぎたいから嗅いでるんだよ」
「う、嘘、だぁあ……だって、最初の頃……わたしの、臭いでっ……英傑さん、ゲロ吐いて、悶絶してた……」
「あれは本当に悪かったって。不意だったからな……でも、大丈夫! 確かにちょっとアレだけど……割と癖になる味だぞ」
「そんなこと……ぁひっ、ひゃぁあっ! 鼻の先っ、あ、足の裏に擦られるの……と、とっても擽ったいですっ! はぁっ、あぁっ❤」
 鼻先をグリグリと押し付けて肉感を味わう。ついでに、暇を持て余した口から舌を伸ばして後足部を舐め始めた。
「ぁっ、ゃああっ、ひぎっ、ぃいっ! 踵、あったかいっ! 英傑さんの舌の感触、すごく伝わってきて、き、気持ちいいっ! ぁああっ、だめっ、そこ……弱いんですっ……イ、イッちゃうっ……❤」
「結衣さん、羨ましいです♪ 英傑さまに舐められて……私の足は舐めてくれなかったのに……」
「良いだろ、結衣ちゃんは特別なんだ……ちゅっ、ちゅくっ、れろっ、ぺろっ……あああ、マジで興奮してきてヤバい。なあ……今日も、靴下、貰って良いか? んっ、ふぅっ、はぁあっ!」
「ちゃんとアタシらの足も舐めたらね」
「分かってるって。でも、まずは結衣ちゃんのを堪能してからだ」
 ぺろっ、ちゅっ、ちゅぱっ、んっ……ぷちゅっ。
「はぅ……」
 さっきよりも沙彩さんと杏里の息遣いが荒い。
「はぁ、はぁ……観てるだけで身体が熱くなってきました。局部もジンジンと火照っています……❤ ふぅ、ふぅっ、ふぅっ……」
「ぁあもう、変態の、変態行為を観て興奮するとか、アタシっ……! 熱っ! 股間、めちゃ熱いっ……んっ、うくっ、ふぁあっ!」
 場が過熱する。耐えられないといった様子で、沙彩さんと杏里が己の指を使い局部をパンツ越しに触り出す。湿っていた下着が、その水気をより広げていく。やがて快感を肥大された二人のエロい声が俺の部屋に響き渡り、淫靡で蒸れた臭いも充満していった。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、みんなの汗や、アソコの臭いが漂ってて、めちゃくちゃエロいっ! お、俺もう舐めるだけじゃ物足りないっ! 結衣ちゃん、アレいくぞっ!」
「はぁん、ぁっ、やぁあっ! アレって、アレですかっ? ぁっ、だめっ、やっ……はぁあああんっ❤」
 そこら中に漂う牝の臭いに耐えられなくなった俺は、こいつらの性感帯でもある足の指先を力いっぱいに齧った。
「ぃっ、痛ぁああぁああっ! 指っ、足の親指にっ、英傑さんの八重歯っ、ふぁっ、ぁっ、思いっきり食い込んでっ! ダメッ、ダメッ! イクッ、痛くて、イッちゃううぅうううっ!」
 官能の極まった状態での痛烈な一撃は、結衣ちゃんを最高潮へと轟かせた。甘噛みのレベルではない、噛み千切らんとする勢いで歯を突き立てると、結衣ちゃんは上半身を弓なりにして、断末魔のような金切り声を上げた。
「ひ、ひぁああ……ぁっ、ぁぁあ……」
 軽く達した、なんてもんじゃない。結衣ちゃんは、虚空を見つめて恍惚に酔い痴れていた。ボケっと口を開けて下半身をヒクヒクと揺らす。その様は、まるで魂が抜けたようだった。
「ホント、すごい感度だな。足を齧られただけでマジでイクなんて」
「結衣さん、とても気持ちよさそうです。私も、見ていて疼いてしまいました。英傑さま、次は私の足をお願いします❤」
「沙彩、順番から言えば次はアタシでしょ。ほら、早く私のも嗅いでよ。それとも、一発抜いてからにする?」
「抜くのは最後で良いよ。それより、ちょっと休憩が欲しいんだが……まあ、無理か。順番に嗅いでくのも疲れたし、今度は二人同時に嗅いでやるっ!」
「は~い、ど~ぞぉ♪」
 結衣ちゃんの両隣から二本の足が伸びてくる。両手でそれを掴むと、貪るように自分の顔面へと宛がった。足裏の弾力を味わいつつ鼻から息を吸うと、苦味のある芳醇が体内に広がっていった。
「あぁ~、二人の臭い、めっちゃ興奮するううぅっ!」
 女子が三人もいる以上、俺に休む暇はない。三人が満足するまでエンドレスに相手取るのが専らである。
 だが、如何せん彼女たちの性欲に底はなく、結局は俺がノックアウトするまでエッチが続くのがデフォルトだった。

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ももえもじ 2020/05/21 17:02

【小説】麗羽とスパイ【恋〇無双】

忠臣の思惑

「私の側近を務められるなんて、名誉なことでしてよ~」
「ありがたき幸せです。私は貴女の為に、命をも投げ捨てる覚悟にございます」
「おーっほっほっほ。当然ですわ~~☆」
だだっぴろい書斎には、金髪の縦ロールを靡かせながら不遜に笑う麗羽と、今宵より麗羽の側近を務めることになった男の二人が居た。
袁家の発展に貢献した男を、麗羽の重臣に任命した瞬間である。
しかし、気持ち良いくらい高らかに笑う麗羽とは打って変わって、男の表情は妖しく不敵な笑みだった。男の正体は他国から密に派遣された諜報部隊の一人であり、名門・袁家の重層構造や機密事項を入手する目的で潜り込んでいたのだ。
(長きに渡って袁家に尽力した甲斐があったな。ついに名門の権力を手にすることができた……)
男が心の中で大きな溜息を吐く。簡単な任命式を終えると、男の思惑を露ほども知らない麗羽が本当に嬉しそうな顔をして口を開いた。
「実をいうと、初めて会ったときから貴方には一目を置いていましたのよ。私の重臣になってくれて、本当に嬉しい限りですわ~☆」
(随分と持ち上げてくれるな。まあ、これまで不必要なほど袁家に尽くしてきたから当然か。それにしても、なんて無防備な君主なんだろう)
珍しく褒めちぎってくれる麗羽に、男の内心は溜息が絶えない。俺の裏切りを知ったとき、麗羽はどんな顔をするのだろうかと、そんなことばかり考えていた。
「……光栄です、袁紹様」
「そんな……貴方は寵臣なのだから、そろそろ私のことは真名である『麗羽』と呼んで頂きたいですわ~☆」
「はぁ、恐縮です。麗羽様……」
「ん~、重臣と認めた時といい、いまいちパッとしませんわね~。私の側に居られるという栄誉が、嬉しくないんですの? 真名の交換というのは、貴方が思っている以上に重要なことでしてよ?」
(そんなことはない。この時の為に、いままで時間を費やしてきたのだから。……しかし、なんなんだろう。確かにそれほど達成感が無いというか、むしろ心に靄がかかったというか……)
袁家の内部情報を盗んで祖国へ持ち帰れば、忽ち男の裏切りも発覚して麗羽は大いに悲しむだろう。重臣が内通者とあれば、その者を任命した麗羽は確実に群衆から非難されて没落する。……と、スパイな男は祖国の為に機能する傍らで、麗羽を想いズキリと胸を痛ませた。

麗羽に忍び寄る男

重臣を任命されて暫くが経過した日の夜。男は袁家の情報を一通り網羅し終えて、祖国へ帰還する用意も既に完了していた。
「こことも、もうお別れか。袁家の重臣とは居心地が良いから帰る足も重くなりそうだったが、やはり我が国が一番だからな」
後は帰国するだけ。しかし、男には袁家で成し遂げるべき究極の野望があった。
「ずっと抑え続けていた性欲を解放する時がきた。俺は、最後に麗羽を犯さなければならない。初対面の頃から、ずっとヤりたいと思ってたんだよなぁ……あのふくよかな胸に、むっちりとした足、それに、あの自慢げな頭髪、全てに魅力を感じていた。もう会うこともないし、無理やりにでも思うがままにしてやろう」
魅惑的なスタイルを持つ麗羽の側で仕え続けていた男は、毎日のように滾って止まない情欲を必死に押さえ込んで我慢していた。
「ようやくその時が来た」と、男が下衆な笑みを浮かべて、湯あみに出た麗羽の後を忍び足で追いかける。いつもと同じように、麗羽は一人で露天風呂に浸かっているようだ。男は大きな深呼吸を何度か繰り返して突入した。
ガラララッと音と共に勢いよく妻戸を開けると、麗羽が軽い悲鳴を上げながら心底慌てふためいた様子で男の方へと振り返った。
「きゃぁっ!! い、いまは私が入っているんですのよっっ! ちょ、ちょっと出てってもらえませんこと?」
かなり面食らったようで、麗羽が早口で喋りながらバシャバシャと湯水の音を荒立たせて距離を取る。男も湯に入ると、赤面しながら狼狽える麗羽にグイッと近付いた。
「常々思っていたことがあります。素性の知れない山賊が多い昨今、一人で湯あみをするのは危険極まりありません。これからは、私も共に湯を浴びます」などと提言しながら――。
たゆまぬ饒舌と演技力、そして卓越した知能を備える男に、基本的に能天気かつ物事は全て臣下任せの麗羽がやり込められないハズもない。男の口車に言いくるめられた麗羽は、赤い顔で俯きながら「そ、それもそうですわね……」と返して渋々と承諾した。
肩が触れ合うほどの距離に、麗羽は顔が上げられないほど身を縮みこませている。二言目には「おーっほっほっほ」など、絶えず喧しい普段とは打って変わり、極度の緊張から麗羽は俯いてばかりだった。
男の方も、獣のように襲うつもりで乗り込んだというのに、麗羽の変わりように戸惑ってしまう。得体の知れない甘ったるい空気が辺り一面を包み込んだ。
「耐えられん、もう始めてしまおう。……麗羽様。想像通り、とても豊かな胸乳をお持ちのようですね」
こそばゆい雰囲気が苦手な男は、唐突に目の前に聳える麗羽の肉実に両手を伸ばし始める。掬い上げるように麗羽の乳房を支えると、ずっしりとした重量感が手のひらに伝わった。
「うおっ、やはり生半可なモノではありませんね。初めて会ったときから、ずっと揉んでみたいと思っていました」
突然の出来事を理解するのに時間が掛かったのか、男の行為に麗羽が一歩遅れて我に返る。麗羽は、またも悲鳴を上げて猛スピードで男の側から離れた。
「なっ、なにするんですのっっ!!? い、いくらアナタでも無礼ではなくて!?」
鼓動を激しくしながら顔から火を噴き出して、小動物のように男をジッと見つめて警戒している。
「おや、そこまで取り乱されるとは思いませんでした。不快でしたか?」
「だっ、だだだ、だって……」
「だって……?」
「…………」
男の性的な嫌がらせを受けて本能的に逃げてしまった麗羽だが、なにが問題だったのか言葉には表せないようである。
「だ、だって……く、君主である私の素肌に下の者が、い、いきなり触ろうだなんて、その……へ、変ですわ!」
「そうでしたか。私の出身地では王は常に裸であり、こうした行為は寧ろ王に対する礼儀に相当していましたので。文化の違いでしたね」
「そ、そうだったんですの……?」
特に背徳を感じる様子もない男に、麗羽が少しだけ冷静を取り戻す。一方で、これまでの反応から男は、麗羽が男性との経験がなく、その手の知識にも疎いといった旨を直感的に理解していた。
「ええ。私の居た大陸には真名が存在しない代わりに、こういった性的な行為で忠誠や信頼を証明していたのです」
「性交……実はまだよく分からないのですが、な、なるほどですわ……だから、アナタには真名がないのですね。言われて見れば確かに、信頼の足らぬ者に肌身を晒すことは許されないと父上が仰っていたのを思い出しましたわ。そういうことでしたのね」
「はい。私的には、麗羽に全てを捧げるつもりでしたが、如何でしょうか?」
「…………わ、わかりましたわ。私も、貴方に全幅の信頼を置きたいと思っておりますの。だから……その、貴方の『真名』も、ここで頂きたいですわ」
「……光栄です」
勿論、大陸うんぬんの下りは全てでっち上げである。正体を隠している身であるため、ただ真名を隠していただけなのだが、まさか形で役立つとは思わなんだ。……と、男は裏腹で心躍りしていた。

右も左も分からぬ麗羽に性を教える

「な、なんだかドキドキしますわ」
忠誠を明かす儀式という名目で性交を営むことになった麗羽と男。男が石段に腰をかけると、欲情して屹立した陰茎が麗羽の目の前に聳えた。
「ひっ……!! こ、これが男の、その、い、陰茎ですのね」
麗羽が顔を火照らせながら上目遣いで男を見る。緊張でもしているのか、まだなにも始まっていないというのに麗羽は息を荒くして、まじまじと男の陰茎を見つめていた。
「男性器をお目にかかったことがなかったのですね。全て私にお任せください。まずは――」
初めて会ったときから堪能したいと思っていた麗羽の巨乳に目を移して、谷間に陰茎を挟んで欲しいと男が指示を出す。拙い動きで麗羽が自らの胸乳で陰茎を挟み込んだ。
左右から圧迫されると、陰茎がすっぽりと麗羽の乳房に包み込まれていく。そして訪れた圧倒的な快感に、男が軽い呻き声を漏らした。
「す、素晴らしい心地です。そのまま、上下に擦っては頂けませんか?」
「わ、分かりましたわ」
たぷたぷと揺れ動く巨大な乳房が、おもむろに動き出す。胸乳に魔力でも内包されているのか、一たび巨乳が揺れ動くと陰茎の根元から全身まで快楽が駆け巡ってくる。
「っ……くっ……」
「……? 苦しいんですの?」
「い、いえ。麗羽様の乳房がとても気持ちいいんですよ。さすが麗羽様というべきか、素晴らしいモノをお持ちですね」
「お、おほほほ。当然ですわ☆ 喜んでもらえて、私も嬉しくてよ、ほほほ」
褒められた麗羽が、徐々に調子を取り戻す。気を良くしたのか、乳房を動かす速度も上げて左右からグリグリと刺激を与えてきた。
「それにしても、男性の一物がこれほど大きかったなんて、全く知りませんでしたわ……それに、こんなに熱いなんて驚きですわ!」
物を知らなさすぎる麗羽に男が笑う。名家の者が臣下のペニスに一生懸命に奉仕しているのも滑稽で面白い。男は、これまでない居心地の良さを感じていた。
「おほほほ、本当に気持ちよさそうにするのですわね。見ているだけでコチラも気分がよくなりますわ。自分で言うのもなんですが、私の胸の柔らかさには自信がありましてよ?」
「そのようですね。いま、私の身体には、とてつもない快美感が広がっています。絶頂もそろそろ近いでしょう」
「ぜっちょう……?」
「射精するという意味です。快感が最高潮に達して精液を放出します」
「しゃ、しゃせい? せいえき?」
麗羽が男の言葉を反芻する。どうやら、性の知識は本当に毛ほどもないようだ。話しながらも、しっかり陰茎を扱いていく麗羽に、射精感が限界まで押し寄せてきた。
「その目でお確かめくださいっ、くっ、ぅぁっ……い、イキますっっ!!!! ぅっ、ぅぁぁああっっ!!!!!!」
腰を仰け反らせながら、男のいう忠誠と信頼の証を麗羽へとぶちまけていく。なにが起こるか予想できなかった麗羽は、避ける間もなく精液を顔面で受け止めてしまう。
「きゃぁああっ、な、なんですのっ、これぇっ……ひゃぁあ、ね、ねばねばしていて、へ、変な臭いですわ……」
「はぁっ、はぁっ……めっちゃ気持ち良かった……これが南蛮でいう忠誠の証です。これにより、真の意味で麗羽様に尽くすことを約束したことになります」
「な、なるほどですわ。そ、それでは、これで終わりですの?」
「…………いえ、南蛮では、最低でも二回は射精しなければならないことになっています。麗羽様、あと一回残っていますが、よろしいですか?」
「え、ええ。もちろんですわ。この麗羽に不可能なことなんて、ありませんのよ! さあ、もっと胸で擦っていけばいいんですのね?」
「あー、いや。次は嗜好を凝らして別の方法を採りましょう……」
男は、そういって次の指示を出した。

麗羽の髪コキ

「こ、これで良いんですの?」
続いて男が出した指示は、麗羽の長い髪の毛を陰茎に巻き付けて手で扱くといった行為である。
麗羽の特徴的な髪の毛が男の陰茎に絡みついていく。ふわりと蕩けるような匂いが漂うと同時に、麗羽が手を動かし始めた。
「ああ、麗羽様の髪の毛で扱かれたいと前々から思っていました。念願が叶って幸いです」
「これが念願でしたの? これくらいなら、いつでもやって差し上げますわ」
「え、本当ですか?」
「これくらいお安い御用ですわ。でも、貴方にだけです。なんとなく、他の者にはやりたくないですわ……」
「…………」
赤い顔をしながら、そんなこという麗羽にときめかない者などいないだろう。男も例外ではなく、麗羽の言葉に心が躍った。
「わっ……なんだか、先ほどより大きくなってません? それに、どろどろとしてて、より一層熱くなっている気がしますわ……」
「麗羽様の言葉が嬉しくて感動したのです。こんな私に信頼を寄せてくれて、本当に幸せを感じました」
「私が相手ですもの、当然ですわ~。……ですが、なんででしょう、貴方になら、なんでも許せてしまうような、そんな気がしてしまいます。これも、貴方の魅力故にですわね……いまも、貴方の一物を扱いているだけで、なんだか私の心が満たされいくような感じがしますわ……」
「…………」
(この後のことを考えると、胸が切なくなってくるな。俺は、本当にこれでいいのだろうか)
繊細な髪の毛が我慢汁で汚れようともお構いなしに扱き続ける麗羽。その直向きな姿に、男の胸が大きく痛んでいた。
「それにしても、麗羽様は髪の毛まで完璧なのですね。一本一本がまるで存在感を主張しているかのように刺激を与えてくれます……」
「口がお上手ですわね。私も、貴方が気持ちよさそうに感じている姿を見るのが堪らなく好きになってきましたわ。なんというか、か、可愛いですわ」
じゃりじゃりと髪が擦れる音と共に、痛烈な快楽が幾重にも連なって襲ってくるのだから仕方がないだろう。萎えることを知らない陰茎は、そのまま絶頂を予感するまでに至っていた。
「うくっ……れ、麗羽様っ……」
「あら、また出るんですの? い、良いですわっ……もう一度、私のお顔に精液を塗りたくって下さいませ!」
頼んでもいないのに、麗羽が尿道の方向に顔を寄せる。あまりに献身的な態度に男の快楽中枢は完全に支配され、ドッと押し寄せた精液は亀頭から我先にと爆発するように迸った。
一直線に麗羽の顔面へと向かい、彼女がそれを全て受け止める。精液を受け止めた麗羽が満ち足りた表情を浮かべながら手で精液を掬い上げて、自らの口へと運んだ。
「これって、尿ではないですわよね? なんだか、変な味がしますわ……」
男の精液をこれでもかというほど堪能する麗羽だった。続けて二度も射精したことで男はグッタリしながら麗羽へと凭れ掛かる。
麗羽は、無意識に男の唇へと自分の唇を重ねるのだった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・
有終の美を飾ろうと麗羽に手を出した男だったが、あれ以降も祖国へと帰ることはなく、いまでも毎晩のように麗羽と肌を重ね合っていた。
「祖国よ、お許しください」
「あら、なにか言いまして?」
「いえ、なにも言ってませんよ。それでは、今夜は如何致しましょうか?」
「そうですわね……また、貴方のおちんちんが欲しいですわ~☆ おーっほっほっほ♪」
すっかり性行為にハマってしまった麗羽。性欲は底知れずで、いまでは臥所の上でも完全に麗羽が主導権を握っているのだった。

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