ぶるがり屋 2020/04/27 01:53

麒麟がくる 15話の感想

麒麟がくる 15話「道三、わが父に非ず」の感想ですよー。


NHK大河ドラマ「麒麟がくる」オリジナル・サウンドトラック Vol.1
ジョン・グラム
2020/1/29

麒麟がくる

 暗殺!謀殺!! 騙し討ち!!!
織田彦五郎信友の、尾張美濃(もしかしたら駿河も)をかけた謀略の顛末。
暴力と計略、名分と下克上、戦国時代が嫌という程凝縮された回でした。
失敗した側も成功した側も、家を守り国を平らかにする、と言う意味では間違ってはいないのがまたなんとも。
 あえて言うなら、嫡子を取り逃がした彦五郎と、殺し合う覚悟もなく家督を奪おうとした孫四郎の失敗と言うべきか-。

 結果として尾張は守護斯波家もろとも織田信長の支配下となり、美濃は家督争いの種を討ち取り斎藤高政の支配が進むも、先代斎藤道三との争いは決定的に。
 …そしてこの後の史実まで知っていると、正しい道筋などなく、その日その日を選び生き残れば良いのだと、道三の言が正しかったように思えます。
ショッギョムッジョ!

 斯波義銀を迎え入れる織田信長の本心とかけ離れた笑顔と語りの奥に見える本当の笑顔もですが、
帰蝶の「打(討)ちに行けば良いのです」が痺れる!
いやもー怖くて笑っちゃいました。
ちょっと目の前の信光おじ様毒殺する気に思えるくらい(笑

 対して、美濃は。
情が深いからこそ家督を譲り、情が深いからこそ高政と相争う道三が、悲しい。
 黒に赤で彩られた道三の、
愛息子2人を殺され、高政の窓下に歩み寄る倒れこむような足取りが凄まじく。
 面に影が張り付いた高政の、
弟を殺すと決めた冷たい目と、殺した後の人の心が壊れたような暗い暗い目が、辛い。

 道三の金と武力で心を圧する術を操るのが帰蝶。
愛情表現が下手で、それなのに情が濃くて抗えない性を引き継いだのが高政なのかな。

 高政と道三はもう幸せになれないと、絶望を持って確信しましたが、
帰蝶と信長は楽しそうなんだよなぁ(笑
そう言う意味でも、やっぱり生き残るのは信長&帰蝶なのでしょう。

 ただ、孫四郎が言うように帰蝶が反高政工作をするシーン自体は無いのですよね。
普通にやってたで良いのかなー。
次回で描写されることを期待しています。

 Σあ!光秀のこと書くの忘れてた!
基本は黙し、言うべき時は嫌われても言うようになり、武家一族の棟梁として成長を感じました。
今や小せがれではなく、明智の家を背負ってますからね…
高政ともかなりズケズケと、道三にも深いところまで話していたのに。
美濃斎藤家の安寧に失敗したのは、高政の誠実さを信じていたからかな…


 他、美濃国衆と駒ちゃんSIDE、この時代の雑感を少し。

 頑固一徹のイメージだった稲葉良通の優しく心を掴み取る巧言令色ぶりと、
風見鶏で人が好いイメージだった光安おじ様の暗殺を読み取った知恵者ぶりに、
戦国時代を生き残る国衆の強かさを感じました。

 最近、駒ちゃんSIDEの意味が見出せず、あんまり面白く感じないなー。
光秀の居ない知らない、高政や帰蝶視点も描いている訳ですし。
 木下藤吉郎がそろそろ織田家家中に。
駒ちゃんに教えてもらっていた四書五経を冒頭に光秀も読んでいました、で合ってるかな?
精神を学んで良き政治に生かそうとする光秀と、広い視点と学を武器に自分の出世に生かそうとする藤吉郎の対比を感じます。


 戦国時代の終結へ向けて、信長・秀吉・家康三英雄の前世代、このドラマの冒頭前くらいから一国以上の領地を束ねる武将が増えますが、何が転換の理由なのだろうかと考えます。
織田信秀〜信長もそうですし、武田信玄、毛利元就、長宗我部元親などなど。
 鉄砲は後半からですし、輸送や商業、軍事的に何かブレイクスルーが有ったのか。
それとも私が浅学なだけで、何度もこんな時期は有ったのか。
戦国時代の長さから朝廷と幕府、そして守護・守護代・本家の力が弱まり、新しい力、傑物たちが世に出る、出ざるを得ない時代になったからなのか。
 他の方々の知見も聞きたいです。

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