フリーセンテンス 2023/08/22 12:37

次回作の犠牲者紹介

こんにちは、フリーセンテンスです。

まずはじめに、多くのリクエストをくださって、本当にありがとうございました(*´ω`)
いただいたリクエストを元に、これから作品を創っていきたいと思うのですが、コロナがまだまだ続いているため、もう少し、いろいろと、時間がかかると思われます。

ただ、今日は休みだったので、冒頭部分を書いてみました。
ですので、もしよろしければお読みになってください(´∀`)


タイトルは、「供物代行贄巫女(仮)」です。

 ・・・・・・季節は夏。この年、地球の赤道より北半分は、異常なほどの暑さに襲われて、それは国連が「地球沸騰」などという新しいワードを用いたほど強烈なモノだった。
 気温四〇度以上が各地で当たり前のように観測され、熱波による死者が続出。水不足によるダメージは、特に農業の分野で深刻で、世界の穀物生産量は昨年と比較して大幅な低下が予測された。広範囲におよぶ永久凍土の融解、海水温上昇とサンゴの死滅、超大型ハリケーンの発生と襲来が繰り返され、極地の氷が融けて大量の水が海に流れ込んだことにより海面の著しい上昇も確認された。なかでもひときわ注目を集めたのが高温と乾燥による山火事の頻発で、八月には都市が丸ごと焼き尽くされるという大惨事が発生したこともあり、地球環境の悪化を世界の人々は感じずにはいられなかった。
 環境保護活動家あたりに言わせれば「地球が怒っているのだ!」ということになるそうだが、怒っているというよりは、病を患っているといったほうが正確かもしれない。人間も病原菌に冒された場合、悪い菌を駆逐するため、身体が高熱を発して対抗するように、いまの地球は悪い存在を倒すべく熱を発しているのかもしれなかった。
 地球沸騰による影響は日本とて例外ではなく、この夏、日本の各地は毎日のように危険な暑さに襲われた。各地で最高気温が毎日のように更新され、ダムの貯水量低下にともなう深刻な水不足の発生や、熱中症による死者の増加は、マスコミ各社から報道されたとおりである。
ただ、唯一、日本の夏は山火事とは無縁だった。乾燥とは縁遠い気候は人や動物にジメジメとした不快な暑さをもたらすが、それは大気が水気に富んでいる証拠であもあり、ゆえにこの夏も、日本の山はどこもかしこも深い緑に覆われていて、荒んだ人の心に涼をもたらすことしばしばだった。
 しかし、どこにでも例外があるように、その山は、まるで大地が力を失ったかのように水気が乏しく、夏だというのに地表は乾いてひび割れていた。枯死した木々も目立ち、生きている樹も葉の数と量が少ない。草も生い茂ることなくまばらに生えているのみで、蝉の鳴き声も、鳥のさえずりも聞こえてこない。静かだった。また、草木で空が覆われていないため、地上から見上げる空の青いことこのうえなく、夏だというのに、もはや秋の終わりのような様相をていしていた。この山全体があきらかにおかしく、異様だった。
 この山は、名を「降星山」といって、昔、宙から星が堕ちてきた伝説に由来して名付けられた。古来より信仰の対象として入山が厳しく制限されており、それは近代になってからも続いている。その山を、まさにいま、ひとりで歩く者の姿があった。
ザッ、ザッ、ザッ・・・・・・。
 乾いた大地を踏みしめる音が静かに響く。歩くその者は、一般的な登山者の格好をしていなかった。白を基調とした修験装束に身を包み、藁で編んだ草履を履いて、編み笠を深く被り、柄の長い錫杖を手にしていた。恰好といい、雰囲気といい、漂わせる気配といい、ひと目でただ者でないことが伺い知れる。しかし、悲しいかな。雰囲気や気配以上にその者が醸し出している「女性」としての魅力が、彼女を俗物へと堕としてしまっていた。
 山奥をひとりで歩いているその者は、まったく、女としての性に富んでいると言わざるを得ない。背丈は低く、身長はおそらく一五〇センチ前後だろう。体幹は、全体的に「しっかり」しており、荒れた山を歩く動作に無駄がないことからも、相当、身体を鍛えていることが推測できる。しかし、布地が厚い修験装束でも包み隠せないほどの身体的特徴――すなわち、胸に重々しく実った大きな乳房と、肉感たっぷりの大きな臀部の存在が、彼女の女性としての性的魅力を否応なく見せつけているようだった。
豊満恵体の見本のような身体つきをしているといって過言ではない。なにせ、胸の大きな乳房は、大玉西瓜を抱いているかのごとく巨大であり、歩くたびにゆさゆさと揺れることいやらしく、性的魅力と雌としての色香を無意識に振りまいてやまないのだ。また安産型の大きなお尻の存在感も素晴らしく、厚い布地の上からでも割れ目がくっきりとわかるほどの重厚さを醸しだしており、形といい、肉づきといい、世界トップクラスの臀部だと断言していいだろう。修験装束を剥けばどれほど立派な裸体が露になるか、想像しただけで垂涎ものの身体つきをしている。
 もし、周りに異性の登山者がいたならば、場所が山奥であることをいいことに、襲って、攫って、剥いて、裸にして、欲望赴くまま怒張した肉棒を挿入してしまうに違いない。しかし、どんなに肉体が魅力的でも、容姿いかんでは、男の欲望を萎えさせてしまうのが世の常だ。天は二物を与えんということわざもある。乳房や臀部がどんなに立派でも、編み笠に隠された容姿はブサイクで、もしかしたら醜女であるかもしれないのだ。
 しかし、違った。天は、どうやら二物を与えたようだった。彼女がふと足を止め、無言で編み笠を上へと押し上げて周囲を見渡した時、覗いた容姿は大変美しく、整っており、端麗そのものだったからだ。
「・・・・・・山全体が力を失っている。やっぱり、この山は、魔なるモノに侵蝕されているとみて間違いなさそうね」
独白めいた口調で語る顔つきは、険しさと真剣さとを見本にしたような顔つきであったが、いかせん、迫力に欠けていた。端麗な容姿に幼さの成分が含まれていたからだ。童顔、というよりは、年齢相応の顔つきだった。ただし、それが容姿のマイナス点として作用することはなく、むしろ五年後、一〇年後の成長を想像する余地を含んでいることで、魅力の水準を底上げしていると言って過言ではなかった。
 彼女の顔立ちは小さく卵型で、大きな瞳は黒曜石のように美しく、鼻と口は小さく愛らしい。張りのある肌は白く瑞々しく、黒い艶のある髪は肩まで伸びていて、前面も、後面も、側面も、等しく均一に切り揃えられていた。
 端麗な容姿に、豊満な肉体を持ち、天にえこひいきされたとしか思えない彼女の名前は神宮司瑠莉奈といった。年齢は、一七歳。三カ月前に計測した身体的数値は、身長一五四センチ、バスト一一三センチ、ウエスト五四センチ、ヒップ九八センチ、そして体重は五七キロと平均よりもやや重いが、これは当然といえば当然の数値である。なにせ、彼女は見た目のとおり、胸と尻が異様に大きいのだ。重くて当然である。
 年齢が若いゆえ、彼女の社会的な立場は学生と思われるが、違う。では、恵まれた容姿と肉体を生かした職業――グラビアモデルとか、セクシーアイドルとか、でもない。彼女の社会的な立場は、退魔巫女である。霊力と超常の御技を用いて魔を調伏することを生業としているのだ。
 瑠莉奈は、先祖代々、陰に陽に、人に仇なす魔のモノを退治することで生計を立ててきた神宮寺家の一員である。血族は、本家と分家合わせて二〇〇人近くおり、血の濃さと先祖伝来の高い霊力を維持するため、近親婚を繰り返してきた歴史を持つ。修験者、代行術師、退魔巫女、陰陽師、それにただの霊能力者など、立場や年齢で様々な職名を冠しながら、現在も五〇人近い血族の者が退魔業に就いている。瑠莉奈はその最年少従事者で、この降星山を訪れたのも、とある依頼を受けたからであった。


こんな感じで書き進めていきたいと思います(;´∀`)

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索