ぶるがり屋 2021/09/12 22:55

青天を衝け 26話 の感想

青天を衝け 26話
「篤太夫、再会する」の感想です。

青天を衝け | NHKオンデマンド
大森美香
2021/2/14〜
(C)NHK

青天を衝け

 今回は… 色々有り過ぎて文章にまとめにくいですね。
千代やおてい一人ずつで何百文字書けそうですが、流石に割愛します!

 封建時代の末期、攘夷の嵐に身を焦がし。
追われるように故郷を飛び出して、京に江戸にヨーロッパに駆けずり回り、6年。
 血洗島の畑が、木々が家が、突き抜けた青空が、懐かしく輝き、ただただ美しい。
父母が、姉妹が、妻が、娘が、馴染みの仲間たちが、そこにある愛が。
故郷の優しい美しさが。

 でももう、ずっと一緒に生きてきた喜作は遠く、幼馴染で憧れ兄貴分だった長七郎、弟のようから義弟で継子になった長七郎も居ない。
しかも少なからず自分のせいで失ってしまって。

 長七郎も…
生き延びて生き抜いて、長七郎の生きがいを得て欲しかった。
あの夢は夢枕だったのか。
魂だけになった時、若く希望と熱意に溢れていた長七郎に戻れたのか。
だとしたら、せめてもの救いです。

 だから。
惇忠兄ぃが生きてて、栄一が救われたと思うのです。
あまりにも奥の大事なものを失って、泣けないで。
同じ痛みを持つ、尊敬する兄がまだ一緒に生きてくれるなんて。

 うたが可愛い。
武士として志士として為政者としては多くの師匠が居たけど、人生の、家庭の師匠として、とっさまが最高だ。
良き父良き夫良きお大尽ですよ。
かっさまもありがたい人だけど、とっさまが完璧過ぎる。
 そんな家庭でも色々辛くて、大変で。
それでも今もまた、千代もおていも笑えるのですよね。
きっとそれは。
 うたが可愛い。

 血洗島まででもう最終回で良い!
ってぐらい良かったけど、駿府がさらに良かった。
『夢がMORI MORI』から見ていましたが、草彅剛さんはここまでの名優になられたのですね…
輝く名君から、枯れ疲れ切った中年、一時代を作った大人、
そしてたった一人の「徳川慶喜」
顔の一筋が、一挙一投足が、苦難の全てを言葉以上に物語る。

 それが分かったから、本当に知りたいことがわかったから、栄一も聞かずに頭を下げ、慮った。
慶喜も頭を下げ、答えずに背中で受けた。
栄一と慶喜は、人と人として、心が通じたのでしょう。

 ただちょっと、「徳川慶喜の謹慎」でちょっと笑ってしまいました。
栄一は嘆いただろうけど、『風雲児たち』を読むに、史上最高に謹慎慣れしてる将軍じゃないかな、慶喜(笑
当人の精神状態はともかく、多分、今までで一番楽〜な謹慎してるだろうし。


 百姓も武士も志士も貴族も将軍も、多くの藩も幕府も朝廷も、間違え、傷つけ、失い。
まだ失い続けて何も変えられていない中で、それでも。
生き延びた人間たちは、何かを拾って頭を上げて、進んでいく。
 ああ、故郷は、黒塗りの生家が、青空が、大事な人々の笑顔が、
菜の花畑のうたが、まばゆいばかりに美しくて。

 あの大樹は、なんて名前の木なのかな。

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