光る君へ 15話 の感想

光る君へ 15話
「おごれる者たち」の感想です。

光る君へ

　平安の花
私は浅学ですが、有名な逸話の連続にXのクラスタで感動の嵐の連続でした。
人が推しに狂う様、美しい……

堕ちる道兼　拾う道長

　「俺はもう死んでんだ」
溢れ出ていた承認欲も権力欲も、ずっとまとっていた空威張りも全てこそげ落ちて。
ただただ腹の底からこぼれ出た言葉。

　父に捨てられ妻子に逃げられ。
まだまだ後も逆転の目もあるのにこのダメっぷり。
前々から非道で暴力的なのに可愛らしいところがありましたが、哀れで。
そしてもう完全にダメ可愛いよ！(笑

　自らの業に父の罪を被り、自分をずっと傷つけ続けてきた、そして捨てられた痛み。
まだ犯した罪に対して軽い罰かもしれませんが、やっと「道兼」という一個の人間として歩み始めたように思い、ほっと安心しました。
　良かったねぇ……

　藤原公任くんは流石に可哀想でしたが（笑

寄り添う距離が優しく歯痒く

　愛する人の母を殺し、自分も何度も殴られたのに、道長にとってはずっと兄だったんだなぁ。
道長はぼんやりしてて、懐が深くて器が大きくて、何より優しいですよ。

　兼家を呪い子を喪った明子への事務的な関係ながらその痛みも喜びも気遣う優しさ。
決して見捨てず、隣に寄り添い繊細な傷に触れない優しさが、道長の人となりであり。
その距離感が、恋する倫子様には辛いのでしょう。

　情深いのに相手の感情に影響ない時は超ドライなの、父親譲りなのかな（笑

成長著しい

　また2年時が経ち─
成長著しい一条天皇！(笑

　無官無職に慣れちゃう藤原為時パパ（笑
為時パパらしけど、ダメだよ慣れちゃ！
為時パパやまひろはともかく、乙丸にもうちょっとご褒美があって欲しいです。

　そして弟くんが大学進んでる！
慣れ、成長し、望み望まずとも変わっていく。
どんどん時が進んでいくなぁ。

出会う清少納言

　運命の出会い。
学識だけで出世を目指す桔梗が、ついに出会う運命の君、定子様。
打ち震える心が見える、一瞬一瞬開くような表情が……
眩しい！

　でも訂正はしっかりするところがまた清少納言らしい（笑

おごれる者

　〜久しからず　が成語になるのは『平家物語』からなのですね。
政治において正統たる合議も前例も無視して独裁を進め、権勢を振るう藤原道隆・伊周の傲慢。

　「綺麗な嫡子」のまま育てられ、汚い手段や他勢力との折衝を学ばせなかったのか。
政略の怪物、藤原兼家の唯一最大の失策なように感じます。
いや詮子様や道長の家は栄えたんだから成功は成功なのか……？

あああ

　物語冒頭、3大権力者最後の一人、
源雅信、その死。
雅信も少し参加していましたが、人の心の無い政略陰謀と権力のみが目的の婚姻の中で、この一家だけが癒しでした。

　最後まで妻が大好きで娘を愛していて。
道長への遺言は文句かなぁ、娘を取られた意地悪かな（笑

　最後まで可愛らしいお爺ちゃんでした。

スーツ-姉妹-の旅

　苦労ばかりの人生の中、本当に姉妹のような、まひろとさわの二人旅。
いや従者も居ますけど、2人とも自分の姫様大好き！で可愛いですよ。
お姫様たちより違う意味で可愛らしくて困ります（笑

　このままの関係がずっと続いて欲しいなぁ……
そう思っていたのに、
もう！藤原道綱くん！

書くことは

　妾の歌を諳んじ、自分の恥も含めて許し。
ああ、兼家は、寧子とその才を愛していたんだなぁ。
寧子も、兼家の優しさを信じ愛し続けたんだなぁ。

　藤原兼家という人間の奥深さに想い、また寧子(道綱母)と出会いは、まひろにとって大きな岐路になったのだと感じます。
時が移ろう中で一歩も進めず、約束した生まれた意味を見つけられないままだったまひろ。
「書くことで己を救いました」は間違いなく癒しで、紫式部となる大きな指標になったのだと。

一番大事なものに

　同時にまひろを独り占めしたかったさわには、敵わぬ恋敵だったのかもしれません。
まひろの本当の恋心に気づけたのはさわさんだけだったのに。

　藤原道綱とさわさん、良い仲になるのかな！とワクワクしていたのに、なんて残酷な……。
文学で取り残され、男女として差を思い知らされ。

　誰が悪い訳でなく……
いや道綱が完全に悪いのですけど（笑
お互いが大事でも、違う人間違う生き方だから、どうしても一緒のままではいられないのですよね。

　いつかまた笑顔で語らって欲しいですが、疫病が怖いですよ。

次回予告

　今回辛かったのに、なんだか全く違う方向に辛そうなんですけど！
まひろを襲う疫病、覚悟する道兼、吹き乱れる愛憎！
さわさん！さわさん帰ってきて！