ぶるがり屋 2012/03/09 00:33

今週のへうげもの 感想 2012 3月第2週

西軍の敗北。石田兄弟に迫る追っ手、そして死

誰もが予測出来なかった程短時間で決した関が原。
関が原以外でも全国で西軍派・東軍派が戦闘中であり、その地域戦も結果が出る前に勝利側・敗北側が決定。
勝利した側の細川忠興は更に石田を追い、負傷した古田織部、織田有楽斎は激戦の終結に安堵する。
そして敗走、追われる石田方。
石田正澄は城を枕に切腹。石田三成は敗走を続け、その最中に己の弱さをやっと認めていく…

へうげもの(14) (モーニング KC)
著者:山田 芳裕
販売元:講談社
(2012-01-23)
販売元:Amazon.co.jp

敗戦側に巻き込まれた上田宗箇は不憫ですが、武人はこういうものなんですよねぇ。厳しいなぁ。

丹羽家も自分たちの身の安全だけで精一杯ですし、この時点だと一緒に降るのが一番とは限りませんからね。
まぁ前田家預かりが一番安全だろうとは思いますが。

お、織部気が付いた(笑
1話で欲しがっていた蘭麝待をここまで来てやっと手に入れましたか。感慨深いですね…。
傷だらけで歩けもしないだろうにガツガツと取り合う織部と有楽斎が楽しい。
こいつら死ぬまでこんななんだろうな(笑
未だ名と実が伴っていないと自覚している所が、先人たちを素直に尊敬出来る織部らしいと感じました。

整然と死を迎える石田正澄の所作が、ただ美しい。
正澄も千利休や明智光秀と同じように、目前の死を迎えてわびさびの果てを垣間見たのでしょうか。

そして敗走する三成。
今まで築き上げてきたもの、己の力だと思っていたもの全てを失い、それでも逃げ続ける。
張っていた虚勢を自覚し、また恃んでいた多くの仲間を死なせてしまった苦しみは如何ほどでしょうか。
割った茶入れに自分の不恰好な弱さと、その良さを、認められる視点を持てたのは兄と同じように死が目前だからなのか。

今までは割れてもなお小茄子の美に心惹かれていたのと思っておりましたが、割れたからこそ、そこに見出したのでですね。
個人的には、割れた小茄子に面白さを見た事は、己を投影しただけの話では無く、きっとそこに三成なりの美学・美意識が有るのではないでしょうか。
歪みの織部、曲がりの兄・正澄、そして割れの三成だったのかもしれません。
完全なもの、システマチックで安定したものを目指した三成が、割れ壊れたものに美を見出したなら、そこにこそ人のおかしさが有るような気がします。

三成と末期の柿のエピソードは有名ですが、今回は特に意識せず食べましたね。
どうするのかな?

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