ぶるがり屋 2017/06/28 14:01

先週の へうげもの 感想 20170622

あらすじ

 織部の子供たちの物語。


へうげもの(23) (モーニング KC)

山田 芳裕
講談社
2016-12-22

感想

 前回までは古田織部直系の弟子、芸術家としての織部チルドレンの物語。
今回は織部が背負った時代の子供たち、あえて言えば織部フォロワーズの物語、でしょうか。

 織田頼長改め雲正寺道八と俵屋宗達。
若く激情のままに数寄を求め、あまりにも大きく強い時代のうねりに晒された2人。
作中ではほぼ敵対していた2人が、時代の終わりとともに同じ夢を見る。
切なくも清々しく、古田織部と荒木道糞、織部と高山左近との別れを思い出します。

 風神雷神図は徳川家康と古田織部がモチーフ。
真偽はともかく、この激動の時代だからこそ、時代の流れを作品に落とし込むのも自然でしょう。
緑と白、この作品としては有るべくしてなったテーマです。
「白」は小堀遠州なイメージですが(笑

 伊達眼鏡かよ!
「伊達や酔狂」という言葉がありますが、伊達はやめて本気で酔狂を極める、そんな2人の宣言でしょうか。

 しかしまー伊達政宗がヒドい評価だ(笑
政宗は政宗で本気で隙あらば天下を取ろうと狙っていたと思いますし、そんな野心を見透かされてもなお必ず勝者について家を残した手腕は名君と言えるでしょう。
若き数寄者や傾奇者には、やっぱりダメ中年にしか見えませんけど(笑
 それでも、織部が上田宗箇や岩佐又兵衛に言っていた「生き続けて己の数寄を続ける」を見事やり抜いたようにも思えるのですよね。

 他者から見ても自分らしく生き、美学を貫くのは難しいんだなぁ…。

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