ぶるがり屋 2024/09/16 23:00

光る君へ 35話 の感想

光る君へ 35話
「中宮の涙」の感想です。


見逃し配信 光る君へ NHKプラス

【キャスト】吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、吉田羊、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
【作】大石静(脚本家)
(C)NHK

光る君へ

 これは毎回源氏物語クラスタを尊死(コロシ)に来てますね……!
歴史、日記、詩歌、物語。
まひろが知る全てが、物語に紡がれていく……

復讐鬼 藤原伊周

 伊周の復讐計画は、道長親子の御嶽詣でを機会とした暗殺。
呪いよりは確実性と積極性が出て来ましたが、証拠とかその後の権力奪取とか、根回しがないように見えます。
 勢力復活の気になると期待していた敦康親王が自分を嫌っていると知って焦った、のかなぁ。

リポビタンD!

 ファイトー!いっぱーつ!
予告通りじゃないだろーと思ってたのに予告通りで吹きましたよ!
いや道長と頼通の遡りだとは誤解してましたが(笑

 しかし道長、子供への接し方はダメダメですねぇ。
目指す「正しい政治」も、「つつがない、通例通りの政治」が大きいですし、私より公を大事にするあまり、家族を褒めたり贔屓したりしなさ過ぎる。
 身を危険に落として臣下を守った息子・頼通を褒め、または叱るべきですし、権力闘争に敗れて苦労した源明子・俊賢には「権力だけじゃない」は無意味ですよ。
 他人の欲が分からないのかなぁ。

弟よ

 2人の弟が、キャラが深まりました。
隆家が好きになり、惟規君は……好きだけど心配です!

 中関白家没落の最後のひと押しをしてしまった藤原隆家。
今までも忠告したりちょくちょく寄ったりなど、それなりに家族を大事に思っていることはわかっていましたが、自分にことが及ぶことを恐れたり無神経だからではなく、全て分かった上で、贖いだったのですね……
 だから兄の滅亡につながる罪から、身を呈して妨害した。

 無神経で底抜けに明るいところも、人と世を読む目の確かさも、名を成したいという野望も、過去の短慮を悔やむ陰も、兄なら自分を殺さないという甘えも、全てが藤原隆家で、この多面性が人なのですねぇ。
愛しいキャラになりました。

 伊周の目的は道長の後継、頼通の殺害だったのでしょうか。
隆家の誠意だけは伝わったと思いますが、(また弟を憎みきる非情さもないと思いますが、)復讐に囚われた伊周が次に何を起こしてしまうのか、悲しいです。

 惟規くーん?
予告から身分を超えた恋かと思ったら、その危険に一番燃えてるような(笑
思ったより薄っぺらくて心配ですが、思っていたより詩歌に通じて、またそれを誇りにしていて、学問家族の一員であることが弟くんの喜びでアイデンティティになっていることが嬉しいですよ。
 ただ「バチが当たる」が不穏で、怖いです。
ずっと笑って癒しでいてくれ……。

作者インタビュー!

 私もクリエイターの端くれですが、創作の意図や意味を尋ねられるの、キツいなぁ(笑
しかも元ネタ当人で最高権力者たちですよ。
はぐらかす、応えないのも厳しい。

 一条天皇は物語の意図を聞き、宮中や最高権力者・道長の意図を調べ。
道長は物語の作り方、そしてまひろの内面を知ろうとするのですね。

 他のことは適度にはぐらかしていたまひろも、不義の子と答えて。
ずっと言いたかったのか、隠せなかったのか、賢子が貴方の子と、伝え、知ってしまったのですね。
はっきりとは言葉にせずに。

 そして、彰子さまは幼い少女と光源氏の幸せな結婚を望む。

慕う心、正しいまつりごと

 少しづつ、隠してきた彰子さまの心が露わになってくさまが微笑ましく。
まひろと同じように頬がほころびますし、恋が実るよう、心が解けるよう助言するまひろの気持ちがよく分かります。

 と思ったらも即告白したー!?
涙ながら、じっと見つめての想いの告白。
一条天皇がすぐ帰ってドキドキしましたが、「また来る」だけで、それがそれが想いに応えるという最大限最低限の、絞り出した返答だったのですね。
 道長への「今宵渡る」の、政治的重さよ……
天皇との夜の営みは、恋より肉欲より、まつりごとなのだと悲しいほど伝わってきました。
そして2人きりの語らいに、一条天皇の優しさが詰まっていて。
第一にまつりごとで、そして彰子さまを大事に、愛おしく思っていることも真実で。

道長とまひろ

 ううん、まつりごとで権力闘争で正しい政治。権力のためなのは分かった上で、「娘の初夜」を喜ぶ父と想いびとの図がちょっと嫌だなぁ(笑

 とはいえ、やっと主人公2人の本懐が叶い始めた夜。
にこやかな締めだ……
と思ったら
左衛門の内侍が見てる!
あまりに少女漫画的で吹いてしまいました(笑

 まぁそろそろ道長とまひろとの関係が源倫子さまに伝わって欲しいですからね。
ちゃんと再会して、諸々の問題を超えて、また友情を紡いで欲しいです。

全てが物語へと

 まひろの人生、そして内裏、後宮、貴族社会での全てが
光源氏物語のネタになるー!
今回は4つぐらい物語の軸があったように感じましたが、この時代の観察者・語り部が紫式部なのか。

 史実や挿話から源氏物語への導線が美しい。
面白い脚本だ。

ああ

 また予告が気になる所いっぱいなのですが、
やはり一番はききょう・清少納言の再登場。
宮廷が定子から彰子、『枕草子』から『源氏物語』に移ろう仲、官女は『源氏物語』を、今のまひろをどう対し、どう評するのか。
ドキドキワクワク気になります!

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